問題集もこれで最終回です。
後手番二上先生の手を考えます。
第1問
これでも苦しいはずですが、この1局の方針になります。
A 46歩 B 42飛 C 56歩
第2問
駒損もかなり消えて、逆転しているようです。攻めるのはここ。
A 46歩 B 26角 C 75歩
第3問
これで寄せ合いが間に合っていると読んだのです。
A 41歩 B 55歩 C 66桂
問題集もこれで最終回です。
後手番二上先生の手を考えます。
第1問
これでも苦しいはずですが、この1局の方針になります。
A 46歩 B 42飛 C 56歩
第2問
駒損もかなり消えて、逆転しているようです。攻めるのはここ。
A 46歩 B 26角 C 75歩
第3問
これで寄せ合いが間に合っていると読んだのです。
A 41歩 B 55歩 C 66桂
今日の棋譜20211224
昭和38年3月、二上達也先生と第12期王将戦第6局です。
大山先生の先手で矢倉です。
64歩と46歩の対抗ですが、
二上先生が中央の位を取り、
中飛車へ。
大山先生は67金左から78玉の形で待ちます。
二上先生の玉は右ですね。陽動中飛車ということになりました。
43銀型を作れずに43金
先手の飛が5筋に移動したので、左銀は53へ。
矢倉と木村美濃の対抗では玉が薄く、後手の作戦負けです。なにしろ二上先生の振り飛車なんて珍しすぎます。
大山流をまねて金銀は次第に玉の周りに集めていきます。
62銀を引いたので、銀冠に組みなおすのだと思ったのですが、
なぜか62に戻っています。単なる手待ちならば作戦負けがひどいということになるわけですが。
大山先生の飛は89へ。二上先生の42飛は特にねらいがあるわけではありません。
大山先生は4筋の位も確保して、玉を引いて8筋を攻めるようです。こんなことをしないで銀冠に組んでいる方がきれいですけど。
52飛85歩同歩同桂
84歩73桂成同銀までは良いとして、もう一回77桂を打つのですか。
継ぎ歩で攻めているという感覚なのでしょう。85同歩には95歩同歩54歩同金92歩同香93歩同香85桂と攻めるつもりでしょうか。65歩同歩54歩同金53歩という攻め方でしょうか。
後手の55歩には84歩82歩が入って
44歩同金45銀、これならば攻めは切れないか。
二上先生は42飛の受けではなくて、54桂57角46歩。48歩の受けならば42飛かな。
44銀同角43金。この両取りは痛そうですが。
47歩成39角56歩、「両取り逃げるべからず」だけど、角を取られたらひどいでしょう。
大山先生は53歩同角52金、歩切れを気にしない癖が出ましたし、ただで角を取らないのですね。後で45桂を跳ねる方が筋が良いということでしょうか。
52同銀51飛61銀打
21飛成58と。駒得ではありますが、後手の攻めも嫌らしく見えます。
88玉84銀
56金95歩。89飛は攻めに働いていませんし、先手玉が安定していないです。ならば攻め合いしかないでしょう。
でももう少し面倒を見るのですか。67金68金
58銀同金までは良いとして、この59歩は
49金と遊ばせて十分だと考えたのですが、57角と逃げるので後手を引いています。端も謝らせされて、
46歩45桂44角53桂打。やっと寄せ合いです。59歩を打ったので53歩と打てなかったのですね。53歩ならば52歩成~61と が厳しかったのですが、61桂成ではちょっと甘いのです。
47歩成を手抜けずに68角、55歩を打たれては61桂成しかないでしょう。
56歩62成桂41歩、後手は妙に粘りが利きます。
52成桂66桂。これで78桂成同玉57歩成は詰めろになっているでしょう。
41竜71金打、金を使わせても後手玉に詰めろもかからないので、79金と逃げますが、
57歩成44竜68と。もう駒得なんて意味がありません。後手玉は安全なので受け切るしかないですが、
68同金57と
57同金78角。87銀~89角成を受けられず、ここまで。大山先生は王将を失冠しました。
順当にいけば二上時代が来るところなのですが、大山先生の全盛期はこれからです。
二上先生の振り飛車が最後に来るとはびっくりしました。駒損で粘っているのでうまくはないですが、小駒だけの攻めで追いつくとは。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/03/19
