先手番大山先生の手を考えます。
第1問
2歩手持ちにしたあとの構想です。
A 36飛 B 57銀引 C 77銀
第2問
後手の中央の攻めを緩和したいのです。
A 48歩 B 26飛 C 86香
第3問
気が付きにくい手です。
A 53香 B 42金 C 61金
第4問
両取りで難しくしたようですが、きれいな寄せがあります。
A 61同竜 B 53竜 C 82角成
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
2歩手持ちにしたあとの構想です。
A 36飛 B 57銀引 C 77銀
第2問
後手の中央の攻めを緩和したいのです。
A 48歩 B 26飛 C 86香
第3問
気が付きにくい手です。
A 53香 B 42金 C 61金
第4問
両取りで難しくしたようですが、きれいな寄せがあります。
A 61同竜 B 53竜 C 82角成
今日の棋譜20211130
昭和37年10月、升田幸三先生と第1期棋聖戦です。
升田先生の三間飛車です。
この当時は45歩の急戦定跡は出現していません。大山先生は57金戦法(金立ち戦法)。対中飛車以外にも使えるようですが、玉が薄くなるのが難点です。
すぐに中央から動きます。
スムーズに56金の形を作れるのが、金と銀の違いです。
右銀を繰り出して
3筋を攻めます。
飛で圧力をかけて
2歩手持ちにできました。
銀を引いて
4筋の歩を突き出します。形勢は互角ですが、先手のペースではあるでしょう。升田先生は美濃囲いから木村美濃に組み替えているのですが、堅さを好む現代将棋では好まれませんでした。今のAIならばどれを選ぶかわかりませんが、現代ならば銀冠のほうでしょうか。
33角48飛45歩から角交換して
大山先生は銀を上がるのですが、
65歩77銀引64銀左、これは後手陣の姿が良いです。
57金55歩53歩、53同金は24歩同歩23角とするのでしょうが、升田先生はそのほうが良かったかも。
84角の自陣角は升田好みですが善悪は不明です。49飛53銀
15歩は取ると14歩同香24歩同歩23角がありました。先の13香が角交換に弱かったということなのです。なので端を放置して64銀左。(1~3筋が受からないのならば53同金としておく方が良かったという理屈でした。)
21角には42飛よりも42金のほうがいいのか、よくわかりません。
飛をさばいたけれど、32金が離れていますから。さて駒損は避けられないので何か攻めねばなりません。
角を打ち込んで
左桂を使います。これならば駒損でも悪くはないか。
86香に62角は仕方なかったか。してみると少し苦しかったのかもしれません。
61飛84歩41飛成、この金取りは受けにくいので、
85歩同香84歩32竜
85歩48金。升田先生は飛金と角の交換ですから駒損です。
47香同金同歩成56飛、これで駒損が緩和されて難しくなったか。攻めるならば57金、守る手はいくつかありますが
52歩58歩、互いに辛抱すると、また難しい図です。73角~46と くらいだったでしょうか。
64銀左44歩55金
55同飛同銀43歩成、飛は持ち駒の金を使って取ったので大したことはありません。と金を作られて52とが嫌な感じです。ここは平凡ならば39飛52と35角、戦えないことはないと思うのですが、
54飛の自陣飛車は攻防でした。こういう手は見えにくいです。対して大山先生は53香。52と を実現したかったのですね。でも重いから(後に出てくる)58と同金46銀でまだ難しかったのではないでしょうか。
53同角同と同飛、後手玉の堅さを重視したわけですが、金損は大きいでしょう。先手有利がはっきりしたのでは。
41竜83香
51竜(小さな竜の動きで気が付きにくい)58と同金46銀
59歩57桂成。これで後手の寄せ合い勝ちならば良いのですが、
62金は結構速い手で、58成桂で寄せ合いです。後手玉は2手すきくらいでしょうか。先手玉に詰めろは難しいから3手すきくらい。
72金同銀71角
73玉62竜84玉58歩。一回手を戻すのが良いのですね。68銀を取って73銀打がまわればまだ難しいかというところでした。(72銀には角のひもがついています。)
61金に82角成、竜は見切って角を成れば良いと。
62金86歩で詰めろ。これは受けが難しいです。
73桂85歩同桂86金で詰めろ。
ここまで。
