名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(658);四間飛車に左64銀急戦(加藤一二三)

2017-09-30 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆今日の棋譜20170930
昭和57年6月、加藤一二三先生と第23期王位戦です。谷川8段という年は加藤一二三名人という年でもあります。そうか、中原先生は王将戦で1-3から3連敗(千日手1局)、続けて名人戦でも3-4負け(持将棋1千日手2)と連敗したんですね。調子が悪かった時期というか大山先生に狂わされたというか。

大山先生の四間飛車に加藤先生は急戦です。大山先生は袖飛車ではありませんね。このところうまくいっていないから控えましたか。

加藤先生は棒銀ではなく左64銀急戦というか山田定跡というか、ななめ棒銀というか。この頃はまだいろいろ指していたのかも。後手番ですが47金が急戦には不向きだろうと急いで仕掛けたのです。

これはよくある手順で、74歩と伸ばして角交換を挑みます。

銀を出ないで22角と打つのをよく見ますが、この場合は単純に銀をぶつけて構いません。86同銀同飛77角89飛成88飛同竜同角55桂がぴったり。

66銀とかわされて、87銀不成~76銀成とか75銀とかは見るのですが、95銀というのは定跡書でも見たことがないですね。ともかく銀を捨てて桂を取って飛を成ります。そうなるなら1手で75銀と捨てるよりも2手で96歩~95歩のほうがかなり得です。

大山先生は66銀を取られるだけ、というのがひどいです。馬で味よくとられてはかなわないので

角を打って82歩というのは、どうにでもしてくれ、という感じです。

加藤先生は単に銀をとっても良いのですが、76桂から桂を成って

成桂と角を交換します。これでも2枚換えなのですが、うまく66銀を取り切ってしまえば優勢になるはず。

59馬88飛というやりとりがおかしいです。飛車をさばかせてよし、というのは守備駒を減らして寄せきる、と読んだというはずですが。

これで先手玉を寄せ切らないとおかしいのです。66竜で悪いこともなさそうなのですが。

角を切って、48金同金同馬38金、47馬同金49竜38銀、が寄らないです。攻め駒3枚なのでうまくいかないですね。多分そういう読み間違えで、66竜と取ってやり直し。

大山先生は自玉に手を入れて

69角にも96角が好打。87銀と打たせて

清算して26桂が入り、形勢不明になってきました。

加藤先生は65馬から56銀に馬を切り

25銀を打って受けるのですが、もう泥仕合です。

桂打ちがぴったりの寄せのようでも

馬を切って手が戻ります。33香を食らうと危ないということですね。

47銀打ねらいですが

大山先生は76角と活用して手を遅らせ(67銀打に同角)

攻防の角打ちです。

加藤先生も訳が分からなくなったのでしょう。こういう手は加藤先生らしくなくて

金も打ったのに返し技がありました。

これでは金銀を取られるだけです。

大山先生は角打から

金を取って

銀も取った後、96香と逃げたのは辛い手ですね。何もさせないと。

投了図。

久しぶりに定跡に近い急戦でしたが、大山先生はしばらく指していないので対応がおかしかったようです。加藤先生が有利で、簡単に寄せられるはず、というのをどこか読み間違えています。(だったら単に66銀を取っておくものですが。)泥仕合になると大山先生のほうが手慣れたもので、何度も自陣を補強し、角の好手も何度か出てきました。
加藤先生も疲れておかしくなりました。
振り飛車党は是非並べておく将棋ですが、居飛車党はさっと見ておくだけでいいかも。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:加藤一二三名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 4二銀(31)
17 4六歩(47)
18 7四歩(73)
19 5八金(69)
20 5三銀(42)
21 3六歩(37)
22 4二金(41)
23 7七角(88)
24 8五歩(84)
25 4七金(58)
26 7五歩(74)
27 同 歩(76)
28 6四銀(53)
29 7四歩(75)
30 7五銀(64)
31 6五歩(66)
32 7七角成(22)
33 同 銀(78)
34 8六歩(85)
35 同 歩(87)
36 同 銀(75)
37 6六銀(77)
38 9五銀(86)
39 9六歩(97)
40 8九飛成(82)
41 9五歩(96)
42 7六角打
43 3九金(49)
44 7九龍(89)
45 4八飛(68)
46 6七角成(76)
47 8八角打
48 6九龍(79)
49 8二歩打
50 7六桂打
51 7七角(88)
52 6八桂成(76)
53 同 角(77)
54 同 馬(67)
55 8一歩成(82)
56 5九馬(68)
57 8八飛(48)
58 8七歩打
59 同 飛(88)
60 5八角打
61 8二飛成(87)
62 4七角成(58)
63 同 銀(38)
64 6六龍(69)
65 3八銀打
66 6九龍(66)
67 3七角打
68 同 馬(59)
69 同 銀(38)
70 7八龍(69)
71 4八桂打
72 6九角打
73 9六角打
74 8七銀打
75 同 角(96)
76 同 龍(78)
77 同 龍(82)
78 同 角成(69)
79 2六桂打
80 6五馬(87)
81 5六銀(47)
82 同 馬(65)
83 同 歩(57)
84 2五銀打
85 3八銀打
86 6九飛打
87 9一と(81)
88 5八角打
89 8一飛打
90 2六銀(25)
91 同 歩(27)
92 4七桂打
93 同 銀(38)
94 同 角成(58)
95 3八銀打
96 同 馬(47)
97 同 金(39)
98 7一歩打
99 8七角打
100 4九飛成(69)
101 3九香打
102 5八銀打
103 7六角(87)
104 6七銀打
105 同 角(76)
106 同 銀成(58)
107 8四角打
108 5八成銀(67)
109 4七銀打
110 7二角打
111 8二飛成(81)
112 8三金打
113 7三歩成(74)
114 同 銀(62)
115 7一龍(82)
116 8四金(83)
117 5八銀(47)
118 同 龍(49)
119 7二龍(71)
120 4九銀打
121 4七銀打
122 7八龍(58)
123 6六角打
124 3八銀(49)
125 同 銀(47)
126 4四角打
127 8四角(66)
128 5八金打
129 7三龍(72)
130 6九龍(78)
131 9六香(99)
132 6二角(44)
133 同 龍(73)
134 同 金(52)
135 同 角成(84)
136 8九飛打
137 4九桂打
138 同 金(58)
139 5一銀打
140 投了
まで139手で先手の勝ち