手合割:平手
先手:大山王将
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 6四歩(63)
13 3六歩(37)
14 6三銀(62)
15 5八金(49)
16 7四歩(73)
17 6九玉(59)
18 5四歩(53)
19 2五歩(26)
20 3三銀(42)
21 4六歩(47)
22 7三桂(81)
23 6六歩(67)
24 5五歩(54)
25 4七銀(48)
26 5二飛(82)
27 6七金(78)
28 6二金(61)
29 7八玉(69)
30 9四歩(93)
31 7九角(88)
32 4四歩(43)
33 5六歩(57)
34 同 歩(55)
35 同 銀(47)
36 6一玉(51)
37 5五歩打
38 7二玉(61)
39 9六歩(97)
40 1四歩(13)
41 6八金(58)
42 4三金(32)
43 5八飛(28)
44 4二銀(33)
45 8八玉(78)
46 5三銀(42)
47 7八金(68)
48 3三角(22)
49 1六歩(17)
50 8二玉(72)
51 4五歩(46)
52 7二金(62)
53 3七桂(29)
54 6二銀(53)
55 4六角(79)
56 4二飛(52)
57 2八飛(58)
58 2二飛(42)
59 8六歩(87)
60 5三金(43)
61 6八銀(77)
62 8一玉(82)
63 7七桂(89)
64 7一銀(62)
65 2九飛(28)
66 6二銀(71)
67 8九飛(29)
68 4二飛(22)
69 4四歩(45)
70 同 金(53)
71 4五歩打
72 4三金(44)
73 7九玉(88)
74 5二飛(42)
75 8五歩(86)
76 同 歩(84)
77 同 桂(77)
78 8四歩打
79 7三桂成(85)
80 同 銀(62)
81 7七桂打
82 5四歩打
83 8五歩打
84 5五歩(54)
85 8四歩(85)
86 8二歩打
87 4四歩(45)
88 同 金(43)
89 4五銀(56)
90 5四桂打
91 5七角(46)
92 4六歩打
93 4四銀(45)
94 同 角(33)
95 4三金打
96 4七歩成(46)
97 3九角(57)
98 5六歩(55)
99 5三歩打
100 同 角(44)
101 5二金(43)
102 同 銀(63)
103 5一飛打
104 6一銀打
105 2一飛成(51)
106 5八と(47)
107 8八玉(79)
108 8四銀(73)
109 5六金(67)
110 9五歩(94)
111 6七銀(68)
112 6八金打
113 5八銀(67)
114 同 金(68)
115 5九歩打
116 4九金(58)
117 5七角(39)
118 9六歩(95)
119 9八歩打
120 4六歩打
121 4五桂(37)
122 4四角(53)
123 5三桂打
124 4七歩成(46)
125 6八角(57)
126 5五歩打
127 6一桂成(53)
128 5六歩(55)
129 6二成桂(61)
130 4一歩打
131 5二成桂(62)
132 6六桂(54)
133 4一龍(21)
134 7一金打
135 7九金(78)
136 5七歩成(56)
137 4四龍(41)
138 6八と(57)
139 同 金(79)
140 5七と(47)
141 同 金(68)
142 7八角打
143 投了
まで142手で後手の勝ち
大山将棋研究はこれで終わりです。
大山康晴全集は第3巻から並べ始めて、絶局までを補い、第2巻、第1巻と逆順で並べ切りました。最初は観戦記のあるところを並べてしまったので、総譜で並べ直した重複があるのですが、香落ちと平手は全部並べたはずです。6年もかかりましたが、いろいろ学べたと思います。
次は天野宗歩先生の将棋を並べるつもりです。またおつきあいください。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
駒得は消えそうで、指しにくくしたかもしれません。なので勝負手です。
A 75歩 B 84香 C 56銀
第2問
先手の底歩が手堅いようで、そうでもなかったのです。
A 99角成 B 41香 C 24歩
