名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(263); 中飛車に65歩急戦

2016-08-31 | 大山将棋研究
昭和50年12月、板谷進先生と第25期王将戦です。


大山先生の中飛車に板谷先生は袖飛車、加藤一二三先生の急戦を狙っていたのでしょうか。

大山先生は金を上がったので飛車を戻し

47金に65歩。後手は2手損、先手は金の動きで1手損という計算で、94歩が必要ないでしょうから、大山先生の手が進んでいます。68飛でも十分なのですが

55歩から65歩というのは高美濃が生きそうなので振り飛車党がやりたくなる手でしょう。

ですが銀桂が使えたので板谷先生としては満足でしょう。

57歩とたたきたくなりますが、単に桂を跳ねるほうが良いようです。66角には57歩ですね。

角銀交換で馬を作れるので板谷先生のほうが少しよさそうに見えますが、大山先生も攻め駒があります。(58飛が働けば十分)

板谷先生の15歩が疑問手、難しいところですが76馬が受けにも働くので有力です。

55桂と止めればまだ大変そうで

でも銀で飛取りでは銀を渡して4枚目の攻め駒になります。つまりここでは大山先生が有利か。

板谷先生の玉は24で頑張るのですが、15歩が悪い手になっています。小駒だけでも4枚の攻めなので、単純な受けはないです。ただし詰めろがかかるまでには2手は必要です(3手すき)。

大山先生が15歩と取ったのが問題。26歩のほうが玉の懐が広くなるのでよかったでしょう。
39銀がびっくりする手で

銀をもらったので後手玉は詰めろ。でも18まで玉が追われると詰めろが消えて逆転です。49銀には47桂で困るのです。

49銀打か59銀打しかないのですが、49だったので48歩が好手。58馬とすると32に利かなくなって後手玉が詰むのです。ここで48同金47歩同銀というのも難解でしたが

26歩が悪手。金を取られて詰めろです。

王手飛車があるのでまだ難しそうですが

角打ちが攻防で、板谷先生の勝ちになっています。

上を抑えれば簡単で

投了図。

好勝負でした。板谷先生の序盤作戦は今一つでしたが、中盤のさばき合いはいい勝負。互いに疑問手はあるもののスリリングな終盤戦で、詰む詰まないはコンピュータにかけないと(私の力では)わかりません。納得のいくまで終盤の変化を調べてみると、終盤力の強化になります。どちらをもって並べてもよいです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:板谷進8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 6八銀(79)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 5六歩(57)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 4二銀(31)
17 3八銀(39)
18 7四歩(73)
19 4六歩(47)
20 5三銀(62)
21 6七銀(68)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 6四歩(63)
25 6八金(69)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 9四歩(93)
29 3六歩(37)
30 7二飛(82)
31 5七金(68)
32 8二飛(72)
33 4七金(57)
34 6五歩(64)
35 5五歩(56)
36 同 歩(54)
37 6五歩(66)
38 8六歩(85)
39 同 歩(87)
40 5四銀(53)
41 6六銀(67)
42 7三桂(81)
43 5五銀(66)
44 6五桂(73)
45 5四銀(55)
46 7七桂成(65)
47 5三歩打
48 5一金(52)
49 7七桂(89)
50 同 角成(22)
51 5五桂打
52 1五歩(14)
53 5二銀打
54 同 金(51)
55 同 歩成(53)
56 同 金(41)
57 5三歩打
58 5一金(52)
59 4三桂成(55)
60 同 銀(42)
61 同 銀成(54)
62 同 玉(32)
63 5二銀打
64 同 金(51)
65 同 歩成(53)
66 5五桂打
67 5三金打
68 3三玉(43)
69 3七金(47)
70 6七銀打
71 4二と(52)
72 5八銀(67)
73 4三金(53)
74 2四玉(33)
75 5八金(49)
76 6六馬(77)
77 5七歩打
78 7六馬(66)
79 1五歩(16)
80 3九銀打
81 同 玉(28)
82 6九飛打
83 4九銀打
84 4八歩打
85 2六歩(27)
86 4九歩成(48)
87 2八玉(39)
88 4三馬(76)
89 2五歩(26)
90 3三玉(24)
91 4三と(42)
92 同 玉(33)
93 8七角打
94 6五歩打
95 6九角(87)
96 3九銀打
97 2七玉(28)
98 2八金打
99 1六玉(27)
100 3三角打
101 2六銀打
102 1四歩打
103 同 歩(15)
104 1五歩打
105 同 銀(26)
106 1四香(11)
107 同 銀(15)
108 1五銀打
109 1七玉(16)
110 4四角(33)
111 2六金打
112 3八金(28)
113 投了
まで112手で後手の勝ち
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大山将棋研究(262); 四間飛車に棒銀

2016-08-30 | 大山将棋研究
昭和50年12月、中原誠先生と第14期十段戦第3局です。


大山先生の四間飛車に中原先生は棒銀です。

大山先生はいつもの78金で、中原先生は袖飛車を避ける意味もあって44歩と止めます。

しばらく駒組みで、27銀を見て75歩から戦いが始まります。

8筋は金で受けているのですが角交換になり

37角はよさそうな手に見えます。

中原先生も24角と好手で返します。

大山先生は金を上がるしかなく

47金に46歩が何度かあって、中原先生は手を稼いで飛桂を配置につけました。

中原先生の陣形が整ったので45歩から動きます。

銀交換から76歩と突きだせば中原先生が好調です。

大山先生は銀を投入して守れば、中原先生は銀を打って攻めます。

中原先生のほうがよさそうに見えますが、持ち歩が少ないので実際に攻めるのは大変です。

大山先生の反撃、ここで67歩を取らなかったのがよくわからないのですが

互いに飛車をかわします。

66銀に68歩成から57桂成と捨てたのが強烈な手。57同金は45桂ですね。

飛車交換から78飛は痛そうです。

でも大山先生が相手ですから攻め切るのは大変です。中原先生は35歩で、1歩持っていれば簡単ですが

角を捨てて

金を取って攻めを続けます。(大山先生の37角は37角打ちではないかと思うのですが)