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20170930今日の一手(その578);好手には好手で返す

2017-09-30 | 今日の一手

20170930今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、OさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

1手前はこの図で、66の銀をかわして後手玉に詰めろをかけたのです。駒取りをかわして良さそうな手ですね。

それを57角と良さそうな手で返されました。84銀を防いで攻防に働きそうです。これが問題図。

☆ 形勢判断をします。
角銀桂歩と金の交換です。と金の作り合いは53と のほうが良い位置なのでそれほど損をしている感じはしませんが、先手の駒損です。寄せ合いの段階なので損得の重みは下がります。
玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は75銀と持ち駒飛金香で4枚。
後手の攻め駒は28飛57角49角と持ち駒銀銀で5枚。

総合すれば後手有利です。

何手で詰めろがかかるかを数えてみれば、後手玉は57角を取るか利きを遮れば詰めろです。現状2手すき。
先手玉は67角成で詰めろ、現状2手すきです。
互いに2手すきなので手番の先手が有利です。

☆ 大局観として
寄せ合いの段階ですが先に後手玉に詰めろがかかりました。攻防の角打ちで詰めろ逃れ、でもまだ先手玉は詰めろではないので少し余裕があります。
好手の角を打たれたので好手で返したいのですが、どれが良い手でしょうか。


× 78金と手を入れたくなりますが

75角成同歩69銀

79香にも78銀成同香67角成同歩79銀

と詰み筋があります。75角成同歩の形は後手玉に詰み筋がありませんから負けです。

69銀に74歩しかないですが

78銀成同玉67角成同玉66歩

66同玉68飛成67歩64金に75桂

しばられても桂打ちがあるのですが、75同金以下同玉74歩65玉67竜66歩75銀

など、上部脱出ができずに先手の負けになりそうです。


× 97玉の早逃げは

好手の可能性もありますが、この場合は67角成同歩75角成同歩88銀

で詰まされます。


× 詰めろをかけるなら85歩

がセオリー通りの手ですが、79銀98玉(この交換はいれなくても、また79同玉と取っても)75角成同歩67角成

で67の馬が85の地点に利くのが詰めろ逃れの詰めろになって負けです。

ここまでの変化は角2枚で銀金を剥がされるのが後手にとって攻防になるのです。


△ 66香と角筋を止めても詰めろで

66同角成同金68飛成

合駒を使うと後手玉の詰めろが消えます。97玉に86銀同銀95銀

というわけのわからない手があります。95同歩同歩で端を攻めようという意味で、後手玉の詰めろが消えている(86銀と捨てた)ので難解です。75銀打ならば千日手になるので引き分け以上ですが、打開すると難しいです。


○ 実戦は堂々と57同金と取りました。もちろん詰めろ。

これで勝ちなら問題なしですが。68飛成78香79銀97玉88銀打

88同金同銀不成同玉76角成

この手が詰めろ逃れの詰めろで先手の負けになりました。

一つ前の図で98玉なら

まだどうなっていたかわかりません。後手の正解は99銀成同玉76角成

で勝ち(76同金に97香~98香成同玉78竜)、なのですが見えたかどうか。

実は78香がまずく、78飛

とするのが正解でした。香か飛を合駒ならば後手玉は詰めろを保てました。この図は79銀に89玉で良いですし、飛交換でも問題なしです。飛合いが好手なんですね。


○ 63飛は攻防の手で

角をもらって74銀同玉65角という詰み筋があります。つまり67角成に74銀同歩67飛成

が詰めろです。

後手は75角成ですが(75同歩は67角成同飛成66金で負けそう)、この時に61飛成

が詰めろ。72銀同竜同玉63銀82玉75歩

これならば後手玉の詰めろを保てます。


× 先に74銀も良さそうですが

74同歩63飛73銀61飛成

ここで72銀の時に竜を逃げるわけにいかず、72同竜同玉63銀82玉72銀打で詰めろ。しかし89飛

から先手玉が詰んでしまいます。
先手は自玉に手を入れることはできても竜を切ってからでは望み薄。これは手順前後でした。


☆ まとめ
終盤の寄せ合いでは何手すきかを数えるのですが、どちらかが素直に応じて負けだとなると、何か好手を探すことになります。
(ここでは1局全体を振り返っての好手という意味合いよりも、局地的な良い手、という感じで好手と書いています。)
問題図の一つ前の75銀

が好手、次の57角(問題図)

が好手、となれば何か好手が欲しいです。

問題図では先手の駒損ということもあり、単純に受けるだけでは勝ちにくい(持ち駒を使うのが好手になりにくいし、後手は角の利きで攻防手がありそう)という事情があります。早逃げも利きませんでした。

実戦の57同金の場合は78飛合い

が強い受けの好手です。実戦の香合いは負けでした。

他には63飛

が攻防になりそう。攻防手の多くは大駒あるいは飛び道具(+桂香ということ)です。攻防の手を探してみましょう。


こうしてみると終盤における好手というのは、攻防手、強防手、玉の早逃げ、でしょうか。これ以外に駒を捨てて敵玉を危険にする手、両狙いの攻め、というのもあるのかなあ。そういう手を好手だと認識して探す能力(とそれを確認する感覚や読み)を鍛えることが棋力向上につながりそうです。

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大山将棋研究(657);四間飛車に四枚美濃(谷川浩司)

2017-09-29 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170929
昭和57年6月、谷川浩司先生と第21期十段戦です。

大山先生の四間飛車に谷川先生は天守閣美濃です。

急戦にする形もあります。右46銀の派生形ですね。大山先生は銀を引いて受けました。37桂から26飛~35歩というのが普通なのですが、それだと天守閣美濃が不安定になると思います。

