第1問
これで後手が少し指しやすいでしょう。
A 56歩 B 75歩 C 73桂
第2問
86飛の前工作です。
A 64歩 B 77歩成 C 57歩
第3問
指したい手が多いですが。
A 55金 B 58歩成 C 31桂
20181031今日の一手
7月14日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚
後手の攻め駒は持ち駒角1枚
総合すれば先手もちです。
☆ 大局観として
よくありそうな将棋で、先手の四枚美濃、後手石田流の対抗です。後手から36歩と開戦し、13角成同香という局面です。
先手玉が堅いのが好材料ですが、後手の飛銀桂を使われたら悪くなるのでしょう。先手は右辺の守備駒が少ないので受けきりにはできません。反撃を考えつつ対応することになります。玉が堅いのですから互角のさばき合いならば歓迎です。
△ 実戦は36歩で
一番自然なようでも、36銀か36飛と使えるようになったので後手の攻め駒が増えました。48角28飛39角成
68飛29馬で駒損、22角から13角成で取り返したものの、後手は飛を成り込み桂馬で先手の飛を取って・・・じり貧になってしまいました。
48角には37角と合わせて
37同角成同桂36銀38歩
これならまあまあです。
37角に39角成59角
というのは68角~35歩や13角成をねらえますから、36飛同飛同銀32飛29馬33飛成55桂68金引47銀不成
これは59角の働きが悪いので後手もちか。
では35歩と突いて
飛の取り合いは歓迎、35同飛37歩
というくらいで互角でしょうか。68角をねらいます。
○ 43角が打っておきたい手で
34飛にひもがついてはいますが、いざとなれば61角成と切れるのです。37歩成34角成同銀37桂
48角38歩39角成32飛
先手玉が堅いし34銀が目標になるので、先手が指しやすそうです。
43角に35飛ならば
飛車交換は歓迎です。36歩同銀61角成同銀46金
25銀35金26銀32飛72銀33飛成
一応二枚換え(後手にも桂香を拾われるが)で後手玉が薄くなったので先手有利です。35金も使えるでしょう。
△ 24歩は
24同飛ならば同飛同歩23飛25桂24飛成37桂成44竜
後手の銀をいじめて指せばよいです。基本的に飛車交換は歓迎です。
24同歩に43角
これは単に43角よりも得をしているのです。35飛36歩同銀24飛
飛車をさばけば十分です。
43角に25歩は36飛が利きます。
飛車の交換、取り合いは歓迎です。35歩34角成同銀56飛
でも32飛の味が良いので先手よし。
後手は24歩を取らずに37歩成
が最善です。23歩成47と33と38飛成22飛成
後手の58とが速いですが25角がありますね。29竜61角成22竜
72馬が成立せず、22同と61銀58金
28飛か19飛に69金と埋めると堅いけれど駒損なので戦力ダウンは面白くないです。形勢互角なのでしょう。
× 68角と打つのもあって
このラインはどこから角を打っても同じです。37歩成13角成36と28飛47と35香
うまくやったようですが46角と返されて(直前に先手の飛車の位置が28になっているのが後手の工夫)34香28角成33香成
先手が先に桂を取っているのですが、と金を使いやすいので後手よしなのです。55馬~56銀と使えますし。
うまく指せば後手よしになる変化でした。
△ 54歩は微妙なところで
後に53歩成同金75歩が生じるので、後手は手を抜かないで取るのでしょう。54同銀が良さそうで、36歩48角35歩同飛37歩
ならば形勢互角です。銀を使って攻められないけれど、後手玉が少し堅くなったあるいは銀を目標にすることができなくなったというのがマイナスです。
× 最後は46歩。
46同銀ならば43角35飛56金
飛銀をいじめることができます。
しかし46歩の時に35角
から46角とされるのが思わしくありません。
☆ まとめ
自然な36歩は後手の攻め駒が増える(36同飛や36同銀が生じるので1枚は増える計算)なので言いなりなのです。悪くはなくても良くはないです。
先手玉が堅いのですから、もう少し強い手を考えたいです。
43角で飛車を追うのがぴったりした感じです。飛車交換は歓迎なのですから。
24歩同歩を入れるか(あるいは入るか)どうかというのが検討すべきところです。
46歩同銀が入るかどうかというのも検討します。
この場合はどちらも入れないほうが良さそうでしたが。
20181029今日の一手