と金を払って銀を引けばまだまだ、と思えましたが

あっさり竜を切れば35歩が厳しいです。

控えの44桂から結局36桂が実現し

投了図。

中原先生が強すぎました。持ち歩が少なくてぎりぎりの攻めをよくつなげました。後手をもって堪能しましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:中原誠十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 6七銀(78)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 4六歩(47)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 7三銀(62)
25 3六歩(37)
26 8四銀(73)
27 7八金(69)
28 4四歩(43)
29 6五歩(66)
30 4三金(52)
31 5六銀(67)
32 5三銀(42)
33 6七金(78)
34 4二金(41)
35 9六歩(97)
36 9四歩(93)
37 2六歩(27)
38 3三角(22)
39 2七銀(38)
40 7五歩(74)
41 3八金(49)
42 7六歩(75)
43 6六角(77)
44 7三銀(84)
45 7六金(67)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 4五歩(44)
49 3三角成(66)
50 同 桂(21)
51 3七角打
52 2四角打
53 7四歩打
54 6二銀(73)
55 4七金(38)
56 4六歩(45)
57 同 金(47)
58 7五歩打
59 7七金(76)
60 8四飛(82)
61 4七金(46)
62 4六歩打
63 同 金(47)
64 7四飛(84)
65 4七金(46)
66 7三桂(81)
67 6六金(77)
68 4四銀(53)
69 4六歩打
70 5三銀(62)
71 3八銀(27)
72 4五歩打
73 同 歩(46)
74 同 銀(44)
75 4六歩打
76 5六銀(45)
77 同 金(66)
78 7六歩(75)
79 6六銀打
80 5五歩(54)
81 同 金(56)
82 7七歩成(76)
83 同 銀(66)
84 5四銀打
85 5六金(55)
86 5五歩打
87 6六金(56)
88 6四歩(63)
89 同 歩(65)
90 同 飛(74)
91 7四歩打
92 6五桂(73)
93 7五金(66)
94 6七歩打
95 9八飛(68)
96 6一飛(64)
97 6六銀(77)
98 6八歩成(67)
99 同 飛(98)
100 5七桂成(65)
101 同 銀(66)
102 6八飛成(61)
103 同 銀(57)
104 7八飛打
105 7七銀(68)
106 5六歩(55)
107 4九桂打
108 4八歩打
109 同 金(47)
110 3五歩(34)
111 同 歩(36)
112 同 角(24)
113 3六歩打
114 4六角(35)
115 同 角(37)
116 4八飛成(78)
117 3七角(46)
118 5七歩成(56)
119 6一飛打
120 4一歩打
121 5七桂(49)
122 同 龍(48)
123 6八銀(77)
124 3七龍(57)
125 同 桂(29)
126 3五歩打
127 5五歩打
128 同 銀(54)
129 6五金(75)
130 4四桂打
131 3五歩(36)
132 4六銀(55)
133 3四歩(35)
134 同 金(43)
135 4三歩打
136 3六桂(44)
137 2七玉(28)
138 2八金打
139 1七玉(27)
140 3八金(28)
141 4二歩成(43)
142 同 銀(53)
143 5四角打
144 4三銀打
145 投了
まで144手で後手の勝ち

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20160830今日の一手<その379> ; 形勢判断で方針を決める

2016-08-30 | 今日の一手

20160830今日の一手

8月13日の名南将棋大会から、OさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。






一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手だけ竜を作っているので少し駒得です。
玉の堅さは難しいところで、5筋と3筋で歩がぶつかっているので先手玉はすぐに薄くなります。後手玉は金銀4枚ですが31に傷があるし。互角としておきます。
先手の攻め駒は71竜と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。

総合すればやや先手が指しやすいです。

大局観として

現実的に駒得ですからゆっくり指そうというのは無難です。
後手のねらいは82角の筋です。そのねらいを防ぎつつ玉を固める手があるかどうか。
攻め駒は2枚だけですから一気に寄せるわけにはいかず、81桂を取るとか、と金を作るとか、77の桂を使えるようにするとかで増やすことを考えます。