57金戦法で勝つのは大変ですが、右銀を中央に使う形ならば勝負になっていると思います。終盤まで難しい戦いが続いているのですが、升田先生がいくつかチャンスを逃しているのではないでしょうか。大山先生は派手な手を指していない(なので問題集がつまらないかも)けれど確実な手を積み重ねた感じです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/19
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 4二銀(31)
17 6八銀(79)
18 8二玉(72)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 5七金(58)
22 7二銀(71)
23 5五歩(56)
24 同 歩(54)
25 4六金(57)
26 5三銀(42)
27 5五金(46)
28 5四歩打
29 5六金(55)
30 5二金(41)
31 5七銀(48)
32 6四歩(63)
33 3六歩(37)
34 7四歩(73)
35 4六銀(57)
36 4三金(52)
37 3五歩(36)
38 5一角(33)
39 3八飛(28)
40 3五歩(34)
41 同 銀(46)
42 3四歩打
43 4六銀(35)
44 6三銀(72)
45 1六歩(17)
46 1四歩(13)
47 5七銀(46)
48 7二金(61)
49 4六歩(47)
50 1三香(11)
51 4五歩(46)
52 3三角(51)
53 4八飛(38)
54 4五歩(44)
55 3三角成(88)
56 同 桂(21)
57 6六銀(57)
58 6五歩(64)
59 7七銀(66)
60 6四銀(53)
61 5七金(56)
62 5五歩(54)
63 5三歩打
64 8四角打
65 4九飛(48)
66 5三銀(64)
67 1五歩(16)
68 6四銀(53)
69 2一角打
70 4二金(43)
71 3二角成(21)
72 同 金(42)
73 1四歩(15)
74 5六歩(55)
75 5八金(57)
76 2七角打
77 5九飛(49)
78 4六歩(45)
79 1三歩成(14)
80 4五桂(33)
81 8六香打
82 6二角(84)
83 6一飛打
84 8四歩(83)
85 4一飛成(61)
86 8五歩(84)
87 同 香(86)
88 8四歩打
89 3二龍(41)
90 8五歩(84)
91 5三歩打
92 同 銀(64)
93 4八金(58)
94 4七香打
95 同 金(48)
96 同 歩成(46)
97 5六飛(59)
98 5二歩打
99 5八歩打
100 6四銀(53)
101 4四歩打
102 5五金打
103 同 飛(56)
104 同 銀(64)
105 4三歩成(44)
106 5四飛打
107 5三香打
108 同 角(62)
109 同 と(43)
110 同 飛(54)
111 4一龍(32)
112 8三香打
113 5一龍(41)
114 5八と(47)
115 同 金(69)
116 4六銀(55)
117 5九歩打
118 5七桂成(45)
119 6二金打
120 5八成桂(57)
121 7二金(62)
122 同 銀(63)
123 7一角打
124 7三玉(82)
125 6二龍(51)
126 8四玉(73)
127 5八歩(59)
128 6一金打
129 8二角成(71)
130 6二金(61)
131 8六歩(87)
132 7三桂(81)
133 8五歩(86)
134 同 桂(73)
135 8六金打
136 7七桂成(85)
137 同 玉(78)
138 投了
まで137手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
私には見えない両取りの手です。
A 37桂成 B 19竜 C 48銀
第2問
しっかり守られて攻めにくそうですが、この手が見えていれば。
A 59銀不成 B 59銀成 C 36歩
今日の棋譜20211129
昭和37年10月、花村元司先生と第12回NHK杯です。
大山先生の四間飛車、普通の振り飛車は春の名人戦以来です。早指しなので無難なものを選んだのでしょう。
54歩が早いのは中央位取りを阻止するためですが、
