後手番升田先生の手を考えます。
第1問
一目先手良しですが、苦心の受けが始まります。
A 45同銀 B 55角 C 41飛
第2問
どう受けても良くないのですが、ねらいを持った受けを選びます。
A 23歩 B 23銀 C 23角
第3問
これで後手優勢に。
A 25飛成 B 55桂 C 47飛成
第4問
もう「勝ち将棋鬼のごとし」の範囲でしょうか。
A 65桂 B 69銀 C 86歩
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
一目先手良しですが、苦心の受けが始まります。
A 45同銀 B 55角 C 41飛
第2問
どう受けても良くないのですが、ねらいを持った受けを選びます。
A 23歩 B 23銀 C 23角
第3問
これで後手優勢に。
A 25飛成 B 55桂 C 47飛成
第4問
もう「勝ち将棋鬼のごとし」の範囲でしょうか。
A 65桂 B 69銀 C 86歩
今日の棋譜20220831
1948年1月、木村義雄先生と順位戦です。この年は先後2局指しています。
木村先生の先手で角換わりです。
腰掛銀のブームで
88金73桂と進めば45歩からの木村定跡で先手有利ですね。この時に完成していたかどうかはわかりませんが。
升田先生は43金左。73桂と跳ねていなければ、すぐにつぶされることはないです。
木村先生は48金~29飛。この形がお気に入りです。ここで32金45歩と進めば現代でも見られる形ですが、
32玉69飛73桂。後手に桂を跳ねさせて
58金52金45歩と仕掛けます。45同歩に75歩同歩45桂~74歩というのがねらい筋。
升田先生は63金44歩同銀と受けますが、ちょっとつらいか。45歩を打たれて
33銀46角。この角は良く働きます。ただしそのあとの攻め筋があるかどうかで、先手番では評価が変わるのですが
42金29飛。ここで43歩を打たれて辛抱されたらどう攻めたものか。
22玉には44歩。44同銀には24歩同歩同角33桂23歩で決まりそうです。
32金45銀で先手ペース。でも升田先生の41飛が最善でしょう、46角48金が浮いているので良い反撃になりそうです。
35歩44銀
44同銀同飛55銀。この手が成立するならば先手有利かな。銀は取れないので
41飛34歩35銀。この35銀も取れないけれど
47歩46銀同銀に61角。木村先生は角銀交換で駒損だけど、受けに角を打たせたなら先手有利になったでしょうか。
35銀に36歩は24歩同歩同銀、23歩33銀とか、34角35銀23角同飛成同金52角とか、後手が勝てなさそうですね。ということで升田先生は43銀。
24歩同歩45桂34銀。どちらが良いでしょうか。駒損(角銀交換はともかく、歩の枚数が足らない)でも攻めが続けば先手有利優勢になります。
24飛23角。これしかないならば先手有利のはず。23角ではなくて23銀同飛成同金24歩は先手優勢でした。23歩34飛同角同銀でもだめか。
34銀同角右35銀。これはおかしいかな。35銀では46歩が普通だけど、後手から35銀を打たれると攻めにくいという判断でした。ならば36銀か46銀と打って桂取りを防いでおけば木村先生が良かったはず。ゆっくりしていても、後手は角2枚が負担です。
45角34銀打33銀。金属音がしそうなやり取りです。飛を逃げている場合ではないので
23飛成同金同銀成同角。飛桂と金の交換は駒損、攻め駒が減っているというのが大きく、先手の攻めが切れそうです。
24歩78角成総玉28飛。でも角を切ってもらったので、この局面で良い手があれば。先手で金取りを受けて52角が打てれば逆転ですが。
39金が利けばよかったのですが47飛成。後手有利でしょうね。
23歩成同玉56角
56同竜同歩25飛成。この銀取りは受けにくいです。
41角32銀63角成35竜。金銀を取り合い、73桂を取れば駒損は消えていく、わけですがもう終盤です。持ち歩があれば36歩ですが、
36金34竜71飛54桂。また金取りで、37金上では58角があり、37金引では後手玉が安全。
ということで54同馬同竜ですが、46金として56竜を防いでいるようでは先手劣勢です。
65桂35桂24玉91竜。持ち駒がなかったので、65歩同竜は受けにくい形でした。
77桂成同桂89銀
89同玉67角78銀68角。持ち駒に金が無いので67銀77角成は受けがないです。
29香25歩36金。これは54竜が受けに利いているので、25金13玉14金同竜の形が詰みません。
79金98玉78角成で詰めろ。
25香34玉まで。