今日の棋譜20211223
昭和38年3月、二上達也先生と第12期王将戦第5局です。
大山先生の四間飛車です。
二上先生は急戦のようですが
まだ左46銀(斜め棒銀)はない時代で、あるのは45歩急戦か棒銀くらい。32銀型で待たれていたので選びにくくて(37銀45歩33角成同銀は一局ですが)中央位取りに。
右桂を跳ねる急戦のほうです。まだ6筋の歩を交換する持久戦は指されていない頃でしょうか。
45歩同歩同桂の急戦は失敗するので45同銀、1歩交換してゆっくり指す予定ですが、
後手に44歩を打ってもらえるわけではないので、51角に79角の引き角です。中央位取り+引き角という戦法はあり得ます。後手が13香の形だというのも影響していて、この当時は振り飛車に12香の発想がなかったようです。
33角55角と一度戻って
また51角に24歩同歩79角。今度は33角に44歩とか22歩とか。2筋の突き捨てが入っている方が得だというわけでした。
大山先生は33桂56銀21飛と受けたのですが、
先手の25歩を取れないので指しにくそうです。とりあえず54歩を突いて
24歩62角
23歩成27歩同飛26歩。33と27歩成43と同金32銀は37と が利くので後手有利でしょう。
二上先生はさっぱりと26同飛同角33と。飛と桂歩2の交換+と金でどうか。
44銀34と55銀
55同銀同歩13角成。飛と桂香の2枚替え、馬と金付きです。
47歩同金49飛(37角成ねらい)
58銀19竜27香、これで角が取れるので、駒の損得はないようなものです。
63金43と75歩、玉頭に手が付きました。
26香同飛53と、取れば35角とか35馬とか。
76歩53と同銀、これで先手の駒得になりました。玉頭の嫌味をどうするかですが、
75歩72香は互いに攻防の手で、
68玉75香78歩、先手玉が右翼に逃げ出せそうで、二上先生が有利になっているでしょう。
53金74銀43角というのは、寄せの手順のような、上部開拓のような。攻めるだけならば54歩を打ちたかったですが、後手に56香を打たれるのもなあ、ということもあっての選択でしょう。
72金54角成、これで55歩を取り払えば
と思ったのですが、63銀打に86桂でした。
銀馬銀と取り合って、金銀の数がずいぶん違いますね。先手有利か優勢のはずですが。
88角49歩。これが手堅いようでもおかしかったのかもしれません。(何か受けないと56香~48竜同金79銀の筋があった。)
底歩には41香が痛くて、59金は薄い受けです。
46歩同金99角成という図は先手の難局です。63銀から攻めても勝てないでしょう。
66銀89馬75銀
65桂66銀46香。46同馬には48竜同金・・・では寄せ切れなくて、77歩成同銀同桂成なのでしょう。
65銀48香成57玉。二上先生は上部脱出できるかどうかですが、
79馬68銀37竜、合駒しても受けきれないので
66玉65歩55玉と逃げだしますが、
97馬64桂36竜で詰めろ。駒損がひどいので受けもなく、ここで投了です。
二上先生が無理をして飛を切ったようでも、形勢は難しいです。駒得になったところでは成功なのですが、寄せに行ってしまうのは棋風なのでしょうね。悪くないはずでしたが、手厚くとか、のらりくらりとか指すのが得意ではないので失敗してしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/03/05
手合割:平手
先手:二上達也8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5八金(49)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5六歩(57)
16 8二玉(72)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 5七銀(68)
20 5二金(41)
21 3六歩(37)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 1四歩(13)
25 5五歩(56)
26 4三銀(32)
27 5六銀(57)
28 6四歩(63)
29 4六歩(47)
30 1三香(11)
31 3七桂(29)
32 4一飛(42)