玉頭位取りのほうは避けませんでした。74歩も突くのは少し怖かったのでしょう。
石田流を目指します。
花村先生の46歩は42角に45歩を用意したけん制です。
しばらく様子を見ていましたが、66歩を突いたところで大山先生は42角、
65歩に36歩同歩同飛、
35に引いたのですが、34飛のほうが無難でした。
対して花村先生の47金は指したくない気がするのですが。33桂24歩25飛、飛交換しかなくて
でも飛を先着できるからというか、後手陣の角銀の配置が悪くて先手有利かもしれません。
51角64歩同金までは良いのですが、23飛成というのが変な手でした。単に12飛成か23歩成くらいだったでしょう。
52銀12竜49飛、23歩を取ったばかりに後手に52銀の有効手を与えています。両取りで飛を打ち込まれて
48金29飛成65歩63金45歩。この45歩も違和感がありますね。44角には86桂を気にしたのでしょうが、64香を打って互角ではなかったでしょうか。
67歩を同玉と取った?銀か金で取りそうなところです。
89竜44歩42歩、駒損で後手玉も堅いですから、後手有利になっています。
仕方ないので入玉を意識した粘りで、
45桂に銀を逃げなかったのもその一環かと思ったのですが。
57桂成に同金右なんですよね。危なくても57同玉かと思いましたが。これだと入玉までは遠く見えます。大山先生は桂を成り捨てて
37同竜45桂46竜57桂成、桂2枚で金を削るのでは損な取引でしたが、元が駒得なのでこれでも良いのか。
57同竜に49竜と寄って
金を打ち
47竜の王手。玉を逃げると56金なので
57香に48銀と数を足します。69桂には59銀成~69成銀で2つ57への利きを外すことができます。
花村先生はあっさり46竜同竜95歩、もう駒損がひどいから、形つくりのような端攻めです。
27飛に69桂
69銀成に66角、粘ってはいるけれど、
69成銀同金54桂、角は逃げられません。
それでも銀金を打って粘り、
端だけが楽しみというか、形つくりというか。
角を取られて大駒4枚を失いました。やっと王手をかけて
手を戻します。
大山先生は急ぐと危ないので角を打ち込み
二枚竜を見せ
桂香を打たせてから角を成っておきます。
やっと竜を切り
二枚替えにして85馬の王手。
76桂を取っての王手で、詰みではないですがここまで。
先手の陣形も万全ではなかったですが、角銀が浮いている状態で飛交換を迫るのでは大山先生の指しすぎでした。でも花村先生が冴えないのですよね。自然な手を好まない先生ですが、有利になっても奇をてらい過ぎでは。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/13
手合割:平手
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 8二玉(72)
15 5六歩(57)
16 7二銀(71)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 5七銀(48)
20 5四歩(53)
21 7七銀(68)
22 4三銀(32)
23 7五歩(76)
24 5二金(41)
25 7六銀(77)
26 6四歩(63)
27 6八金(69)
28 6三金(52)
29 8六歩(87)
30 3五歩(34)
31 2五歩(26)
32 3三角(22)
33 8五歩(86)
34 3二飛(42)
35 4六歩(47)
36 1四歩(13)
37 7七角(88)
38 1二香(11)
39 6六歩(67)
40 4二角(33)
41 6五歩(66)
42 3六歩(35)
43 同 歩(37)
44 同 飛(32)
45 3七歩打
46 3五飛(36)
47 4七金(58)
48 3三桂(21)
49 2四歩(25)
50 2五飛(35)
51 同 飛(28)
52 同 桂(33)
53 2二飛打
54 5一角(42)
55 6四歩(65)
56 同 金(63)
57 2三飛成(22)
58 5二銀(43)
59 1二龍(23)
60 4九飛打
61 4八金(47)
62 2九飛成(49)
63 6五歩打
64 6三金(64)
65 4五歩(46)
66 6七歩打
67 同 玉(78)
68 8九龍(29)
69 4四歩(45)
70 4二歩打
71 1四龍(12)
72 2九龍(89)