木村先生の作戦勝ちから、攻めつぶせたはずだったのですが。45桂を取らせないのが正解で、ちょっと緩めるのは考えにくいかもしれません。升田先生は攻め将棋だと思っている人が多いかもしれませんが、特に攻撃的な受けは好きだと思います。苦しいながらも角2枚で受けるなんて創造的ではないですか。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/01/00( ) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:木村義雄
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7六歩(77)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 7八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(78)
12 2二銀(31)
13 4八銀(39)
14 3三銀(22)
15 7八金(69)
16 6二銀(71)
17 6八玉(59)
18 4一玉(51)
19 5八金(49)
20 5二金(61)
21 4六歩(47)
22 6四歩(63)
23 4七銀(48)
24 7四歩(73)
25 3六歩(37)
26 6三銀(62)
27 5六銀(47)
28 5四銀(63)
29 6六歩(67)
30 3一玉(41)
31 7九玉(68)
32 1四歩(13)
33 1六歩(17)
34 4四歩(43)
35 9六歩(97)
36 9四歩(93)
37 3七桂(29)
38 2二玉(31)
39 8八玉(79)
40 4三金(32)
41 4八金(58)
42 4二金(52)
43 2九飛(28)
44 3二玉(22)
45 6九飛(29)
46 7三桂(81)
47 5八金(48)
48 5二金(42)
49 4五歩(46)
50 6三金(52)
51 4四歩(45)
52 同 銀(33)
53 4五歩打
54 3三銀(44)
55 4六角打
56 8一飛(82)
57 4八金(58)
58 4二金(43)
59 2九飛(69)
60 2二玉(32)
61 4四歩(45)
62 3二金(42)
63 4五銀(56)
64 4一飛(81)
65 3五歩(36)
66 4四銀(33)
67 同 銀(45)
68 同 飛(41)
69 5五銀打
70 4一飛(44)
71 3四歩(35)
72 3五銀打
73 4七歩打
74 4六銀(35)
75 同 銀(55)
76 6一角打
77 3五銀(46)
78 4三銀(54)
79 2四歩(25)
80 同 歩(23)
81 4五桂(37)
82 3四銀(43)
83 2四飛(29)
84 2三角打
85 3四銀(35)
86 同 角(61)
87 3五銀打
88 4五角(34)
89 3四銀打
90 3三銀打
91 2三飛成(24)
92 同 金(32)
93 同 銀成(34)
94 同 角(45)
95 2四歩打
96 7八角成(23)
97 同 玉(88)
98 2八飛打
99 3九金打
100 4七飛成(41)
101 2三歩成(24)
102 同 玉(22)
103 5六角打
104 同 龍(47)
105 同 歩(57)
106 2五飛成(28)
107 4一角打
108 3二銀打
109 6三角成(41)
110 3五龍(25)
111 3六金打
112 3四龍(35)
113 7一飛打
114 5四桂打
115 同 馬(63)
116 同 龍(34)
117 4六金(36)
118 6五桂(73)
119 3五桂打
120 2四玉(23)
121 9一飛成(71)
122 7七桂成(65)
123 同 桂(89)
124 8九銀打
125 同 玉(78)
126 6七角打
127 7八銀打
128 6八角打
129 2九香打
130 2五歩打
131 3六金(46)
132 7九金打
133 9八玉(89)
134 7八角成(67)
135 2五香(29)
136 3四玉(24)
137 投了
まで136手で後手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
ここから攻めます。
A 19飛 B 45歩 C 95歩
第2問
軽いようでも攻めがつながっているのです。
A 45桂 B 35歩 C 24歩
第3問
どの段階まで受けねばならないか。
A 86同銀 B 79桂 C 73角成
第4問
今日の棋譜20220830
1948年対局日不明で、丸田祐三先生と順位戦です。
升田先生の先手で角換わりです。
角換わり腰掛け銀の最初のブームが来たようです。
升田先生は今の主流の48金29飛型。初期のころからあったのを、AIが再評価して今の(第3次)角換わりブームになっています。