33 1六歩(17)
34 7四歩(73)
35 4五歩(46)
36 同 歩(44)
37 同 銀(56)
38 5一角(33)
39 7九角(88)
40 3三角(51)
41 8八角(79)
42 5一角(33)
43 2四歩(25)
44 同 歩(23)
45 7九角(88)
46 3三桂(21)
47 5六銀(45)
48 2一飛(41)
49 2五歩打
50 5四歩(53)
51 2四歩(25)
52 6二角(51)
53 2三歩成(24)
54 2七歩打
55 同 飛(28)
56 2六歩打
57 同 飛(27)
58 同 角(62)
59 3三と(23)
60 4四銀(43)
61 3四と(33)
62 5五銀(44)
63 同 銀(56)
64 同 歩(54)
65 1三角成(79)
66 4七歩打
67 同 金(58)
68 4九飛打
69 5八銀打
70 1九飛成(49)
71 2七香打
72 6三金(52)
73 4三と(34)
74 7五歩(74)
75 2六香(27)
76 同 飛(21)
77 5三と(43)
78 7六歩(75)
79 6三と(53)
80 同 銀(72)
81 7五歩打
82 7二香打
83 6八玉(78)
84 7五香(72)
85 7八歩打
86 2八飛成(26)
87 5三金打
88 7四銀(63)
89 4三角打
90 7二金(61)
91 5四角成(43)
92 6三銀打
93 8六桂打
94 5四銀(63)
95 7四桂(86)
96 9二玉(82)
97 5四金(53)
98 8八角打
99 4九歩打
100 4一香打
101 5九金(69)
102 4六歩打
103 同 金(47)
104 9九角成(88)
105 6六銀打
106 8九馬(99)
107 7五銀(66)
108 6五桂打
109 6六銀(75)
110 4六香(41)
111 6五銀(66)
112 4八香成(46)
113 5七玉(68)
114 7九馬(89)
115 6八銀打
116 3七龍(28)
117 6六玉(57)
118 6五歩(64)
119 5五玉(66)
120 9七馬(79)
121 6四桂打
122 3六龍(37)
123 投了
まで122手で後手の勝ち
後手番二上先生の手を考えます。
第1問
どう受けても悪いのですが、簡単に負けてはいけません。
A 52桂 B 42桂 C 32銀打
第2問
頑張っているうちに怪しくなってきました。
A 95角 B 59角 C 45銀
第3問
これで後手勝ちになっていました。
A 69飛 B 38竜 C 68銀
今日の棋譜20211222
昭和38年2月、二上達也先生と第12期王将戦第4局です。
大山先生の先手で矢倉です。
54歩と46歩の対抗になり、
二上先生は角で7筋の歩を交換します。
75同歩同角に65銀として86歩同歩同角を食らってだめになった将棋を並べたことがありますが、先手が68角とすればその筋はありません。
55歩を突いたので、大山先生は銀矢倉へ。
42角37角73銀で形が決まってきました。
二上先生は74銀の形を作れましたが、対銀矢倉ではその威力は小さいです。55歩を突いているので
56歩同歩47金と動かれました。56金の形になると6筋が手厚いから、
52飛58飛で戦場は中央へ。現代矢倉の感覚では22玉くらいですが、
76歩同銀右75銀、中央には関係ない銀をさばこうと。交換して69銀がねらいなので、75同銀同角56飛同飛同金というのが一番激しい変化ですが、
大山先生は銀をかわしてしまいます。ここから少し駒組に戻るのもあるのでしょうが、
二上先生は35歩同歩73桂74銀66銀。73桂はともかく、3筋の歩を突き捨てるのは現代矢倉の感覚ではないです。
56飛同飛同金も当然の流れでしょう。この時に後手玉が矢倉に入城していないという差が大きいです。
77歩成同桂同銀成
77同銀85桂打、攻めとしてはまあまあなのですが、
81飛の王手から二枚替えにされると、
後手の桂損です。一応3筋の突き捨てが生きて36歩を打てるのですが、
48角28飛に39銀。66角67銀は勝負になるところでしたが。
29飛成で駒を取り返しても、55桂は痛いです。53金には54歩とか34桂とか。
37歩成に43桂成同金55桂のお代わり攻めがあり、