終盤の入口のような、中盤に戻りそうな局面です。方針を決めて指しましょう。


× 36同歩は玉の堅さをキープする自然な手ですが82角で

竜が消えて76歩が残ります。駒得が消えるのでもったいないです。


× 56歩でも

37歩成同桂36歩25桂82角

82同竜同飛33桂成同金

駒得とはいえ先手玉が薄くなるのでこれで良しとは言えません。


× 64歩は82角のラインを止める手ですが

57歩成同銀64飛

で悪いというほどでもないですがぱっとしません。


△ 75角と打って

83飛に64歩なら

後手は73飛とはぶつけにくく、64同歩同角73角か。

73同角成同飛81飛成

76歩には65桂が飛車に当たるので何とかなっている気はしますが、後手から手が多いのでよくわかりません。


○ 66角と打って

83飛72竜73飛81竜

としたほうが前の変化よりも先手陣がしっかりしているので指せそうです。これはすぐに優勢になりそう。


△ 実戦は31から角を打って

32玉42角成同銀72竜51金74金

角で金を取って、その金を打って飛車を攻めるのではあまり良い調子ではありません。71歩63竜41角

84金63角64飛54角打74金

52金63金同金84飛46歩

難しい応酬が続き、形勢互角の局面です。


○ 駒得になったので75竜として

54飛56歩同飛67金

として先手が少し良いでしょう。57歩と打つと93角の筋があるので注意です。後手は88角から香が取れますが、先手は角で桂香が取れそうです。


○ 76竜のほうが手堅く

57歩成や37歩成の時に竜の利きがあれば受けやすいでしょう。


△ 73歩からと金を作るのはどうか。

76歩72歩成77歩成62と

43金右52と32金(取れば75角がある)41角42金引

と進み、42と同金77金で駒得。後手玉も薄くなり、これならよさそうです。

後手の工夫は62と に53角で

ここで52と では足りないので、66角54飛77金

として81竜をみます。後手には55銀がありますが31銀の傷もあり、難しい戦いです。



先手が指しやすいのでいくつか有利になりそうな候補があります。

56歩や36同歩は最初に考えて切りすてますね。

64歩は手筋ですが飛車で取られると善悪不明。
その改良は75角83飛64歩で、怖いけれど指せそうです。

66角に気が付いたら、敵玉をにらむ攻防の手だなあ、とわかるでしょう。そのあとは81の桂を取りに行きます。

駒得だから持久戦、と考えれば75竜あるいは76竜で、粘り強い振り飛車党という感じがします。

Mさんは筋の見える振り飛車党ですが、実戦の31角は強引です。74に金を打つのでは今一つ。形勢がよくなるとすぐに勝てそうな手にみえて、こういう手を指してしまいたくなりますが、攻め駒の数が少ないうちは指してはいけません。(攻め駒が多ければ後手玉が薄くなるので考えてもよい)

73歩は と金を作って一気に寄せようとする手で、でもまだ3枚の攻めなので善悪は難しいです。

いずれにしても形勢判断の3つの要素
駒の損得
玉の堅さ
攻め駒の数
のどれを強化していくかで指し手が決まります。これを大局観と言います。

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大山将棋研究(261); 石田流穴熊に位取り

2016-08-29 | 大山将棋研究
昭和50年12月、大内延介先生と第8回連盟杯争奪戦決勝です。


大内先生の三間飛車になり(大内先生の対振り飛車の記憶がないのですが、相振りもありました?)

大山先生は持久戦ですね。大内先生は位取り対策もあって穴熊に。

大山先生は4筋の位を取ります。角交換を迫る45歩は好きな手だと思います。

さらに中央の位も取ります。

7筋の歩交換を許すのが大山流。

それから角をぶつけます。

組みあがってみると大山先生の作戦勝ちです。大内先生は動くところがないので86歩からですが

86同角ではうまくはありません。93桂で困っています。この時62銀が働いているのです。

桂交換は居飛車のほうがよく、でも74桂はそれでいいの?という手ですが

角交換が狙いでした。

この角打ちの味がよく

じっと99角成で大内先生は困っています。51角はこれしかなさそうな手ですが

83飛ではなく81飛と当てて、歩を取らせて77歩というのが会心の手順。

桂馬の跳ね違いで優勢です。

大内先生は飛車を切って と金に期待しますが

大山先生の攻めが速いです。

穴熊攻略までは手数がかかるので、金を取って

その金を43に埋めています。後は57にと金を作り馬筋を通して

おしまいです。

大山先生の快勝譜。作戦勝ちから気持ちの良い手が続きました。後手をもって(あるいは画面をひっくり返して)並べてみてください。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
開始日時:2016/07/19 08:33:27
手合割:平手  
先手:大内延介8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 5四歩(53)
7 7八飛(28)
8 6二銀(71)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 6八銀(79)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 8四歩(83)
17 1八香(19)
18 5二金(61)
19 1九玉(28)
20 1四歩(13)
21 2八銀(39)
22 4三銀(42)
23 3九金(49)
24 4五歩(44)
25 6六歩(67)
26 5五歩(54)
27 5八金(69)
28 5四銀(43)
29 6七銀(68)
30 4三金(52)
31 4八金(58)
32 4四角(22)
33 7四歩(75)
34 同 歩(73)
35 同 飛(78)
36 8五歩(84)
37 9七角(88)
38 7三歩打
39 7六飛(74)
40 5三角(44)
41 7五歩打
42 2二玉(32)
43 7七桂(89)
44 3二金(41)
45 1六歩(17)
46 9四歩(93)
47 9八香(99)
48 8四飛(82)
49 5八銀(67)
50 6四歩(63)
51 8六歩(87)
52 同 歩(85)
53 同 角(97)
54 9三桂(81)
55 8七歩打
56 8五桂(93)
57 同 桂(77)
58 同 飛(84)
59 7四歩(75)
60 同 歩(73)
61 同 飛(76)
62 7三歩打
63 7七飛(74)
64 7四桂打
65 7五角(86)
66 6五歩(64)
67 5三角成(75)
68 同 銀(62)
69 8六桂打
70 8八角打
71 7八飛(77)
72 9九角成(88)
73 5一角打
74 8一飛(85)
75 7三角成(51)
76 7七歩打
77 6八飛(78)
78 6六桂(74)
79 6四歩打
80 7八歩成(77)
81 6六飛(68)
82 同 歩(65)
83 6三歩成(64)
84 6八と(78)
85 5三と(63)
86 同 金(43)
87 6二馬(73)
88 4三金(53)
89 6四歩打
90 5八と(68)
91 同 金(48)
92 6七歩成(66)
93 同 金(58)
94 6九飛打
95 6三歩成(64)
96 6七飛成(69)
97 6四歩打
98 5六歩(55)
99 5三と(63)
100 同 金(43)
101 同 馬(62)
102 4三金打
103 5二馬(53)
104 5七歩成(56)
105 2六桂打
106 2五銀打
107 5三銀打
108 5一歩打
109 6二馬(52)
110 6八龍(67)
111 投了
まで110手で後手の勝ち