7月14日の名南将棋大会から、SさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。先手の穴熊のほうが深いので少しプラスと見るかどうか。
先手の攻め駒はありません。
後手の攻め駒は52飛46銀33角で3枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
この局面自体は後手リードですが、46銀が死んでいますね。ここ数手を耐えれば駒得になるというもくろみです。
後手は攻め駒が3枚ありますから強攻してくるでしょう。受けきれるでしょうか。
△か○ 66同銀が一番自然でしょう。
65歩同銀77角成同桂59角78飛66歩
角交換から角を打って攻められます。66歩が結構受けにくくて、58金とすれば角を取れるのですが、47銀成59金67歩成79飛64歩
角得ですが成銀 と金を作られていて、後手の攻めを切らすことはできません。この図に自信があればよいのですが、私は悲観的です。
66歩に68歩と受けると
48角成同金57金46歩48金
金と角歩歩の交換で、このほうがすっきりしています。ただし78飛の働きがないことで結構難しそうです。先手ややよしくらいでしょう。
△ 66同角は
66同角同歩67歩
これはどう応じても難しそうで、58飛57歩、88飛99角77角、などもあります。67同飛78角68飛56角成46歩89馬
というのも形勢互角です。
× 実戦は58銀で
銀を取るのを楽しみに我慢しました。57歩にも49銀と引いて玉を固めて有利だと思ったら62飛
67歩成を受けられません。46歩67歩成51銀に68と33角成同金右62銀成58歩成
銀得は消えて62成銀が遊んでいるのですから後手よしでしょう。穴熊も薄くなります。
57歩には同銀と取るほうが良さそうですが
57同銀成同金82飛86歩84飛
ゆっくり待たれている(さらに74歩~75歩)と、66金には57銀なので66歩を取りにくい、後手が指しやすい局面でしょう。
○ 58銀は手堅いようでも57歩が生じました。76銀とかわしてみると
56飛46歩59飛成69歩55竜
歩銀の交換で竜を作られています。歩切れは痛いのですがこれならば予定通り、悪いということはないでしょう。ここからは47金か、57銀~66銀か。なるべく息長く指す方が良いので、飛車をぶつけようとかは考えません。
○ 最後は78銀です。
違いは89桂にひもがついていることで、56飛46歩59飛成に66飛
これが竜取りになっています。66角59角の取り合いでしょう。79飛61飛
飛車を打ち合って、角の取り合いならば銀得。48角成同角78飛成81竜89竜54桂
48角を追われても66角が王手になるというのが大きくて、普通の寄せ合いの図は先手の1手勝ちです。
☆ まとめ
駒得は味が悪いものです。
66同銀からの図
角得で良しとは思えません。まだこちらの図
のほうがましですが、78飛が使えないというのも味が悪いですよね。
66同角からの図も
うれしくはないです。
実戦の58銀はずいぶん良さそうに見えても
67歩成が受かりません。
こんな時はとにかく読むしかないです。駒得ねらいの筋の悪い手を指したら、広く異筋の手を読みます。76銀
は時々出てくる形ではありますが、戦場から遠ざかります。それでも後手の後続の手段がなければ何とかなります。
78銀も
ずいぶん利かされたのですが、低い陣形で反撃できないかと読むのです。
穴熊なのに駒得ねらいというのが作戦分裂なのでしょう。こんな時には読みに頼るしかありませんね。
今日の棋譜20181028
平成3年1月、内藤国雄先生と第49期A級順位戦です。
どちらが振るかという出だしでしたが、内藤先生が三間飛車に
大山先生は玉頭位取りです。
6筋の歩を交換されたところで内藤先生は穴熊へ。
大山先生は珍しく3筋の歩交換を防ぎました。
これは79角ねらいですが
7筋を攻められては失敗です。
内藤先生は角を渡しても
玉の堅さが違います。大山先生は受けにくそうですね。まずは金を上がり
67銀を打ち、57銀と引いて使うのですが、内藤先生も手厚く金で攻めます。
馬を作れば大山先生も悪くなさそうですが
パンツ脱ぎで攻められてまずいようです。
金を引いてもらえるわけもなく、77銀から
もう一度打ち込まれて
左右挟撃の34桂も入りました。内藤先生は勝勢のはず。
清算したところでは銀得です。
平凡に金をはがして
角打ちは詰めろ。