32銀43桂成同金、大山先生は66角くらいでも良かったのでしょうが、角をぶつけて一気に勝ちに行きます。
39銀を取られて、銀桂と金金の交換、と金を作られているのでほぼ損得なしです。75竜の守備力を考えれば先手玉のほうが堅いのか、攻め駒は3対4以上、この図では形勢互角です。
72竜の王手に52桂、75角の含みがあるので苦心の合駒です。
76角32角の打ち合いは先手の得でしょう。ここでどう寄せるかですが、34歩同銀直33歩・・・と崩していくか、53歩を打って勝ちになっているか。
もっと手堅いつもりで、後手から64桂打ちの両取りがあったので66金と寄ったのですが、それでも桂を打たれて、ちょっと怪しい雰囲気が出てきました。
85角47と79歩、二上先生は歩切れなので
35竜63角成76歩。大山先生としては銀は逃げにくいから
76同銀46竜。この時の受け方がおかしかったのでしょうか。
67銀65歩、65同金には57と とか76桂打ちが見えています。形勢はかなり接近しているでしょう。
34歩同銀直33歩同玉35歩
35同竜に31金、気が利かない攻めですが、後手の竜がずれたので、後手の66歩が少し甘くなっています。
66歩32金同玉64馬。67歩成には33歩が厳しく、やはり先手有利なのか?
41金66銀と互いに手が戻り、
71歩62竜76桂77玉。先手玉も王手がかかるようになってきました。
51金打31金、これは取れないので寄せが見えたかというところですが、
33玉41金64桂、この64桂は76桂にひもを付けているのです。64同竜51金では後手玉が寄らないから、
51竜95角、これは逆転したか。
86角51角同金。大山先生は駒得なのですが、後手玉の寄せが見えなくなっています。
68銀同金同桂成で詰めろ。68同玉も詰まされるので、
64桂を角で取って、詰めろが消えていれば良かったのですが、67金を打たれて詰まされます。
ここまで。
大山先生にはいくつか勝ち筋があったはずですが、本譜の順がちょうど負けになっているとは。二上先生にとっては奇跡的なことかもしれません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/02/20
手合割:平手
先手:大山王将
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 2六歩(27)
10 5四歩(53)
11 7八金(69)
12 7四歩(73)
13 3六歩(37)
14 8五歩(84)
15 5八金(49)
16 3二金(41)
17 4六歩(47)
18 3三銀(42)
19 4七銀(48)
20 3一角(22)
21 5六銀(47)
22 5二金(61)
23 6九玉(59)
24 4一玉(51)
25 6六歩(67)
26 4四歩(43)
27 7九角(88)
28 7五歩(74)
29 同 歩(76)
30 同 角(31)
31 6八角(79)
32 4三金(52)
33 5九角(68)
34 5五歩(54)
35 6七銀(56)
36 4二角(75)
37 3七角(59)
38 7三銀(62)
39 7九玉(69)
40 3一玉(41)
41 8八玉(79)
42 7四銀(73)
43 5六歩(57)
44 同 歩(55)
45 4七金(58)
46 5二飛(82)
47 5八飛(28)
48 7六歩打
49 同 銀(67)
50 7五銀(74)
51 8五銀(76)
52 7六歩打
53 6八銀(77)
54 3五歩(34)
55 同 歩(36)
56 7三桂(81)
57 7四銀(85)
58 6六銀(75)
59 5六飛(58)
60 同 飛(52)
61 同 金(47)
62 7七歩成(76)
63 同 桂(89)
64 同 銀成(66)
65 同 銀(68)
66 8五桂打
67 8一飛打
68 2二玉(31)
69 8五銀(74)
70 同 桂(73)
71 同 飛成(81)
72 3六歩打
73 4八角(37)
74 2八飛打
75 3九銀打
76 2九飛成(28)
77 5五桂打
78 3七歩成(36)
79 4三桂成(55)
80 同 金(32)
81 5五桂打
82 3二銀打
83 4三桂成(55)
84 同 銀(32)