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大山将棋研究(260); 四間飛車に中央位取り

2016-08-28 | 大山将棋研究
昭和50年12月、桐山清澄先生と第25期王将戦です。


桐山先生のほうが四間飛車、大山先生は玉頭位取りです。

5筋の交換に備えて一回62飛と受けるのはちょっと悔しいのですが必要な手です。

56金と中央を厚くするのは有力な対策です。

桐山先生はそこから石田流に。

さらに桂馬を捨てて2歩をもらい

無駄な桂馬を打たせる。不思議な形ですが形勢は互角でしょう。

中央で小競り合いから

ひと段落。何とも言えませんね。

大山先生は2筋の継歩と垂れ歩。大きな拠点です。桐山先生は代償に桂馬を取りに行きます。

大山先生は引き角でけん制して角交換に。

角交換で後手のほうが角を使いやすいのですが、94歩~93角成が来る前に動かねばなりません。

桂香の取り合いになり

香得でも84歩と後手を引くのでまだまだ難しい形勢です。

大山先生は銀取りを無視して玉頭に圧力をかけます。ここで桐山先生は27香が気になって玉を引いたのですが、76飛歩を払うべきでした。

大山先生のと金が左右挟撃になるので厳しいのです。桐山先生の56角はハッとする手ですが

角金交換でも拠点が大きくて困っています。

さらに飛車を使われて敗勢です。

投了図。

桐山先生らしい形にこだわらない将棋でした。形勢はずっと難しいと思いますが、と金を作って飛車を使って、あっという間に終わってしまいました。
桐山先生としては、玉頭位取りに歩を渡さないというのは有効な考えかたでしたが、中央の小競り合いで歩を渡し、さらには角交換になってしまうと中央の厚みが生きないので当初の目論見からはずれてしまったのが敗因でしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:桐山清澄8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 6七銀(78)
14 5三銀(62)
15 5八金(69)
16 4二銀(31)
17 2八玉(38)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 3五歩(34)
21 5六歩(57)
22 5二金(61)
23 3八銀(39)
24 4四歩(43)
25 4六歩(47)
26 4三銀(42)
27 6五歩(66)
28 8五歩(84)
29 7七角(88)
30 4二金(41)
31 6六銀(67)
32 6二飛(82)
33 5五歩(56)
34 同 歩(54)
35 同 銀(66)
36 5四歩打
37 6六銀(55)
38 3四銀(43)
39 5七金(58)
40 3三角(22)
41 5六金(57)
42 2二玉(32)
43 7五歩(76)
44 3二金(42)
45 7八飛(68)
46 7二飛(62)
47 8八角(77)
48 4三金(52)
49 7六飛(78)
50 2四歩(23)
51 7七桂(89)
52 2五歩(24)
53 8五桂(77)
54 6四歩(63)
55 9三桂成(85)
56 同 桂(81)
57 8六飛(76)
58 8五桂打
59 5五歩打
60 6二飛(72)
61 7四歩(75)
62 同 歩(73)
63 5四歩(55)
64 同 銀(53)
65 6四歩(65)
66 同 飛(62)
67 5五歩打
68 6五歩打
69 5七銀(66)
70 6三銀(54)
71 6六歩打
72 7五歩(74)
73 6五歩(66)
74 7四飛(64)
75 6六角(88)
76 2六歩(25)
77 同 歩(27)
78 2五歩打
79 同 歩(26)
80 2六歩打
81 9六歩(97)
82 4二角(33)
83 9五歩(96)
84 7六歩(75)
85 7五歩打
86 同 角(42)
87 同 角(66)
88 同 飛(74)
89 6六金(56)
90 7九角打
91 4八銀(57)
92 7二飛(75)
93 7三歩打
94 4二飛(72)
95 9四歩(95)
96 8八角成(79)
97 5六金(66)
98 9九馬(88)
99 9三歩成(94)
100 8四歩打
101 7二歩成(73)
102 8九馬(99)
103 5七金(56)
104 7二銀(63)
105 8二と(93)
106 2五銀(34)
107 3九玉(28)
108 7七歩成(76)
109 7二と(82)
110 6七と(77)
111 5六角打
112 5七と(67)
113 8九角(56)
114 5六歩打
115 2三歩打
116 同 金(32)
117 2八歩打
118 7二飛(42)
119 5六飛(86)
120 4八と(57)
121 同 玉(39)
122 7九飛成(72)
123 5九飛(56)
124 6八龍(79)
125 投了
まで124手で後手の勝ち
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20160828今日の一手<その378> ; 飛車が向かい合っているとき

2016-08-28 | 今日の一手

20160828今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





一昨日の一手の回答
少し前から。

後手は美濃囲いに入ったので仕掛けます。でも76歩で困っていました。33角も必要です。あるいは52飛のままならよかったのですが。
Mさんは気が付かず55同歩同銀同銀同角で問題図。


☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は58飛と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は55角と持ち駒銀で2枚。51飛も加えられそうではありますが。