ということで55銀から引き角にして

四枚美濃にチェンジ。銀の動きで互いに2手損していますから手の損得はなし。66歩を突けたので先手が得をしています。

なので大山先生は55歩(同歩45歩)、谷川先生は金を上がって

こういう配置です。この四枚美濃は攻撃力が下がるので右金を使って攻めることがあるのです。さらに銀冠、銀矢倉なども考えられましたが

65歩から55金と攻めるのは谷川先生らしいです。64金を受けにくいので

大山先生は取らせて66歩を利かせようと。68歩と謝っても谷川先生が悪いことはないのですが

踏み込みます。

大山先生は飛を取るよりは金銀を剥がすほうを選び

裸にしました。

角を活用して調子は良いです。

谷川先生は飛取りが楽しみなのですが

53香を利かされた(53歩や銀を防がれた)ので当てが外れた、と思ったのがいけなかったのでしょう。ここで金銀を埋めるか、64銀と置いておくか、でまだ何とも言えない形勢でした。

あっさり飛を取ってしまったのがまずかった(何か指して46歩なら飛を取ればよい)のです。51飛で2手すきですが、55角は詰めろ。88銀打には76銀があるというのが誤算だったのでしょう。ならば87金とか、まだ粘りようはあったのですが。

詰まされて投了です。

特に若いころの谷川先生は攻め将棋(振り飛車で粘っていた時期もあったと思いますが)で、指し手が直線的ですね。自陣に手を入れておいても形勢不明なのですが、一番速い攻め方を選びます。どこかで誤算があって一手負けにしてしまいました。間違いを認めればけっこうあっさり負けてしまう(変に粘らない)傾向もあります。
大山先生に気持ちの良い指し手が多いのですが、受けられたら大変(だけど受けないだろう)、受けさせたらポイント(受けざるを得ないだろう)というところを探っている感じです。谷川先生のの棋風が分かったかも。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:谷川浩司8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 8六歩(87)
18 7二銀(71)
19 8七玉(78)
20 5二金(41)
21 7八銀(79)
22 4三銀(32)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 5七銀(48)
26 6四歩(63)
27 3六歩(37)
28 7四歩(73)
29 4六銀(57)
30 3二銀(43)
31 5五銀(46)
32 6三銀(72)
33 7九角(88)
34 5四歩(53)
35 6六銀(55)
36 4三銀(32)
37 7七銀(66)
38 2二飛(42)
39 6六歩(67)
40 5五歩(54)
41 6七金(58)
42 5六歩(55)
43 同 金(67)
44 5四銀(43)
45 5八飛(28)
46 7二金(61)
47 3七桂(29)
48 7三桂(81)
49 4六角(79)
50 8四歩(83)
51 6五歩(66)
52 同 銀(54)
53 5五金(56)
54 5三歩打
55 6四金(55)
56 同 銀(63)
57 同 角(46)
58 6六歩打
59 5三角成(64)
60 6七金打
61 3一馬(53)
62 7八金(67)
63 同 金(69)
64 6九銀打
65 5九飛(58)
66 7八銀(69)
67 同 玉(87)
68 6七金打
69 8八玉(78)
70 7七金(67)
71 同 玉(88)
72 5六銀打
73 6八歩打
74 4五歩(44)
75 7八玉(77)
76 6七歩成(66)
77 同 歩(68)
78 9九角成(33)
79 7七銀打
80 5三香打
81 5八歩打
82 4二飛(22)
83 同 馬(31)
84 同 金(52)
85 5一飛打
86 5五角打
87 8一金打
88 8三玉(82)
89 8二金打
90 9三玉(83)
91 7二金(82)
92 7七角成(55)
93 同 桂(89)
94 6七銀成(56)
95 投了
まで94手で後手の勝ち
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大山将棋研究(656);四間飛車に居飛車穴熊(石田和雄)

2017-09-28 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170928
昭和57年6月、石田和雄先生と第21期十段戦です。