後手のほうが先に駒組で来ているので65歩の仕掛けです。65同歩35歩同歩65桂もあるのでしょうが、升田先生は69飛。これも今よく見る手ですね。ただし後手の金62で浮いている形ではないので厳しい反撃にはなりません。
66歩(66同銀62飛は難しいから)66同飛65歩69飛64角と進みます。角換わりの四手角(84角や26角)は良くない手ですが、64角や46角は急所です。
ただし85歩型なので64角を生かした攻め筋がありません。受けの手ですね。丸田先生は後手番なので手待ちでも良いのですが、昔の棋士は千日手を好みません。丸田先生は42金左から駒の繰り替えを始めます。
升田先生も飛を移動して様子をうかがっています。18香と上がっているので、19飛から端攻めを考えなかったのでしょうか。角換わりで19飛としなかったので、相矢倉のほうが雀刺しと名前が付いたということになるのでしょう。
飛は戻って
銀を引いて
56歩を突き、自陣角を打ちます。後手の64角に劣りますが、
端攻めができるというのが利点です。
95同歩には93歩のほうが手になるのですが、受けのない後手は35歩から攻めてくるでしょう。なので94歩83飛
95香92歩の形、この利かしが大きかったのです。一転して45歩を突いて
45同歩15歩同歩13歩同香45桂。44銀には24歩同歩14歩同香24飛の香取りが受からなくなります。
よって22銀24歩。丸田先生が24同歩と取らなかったのは、14歩同香24飛23銀同飛成同玉72銀があるから。9筋の攻めが利いていました。72銀を避ける意味でも54金の桂取りでどうか。
23歩成同銀24歩12銀15香。1筋の端攻めもあって
14歩同香同香15歩。15同香は13歩同桂14歩が来ます。なので28歩を打ったのですが、こんなところには打ちたくないのです。
19飛18歩同飛45金14歩。丸田先生は桂得ですが、1,2筋が受からなそうです。
46金としても角を逃げてもらえず13歩成。
13同桂23歩成同玉46角
46同角47香。角を逃げるところは64しかないですが、43香成同金55銀くらいで悪いです。
17歩同飛44角は角を逃げる前に反撃ですが、
27飛24香46香
27香成44香同銀。角金と飛桂香の交換で駒得ですが、玉の堅さで劣ります。入玉できたら逆転ですが。
51角41歩93歩成同歩43歩
33金72角82飛63角成。桂取りと41馬~42歩成が受かりません。
66歩同銀直86桂、これがどれだけ厳しいかですが、
86同歩同歩73角成。87香や87飛はかわされてしまうので、飛取りのほうが忙しいです。
85飛74馬右81香
85馬同香82飛45飛。苦心の手ですが、先手玉はまだ安泰です。
47桂に94歩ですか。87歩成から攻めても仕方ないし、11歩とか29歩成のほうがまだましですが、まあ半分あきらめたような。
24歩同玉25歩15玉39桂。成香を逃げても入玉は遠のきます。
87歩成同金同香成同玉69角
78香86歩同銀68金。これは詰めろではないです。とはいっても他に手が見えません。
27桂16玉12竜まで。後手玉は詰めろで、13桂を守れないから仕方なし。
中盤が長くなりましたが、升田先生の打開策がうまくいきました。角を打って両端を攻めるのですか、簡単に思いつく構想ではないでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/00/00( ) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:丸田祐三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7六歩(77)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(68)
12 2二銀(31)
13 1六歩(17)
14 1四歩(13)
15 4八銀(39)
16 3三銀(22)
17 4六歩(47)
18 6二銀(71)
19 4七銀(48)
20 6四歩(63)
21 7八金(69)
22 5二金(61)
23 3六歩(37)
24 7四歩(73)
25 9六歩(97)
26 9四歩(93)
27 6六歩(67)
28 6三銀(62)
29 5六銀(47)
30 5四銀(63)
31 6八玉(59)
32 4二玉(51)
33 7九玉(68)
34 3一玉(42)
35 4八金(49)
36 7三桂(81)
37 3七桂(29)
38 4四歩(43)
39 2九飛(28)
40 6五歩(64)
41 6九飛(29)
42 6六歩(65)
43 同 飛(69)
44 6五歩打
45 6九飛(66)
46 6四角打
47 4七金(48)
48 2二玉(31)
49 8八玉(79)
50 4二金(32)
51 2九飛(69)
52 3二玉(22)
53 1八香(19)