総合すれば互角ですが後手がリードできるか?という局面です。

大局観として
55同角ではなくて55同飛なら後手がリードしていたはず。形勢が傾くというほどではないのですが、未完成の穴熊なので先手が不安でしょう。角で取ったのでこの角が不安定です。先手が放置すれば57歩とか56歩とかで素抜きの筋はあるのですが、先手番です。
玉を固めるというわけにはいかないので、55角の不安定さをついて駒得もしくは後手の飛車を抑え込むような展開にもっていきたいのです。


△ 実戦では55同飛と取りました。

55同飛と取り返され76歩57飛成11角成

これで先手が香得です。しかし67竜68香87竜88歩47竜38銀打56竜21馬57歩

と進んでみると、先手は桂香を得しましたが歩切れなのです。58銀を嫌って47角と投入するに至っては駒得とは言えません。そのあと長い戦いになりましたがOさんの勝ちで終わりました。

途中76歩ではなくて66角でどうか。

これなら後手が竜を作るのが遅れるので11角成とできれば先手がよさそうです。後手は44銀とか51飛打ちとか、結局互角の交換になるのでしょう。


○ 筋としては54歩です。

54同飛には46銀44銀

これで角と銀歩の2枚換えが約束されます。すぐにとっても良いのですが、19玉と入るのが戦い上手。51飛

を待って55銀同銀76歩56歩22角

これなら先手がよいでしょう。

55銀には同飛ですが

55同飛同銀22角

これも先手よし。11角成が実現すれば駒得が確定します。

戻って19玉には56歩が嫌味。(これが嫌なときはすぐに55銀を選びます。)

56同飛77角成同角56飛

65角53飛44角同歩21角成

2枚換えで馬ができました。88角にも54歩51飛53桂

これは穴熊の遠さが生きます。攻め駒を増やすように、金をとったら11馬を狙っていけば指せます。つまり52金左にも61桂成が詰めろで、61同飛22馬

99角成53銀51歩11馬

という調子です。先手の攻め駒が4枚なので優勢です。


○ 54歩としないで46銀も考えたいところで

46同角51飛成37角成

37同玉51金左76歩

後手に角がなければ37玉の形も怖くはないです。

後手は46銀に33角と引くのでしょう。

飛車交換では銀を打った分だけ損ですが、54歩42金97角

と使えます。64銀とか52歩とか謝らせれば45銀から33角をいじめられるので先手が指しやすいです。


× 56歩はおとなしい手で

33角19玉24角46銀

銀も打たないと57歩や33桂があるので危ないです。これで穴熊に囲ってから。
先手が悪いとは言いませんがつまらないです。ただし後手は良い形が作れなければ先手玉が固まっていくので実戦的には大変でしょう。


× 79角は悪くはなさそうに見えますが56歩

33桂から45桂を見ているので、56同飛37角成同玉56飛28玉32金

ということになるのでしょう。28玉の前に22角は12飛66角成同歩67角

です。結局飛角交換で、落ち着いて来れば飛車のほうが価値が出てきそうです。


飛車が向かい合っているときに間に入っている駒は危険です。ピンチはチャンスということもあり得るのですが、とにかく問題図は考えどころです。

54歩は後手の飛車のひもを切る手筋。同飛に46銀で角が取れます。ただし歩切れなので、その先に問題がないか考えなくてはなりません。

46銀を先にすると持ち歩があるので比較的安全ですが、33角の時に54歩で指せるということがわからないと失敗です。

実戦の55同飛も、後で香車を取って角が成れる(これが大きな手だと何回か書きました)ので指したくなります。ただし後手は手に乗って57飛成とできるので互角。66角と打てば57飛成が遅れるけれど飛車にひもを付けられて互角の交換、と結局は互角です。
55角のチャンスボールに、力をためずにすぐに返してしまったという感じです。

後手を持ったら、55同角は危ないなあ、と思わなくてはなりません。自分から仕掛けたなら、55同飛とぶつけて指せるかどうか、を読むものです。

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大山将棋研究(259); 三間飛車に中央位取り

2016-08-27 | 大山将棋研究
昭和50年11月、中原誠先生と第2回名将戦決勝第2局です。


大山先生の先手三間飛車に中原先生は中央位取りです。三間飛車は56歩と突けるので中央位取りは拒否できるのですが、大山先生はすぐに受けないことも多いですね。

中原先生は急戦なのですが

あまりうまい作戦には見えませんね。大山先生は軽くさばきます。

角を使い

飛車を走り

飛車を切って銀をぶつける。いかにも振り飛車という感じですが、左桂が残っているので形勢は互角です。

54歩なら53銀は重い攻め方なので、22の角を55に出るのが攻防手、これでかなり難しい局面です。

と金を作れば3枚目の攻め駒ですが、中原先生は5枚攻め駒があります。ここで15歩が好手。

手抜いて75角とか42金とかも難しそうですが、15同歩に25桂、これで15香からの寄せです。

26歩にも15香で

14桂も左右挟撃の良い手ではありますが、24歩がうまい受け方でした。24同歩には25香で、17玉は26銀で詰み。15香の余地があると攻めが厳しくなるのですね。
24同歩25香27銀には22歩と受けておくのでしょう。後で33玉と逃げ出す余地があって後手玉がつかまりません。

75角にも26香が厳しく、これで受け無しです。

中原先生にしては下手な序盤かなあと思ったのですが、大山先生のさばきが好調のようでも89桂が残ってしまったので少し足りませんでした。48角の前に77桂とするか、86歩には同歩とするか、選択肢はいろいろあったのですが。
終盤で55角とか15歩とか24歩とか、好手連発で中原先生の勝ちになりました。