大山先生の四間飛車に石田先生は居飛車穴熊です。

石田先生は四枚で囲わずに右銀は攻めに使います。

ここで65歩が普通、88角65銀は今一つ、というのが普通の急戦定跡なのですが

銀を引いて抑え込まれるのはうまくない、というのが常識です。

でも角を転回してみると、64歩~65歩というのが間に合わず。これは良い勝負なんですね。

ここで飛交換なら互角です。

71飛に73桂と跳ねて取らせるのは桂香を順番に取らせない手筋、とはいえ違和感はあります。

駒の取り合いの後に86銀が不自由で、やや先手もちです。でもすぐに86馬では26香もあるし、馬の交換になりました。

この角の打ちあいは先手の方が得ですね。

14桂18桂の打ちあいも微妙です。

24歩が取れないのでは大山先生のほうが良さそうですが、石田先生の42香も攻防です。

大山先生は歩の手筋で穴熊を乱し

桂を取りに行きます。

その桂で金を剥がしますが、46の金を取られているので難しいですね。

46香を取り返しにくいので攻撃続行ですが

15桂と打たれるのは痛そう。

馬を引いて受けに回りました。石田先生はここで39銀を打ってしまうべきか。39銀17玉14歩くらい。
実戦は77馬と受けに利かせたのですが

49香から38金と受けて逆転というか大山先生有利です。

少しゆっくり攻めて

15桂はハッとする返しですが

これなら寄せがありますね。一度44角33角から

手順に竜を移動して23桂で寄りです。

石田先生もたくさん駒を持っていますが

詰みはなくて投了図。

居飛穴も金銀3枚ならば銀冠との堅さの違いは少ないです。飛交換の後では86銀が不自由なのでやや先手もち、とはいえ投了図で65銀も働いていないので大きな差でもなかったですね。難しい終盤の攻防でしたが、馬を引き付けた後で香金と埋めたのが大きくて大山先生が勝ち切りました。
振り飛車党(対居飛穴)ならば並べておきましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:石田和雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 3三角(22)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 5八金(69)
20 1二香(11)
21 4六歩(47)
22 1一玉(22)
23 3六歩(37)
24 2二銀(31)
25 4七金(58)
26 3一金(41)
27 1六歩(17)
28 5一金(61)
29 2六歩(27)
30 4一金(51)
31 2七銀(38)
32 3二金(41)
33 3八金(49)
34 7四歩(73)
35 2五歩(26)
36 8五歩(84)
37 7七角(88)
38 7五歩(74)
39 7八飛(68)
40 6四銀(53)
41 5六歩(57)
42 7六歩(75)
43 同 銀(67)
44 7二飛(82)
45 6七銀(76)
46 7六歩打
47 5九角(77)
48 7五銀(64)
49 2六角(59)
50 8六歩(85)
51 同 歩(87)
52 同 銀(75)
53 7六飛(78)
54 同 飛(72)
55 同 銀(67)
56 7九飛打
57 7一飛打
58 7三桂(81)
59 6五銀(76)
60 8九飛成(79)
61 7三飛成(71)
62 6六角(33)
63 8二龍(73)
64 9九角成(66)
65 5三角成(26)
66 4四馬(99)
67 同 馬(53)
68 同 歩(43)
69 5三角打
70 5九角打
71 3七桂(29)
72 1四桂打
73 1八桂打
74 4五歩(44)
75 2四歩(25)
76 4六歩(45)
77 同 金(47)
78 6八角成(59)
79 4七歩打
80 4二香打
81 2三歩成(24)
82 同 銀(22)
83 2二歩打
84 同 金(31)
85 2四歩打
86 同 銀(23)
87 2三歩打
88 同 金(22)
89 2五歩打
90 3三銀(24)
91 1五歩(16)
92 2二金(23)
93 1四歩(15)
94 4六香(42)
95 4四桂打
96 4二歩打
97 3二桂成(44)
98 同 金(22)
99 4五桂(37)
100 4七香成(46)
101 同 金(38)
102 1五桂打
103 2六角成(53)
104 2七桂成(15)
105 同 馬(26)
106 7七馬(68)
107 4九香打
108 8八龍(89)
109 3八金打
110 4四馬(77)
111 3七金(47)
112 1四歩(13)
113 2六桂(18)
114 2四歩打
115 3三桂成(45)
116 同 馬(44)
117 2四歩(25)
118 同 馬(33)
119 2五歩打
120 1五桂打
121 2四歩(25)
122 2七桂成(15)
123 同 玉(28)
124 2五歩打
125 4四角打
126 3三角打
127 同 角成(44)
128 同 桂(21)
129 9一龍(82)
130 2一銀打
131 2三桂打
132 同 金(32)
133 同 歩成(24)
134 2六歩(25)
135 同 金(37)
136 3八龍(88)
137 同 玉(27)
138 3七金打
139 同 玉(38)
140 4五桂打
141 同 香(49)
142 同 桂(33)
143 4七玉(37)
144 投了
まで143手で先手の勝ち
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20170928今日の一手(その577);自陣角か駒得か

2017-09-28 | 今日の一手

20170928今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、SさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩がないのでカウントします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただし上から攻められる形ですから穴熊を過信してはいけません。
先手の攻め駒は持ち駒角銀2枚。
後手の攻め駒は75飛と持ち駒角銀で3枚。
総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は中飛車左穴熊ですね。対策はずいぶん出てきて、この図の居飛車で対抗するというのは穴熊を上から攻められるので有力です。
さて、後手は4枚目の攻め駒を作るべく右桂を跳ねたところです。飛車が狭くなるので大胆ですね。追われたら飛を切るということでしょう。後手に飛を切られたら、77金か89金を剥がされるわけで、先手玉のほうが堅いとは言えなくなります。
方針としては駒損を回復するか、攻め合いを考えるか。その時に先手玉の堅さをキープできるように注意するか、取らせても寄せ合いで勝ちにするか、というのは棋風によります。
攻め合いにするにも右桂が使えていないというのが泣き所で、中央の位を取って飛を動かしさらには穴熊、とかなり手がかかっていますから攻めの体制を作りにくいわけです。攻め駒が少なくても攻めがあるかどうか。