85 7五角(48)
86 同 角(42)
87 同 龍(85)
88 3九龍(29)
89 7二龍(75)
90 5二桂打
91 7六角打
92 3二角打
93 6六金(56)
94 6四桂打
95 8五角(76)
96 4七と(37)
97 7九歩打
98 3五龍(39)
99 6三角成(85)
100 7六歩打
101 同 銀(77)
102 4六龍(35)
103 6七銀(76)
104 6五歩打
105 3四歩打
106 同 銀(33)
107 3三歩打
108 同 玉(22)
109 3五歩打
110 同 龍(46)
111 3一金打
112 6六歩(65)
113 3二金(31)
114 同 玉(33)
115 6四馬(63)
116 4一金打
117 6六銀(67)
118 7一歩打
119 6二龍(72)
120 7六桂打
121 7七玉(88)
122 5一金打
123 3一金打
124 3三玉(32)
125 4一金(31)
126 6四桂(52)
127 5一龍(62)
128 9五角打
129 8六角打
130 5一角(95)
131 同 金(41)
132 6八銀打
133 同 金(78)
134 同 桂成(76)
135 6四角(86)
136 6七金打
137 8八玉(77)
138 7八飛打
139 投了
まで138手で後手の勝ち
先手番二上先生の手を考えます。
第1問
逆転のための布石です。
A 55歩 B 84歩 C 57銀
第2問
これで逆転したようです。
A 22馬 B 95歩 C 76角
第3問
この手が利いて、先手優勢です。
A 57金 B 85角 C 54銀
第4問
即詰みです。長いけれど追いかけていけば詰むでしょう。
今日の棋譜20211221
昭和38年2月、二上達也先生と第12期王将戦第3局です。
大山先生の四間飛車です。
普通に端を受けて5筋の歩も突かないというのは、この当時の大山先生としては珍しいかもしれません。
二上先生は引き角です。
あとは矢倉に囲って、ではなくて玉頭の位を取ります。
でも玉頭位取りに移行するのではなくて、桂を跳ねて攻めるようです。
左金は58に行って
その金で攻めようというのは二上先生らしいです。玉の薄さを気にしないのですが、もう少し玉が堅くないと勝ちにくいと思いますが。
大山先生は四間飛車に戻して4筋の位を保ちます。
二上先生はは55歩を取りにくい(55同歩同銀56歩46銀)わけですが、86歩を突いたというのは後で利いてきます。ここで大山先生は56歩の取り込みが自然で、56同金右55歩57金引までは得なはず。そこから35歩なのか、54金なのか、というくらいかと思いましたが。
52飛ではちょっと甘いようです。二上先生は85歩同歩24歩
24同歩同角22飛に33角成28飛成44馬、とは踏み込めないので25歩。
大山先生は27歩同飛を入れてから角を交換して
46歩同金38角、
馬を作って指しやすいでしょう。二上先生も角を打ち込みます。33銀には45桂なので馬は作れますが、
27歩18飛24飛
25歩22飛に34角成ではなくて、83歩同玉55歩。34角成33銀56馬と使いたいわけですね。
28歩成同飛26歩
84歩82玉47銀27馬で両取り。
27同飛同歩成34角成までは勢いですが、ちょっと分が悪いでしょうか。大山先生としては33銀61馬は気持ちが悪いので、
37と44馬の取り合い、飛取りですが先手の馬の筋がずれたので、逃げずに寄せをねらいます。
48飛68金47と
83銀に93玉ですか。清算すると56角~47角(金)があるからですね、どちらが優勢でしょうか。
49歩同飛成67角、この角は攻防に働いているので、49歩を同飛成がおかしいのかも。68飛成もあったかもしれませんし、8段目に逃げておくのでしたか。
58と同角と捨てるのではちょっとおかしな感じ、この86桂ももったいないですが、非常手段でしょうか。
86同銀46飛成でどうかなのですが、
22馬57銀までは必然、ずいぶん駒損になっています。先手玉はせいぜい2手すきで、
先手の85銀は詰めろだったので83銀を取ります。
清算して94銀、94同香にはどこかで87飛~57金の筋ではなくて、94同角同玉91飛から詰むようです。
72玉84桂62玉82飛。51玉には57金で先手の勝ち。