73 2三歩成(24)
74 4五桂打
75 3四龍(14)
76 5七桂成(45)
77 同 金(48)
78 3七桂成(25)
79 同 龍(34)
80 4五桂打
81 4六龍(37)
82 5七桂成(45)
83 同 龍(46)
84 4九龍(29)
85 3二と(23)
86 4六金打
87 6六龍(57)
88 5五歩(54)
89 同 龍(66)
90 4七龍(49)
91 5七香打
92 4八銀打
93 4六龍(55)
94 同 龍(47)
95 9五歩(96)
96 2七飛打
97 6九桂打
98 5九銀成(48)
99 6六角(77)
100 6九成銀(59)
101 同 金(68)
102 5四桂打
103 5五銀打
104 4九龍(46)
105 5九金打
106 1九龍(49)
107 6四歩(65)
108 5三金(63)
109 9四歩(95)
110 6六桂(54)
111 9三歩成(94)
112 同 香(91)
113 同 香成(99)
114 同 玉(82)
115 6六銀(55)
116 6五歩打
117 同 銀(76)
118 8七角打
119 7八桂打
120 2九飛成(27)
121 9四歩打
122 8二玉(93)
123 4九香打
124 9六角成(87)
125 5五歩(56)
126 5六歩打
127 同 銀(65)
128 4九龍(29)
129 同 金(59)
130 同 龍(19)
131 6八金(69)
132 8五馬(96)
133 7六桂打
134 同 馬(85)
135 同 玉(67)
136 8四桂打
137 投了
まで136手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
この筋に目を付けました。
A 73銀 B 75歩 C 84歩
第2問
先手の攻め筋は厳しいですが、反撃を考えて指します。
A 74歩 B 55歩 C 75角
第3問
さらに圧力をかけられました。
A 42玉 B 64歩 C 75角
第4問
寄せ合い勝ちになっています。
A 56角 B 46角 C 37歩
今日の棋譜20211128
昭和37年10月、塚田正夫先生と第1期棋聖戦です。棋聖戦は十段戦と同じ年に始まったのか。豆知識です。
塚田先生の先手で76歩34歩96歩。これは3回目でしたか、これはどちらが飛を振るかではなくて
相居飛車にするのが目的です。大山先生は44歩を突かなかったので
横歩取りです。これを研究していたのだろうと推測していました。(手番を譲って)後手番で横歩を取らたとして、96歩(14歩)を突いてあるのがどれだけ得かという比較です。振り飛車の増えていた大山先生に横歩を取らせたので良い作戦のようにも思いますが、大山先生は相振り飛車よりは横歩取りのほうを多く指しているのではないでしょうか。さて何か先手が96歩を生かせる変化が出てくれば良いのですが。
塚田先生も横歩を取ります。
33銀に84飛とできる(95角の王手飛車がない)というのが主張でした。
大山先生の飛も2筋へ。
82歩を打ってから83歩を突くので1手損しているのですが、ここで77銀15歩と進んだら飛の位置の違いだけですね。手の損得はないです。ならば塚田先生は先手の得を生かしたとは言えなさそうですが、もちろん形勢は互角です。
横歩取りは相振り飛車のようになっていますが、どちらも壁銀を作るという感覚が(この戦型を指さない私にとって)理解しにくいところです。まあ端攻めもあるので仕方ないのでしょうけれど。
銀と飛の位置で違いが出てきます。
塚田先生の下段飛車は守勢ですが、攻勢の大山先生は銀を立って、36歩や46歩を突かせないと主張します。
49飛に44飛
塚田先生が壁銀を解消したら、大山先生は75歩で桂頭をねらいます。
36歩74飛、76歩を防ぐには
65角が仕方なかったでしょうか。少し塚田先生が損をしています。24飛に
46歩54銀47角、角はこのラインに置いておけば84歩同歩94歩同歩92歩の攻め筋があります。
55銀に65角と戻るのでは何をやっているのかよくわかりません。
角は左に引きます。遊んでいるわけではないけれど、65歩のねらいだけでは弱いのではないかな。
大山先生は76歩同銀74銀、64銀を助けて7筋方面での反撃をねらいます。
45歩54歩96角、この銀取りは受けにくいから