終盤の検討をするにはいい題材です。先手を持てば中盤のさばきの変化を検討し、終盤に逆転する筋はないか、と考えます。後手を持てばよい寄せ方とは何か、攻防の手段とは何か、ということが学べます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:中原誠名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 7四歩(73)
17 3八銀(39)
18 5四歩(53)
19 5八金(69)
20 5五歩(54)
21 6七銀(68)
22 5三銀(62)
23 9六歩(97)
24 6四歩(63)
25 4六歩(47)
26 5四銀(53)
27 3六歩(37)
28 4二銀(31)
29 9七香(99)
30 1四歩(13)
31 1六歩(17)
32 9四歩(93)
33 4七金(58)
34 8四飛(82)
35 5九角(77)
36 7三桂(81)
37 7五歩(76)
38 同 歩(74)
39 同 飛(78)
40 7四歩打
41 7六飛(75)
42 6五歩(64)
43 5六歩(57)
44 同 歩(55)
45 4八角(59)
46 8六歩(85)
47 6五歩(66)
48 8一飛(84)
49 5六銀(67)
50 5五歩打
51 7四飛(76)
52 6三金(52)
53 5四飛(74)
54 同 金(63)
55 4五銀(56)
56 同 金(54)
57 同 歩(46)
58 5六歩(55)
59 5四歩打
60 6九飛打
61 5三銀打
62 5五角(22)
63 3七桂(29)
64 8九飛成(69)
65 5二金打
66 同 金(41)
67 同 銀成(53)
68 3一銀(42)
69 5三歩成(54)
70 1五歩(14)
71 同 歩(16)
72 2五桂打
73 2六歩(27)
74 1五香(11)
75 2五歩(26)
76 1九香成(15)
77 1四桂打
78 2四歩(23)
79 7五角(48)
80 2六香打
81 1七玉(28)
82 1五金打
83 投了
まで82手で後手の勝ち
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大山将棋研究(258); 三間飛車に玉頭位取り

2016-08-26 | 大山将棋研究
昭和50年11月、内藤国雄先生と第8回連盟杯争奪戦です。


内藤先生が三間飛車に振り

大山先生は4筋から3筋の位取り。

石田流が確定して引き角にしました。

64銀を防ぐ65歩をみて銀を引きます。不思議な指し方ですね。

7筋の歩交換には73銀で対抗し、内藤先生は戦線拡大です。

大山先生としてはしっかり囲えるまでは我慢です。

これでひと段落。

端を攻めれば16同香とは取りにくいですね。

端を詰めても15香の形ならあまり得とも言えません。75歩から角交換。

これで香取りですから内藤先生が動かなければいけないのですが

75歩と突きだすのが好手。

飛車が取れました。

大山先生の飛車得ではありますが、受けるのは大変そうです。

内藤先生の攻め駒は4枚。大山先生はうまくかわすしかありません。ここでは44銀か54とか、狙いにはまるようでも端に追うべきだったでしょうか。

14香は左右挟撃ですが、23玉と立ったのが驚きの受け。

13金と打たせて右に逃げようとする好手でした。ここで43銀と引いて

13金14香が取り残されました。小駒は足が遅いので、玉を逃げ出されたら捕まえにくいのです。

大山先生はどんどん逃げればよく

銀を取られても上に逃げられればよいです。

投了図。

大山先生の不思議な指し方が目立ちます。けれど飛車得でも54歩を生かされたら自信なしです。内藤先生の14香はやりたくなりますけれど、わざと金を打たせる23玉が見えませんよね。面白い将棋ですが下手にまねをしないほうがよさそうです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:内藤国雄9段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6八銀(79)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 7五歩(76)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 8四歩(83)
19 6六歩(67)
20 4三銀(42)
21 6七銀(68)
22 4五歩(44)
23 5八金(69)
24 5二金(61)
25 3八銀(39)
26 2四歩(23)
27 7六飛(78)
28 3五歩(34)
29 5六歩(57)
30 3四銀(43)
31 7九角(88)
32 5三銀(62)
33 7七桂(89)
34 3一角(22)
35 6五歩(66)
36 2二玉(32)
37 5七角(79)
38 6二銀(53)
39 7四歩(75)
40 同 歩(73)
41 同 飛(76)
42 7三銀(62)
43 7六飛(74)
44 7四歩打
45 5五歩(56)
46 4三金(52)
47 5六銀(67)
48 3三桂(21)
49 6六角(57)
50 5二飛(82)
51 5四歩(55)
52 同 飛(52)
53 5五銀(56)
54 5一飛(54)
55 5四歩打
56 3二金(41)
57 8六歩(87)
58 1五歩(14)
59 同 歩(16)
60 1六歩打
61 8五歩(86)
62 1五香(11)
63 1八歩打
64 7五歩(74)
65 同 角(66)
66 同 角(31)
67 同 飛(76)
68 7四歩打
69 7六飛(75)
70 8八角打
71 8四歩(85)
72 7五歩(74)
73 同 飛(76)
74 9九角成(88)
75 7八歩打
76 7四香打
77 同 飛(75)
78 同 銀(73)
79 6二角打
80 6一飛(51)
81 5三角成(62)
82 同 金(43)
83 同 歩成(54)
84 2五桂(33)
85 1四香打
86 2三玉(22)
87 1三金打
88 3三玉(23)
89 5四と(53)
90 4三銀(34)
91 同 と(54)
92 同 玉(33)
93 4四銀打
94 5二玉(43)
95 8三歩成(84)
96 同 銀(74)
97 8二歩打
98 6二玉(52)
99 8一歩成(82)
100 同 飛(61)
101 6四歩(65)
102 7四銀(83)
103 6六桂打
104 7三玉(62)
105 6三歩成(64)
106 同 銀(74)
107 8五歩打
108 6五歩打
109 同 桂(77)
110 8三玉(73)
111 9五歩(96)
112 7四銀(63)
113 投了
まで112手で後手の勝ち