72銀に85角は詰めろで、この角が使えたら先手勝勢です。
74歩に57金同竜72桂成同金51銀、これで詰み筋に入っています。51同玉は52銀から、
71玉は72飛成同玉62金
清算して63銀まで。
先手玉が薄いので、後手有利のまま終盤に入っているのですが、8筋の嫌味を突いた二上先生の逆転勝利です。終盤の読み合い勝負ならば二上先生に分がありました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/02/07
手合割:平手
先手:二上達也8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 6八銀(79)
20 7二銀(71)
21 7七銀(68)
22 4三銀(32)
23 7九角(88)
24 5二金(41)
25 3六歩(37)
26 2二飛(42)
27 1六歩(17)
28 5四歩(53)
29 6六歩(67)
30 6四歩(63)
31 6七金(58)
32 6三金(52)
33 7五歩(76)
34 4五歩(44)
35 3七桂(29)
36 4四銀(43)
37 5八金(69)
38 8四歩(83)
39 4六歩(47)
40 同 歩(45)
41 5七金(58)
42 4二飛(22)
43 4六金(57)
44 4五歩打
45 4七金(46)
46 5五歩(54)
47 8六歩(87)
48 5二飛(42)
49 8五歩(86)
50 同 歩(84)
51 2四歩(25)
52 同 歩(23)
53 同 角(79)
54 2二飛(52)
55 2五歩打
56 2七歩打
57 同 飛(28)
58 2四角(33)
59 同 歩(25)
60 4六歩(45)
61 同 金(47)
62 3八角打
63 2八飛(27)
64 4九角成(38)
65 4三角打
66 2七歩打
67 1八飛(28)
68 2四飛(22)
69 2五歩打
70 2二飛(24)
71 8三歩打
72 同 玉(82)
73 5五歩(56)
74 2八歩成(27)
75 同 飛(18)
76 2六歩打
77 8四歩打
78 8二玉(83)
79 4七銀(48)
80 2七馬(49)
81 同 飛(28)
82 同 歩成(26)
83 3四角成(43)
84 3七と(27)
85 4四馬(34)
86 4八飛打
87 6八金(67)
88 4七と(37)
89 8三銀打
90 9三玉(82)
91 4九歩打
92 同 飛成(48)
93 7六角打
94 5八と(47)
95 同 角(76)
96 8六桂打
97 同 銀(77)
98 4六龍(49)
99 2二馬(44)
100 5七銀打
101 8五銀(86)
102 8三銀(72)
103 同 歩成(84)
104 同 玉(93)
105 9四銀(85)
106 7二玉(83)
107 8四桂打
108 6二玉(72)
109 8二飛打
110 7二銀打
111 8五角(58)
112 7四歩(73)
113 5七金(68)
114 同 龍(46)
115 7二桂成(84)
116 同 金(61)
117 5一銀打
118 7一玉(62)
119 7二飛成(82)
120 同 玉(71)
121 6二金打
122 同 金(63)
123 同 銀成(51)
124 同 玉(72)
125 6三銀打
126 投了
まで125手で先手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手が少し良くなります。
A 51飛成 B 54銀 C 75角
第2問
受けずに寄せ合い勝ちを目指します。どれも有力ですが。
A 61飛 B 24桂 B 24歩
第3問
わかりやすい勝ち方です。
A 32と B 52銀 C 64金
今日の棋譜20211220
昭和38年2月、塚田正夫先生と第1期棋聖戦第4局です。
後手番塚田先生の振り飛車模様(本気ではないかも)でしたが、先手の68玉が早いからと84歩を突きます。
変則な手順ですが、相矢倉になりました。
大山先生は矢倉中飛車へ。25歩を突いているのであまり良い作戦ではありません。78玉の形では左銀を攻めに使えませんから、相矢倉で飛を中央に移動したというだけの意味合いです。
5筋の歩を交換して