75銀直くらい。65歩のカウンターをもらいます。
銀を取り合ってどうかですが、とりあえず74歩の「大駒は近づけて受けよ」の手筋です。74同角とされたら、63歩成同金41銀の筋は受けにくいので、受けずに75角なのでしょうか。74同角75角63歩成同金41銀62玉63角成同玉32銀不成57銀、では後手勝ちか。何か57を受ければ64角として十分だと。
ということで69飛でも75角。何か受ければ64角は同じことです。
74角に45桂、63歩成の受けはないから攻め合いです。
63歩成42玉66歩。先手の飛先が止まったのは痛いかな。後手有利でしょう。
55歩(角取り)に44歩
56歩同角57銀、47玉は77銀不成で詰めろですね。後手勝勢になったか。
49玉37歩、金は逃げづらいです。37同桂同桂成同金には66角か66銀成かで後手優勢でしょう。
45角38歩成同玉、駒得で悪いはずはないですが、先手玉は広くなりました。
44飛53銀、これは取るのでしょうが、
53同角同と を同玉としたので35角のピン。これは大山先生が失敗したのでは?形勢はわからなくなりました。
46銀打56桂
35銀不成44桂同銀72角成と進んで、大山先生は飛銀交換の駒損です。逆転したかもしれません。
42玉の早逃げは良いとして、塚田先生の54馬ってぬるい感じがします。76銀を取るねらいでもないでしょう。馬を移動するならば63のほうが厳しそうなのに。大山先生は45桂を打って(46角を打つ)2手すきでしょうか。57銀にひもを付けた攻防の意味もあるかもしれません。
82飛52歩81飛成37歩、28玉には47角とか46角とか。これは痛いですね。塚田先生はどこかで64馬を利かせなければいけなかったようです。
37同桂同桂成同玉45桂、この桂を取ってもだめなので玉を逃げるのですが、
詰めろがかかり、ほとんど必至です。ここまで。
終盤が難しいのですが、大山先生のほうが押しています。だけど塚田先生にもチャンスはあったのですが、生かしきれなかったです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/11
手合割:平手
先手:塚田正夫9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 8四歩(83)
5 2六歩(27)
6 8五歩(84)
7 2五歩(26)
8 3二金(41)
9 7八金(69)
10 8六歩(85)
11 同 歩(87)
12 同 飛(82)
13 2四歩(25)
14 同 歩(23)
15 同 飛(28)
16 7六飛(86)
17 2二角成(88)
18 同 銀(31)
19 3四飛(24)
20 3三銀(22)
21 8四飛(34)
22 8二歩打
23 8八飛(84)
24 7二金(61)
25 3八金(49)
26 2六飛(76)
27 2七歩打
28 2四飛(26)
29 5八玉(59)
30 5二玉(51)
31 6八銀(79)
32 1四歩(13)
33 9五歩(96)
34 8三歩(82)
35 6六歩(67)
36 1五歩(14)
37 2八銀(39)
38 8二銀(71)
39 6七銀(68)
40 4四銀(33)
41 7七桂(89)
42 3三桂(21)
43 8九飛(88)
44 4五銀(44)
45 4九飛(89)
46 4四飛(24)
47 2六歩(27)
48 7四歩(73)
49 2七銀(28)
50 7五歩(74)
51 3六歩(37)
52 7四飛(44)
53 6五角打
54 2四飛(74)
55 4六歩(47)
56 5四銀(45)
57 4七角(65)
58 5五銀(54)
59 6五角(47)
60 7三銀(82)
61 5六歩(57)
62 6四銀(55)
63 8七角(65)
64 7六歩(75)
65 同 銀(67)
66 7四銀(73)
67 4五歩(46)
68 5四歩(53)
69 9六角(87)
70 7五銀(74)
71 6五歩(66)
72 7六銀(75)
73 6四歩(65)
74 7四歩打
75 6九飛(49)
76 7五角打
77 7四角(96)
78 4五桂(33)
79 6三歩成(64)
80 4二玉(52)
81 6六歩打
82 5五歩(54)
83 4四歩打
84 5六歩(55)
85 同 角(74)
86 5七銀打
87 4九玉(58)