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20160826今日の一手<その377> ; 持ち歩が多いと技をかけやすい

2016-08-26 | 今日の一手

20160826今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、MさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答
少し前から。

先手が2筋の歩を切っているのが珍しいですが、升田式石田流のような戦型です。32金と上がれば升田式。ここで24飛とぶつければ少し後手が指せていたと思います。
実戦は44角と打って28飛36歩同歩同飛37銀35飛

で問題図です。
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。(攻める方向によるので、横から攻めるならという意味で、上から攻めるなら違いはないでしょう。)
先手の攻め駒は28飛と持ち駒角で2枚。37の銀もすぐに使えそうです。
後手の攻め駒は35飛44角で2枚。33の桂は使いやすいです。

総合すれば互角です。

大局観として
形勢互角ではあるのですが、先手の手番です。後手は32金を省略しているのでそれがどうか。飛車打ちの隙はないのですが、43の歩が浮いていますね。それを狙って攻め筋がありそうです。2歩手持ちにしているので使う筋はわかりますね。25の歩がないので、角を打ちやすくなっています。駒得を目指しましょう。


△ 実戦は74歩でした。

狙いは王手飛車ですね。でも飛には角のひもが付いています。少し指し過ぎのにおいがします。
74同歩なら46角73銀35角同角

急いで攻めるとまだ怪しいところはありますが、34歩が狙えるので先手が少し良いようです。

74歩に25飛なら

73歩成同銀25飛同桂28銀

これは後手のほうが負担が多いので、ゆっくり指していけば先手がいいでしょう。

ということで、実戦では36歩でした。

46銀に25飛なら後手もまあまあ指せたと思います。75飛と逃げて34歩45桂73歩成同桂76歩

73歩成を同桂と取ったのが危険な手です。ここで飛車を逃げ回っていると45の桂を取られるので、37桂成同桂同歩成75歩28と

後手玉が危険です。実戦では74桂93玉45銀29飛69飛

と先手が手堅く指したのですが、69に飛車を使うようでは攻めが細くなってしまいました。後手玉は中段に逃げ出して寄せにくく
なって逆転勝ちです。

見えづらい手ですが、74桂93玉82角84玉62桂成

というのが詰めろで金取り。これなら先手勝勢でした。


× 46銀と出るのは指したい手で

34飛には16角があります。75飛なら34歩45桂18角

これで桂馬が取れそうです。後手は44角が邪魔ですね。77角成同桂44歩なら33歩成か43角か。

46銀には25飛とぶつけられます。

25同飛同桂に28歩は1筋の歩を伸ばされて端攻めがあります。28飛と自陣飛車を打って24歩に26歩

というのも手筋ですが、17桂成同香14歩

これは桂得でも後手のペース。19飛の打ち込みを見て端攻めで指せます。


○ 34歩が持ち歩を生かした攻めです。

34同飛には16角

43角成と34歩があるので困っています。37飛成同桂36歩43角成37歩成44馬28と34歩

ならば先手優勢。

36歩の前に32金と備えても

(52金左が利けばよいのですが21飛があります)34歩36歩33歩成37歩成22と28と32と

これも先手優勢。

戻って34歩に45桂は46銀

飛車を追っていけば桂馬が取れます。

34歩に25飛は

33歩成28飛成同銀33角

桂得ですから先手有利。


○ 先に16角と打つのもよい手で

52金左34歩45桂46銀

25飛とぶつけられる変化もなく、すんなり駒得になります。


△ 66銀と75の歩を守るのは普通の手で

25飛同飛同桂28銀

はゆっくり指せば少しよいです。

25飛に26歩24飛46角

として74歩を狙うのはどうなんでしょう。悪くなさそうに見えます。


× 26角は狙い過ぎで

34飛44角同飛

の後、24飛を狙って後手のペース。後手は44の角がない方がよいのです。


×24歩と打って

飛車で44の角を取って・・・というもくろみですが、24同歩同飛32金

こういうのは振り飛車の術中です。



16角の筋に気が付けば桂馬が取れます。
34歩と打ってから16角か、黙って16角かは悩みますが、どちらも先手が指せます。
後手は23の歩が手持ちならば25歩で受けられるのですから、持ち歩のありがたみがわかりますね。昔から「飛車先交換3つの得あり」と教わるのですが、(この解釈はコンピュータソフトは重要だと思っていないので解釈が揺れています。)でもそれで得た持ち歩が使えるなら指しやすくなる可能性が高まります。持ち歩が多いと技をかけやすいのです。指し手の可能性が増えるので、好手が存在しやすくなるという理屈ですね。
これは逆を持っても言えることで、石田流なら3筋の歩を交換したくなるでしょう。居飛車が37歩と謝ってくれるなら38歩の揺さぶりがかけられるかもしれません。居飛車は交換されたら(37歩を打つのも打たないのもありますが)銀を繰り出してけん制して・・・というのはよく見る展開です。
最初に書いたように、後手としては24飛とぶつけて歩を謝らせたかったのです。それなら飛車先交換がただの手損に終わったかもしれません。