49角成を保留して と金を使うのは、確実に寄せようということでしょう。その間に64桂から金をはがされますが。
大山先生は上部脱出できれば勝ちですが
31飛から
43桂~35歩で逃げ出せません。
あとは追われるままに逃げるだけに見えました。
詰めろがかかり
17香同金同馬に75香。ここで投了なのです。
最後のところの図面は昔見たことがあります。26飛45馬の利きがあるので先手玉は詰まず、後手玉は詰めろ。27桂同馬同馬同飛あるいは18金同馬同馬同玉14桂29飛、何か詰めろを受けてまだ指せそうに見えるのですが、清算すると後手が足りないです。
内藤先生の敗着がはっきりしないのですが、67角ではなくて49角か58歩成か。99銀成と補充しておくものか。67角~49角成の攻め方では遅かったのだろう、とは言えるのですが。
大山先生に不思議な勝ちがありました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/01/26
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:内藤国雄9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 6八銀(79)
6 5四歩(53)
7 5六歩(57)
8 5三銀(42)
9 6七銀(68)
10 3二飛(82)
11 4八銀(39)
12 6二玉(51)
13 6八玉(59)
14 7二玉(62)
15 7八玉(68)
16 6四歩(63)
17 2六歩(27)
18 8二玉(72)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 5七銀(48)
22 4四歩(43)
23 7五歩(76)
24 5二金(41)
25 7六銀(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(76)
30 9二香(91)
31 5八金(49)
32 9一玉(82)
33 7六銀(65)
34 8二銀(71)
35 9六歩(97)
36 7一金(61)
37 6七金(58)
38 3五歩(34)
39 1六歩(17)
40 4二角(33)
41 2六飛(28)
42 3四飛(32)
43 4六銀(57)
44 6四銀(53)
45 6六金(67)
46 7四歩(73)
47 6五歩打
48 7五銀(64)
49 同 銀(76)
50 同 角(42)
51 同 金(66)
52 同 歩(74)
53 5八金(69)
54 7六歩(75)
55 6七銀打
56 7五金打
57 5七銀(46)
58 7四金(63)
59 4三角打
60 3一飛(34)
61 5四角成(43)
62 5一飛(31)
63 3二馬(54)
64 7三桂(81)
65 6六銀(57)
66 6五桂(73)
67 同 銀(66)
68 同 金(74)
69 6六歩打
70 7七銀打
71 同 桂(89)
72 同 歩成(76)
73 同 玉(78)
74 7六歩打
75 6八玉(77)
76 7七銀打
77 5七玉(68)
78 6六金(75)
79 4八玉(57)
80 3四桂打
81 2八飛(26)
82 8八銀(77)
83 7二歩打
84 同 金(71)
85 4二馬(32)
86 7一飛(51)
87 6六銀(67)
88 同 金(65)
89 4三馬(42)
90 5七歩打
91 5九金(58)
92 5八銀打
93 3四馬(43)
94 5九銀成(58)
95 3九玉(48)
96 6七角打
97 2六飛(28)
98 5八歩成(57)
99 2八玉(39)
100 4八と(58)
101 6四桂打
102 4九角成(67)
103 7二桂成(64)
104 同 飛(71)
105 6四桂打
106 7一飛(72)
107 3五馬(34)
108 3八と(48)
109 2七玉(28)
110 3一飛(71)
111 3四銀打
112 4三桂打
113 4四馬(35)
114 3五歩打
115 4五馬(44)
116 2九と(38)
117 1八玉(27)
118 1九と(29)
119 同 玉(18)
120 1七香打
121 1八金打
122 3九馬(49)
123 1七金(18)
124 同 馬(39)
125 7五香打
126 投了
まで125手で先手の勝ち