88 3七歩打
89 4五角(56)
90 3八歩成(37)
91 同 玉(49)
92 4四飛(24)
93 5三銀打
94 同 角(75)
95 同 と(63)
96 同 玉(42)
97 3五角打
98 4六銀打
99 5六桂打
100 3五銀(46)
101 4四桂(56)
102 同 銀(35)
103 7二角成(45)
104 4二玉(53)
105 5四馬(72)
106 4五桂打
107 8二飛打
108 5二歩打
109 8一飛成(82)
110 3七歩打
111 同 桂(29)
112 同 桂成(45)
113 同 玉(38)
114 4五桂打
115 3八玉(37)
116 3七金打
117 2九玉(38)
118 2七金(37)
119 投了
まで118手で後手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
気持ちよく対応できます。
A 16歩 B 47飛 C 22と
第2問
後手玉の寄せ方です。
A 42銀 B 83香 C 64歩
第3問
即詰みです。
今日の棋譜20211127
昭和37年10月、升田幸三先生と第1期十段戦です。
大山先生の先手で矢倉です。
升田先生は矢倉ではありませんね。
雁木でもなくて陽動向い飛車でした。
大山先生は玉頭位取りへ。後手の84歩が甘いので先手の作戦勝ちになるでしょうか。
升田先生は24歩を突いて
2筋から攻めます。
大山先生は飛交換に応じてしまいました。ここから21飛28飛と進めば後手有利になるでしょう。
こういう場合の手筋は自陣飛車です。28飛ではなくて27飛に24歩。ここで26歩を打てば桂を取れるのですが、17桂成から1筋の歩を伸ばされるのは嫌です。また38飛の打ち込みもあるので
48銀に14歩。後手は15歩~16歩同歩同香同香19飛という攻め筋もあります。38飛は47銀39飛成66角49竜59金寄となれば捕獲できるのですが、66角の時に37桂成がありそうです。35歩同歩38飛というのもあるでしょう。してみると大山先生の27飛では28飛のほうが正しかったのか? とりあえずこの図のあたりは互角です。
22歩15歩21歩成、升田先生には選択肢があって、13香などと逃げておくか、35歩同歩38飛か、単に38飛か。
16歩11と
17歩成同桂18歩、取れば19飛です。
25桂19歩成
13桂成18飛。これは先に桂損なので後手がちょっと悪そうです。
123成桂14飛成というのは粘っている感じです。これで互角かと言えば
45歩23竜44歩、気持ちよく取り込んで先手が指しやすいでしょう。
32銀17飛。升田先生は歩切れが痛いです。
25歩に12飛成ではなくて12と ですか。この意味は
14香22と
22同竜43歩成が両取りです。
43同銀22角成17香成。駒の損得は同等なのですが、攻め駒の数は4対2くらいで先手有利です。(後手は17成香が遊んでいるのと42角が攻めに使えていない。)先手からは47香がある、けれど44歩同香66桂も気になるということで
57銀53角
41飛42飛から
飛を交換して打ち合います。やはり攻め駒の数が違うから先手有利でしょう。
45桂に44角は升田先生の勝負手。
44同馬同銀のところで42竜とできたのですが、24角で勝負しようということでした。大山先生はそれには乗らずに66角の攻防手です。金銀取りなので
53銀同桂成同金と進み、次の先手83香は詰めろでした。取れないので升田先生は82桂ですが、
62銀同金82香成
82同玉62飛成と進み、53金を守っているわけにもいかないので61香。
53竜に94角は升田先生らしい攻防の自陣角でしたが、大山先生は駒得が大きいので67金打。もう負けようがありません。
升田先生はやっと17の成香を使いますが、
ずいぶん手数がかかります。
大山先生の寄せは74歩同歩86桂
83角に75歩。62桂や73銀打と受けられても好きなように攻めることができます。
47成香74桂同歩58成香で形つくり。後手玉は
角を打ち込んで詰んでいました。ここまで。
陽動振り飛車はなかなかうまくいきません。升田先生もいくつか新しい指し方を開発していくのですが、戦法(定跡)として残ったものはないです。本譜の飛交換は後手番だということも加味すれば成功したと言えるのですが、結局負けてしまいました。84歩71玉の形が83歩82玉だったら終盤はかなり違ったでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/08