59飛や56銀がスムーズであるという主張です。
互いに矢倉城に入ります。塚田先生の72飛が少し珍しいというくらいでしょうか。後手玉のほうが堅いので、後手の作戦勝ちになるか。
48角に65歩、1枚しか持ち歩がないのですが、65同銀は55歩同飛73桂56銀54銀で飛を捕獲する筋があります。
なので大山先生は4筋の歩を交換しておきます。
塚田先生の64銀というのが疑問手なのかもしれません。先手はまだ65歩を取れないのですから、端歩を突くとか、54歩を打つとかで様子見くらいだったのでしょう。
55銀に75歩で開戦です。銀交換は5筋が危なくなるので仕方ないのか。
64銀に同角としたのですが、角をぶつけられました。(64銀を取らずに76歩の取り込みでした。)角交換は先手の51飛成が残るので
19角成51飛成
42銀81飛成75飛
75同歩65角と進みます。飛角の交換はが角の時もありますが、相居飛車では飛のほうが価値が高いことが多いです。ここでは81竜と19馬の比較で竜のほうが働いている(攻め駒になっている)と解釈できます。塚田先生の45角がどれだけ有効かなのですが、
41竜に66歩。66同歩は67銀、66同銀は76香でしょうか。まあまあ厳しい手です。
でも大山先生の24歩のほうが厳しかったようです。67歩成23歩成同玉15桂14玉32竜先手の勝ちでしょう。なので塚田先生は33金寄と受けます。(戻って51飛成に42銀のところで42銀打など検討しておくところだったのかも。)
23歩成同金寄62飛、4枚の攻めですし、これを切らすのは難しいです。
53銀打に66飛成でも困っていたのですが、先手は24歩でした。24同金に16桂も利きそう。
なので62銀23歩成同玉ですが、
24歩33玉23金
23同金同歩成43玉66銀、先手玉に詰めろはかからないですし、後手玉も狭くなっています。55桂は打たせたくないので
55金でしたが64金で詰めろ、ここまで。大山先生は棋聖獲得で5冠王になりました。
塚田先生の作戦勝ちに見えるのですが、中央の折衝で損をしてしまい、飛を成られて悪かったとは、つまらない負け方でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/02/02
手合割:平手
先手:大山名人
後手:塚田正夫9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 8四歩(83)
11 7八銀(79)
12 5二金(61)
13 5六歩(57)
14 4三金(52)
15 7七銀(78)
16 5四歩(53)
17 7八玉(68)
18 4二角(33)
19 4六歩(47)
20 3三銀(32)
21 4七銀(48)
22 6二銀(71)
23 5八飛(28)
24 3二金(41)
25 5五歩(56)
26 同 歩(54)
27 同 飛(58)
28 4一玉(51)
29 3六歩(37)
30 6四歩(63)
31 5九飛(55)
32 6三銀(62)
33 5六銀(47)
34 7四歩(73)
35 7九角(88)
36 7二飛(82)
37 5七角(79)
38 8五歩(84)
39 8八玉(78)
40 3一玉(41)
41 7八金(69)
42 2二玉(31)
43 4八角(57)
44 6五歩(64)
45 4五歩(46)
46 同 歩(44)
47 同 銀(56)
48 4四歩打
49 5六銀(45)
50 6四銀(63)
51 5五銀(56)
52 7五歩(74)
53 6四銀(55)
54 同 角(42)
55 7五角(48)
56 1九角成(64)
57 5一飛成(59)
58 4二銀(33)
59 8一龍(51)
60 7五飛(72)
61 同 歩(76)
62 4五角打
63 4一龍(81)
64 6六歩(65)
65 2四歩(25)
66 3三金(43)
67 2三歩成(24)
68 同 金(33)
69 6二飛打
70 5三銀打
71 2四歩打
72 6二銀(53)
73 2三歩成(24)
74 同 玉(22)
75 2四歩打
76 3三玉(23)
77 2三金打
78 同 金(32)
79 同 歩成(24)
80 4三玉(33)
81 6六銀(77)
82 5五金打
83 6四金打
84 投了
まで83手で先手の勝ち