54 4三金(42)
55 2六飛(29)
56 4二金(52)
57 2八飛(26)
58 5二金(42)
59 6八飛(28)
60 4二金(43)
61 6九飛(68)
62 4三金(52)
63 6七銀(56)
64 5二金(42)
65 5六歩(57)
66 4二金(43)
67 5八銀(67)
68 6三金(52)
69 6七銀(58)
70 4三金(42)
71 5九飛(69)
72 4二金(43)
73 4八角打
74 8三飛(82)
75 5七角(48)
76 8二飛(83)
77 4九飛(59)
78 4三銀(54)
79 2九飛(49)
80 5四銀(43)
81 4八金(47)
82 4三銀(54)
83 2六飛(29)
84 5四銀(43)
85 2九飛(26)
86 4三銀(54)
87 9五歩(96)
88 同 歩(94)
89 9四歩打
90 8三飛(82)
91 9五香(99)
92 9二歩打
93 4五歩(46)
94 同 歩(44)
95 1五歩(16)
96 同 歩(14)
97 1三歩打
98 同 香(11)
99 4五桂(37)
100 2二銀(33)
101 2四歩(25)
102 5四金(63)
103 2三歩成(24)
104 同 銀(22)
105 2四歩打
106 1二銀(23)
107 1五香(18)
108 1四歩打
109 同 香(15)
110 同 香(13)
111 1五歩打
112 2八歩打
113 1九飛(29)
114 1八歩打
115 同 飛(19)
116 4五金(54)
117 1四歩(15)
118 4六金(45)
119 1三歩成(14)
120 同 桂(21)
121 2三歩成(24)
122 同 玉(32)
123 4六角(57)
124 同 角(64)
125 4七香打
126 1七歩打
127 同 飛(18)
128 4四角打
129 2七飛(17)
130 2四香打
131 4六香(47)
132 2七香成(24)
133 4四香(46)
134 同 銀(43)
135 5一角打
136 4一歩打
137 9三歩成(94)
138 同 歩(92)
139 4三歩打
140 3三金(42)
141 7二角打
142 8二飛(83)
143 6三角成(72)
144 6六歩(65)
145 同 銀(67)
146 8六桂打
147 同 歩(87)
148 同 歩(85)
149 7三角成(51)
150 8五飛(82)
151 7四馬(63)
152 8一香打
153 8五馬(74)
154 同 香(81)
155 8二飛打
156 4五飛打
157 4七桂打
158 9四歩(93)
159 2四歩打
160 同 玉(23)
161 2五歩打
162 1五玉(24)
163 3九桂打
164 8七歩成(86)
165 同 金(78)
166 同 香成(85)
167 同 玉(88)
168 6九角打
169 7八香打
170 8六歩打
171 同 銀(77)
172 6八金打
173 2七桂(39)
174 1六玉(15)
175 1二飛成(82)
176 投了
まで175手で先手の勝ち
先手番松下先生の手を考えます。
第1問
銀に続いて香を捨てられました。取ってよいかどうか。
A 96同香 B 97歩 C 98歩
第2問
正しい応手は1つだけ。
A 87同金 B 87同玉 C 77玉
第3問
先手玉は詰めろかどうか。詰めろならば77金とか68桂とか55玉とか受けます。詰めろでなければ32銀とか63桂とか64桂とか攻めます。どちらでしょうか。
第4問
即詰みです。
今日の棋譜20220829
1948年対局日不明で、松下力先生と時事新報の勝ち抜き戦です。松下先生の5人抜きがかかっていました。
升田先生の23歩、横歩取らせです。
34飛88角成同銀25角に32飛成が定跡です。36飛と引いて飛角交換もあります。今のAIの評価ではどちらもほぼ先手有利。
32同銀38銀33銀までが一セット。この時代の定跡は45角で馬を作ります。私の子供のころの定跡書では68玉。そのあとで16歩も出てきました。さてこの45角には54歩もあったと思いますが、
44歩63角成52金とするのがこの時代の定跡で、
馬を右に引いて先手が指しやすいです。升田先生は先手をもっても指していたのですが、
66歩を突く構想がおかしいのか、78角成をみせられて、先手良しとも言えない形勢です。どう指すか聞いてみたということなのでしょう。升田先生は58金として、パッとしなかったのですが、
松下先生は玉を88まで囲っています。後手はいつでも78角成とできるから有効かどうかはわかりません。升田先生は居玉のまま55銀と出たのは何でしょうか。
59金に66銀と捨てた?