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 4八銀(39)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 4四歩(43)
11 2六歩(27)
12 4三銀(42)
13 5八金(49)
14 3三角(22)
15 6八玉(59)
16 2二飛(82)
17 7八玉(68)
18 6二玉(51)
19 7五歩(76)
20 7二銀(71)
21 6六歩(67)
22 4二角(33)
23 7六銀(77)
24 7一玉(62)
25 5七銀(48)
26 2四歩(23)
27 6五歩(66)
28 5二金(41)
29 4六歩(47)
30 3三桂(21)
31 3六歩(37)
32 2五歩(24)
33 同 歩(26)
34 同 飛(22)
35 同 飛(28)
36 同 桂(33)
37 2七飛打
38 2四歩打
39 4八銀(57)
40 1四歩(13)
41 2二歩打
42 1五歩(14)
43 2一歩成(22)
44 1六歩(15)
45 1一と(21)
46 1七歩成(16)
47 同 桂(29)
48 1八歩打
49 2五桂(17)
50 1九歩成(18)
51 1三桂成(25)
52 1八飛打
53 2三成桂(13)
54 1四飛成(18)
55 4五歩(46)
56 2三龍(14)
57 4四歩(45)
58 3二銀(43)
59 1七飛(27)
60 2五歩(24)
61 1二と(11)
62 1四香打
63 2二と(12)
64 同 龍(23)
65 4三歩成(44)
66 同 銀(32)
67 2二角成(88)
68 1七香成(14)
69 5七銀(48)
70 5三角(42)
71 4一飛打
72 4二飛打
73 同 飛成(41)
74 同 金(52)
75 1二飛打
76 1八飛打
77 4五桂打
78 4四角(53)
79 同 馬(22)
80 同 銀(43)
81 6六角打
82 5三銀(44)
83 同 桂成(45)
84 同 金(42)
85 8三香打
86 8二桂打
87 6二銀打
88 同 金(61)
89 8二香成(83)
90 同 玉(71)
91 6二飛成(12)
92 6一香打
93 5三龍(62)
94 9四角打
95 6七金打
96 4六歩打
97 4八歩打
98 4七歩成(46)
99 同 歩(48)
100 2七成香(17)
101 6八銀(57)
102 3七成香(27)
103 4二龍(53)
104 4一歩打
105 5二龍(42)
106 3八飛成(18)
107 7四歩(75)
108 同 歩(73)
109 8六桂打
110 8三角(94)
111 7五歩打
112 4七成香(37)
113 7四桂(86)
114 同 角(83)
115 同 歩(75)
116 5八成香(47)
117 7三角打
118 投了
まで117手で先手の勝ち
先手番二上先生の手を考えます。
第1問
有力な手が多いです。後手に勝負手を与えないように指します。
A 55歩 B 44歩 C 25桂
第2問
寄せの構想があります。
A 43歩成 B 46角 C 77桂
第3問
平凡でも良いのですが、格好いい手があります。
A 73桂成 B 83桂 C 54銀
今日の棋譜20211126
昭和37年9月、二上達也先生と第1期十段戦です。
大山先生の振り飛車模様からの84歩は王位戦と同じ流れです。
二上先生は矢倉で受けます。この77銀のタイミングが早いと見たか、
大山先生は陽動向い飛車へ。その前に74歩を突いているのは、玉頭位取りを避けたのでしょう。
二上先生は77銀を生かして急戦です。すると後手の74歩や84歩が甘いので、先手の作戦勝ちになりそうです。
55歩からの仕掛けです。55同歩には45歩同歩同桂~55銀で十分。
なので大山先生は52飛(その前の62金寄は準備)と受けたのですが、24歩同歩54歩、飛で取れば55銀や22歩なので
54同銀44歩。55歩~43歩成を食らってはまずいから
44同角24飛。仕掛けが成功して、先手有利としても良いでしょう。