○ 実戦は86角と打って

74飛には75銀ですね。

銀で飛を取れるなら先手よしです。

実戦では当然のように飛を切られ

どれで取るか悩みますが、77同桂67銀に54歩

というカウンターがあったのです(が見つけられず)。

54歩ではなく57飛78歩89金68銀成に54歩

でまだ指せたのですがこれも見つけられず。

54歩ではなく71飛22玉41銀79金

これは受けが無くなって後手の勝ちに終わりました。


○ 54歩を先にするのもあって

これで58飛が攻め駒になりますね。54同銀に同飛同歩86角

というのが狙い筋ですが、74歩75角同歩71飛41銀73飛成

で先手よしとは言えません。現状は2枚換えで玉も堅い、わけですが後手玉を攻めるのに手数がかかります。少し後手よしだと思います。

全部決めないで54歩同銀に86角

とすれば飛は切られにくいでしょう。
74飛には75銀、横に逃げたら54飛もあります(85飛には74銀)から、55飛同飛同銀61飛41銀62銀

最後の62銀と打つのが見えにくいのですが、これで53銀成と51銀成を見て先手よしです。


○ 86銀と打つのは手堅くて

77飛成同銀引ならあまり怖くないというわけです。

もちろん76銀と隣から打てば(形は良いですが)76同飛同金67銀

が嫌なので86から打つしかないです。

さて、86銀には74飛。そこで82角

というのが私の好みなのですが。自玉を固めておいて駒損を解消しに行きます。

61から角を打つのもありますが、72歩

と呼びこまれて、72同角成85桂83馬77桂成同銀引

は取れるかもしれなかった桂で金を剥がされたので嫌な感じです。ただし後手の飛が逃げ回るなら実は指せるのかも。

△ 他には56角

と自陣角もありますね。84飛75銀85飛86金

22玉85金同桂86銀84歩81飛

駒を取り切れれば先手よしではあるのですが、やや自信なし。


× 単に82角だと85桂

というのが後手のねらい通りです。
78金77歩同桂同桂成同銀85桂

がひどいわけではないですが、攻められっぱなしになります。

と言って85桂に86金79飛成

というのも気分は良くないです。


△ 86金として

79飛成同銀67角68飛

というのも嫌は嫌なのですが、先ほどの形、82角85桂が入っているよりもましです。順序を逆にして85桂に82角と打つ人はいないでしょう。そういう違いです。


△ 78金引は形が良いですが

手を渡すのがどうか。76歩86角74飛54歩

ならば大成功。

49角59飛67銀

と攻められて、77金58角成(77同飛成も怖いが)同飛同銀成

という変化や

後手も22玉と溜めて41銀とか


42金右に82角とか


どれも難しそうな変化で、78金引の局面自体は互角です。


× 78飛は振り飛車らしい手で

85桂はけん制しています。それも難しいですが。まあ55飛46角

59飛成73角成29竜91馬76歩67金75桂68金引19竜

桂香の拾い合いだけなら互角でも、後手から76歩を利かされるのが嫌な手です。ここから76飛に74香

が王手飛車と67銀(78歩と打てる)を狙った好手です。この変化は後手よしです。


☆ まとめ
問題図の直前、後手の73桂は積極的な手でしたが、隙がありました。先に42金右が正解だったのでしょう。

王手飛車のラインが見えるかどうか。攻め駒を増やす54歩がいかにも筋なので、気が付きやすいとは言えますが。(私はなかなか見えませんでしたが。)それでも攻め駒3枚なので気が付きにくいんですよね。右桂が攻めに参加できているならば54歩は一目ですが。そういうところが中飛車左穴熊の悪いところです。攻撃力が足りないんですよね。
86角でも54歩でも先手よしですが、86角の方が(この筋に気が付いていれば)紛れが少なさそうです。
両取りの筋で局面が動くという例ですね。

駒得を目指すならば、86銀と補強して(これが85桂を防いでいるのも心強い)、82角が良い手だと思うのですが、61角や56角もありそうです。駒得を急がない方が良く、一度自陣に手を入れてから駒を取りに行きます。91角成の後は馬を使って飛を追いかける、までできれば有利になります。


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大山将棋研究(655);四間飛車から角交換(森安秀光)

2017-09-27 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番谷川先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170927
昭和57年5月、森安秀光先生と第3回日本シリーズです。

森安先生の四間飛車で、大山先生は位を取りたかったのだと思います。でも中央の位は取れず、玉頭位取りも反撃されそうです。

なので急戦の構え。72飛67銀75歩同歩64銀ならばまあまあ。72飛46歩は嫌ですね。13角69飛24角~44歩~42銀~43銀という指し方もありますが。

まあ大山先生がそんな急戦を指すはずもなく、中央の歩を交換して銀を出て行こうということでしょう。森安先生は元気よく角交換を挑み

銀を追い返し

46角は1歩使わせて飛をさばこうということでした。74飛と横歩を取るのが狙いです。

大山先生は飛をまわって耐えますが、ちょっと不安な受け方です。

88角があるので悪くはないというのです。

香を取ってうまくやったようでも

森安先生は軽く歩を成り捨てて両取りがあります。

大山先生は馬を殺し駒得を主張します。

角銀交換ですが、先手陣のほうがまとまりが良く、99香がさばけています。互いに飛を活用して

森安先生は端攻め。

大山先生は馬銀と使って、まだ不安ながらも調子は出てきました。

端の攻防は

79馬の利きが通るか止まるかで

馬は消えましたが、まだ大山先生は香得です。

端は一段落。

今度は飛を攻めます。

森安先生は飛を切って両取りの角打ちで返します。

端の逆襲で大山先生が有利になったか。

桂の成り捨て、これを取れず

左右挟撃で寄せに出ます。

森安先生の寄せは、飛の合駒で受けきられるか。

うまく迫りますが

桂打ちで後続がなく

投了図。

早指しだということを考えればなかなか良い将棋です。大山先生は駒得でも自陣が薄く、受けきれるようには見えないのですが、うまく受けて反撃が強力になりました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:森安秀光8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八銀(39)
12 3二玉(42)
13 3九玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5三銀(62)
19 5六歩(57)
20 7四歩(73)
21 2八玉(39)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 5五歩(54)
25 同 歩(56)
26 同 角(22)
27 6五歩(66)
28 5四銀(53)
29 5五角(77)
30 同 銀(54)
31 5六歩打
32 4四銀(55)
33 4六角打
34 5五歩打
35 6四歩(65)
36 6二飛(82)
37 6三歩成(64)
38 同 金(52)
39 5五歩(56)
40 8八角打
41 5四歩(55)
42 5五歩打
43 9八香(99)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 9九角成(88)
47 7七桂(89)
48 9八馬(99)
49 5三歩成(54)
50 同 銀(44)
51 5五角(46)
52 6四歩打
53 1一角成(55)
54 2二銀(31)
55 1二馬(11)
56 1一香打
57 2二馬(12)
58 同 玉(32)
59 6六飛(68)
60 9七馬(98)
61 6五歩打
62 8二飛(62)
63 6四歩(65)
64 同 銀(53)
65 4六飛(66)
66 3二金(41)
67 1五歩(16)
68 7九馬(97)
69 6七銀(78)
70 5五銀(64)
71 2六飛(46)
72 1五歩(14)
73 1四歩打
74 5七歩打
75 5九金(58)
76 8六飛(82)
77 1三香打
78 5八歩成(57)
79 同 銀(67)
80 1三香(11)
81 6八銀打
82 同 馬(79)
83 同 金(59)
84 1四香(13)
85 1三歩打
86 1一香打
87 1二歩成(13)
88 同 香(11)
89 1三歩打
90 同 桂(21)
91 6五桂(77)
92 4四銀(55)
93 5六飛(26)
94 5五歩打
95 4六飛(56)
96 8八飛成(86)
97 6九歩打
98 3五銀打
99 4四飛(46)
100 同 銀(35)
101 3六角打
102 6四金(63)
103 1四角(36)
104 6五金(64)
105 3六角(14)
106 2四桂打
107 6三角成(36)
108 2五桂(13)
109 2六歩(27)
110 1六桂(24)
111 同 香(19)
112 1七桂成(25)
113 3九玉(28)
114 2八角打
115 4八玉(39)
116 6七歩打
117 同 金(68)
118 1六歩(15)
119 1三歩打
120 同 香(12)
121 4一馬(63)
122 6六香打
123 1一銀打
124 3三玉(22)
125 5一馬(41)
126 4二飛打
127 2五桂打
128 2四玉(33)
129 1三桂成(25)
130 同 玉(24)
131 1五香打
132 2四玉(13)
133 2二銀(11)
134 3三桂打
135 5七金(67)
136 5六歩(55)
137 4六金(57)
138 6七香成(66)
139 4二馬(51)
140 5七歩成(56)
141 投了
まで140手で後手の勝ち
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大山将棋研究(654);四間飛車に袖飛車急戦(谷川浩司)