66同銀には端で香も捨てます。
98飛同玉78角成では足りません。86歩同歩同飛かと思いましたが87銀で難しい。よって86歩同歩87歩。87同金は78飛~38飛成なので
87同玉86飛同玉78角成。先手玉は詰めろですが、後手は居玉ですよ。42玉と移動してから仕掛けたら違っていたでしょうに。
31飛に合駒が必要で41金。これで先手玉の詰めろが消えました。
21飛成88飛75玉74歩。74同玉96馬は怪しいかもしれませんが、
65玉85飛成75香67馬。これが詰めろ・・・になっていません。
63桂を取れば詰みませんでしたが、42玉43銀まで。
まだ牧歌的な時代でしたから、八百長でもないけれど、相手だけ賞金がかかっていたら全力を出さなかったということなのでしょう。日本全体が貧しかったですし。素人が見るには派手で面白い将棋でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/00/00( ) 00:00:00
棋戦:その他の棋戦
戦型:横歩取り
手合割:平手
先手:松下 力
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 8四歩(83)
5 2五歩(26)
6 8五歩(84)
7 7八金(69)
8 3二金(41)
9 2四歩(25)
10 同 歩(23)
11 同 飛(28)
12 2三歩打
13 3四飛(24)
14 8八角成(22)
15 同 銀(79)
16 2五角打
17 3二飛成(34)
18 同 銀(31)
19 3八銀(39)
20 3三銀(32)
21 4五角打
22 4四歩(43)
23 6三角成(45)
24 5二金(61)
25 6四馬(63)
26 4三角(25)
27 7七銀(88)
28 6二銀(71)
29 3六歩(37)
30 6三銀(62)
31 3七馬(64)
32 5四銀(63)
33 6六歩(67)
34 2四歩(23)
35 3五歩(36)
36 3二角(43)
37 6八玉(59)
38 2三角(32)
39 7九玉(68)
40 9四歩(93)
41 8八玉(79)
42 9五歩(94)
43 1六歩(17)
44 1四歩(13)
45 3六馬(37)
46 5五銀(54)
47 5九金(49)
48 6六銀(55)
49 同 銀(77)
50 9六歩(95)
51 同 歩(97)
52 同 香(91)
53 同 香(99)
54 8六歩(85)
55 同 歩(87)
56 8七歩打
57 同 玉(88)
58 8六飛(82)
59 同 玉(87)
60 7八角成(23)
61 3一飛打
62 4一金打
63 2一飛成(31)
64 8八飛打
65 7五玉(86)
66 7四歩(73)
67 6五玉(75)
68 8五飛成(88)
69 7五香打
70 6七馬(78)
71 6三桂打
72 4二玉(51)
73 4三銀打
74 投了
まで73手で先手の勝ち
本日は第232回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。
A級優勝
古野知典さん
B級優勝
山本圭徳さん
丹羽拓郎さん
瀧本洋満さん
C級優勝
戸松克彦さん
D級優勝
三原舜一朗さん
寺本浩二さん
E級優勝
柿田昌美さん
優勝された方々、おめでとうございます。
参加された皆様、ありがとうございました。
過去12回分の優勝記録です。
半分にして拡大
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
37角のにらみがある時の基本手筋がこの75歩です。後手の次の手はこれしかないでしょうが、うまくいくかどうか読んでから仕掛けねばなりません。
A 75同歩 B 64銀 C 66歩
第2問
ここもこれしかないというくらいの手ですが、そのあとの裏付けが必要です。
A 67同飛成 B 57銀 C 45桂
第3問
自然に指して大丈夫かどうかを考えます。
A 42同金 B 52桂 C 69馬
今日の棋譜20220828
1948年対局日不明で、坂口允彦先生と順位戦です。
坂口先生の振り飛車模様から48銀。
雁木にするわけでもなく、右銀は66へ。これは大山先生の棋譜でもよく出てきた、中央に銀を並べる戦型です。
坂口先生は中飛車にしたのですが、玉は左に囲うので相居飛車の力戦としておきます。
5筋の歩を切って
銀が2枚横に並びました。戦前までの感覚だと、中央位取りができないときに、こういう形が好形だとされていました。もう戦後なので、古い感覚だと認識されつつあったでしょう。
升田先生は現代的で、左美濃へ。もっとも江戸時代にも指されていた形ですが。
坂口先生は銀を引いて矢倉に組みなおします。左銀が56に出たのはスムーズですが、77の銀は右銀だったのです。ずいぶん手数がかかっていることがわかりますね。
一度角がにらみ合ってから
升田先生は四手角(実際に四手)にしています。先手陣は好形ですが、手数がかかっていて、88玉と入ってもいないし、攻撃態勢もできていないです。後手の作戦勝ちですね。