65歩77銀22歩に34飛
33角に44歩(打たないで25桂だと55角の変化がある)、また55歩~43歩成のねらいです。
42飛に68銀、二上先生は自然な手を指して攻めが続きます。55歩には25桂もあるし、43歩成同銀33飛成同桂55角~33角成だって利きそうです。
66歩同角65銀
55角73桂45桂、飛角桂だけの攻めですが切れません。
15角31飛成54銀、この両取りを回避できれば優勢に近づきます。
64角52飛53歩。平凡に21竜45銀43歩成でも良かったのですが、より安全な指し方です。
51飛35竜、竜のできた駒得ですから、ゆっくり攻めたほうが確実です。この角取りも受けにくくて、
14歩16歩34歩同竜45銀、後手は銀桂交換して
角を逃げるくらいです。先手の駒得で玉が堅いので、あとは寄せの構想をどうするかということになります。
77桂は4枚目の攻め駒にするという意図でした。つまりこの図で角を逃げるのではなく
73角成同桂65桂、これで攻め駒は4枚。
63金に54銀、この銀を取ると73桂成が詰めろになるという気持ちよい攻めが続きます。
72金63銀成同金55桂
62金73桂成同金63金
62銀73金同銀63桂成。駒得しながら攻めているので先手優勢です。先手の攻撃力が上がり、後手玉は薄くなっていくのです。
62金に83銀も詰めろ。もう勝勢の領域に入っています。
81角に73成桂同金82銀打
62玉に65竜。後手が詰みを避けるには63金しかないですが、73金から追いかけても43歩成でも良いでしょう。ここまで。
陽動振り飛車では、まず玉を囲いきるまでに攻められないこと。次に玉の囲い合いで負けないこと。結構ハードルが高くて、序盤で欲張ってしまうからうまくいかないのでしょうね。大山先生に良いところがなく、二上先生の快勝で終わりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/09/17
手合割:平手
先手:二上達也8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5八金(49)
10 4三銀(32)
11 6八玉(59)
12 8四歩(83)
13 7八銀(79)
14 5四歩(53)
15 7七銀(78)
16 7四歩(73)
17 5六歩(57)
18 2二飛(82)
19 7八玉(68)
20 7二銀(71)
21 3六歩(37)
22 6二玉(51)
23 6六銀(77)
24 5二金(41)
25 4六歩(47)
26 7一玉(62)
27 3七桂(29)
28 6二金(52)
29 5五歩(56)
30 5二飛(22)
31 4五歩(46)
32 6四歩(63)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 5四歩(55)
36 同 銀(43)
37 4四歩(45)
38 同 角(33)
39 2四飛(28)
40 6五歩(64)
41 7七銀(66)
42 2二歩打
43 3四飛(24)
44 3三角(44)
45 4四歩打
46 4二飛(52)
47 6八銀(77)
48 6六歩(65)
49 同 角(88)
50 6五銀(54)
51 5五角(66)
52 7三桂(81)
53 4五桂(37)
54 1五角(33)
55 3一飛成(34)
56 5四銀(65)
57 6四角(55)
58 5二飛(42)
59 5三歩打
60 5一飛(52)
61 3五龍(31)
62 1四歩(13)
63 1六歩(17)
64 3四歩打
65 同 龍(35)
66 4五銀(54)
67 同 龍(34)
68 3三角(15)
69 7七桂(89)
70 5三金(62)
71 7三角成(64)
72 同 銀(72)
73 6五桂(77)
74 6三金(53)
75 5四銀打
76 7二金(61)
77 6三銀成(54)
78 同 金(72)
79 5五桂打
80 6二金(63)
81 7三桂成(65)
82 同 金(62)
83 6三金打
84 6二銀打
85 7三金(63)
86 同 銀(62)
87 6三桂成(55)
88 6二金打
89 8三銀打
90 8一角打
91 7三成桂(63)
92 同 金(62)
93 8二銀打
94 6二玉(71)
95 6五龍(45)
96 投了
まで95手で先手の勝ち