2017-09-26 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170926
昭和57年5月、谷川浩司先生と第23期王位戦です。谷川八段という時期も短くて、この年にA級、来年は名人(九段昇段)ということですね。A級に上がったので大山先生も本気を出すでしょうか。

大山先生の四間飛車に谷川先生は袖飛車、35歩同歩46銀の攻め筋です。でもこれは52金32銀の形の時の攻め筋なのです。32飛と備えられたら苦労したと思うのですが。43銀の時には46銀が普通です。

大山先生は32飛と応じない、というのを見越していましたね。32金に35歩同歩同飛、これで少し指しやすくなるかもしれません。

大山先生はいつもの袖飛車なのですが、この時に先手玉が堅いあるいは玉頭を手厚くできる、という利点があります。

谷川先生は66銀から5筋の歩交換。54歩66銀ではつまらない、というのが普通の感覚なのですが、先手は攻めの体制を作りにくいので謝ってしまうほうが良いのかもしれません。75歩から交換しても36飛の横利きがあるので

54歩52歩の交換が入ったというのが大きかったのです。これで55銀が少し安定しました。

谷川先生は攻めの棋風ですから角を使い

42角に44銀、好調子です。

と金を作って有利、大山先生は何か動かねばなりません。54金では43銀がありますね。54銀では方向がおかしいし

桂馬を交換して65銀と投入するのですが、ここで谷川先生は55桂が利いたのが大きかったです。

駒得になったので飛をかわしておきます。

大山先生は馬を作らせても桂2枚で玉頭に迫ります。

でも金を打たれて77歩しかないのではつらい。

銀を追い返されて

銀を引き付けてもはがされ

ここで投了です。

谷川先生の大山シフトがうまくいった序盤でした。米長先生が「序盤の二下手」と(米長谷川を)自嘲されていましたが、この将棋に関しては序盤から圧倒しました。大山先生の袖飛車は指しこなすのが難しいのですが、攻め将棋の谷川先生相手ならば普通に受けておくほうが良い指し方ではないかと思います。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:谷川浩司8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5八金(49)
14 7一玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 8二玉(71)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 5七銀(48)
22 4三銀(32)
23 3八飛(28)
24 3二金(41)
25 3五歩(36)
26 同 歩(34)
27 同 飛(38)
28 6四歩(63)
29 3六飛(35)
30 6三銀(72)
31 3七桂(29)
32 7四歩(73)
33 6八銀(79)
34 7二飛(42)
35 6六銀(57)
36 5四歩(53)
37 5五歩(56)
38 同 歩(54)
39 同 銀(66)
40 7五歩(74)
41 5四歩打
42 5二歩打
43 7五歩(76)
44 同 飛(72)
45 7六歩打
46 7二飛(75)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 9七角(88)
50 4二角(33)
51 4四銀(55)
52 3四歩打
53 4三銀成(44)
54 同 金(32)
55 4六飛(36)
56 4四歩打
57 2二歩打
58 3三桂(21)
59 2一歩成(22)
60 4五桂(33)
61 同 桂(37)
62 同 歩(44)
63 5六飛(46)
64 6五銀打
65 5五桂打
66 5四銀(63)
67 4三桂成(55)
68 同 銀(54)
69 1六飛(56)
70 8五桂打
71 8八角(97)
72 1二香(11)
73 2二角成(88)
74 8四桂打
75 8六金打
76 7七歩打
77 同 桂(89)
78 同 桂成(85)
79 同 銀(68)
80 5三角(42)
81 6六歩(67)
82 7四銀(65)
83 3三馬(22)
84 5四銀(43)
85 5六飛(16)
86 6三銀(54)
87 4三馬(33)
88 6二角(53)
89 7五桂打
90 7三角(62)
91 6三桂成(75)
92 同 銀(74)
93 5四銀打
94 投了
まで93手で先手の勝ち


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20170926今日の一手(その576);玉の懐の広さ

2017-09-26 | 今日の一手

20170926今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、MさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と銀歩の交換で歩はカウントせず、やや先手の駒得です。終盤なのでこれくらいなら損得なしに近いです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は91竜と持ち駒角銀桂香で5枚。十分です。
後手の攻め駒は37桂と持ち駒飛桂香で4枚。これも十分です。

総合すれば後手有利です。

何手で詰めろになるか考えてみると、後手玉は35桂では詰めろになっているかどうか。もう一手必要そうです。現状3手すきくらい。
先手玉は49桂成でも29飛38玉19飛成でも詰めろにならず、現状3手すきくらい。
手番は先手なので寄せ合いは先手有利です。


☆ 大局観として
先手玉に受けがあるかどうかを判断して方針を決めます。
後手の攻め駒は4枚プラス66馬と使うこともできるので受けきりは難しそうです。
29飛や49桂成は怖いのですが、それでも詰めろではないことを確認出来たら、角銀を渡さずに詰めろあるいは2手すきをかけることを考えます。
実戦なら残り時間の制限があるので難易度が上がりますね。あなたの直感では攻めでしたか?受けでしたか?