升田先生はこの形から仕掛けます。
坂口先生の反撃筋は75歩なのですが、66歩74歩
65桂73歩成77桂成。62と78成桂同金と進めば、金銀と飛桂の交換です。駒損でもないですが、玉の堅さがずいぶん違うので勝てません。
77同金直に67歩成同銀同飛成。升田先生は飛を切ります。飛桂と銀銀の交換はちょっと損ですが、
67同金寄45桂63と、左桂も攻めに使えるので攻撃力は十分すぎます。坂口先生は角を逃げずに63と。せめて42銀91角成のつもりでしょうか。
升田先生は銀を逃げずに37桂不成53と同金37桂。取引は二枚替え、飛桂桂と角銀の交換は駒損ですが、まだ攻め駒は4枚あります。
67銀69歩76歩
67で清算して58角。攻めとしてはこれで一丁上がりです。
68金49角成26桂。先手の攻めを余せば終わります。
59銀72飛43金
46桂24金78金。ちょっとだけ隙のありそうな手順でしたが、問題にはならないようです。
57角成88玉38飛58歩同馬引。これは次の69馬が受けのない詰めろ、2手すきです。坂口先生としては詰めろ以上で後手玉に迫るしかないのですが、
34桂左同金寄同桂同金42銀
42同金同飛成31銀12金。ちょっとびっくりする金捨てですが、
12同玉31竜21金。ここでは77歩成同桂76桂から75馬の王手で竜を抜く手もあったようです。
42銀14歩まで。
「中央に銀を二枚並べる戦型」はほとんどの場合に作戦負けになります。唯一本譜のような矢倉に組み替える指し方で作戦勝ちになった棋譜をみたことがありましたが、升田先生の左美濃から四手角が秀逸でした。先攻できて、左桂を使えるのが大きかったです。江戸時代からの中央志向は戦後になって消えていきます。対振り飛車の中央位取りはまだ長生きしますが。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/00/00( ) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:その他の戦型
手合割:平手
先手:坂口允彦
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 4八銀(39)
10 6二銀(71)
11 5七銀(48)
12 5二金(61)
13 7八金(69)
14 4四歩(43)
15 6六銀(57)
16 4三金(52)
17 5五歩(56)
18 同 歩(54)
19 5八飛(28)
20 5三銀(62)
21 5五銀(66)
22 5四歩打
23 6六銀(55)
24 4二玉(51)
25 5七銀(68)
26 3二銀(31)
27 5六銀(57)
28 3一玉(42)
29 3六歩(37)
30 3三角(22)
31 6九玉(59)
32 9四歩(93)
33 9六歩(97)
34 6四歩(63)
35 5九角(77)
36 2二玉(31)
37 7七銀(66)
38 7四歩(73)
39 6六歩(67)
40 5一角(33)
41 3七角(59)
42 7三角(51)
43 7九玉(69)
44 6二飛(82)
45 5九金(49)
46 8四角(73)
47 6八金(59)
48 7三桂(81)
49 5九飛(58)
50 3三桂(21)
51 4九飛(59)
52 6五歩(64)
53 7五歩(76)
54 6六歩(65)
55 7四歩(75)
56 6五桂(73)
57 7三歩成(74)
58 7七桂成(65)
59 同 金(78)
60 6七歩成(66)
61 同 銀(56)
62 同 飛成(62)
63 同 金(77)
64 4五桂(33)
65 6三と(73)
66 6六歩打
67 7七金(67)
68 3七桂(45)
69 5三と(63)
70 同 金(43)
71 3七桂(29)
72 6七銀打
73 6九歩打
74 7六歩打
75 6七金(77)
76 同 歩成(66)
77 同 金(68)
78 5八角打
79 6八金(67)
80 4九角成(58)
81 2六桂打
82 5九銀打
83 7二飛打
84 4三金(53)
85 4六桂打
86 2四金打
87 7八金(68)
88 5七角成(84)
89 8八玉(79)
90 3八飛打
91 5八歩打
92 同 馬(49)
93 3四桂(46)
94 同 金(24)
95 同 桂(26)
96 同 金(43)
97 4二銀打
98 同 金(41)
99 同 飛成(72)
100 3一銀打
101 1二金打
102 同 玉(22)
103 3一龍(42)
104 2一金打
105 4二銀打
106 1四歩(13)
107 投了
まで106手で後手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
序盤でしくじって、後手の言いなりになっていたのですが、やっと選択肢ができました。
A 86銀 B 84成銀 C 61飛
第2問
この辺りで実質的に逆転しています。
A 13歩成 B 51飛成 C 86銀