実戦の74歩は急所ではあります。王手飛車をかけても(1歩渡すし)よいかどうかがわかりにくいのですが、結局は34歩があるために成立しています。実戦では思わぬところから一気に終盤になりましたが、62桂成は見えにくいです。見えていなくても82角84玉91角成で勝ちそう(次に82桂成なら見えやすい)です。

66銀は一番自然な手で、じっくり指しておいても十分指せます。後手に角を手放してもらったので少しゆっくりできるのです。

46銀は飛車交換が不安です。

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大山将棋研究(257); 四間飛車に中央位取り

2016-08-25 | 大山将棋研究
昭和50年11月、桜井昇先生と第1期棋王戦です。


大山先生の四間飛車に桜井先生は中央位取りです。

66歩が少し早く、54歩とぶつかって

結局大山先生のほうから取ることになりました。

ここから中盤です。66銀の形が現時点では角筋を止めているだけなので仕掛けどころですね。

端の位を取っているので少しゆっくりした戦いですが、端攻めに同玉がびっくりしますね。良い手だというわけではないのですが。

93玉の形ですから桜井先生は桂馬を捨てて

飛車交換を狙えます。

一段落して82玉。結局1歩で1手稼いだので、桂損とはいえ形勢は互角に近くなっています。

角筋が通り、ここで74歩というのも善悪不明ですが

74同銀ではなく86銀ではないかという気はします。

櫻井先生は桂を取って86桂が狙いですが、銀があるので83銀打で受かります。

大山先生としては72銀打で千日手ではつまらないので、玉頭は手抜いて飛車をさばきます。

竜馬を封じて66桂狙い。ここは26竜だったでしょう。

67歩ではおとなしく、59歩46銀と使わせたので後手玉が少し安全になります。

竜を玉頭に使って、桜井先生はどこまで迫れるか。

75歩で竜を呼んで73銀と受けるのはしっかりした手ですが、ここで12馬から56馬を狙えばまだまだ大変だったはず。

角が働き出して、攻め駒を攻めます。ここからは大山先生が優勢です。

85銀打もハッとする手ですが

攻め駒が足りません。こういう局面になって11の馬が働いていたらなあ、と気が付くものなのです。

ちょっと変わった投了図。

桜井先生相手に、少し冒険してみようか、という大山先生の指し方でした。多分桜井先生は攻め将棋ですが狭いところを読むほうが得意なタイプなのでしょう。今でいうと三浦先生みたいな。猪突猛進をうまくかわした将棋でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:桜井昇6段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 4三銀(32)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(68)
18 3五歩(34)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 5五歩(56)
22 3二飛(42)
23 1六歩(17)
24 8二玉(72)
25 5六銀(57)
26 5二金(41)
27 6六歩(67)
28 4二角(33)
29 2六飛(28)
30 5四歩(53)
31 6五歩(66)
32 3四飛(32)
33 5七銀(48)
34 5五歩(54)
35 同 銀(56)
36 7二銀(71)
37 5八金(49)
38 3三桂(21)
39 1五歩(16)
40 4五歩(44)
41 7七角(88)
42 5四歩打
43 6六銀(55)
44 3六歩(35)
45 同 歩(37)
46 5三角(42)
47 1六飛(26)
48 2四歩(23)
49 9五歩(96)
50 同 歩(94)
51 9三歩打
52 同 玉(82)
53 3七桂(29)
54 1四歩(13)
55 4五桂(37)
56 同 桂(33)
57 4六銀(57)
58 1五歩(14)
59 3五歩(36)
60 4四飛(34)
61 2六飛(16)
62 2五歩(24)
63 同 飛(26)
64 2四歩打
65 2六飛(25)
66 8二玉(93)
67 9三歩打
68 同 香(91)
69 9四歩打
70 同 香(93)
71 7五銀(66)
72 7四歩(73)
73 同 銀(75)
74 8四歩(83)
75 6四歩(65)
76 同 歩(63)
77 4五銀(46)
78 同 飛(44)
79 8六桂打
80 8三銀打
81 同 銀成(74)
82 同 銀(72)
83 7四銀打
84 3五飛(45)
85 2四飛(26)
86 7四銀(83)
87 同 桂(86)
88 8三玉(82)
89 2一飛成(24)
90 3一歩打
91 1一角成(77)
92 4四歩打
93 6七歩打
94 7七歩打
95 同 桂(89)
96 3九飛成(35)
97 5九歩打
98 3六龍(39)
99 4六銀打
100 3八龍(36)
101 2五龍(21)
102 7五歩打
103 同 龍(25)
104 7三銀打
105 8六龍(75)
106 7四銀(73)
107 7五歩(76)
108 6五歩(64)
109 7六香打
110 7五銀(74)
111 同 香(76)
112 7四歩打
113 3九歩打
114 2八龍(38)
115 2九歩打
116 2四龍(28)
117 8五銀打
118 同 歩(84)
119 同 龍(86)
120 8四歩打
121 7四龍(85)
122 9三玉(83)
123 9五香(99)
124 同 香(94)
125 9四歩打
126 同 玉(93)
127 9六歩打
128 同 香(95)
129 9五歩打
130 同 玉(94)
131 6五龍(74)
132 6四銀打
133 6六龍(65)
134 7六歩打
135 同 龍(66)
136 7五銀(64)
137 9六龍(76)
138 同 玉(95)
139 9七歩打
140 同 玉(96)
141 9八歩打
142 同 玉(97)
143 9九歩打
144 同 玉(98)
145 7九金(69)
146 9七桂打
147 投了
まで146手で後手の勝ち




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