× 普通の受けは39金ですが66馬

で詰めろをかけられます。48桂59飛68金

まだまだに見えますが、48馬同金29桂成17玉39飛成

詰めろで金の補充も利きますから受けなしです。

68金の前に45銀同歩を入れたとしても

29桂成同金(29同玉は48馬)37銀

どんどん攻められて勝ち目がありません。

57に駒を受けるほうが良いのですが

59飛68金57桂成同銀引同馬同金38歩

といううまい攻め方がありますし

24桂

を入れられても勝てません。


× ということで実戦は38銀

と打って受けたのですが、49桂成同銀右37金

37同銀同桂成同玉45桂48玉66馬57香37銀

駒損で受けていても勝ち目は少ないのです。下に落とされたら負けです。

49桂成には同銀左

が普通の取り方ですが、24桂48桂(この交換を入れないのもある)37歩

と打たれるのが痛くて、駒損を重ねるので勝ち目が薄くなります。


× 他の受け方は45銀で

49桂成には34桂を見ていますから攻防になりそうです。


でも45同歩

と取り返されると99馬の利きが後手玉まで通ります。37玉29飛35桂28銀38玉34香

というのも後手の勝ちでしょう。


○ 寄せ合いなら35桂

が一目ですね。
寄せのセオリーで考えて、直接王手は意味なし。32金を狙うのは24桂や21銀ですがかわされても手抜かれても効果は薄そう。23銀を狙う手を考えます。
最初にこれが詰まなさそう、と書きましたが、実は詰めろなのです。
29飛38玉19飛成に23桂成

23同玉は21竜から上から押さえつけていけば簡単です。
23同金に31角33玉42角成同玉43銀

43同玉に41竜42合32銀で金をもっています。

後手が詰めろに気が付いて41香と受けたら

45銀同歩23桂成同金35桂

これも詰めろ。金駒をもう一枚渡さなければよいので寄せられますし、危なければ37桂を取ってしまえばよいです。


○ 24香もあって

寄せのセオリーならばこちらを先に考えます。これは詰めろではないのですが。
24同銀には34桂33玉42桂成

42同玉には51角、42同金には31竜、金打の合駒ができないので詰めろが続く形です。

後手が手抜いて49桂成なら、23香成同金35桂というのでも良いですが、34桂

が明快です。33玉23香成同玉42桂成

とはがしていけばわかりやすい詰めろが続きます。

後手が29飛~19飛成でも同じことです。



☆ まとめ
問題図を見て、最初に受けを考えるか、攻めを考えるかは棋風によります。
でも後手の攻め駒の数、攻め筋(桂香だけでも攻めに使える)を少し考えれば受けきりにならないという判断は早めにできると思います。
後手の攻めを手抜けるか、どれだけ先手玉がもつか(何手すきか)を確認し、手数が伸びる受け(早逃げとか一回埋めるとか)があるなら考慮します。

そのあとは寄せのセオリーを意識しつつ、攻め筋を考えるだけです。
24香は見えにくいかもしれませんが、35桂はぱっと目につくと思います。
後手玉には2手すき以上で攻めることができるので、実は先手が有利な局面でした。崩れた美濃囲いですが、後手の銀冠よりも広かったのです。銀冠で13玉と逃げ出すと攻めが届かない(懐が広いと表現しますが)ということが頻出しますが、先手が31角と打つ含みや、上から押さえられる形でした。

実は問題図の4手前

後手Aさんは攻める前に42金右と固めてから(91飛成との交換になった)万全の体制で寄せに行った、というはずだったのですが、これがために35桂が詰めろになったり、24香~34桂が厳しくなったり、と裏目に出るところでした。好手に見える悪手でした。先手Tさんは攻める手に気が付かず、悪手をとがめきれずに好手にしてしまったのです。
おもしろい終盤ですね。

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大山将棋研究(653);四間飛車に位取り(米長邦雄)

2017-09-25 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170925
昭和57年5月、米長邦雄先生(当時棋王)と第21期十段戦です。

久しぶりにどちらが振るかという出だしでしたが、米長先生は居飛車に

大山先生は四間飛車です。こうなれば米長先生の位取りは自然です。

大山先生は美濃囲いではなく、右銀も使って中央を厚く構えます。これはかなり古い四間飛車です。

7筋のにらみ合いから

5筋の歩交換に

焦点の歩があって

乱戦含みですが、大山先生は左翼を厚く、という方針を通します。

局面が落ち着けば玉の薄い大山先生が作戦負けになるので

角を使い

左の銀桂を使おうとします。

桂は死にますが

取り返せそうです。

米長先生は6筋から攻めますが

たいしたことはなく、左翼については大山先生の勢力が大きいです。

後手を引いても金を剥がせて

控えの桂で攻められても金で受けて

桂得が残ります。

馬の作り合いでまだまだこれから、というところですが

米長先生の33馬がおかしかったのですね。45桂が入り金を使われてしまいます。44馬が目標になっているので、大山先生がいっぱい手を指している計算になるのです。

46桂も入り、5筋に手がついて

大山先生は俗手で攻めていきます。

この香は痛そう。

米長先生の25香は狙いがあり

成り捨てて

銀を打てば上下から攻めているので悩ましいです。

しかし銀を取れば勝ち、というのが強い手で

投了図。

大山米長戦はケンカ将棋になりやすく、中盤の攻防が華々しかったです。駒得になってやや大山先生が良くなった、というのは左翼の戦力差によるものですが、角で香を取り合ったところでは良い勝負だったはず。でも33馬がおかしいとは。22馬でしょうか。そこからはあっという間でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:米長邦雄棋王
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 7八銀(79)
6 4四歩(43)
7 6七銀(78)
8 4三銀(42)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 6五歩(66)
12 6二銀(71)
13 6六銀(67)
14 4二玉(51)
15 6八飛(28)
16 5二金(61)
17 4八玉(59)
18 3二玉(42)
19 3八玉(48)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 4五歩(44)
23 7七角(88)
24 5三銀(62)
25 4八銀(39)
26 4四銀(53)
27 5七銀(48)
28 3五歩(34)
29 5八金(69)
30 7四歩(73)
31 7八飛(68)
32 7二飛(82)
33 8八角(77)
34 5三銀(44)
35 5五歩(56)
36 同 歩(54)
37 同 銀(66)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 7七歩打
41 同 角(88)
42 7五飛(72)
43 5四歩打
44 4二銀(53)
45 6六銀(57)
46 7四飛(75)
47 6七金(58)
48 5四銀(43)
49 同 銀(55)
50 同 飛(74)
51 5五歩打
52 7四飛(54)
53 4八金(49)
54 4三銀(42)
55 9六歩(97)
56 4二金(41)
57 5八飛(78)
58 5三歩打
59 6四歩(65)
60 同 歩(63)
61 7六歩打
62 7二飛(74)
63 8六角(77)
64 6二飛(72)
65 7七桂(89)
66 7四歩打
67 7五歩(76)
68 6五歩(64)
69 同 桂(77)
70 6四歩打
71 7三桂成(65)
72 同 桂(81)
73 7四歩(75)
74 6五歩(64)
75 7五銀(66)
76 6六銀打
77 6八歩打
78 5五銀(66)
79 7三歩成(74)
80 6一飛(62)
81 7二銀打
82 4一飛(61)
83 6三と(73)
84 7一歩打
85 5二と(63)
86 同 金(42)
87 8三銀(72)
88 4六歩(45)
89 同 歩(47)
90 3四桂打
91 4五金打
92 4六桂(34)
93 同 金(45)
94 同 銀(55)
95 4七歩打
96 5五銀(46)
97 6四銀(75)
98 同 銀(55)
99 同 角(86)
100 9九角成(22)
101 9一角成(64)
102 3三馬(99)
103 4五桂打
104 4四馬(33)
105 5六金(67)
106 3四馬(44)
107 4六桂打
108 2四馬(34)
109 5四歩打
110 同 歩(53)
111 5三歩打
112 4二金(52)
113 5二銀打
114 同 銀(43)
115 同 歩成(53)
116 同 金(42)
117 3四香打
118 2二玉(32)
119 6四馬(91)
120 2五香打
121 3二銀打
122 6一飛(41)
123 5四馬(64)
124 4三歩打
125 同 銀成(32)
126 2七香成(25)
127 同 玉(38)
128 3九銀打
129 3二成銀(43)
130 1三玉(22)
131 3八金(48)
132 2五馬(24)
133 3九金(38)
134 3六歩(35)
135 3八玉(27)
136 投了
まで135手で先手の勝ち

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大山将棋研究(652);四間飛車に二枚銀急戦(北村昌男)

2017-09-24 | 大山将棋研究
☆昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜20170924
昭和57年4月、北村昌男先生と第23期王位戦です。

大山先生の四間飛車に北村先生は急戦です。

袖飛車からななめ棒銀を狙います。大山先生はいつもの袖飛車かと思いましたが

32飛からおとなしく受けました。

北村先生は二枚銀に構えます。しかし45歩同歩33角成では後続がないです。

5筋の歩を角で交換して56銀直と立って45歩、というのが古くからある攻め方です。大山先生は銀を出て

玉頭銀に。北村先生は飛を浮いてけん制します。

45歩はその継続手ですが、角交換してみると55角が残ります。

55歩から角の打ちあいになり

北村先生は銀を追い返せました。でも44角の利きが通ると65歩同歩88角成同玉55角、という筋が残るので苦労しています。

銀を追いながら角交換を外す、というのはひねった手順で

2筋を攻めるのですが44角がある分だけ右翼は後手の勢力が多いです。

飛交換するわけにもいかず

一応は収まりましたが、いつでも36歩の決戦があります。

角の利きを生かしつつ小技をみせました。

飛交換になって

飛の打ちあいです。

大山先生は手順に角を逃げながらさばいて

底歩を打たせて歩切れを突く香打ちが好手。

角を切って金を剥がせば

投了図。

大山先生の序盤がうまく、作戦勝ちから優位に立ち、そのまま寄せてしまいました。北村先生はあれこれ工夫したのですがうまくいきません。55歩の交換がまずかった、というところまで戻りますが、仕掛けようがないので66歩から持久戦千日手しかない、でも攻めの棋風ですからねえ。
後手をもって大山先生の自然な反撃を並べてみましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:北村昌男8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5八金(49)
14 7一玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 4三銀(32)
19 6八銀(79)
20 8二玉(71)
21 5七銀(68)
22 6四歩(63)
23 6八金(69)
24 6三銀(72)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 3八飛(28)
28 3二飛(42)
29 4六歩(47)
30 7二金(61)
31 4七銀(48)
32 5四歩(53)
33 2八飛(38)
34 2二飛(32)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 3七桂(29)
38 5二金(41)
39 5五歩(56)
40 同 歩(54)
41 同 角(88)
42 5四銀(43)
43 8八角(55)
44 6五銀(54)
45 3五歩(36)
46 4三金(52)
47 2六飛(28)
48 3五歩(34)
49 4五歩(46)
50 同 歩(44)
51 3三角成(88)
52 同 桂(21)
53 5五歩打
54 4四角打
55 8八角打
56 5四歩打
57 6六歩(67)
58 7四銀(65)
59 7五歩(76)
60 同 銀(74)
61 5四歩(55)
62 2四歩(23)
63 9七角(88)
64 7六銀(75)
65 2四歩(25)
66 3六歩(35)
67 同 飛(26)
68 2四飛(22)
69 2五歩打
70 3五歩打
71 5六飛(36)
72 3四飛(24)
73 7七歩打
74 5五歩打
75 2六飛(56)
76 8五銀(76)
77 6五歩(66)
78 5四銀(63)
79 6四歩(65)
80 5三金(43)
81 4三歩打
82 3六歩(35)
83 同 飛(26)
84 同 飛(34)
85 同 銀(47)
86 5六歩(55)
87 4八銀(57)
88 2六飛打
89 3四飛打
90 2八飛成(26)
91 4二歩成(43)
92 6六角(44)
93 4九歩打
94 1九龍(28)
95 3九歩打
96 6五香打
97 5二と(42)
98 4三金(53)
99 2四飛(34)
100 4八角成(66)
101 同 歩(49)
102 6八香成(65)
103 同 金(58)
104 6七歩打
105 投了
まで104手で後手の勝ち
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