名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180406

2018-04-06 | 大山将棋研究
先手番谷川先生の手を考えます。

第1問


仕掛けます。
A 35歩 B 46歩 C 55歩

第2問


攻め合うにはこれくらいしかないです。
A 31馬 B 32歩 C 52歩

第3問


ここが腕の見せどころです。強くいきましょう。
A 31竜 B 33歩 C 84歩

第4問


穴熊ですから攻めが続けば駒損は気にしません。
A 31竜 B 52竜 C 85馬

第5問


この手が成立していました。
A 68桂 B 84歩 C 53銀

第6問


これも難しい手です。二枚換えの筋に対応しています。
A 59金 B 77角 C 77銀

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大山将棋研究(846);四間飛車に居飛車穴熊(谷川浩司)

2018-04-06 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180406
昭和61年3月、谷川浩司先生と第44期A級順位戦です。

大山先生の四間飛車に谷川先生は居飛車穴熊です。

四枚穴熊になりました。大山先生は居飛車穴熊はいつも自由に組ませるのですが、守りに偏り過ぎだからと思っているのでしょう。

銀を出てけん制しました。

26飛と浮かれると56銀35歩というのはちょっと嫌です。

銀は戻って73角を狙えば、先に17香と備えられて効果がなく

結局33角と戻ります。大山先生に手損があるので、端の位が取れずビッグ4に組まれているという図で、序盤作戦としては谷川先生がまずまず。

谷川先生は右桂を跳ねて飛車を引いてから動きだしました。

1歩持てるというのはポイントです。

次は55歩で、55同銀は45桂なので

55同角に飛車をぶつけて交換です。

大山先生は桂得だけれど玉の堅さでは劣ります。形勢互角というところでしょう。

飛車の打ちあいから22飛成。この意味がよくわからなかったのですが、24歩から21飛成を避けたのでしょうか。

馬を好所に配置して

52歩からの と金つくりと8筋攻めの対抗です。ビッグ4はここが急所。この時に28飛の位置のままならかなり厳しいと思うのですが。

拠点を作り桂馬を打ち込みます。

78桂成同銀に86歩は甘かったか。53と は一度は防いでおいた方が良かったでしょう。

谷川先生は金を剥がして駒損を回復し、86歩を払います。77桂成同馬同馬同銀とするのが自然で、そうできないのなら大山先生が苦しいのですが

指しきれませんでした。金を打って粘りに行っている感じです。

谷川先生の終盤は鋭いです。玉頭をたたいていって

馬を切り

84桂から金を取ります。竜は取られても

この時点で飛角と金銀の交換、銀を殺しました。大山先生は大駒4枚あるのですが苦労が多いです。対抗型で入玉までは道のりがありすぎるのですよね。小駒だけでも5枚もたれるわけで、受けきりにはなりにくいです。

谷川先生は空間に銀を打ちました。77馬は平気なのかなあ?77同桂53竜65桂とするということか。

大山先生の79角は、78金打に35角成ということなのだと思います。それなら勝ち目があると。だけど68銀打とされては、単に35角の方が良かったか。

角を切って竜を潜るのですが、今度こそ88馬同玉53竜だったでしょう。

谷川先生は77角から57金と投入して一安心。

馬を追って銀取りですが

65桂から金を打ちこんで

二枚換えでも飛車を打てば駒を取り返せます。

大山先生は53馬で粘らずに、馬を切って形つくりです。

角を渡せば詰みがあって投了図。


谷川先生の将棋は終盤型なのですが、後で調べると結構危ないことをしているのです。相手が最善で応じきれずに受け間違えて、結果的にはきれいに決まってしまうという感じがします。
1局の形勢としては、序盤は先手もち、仕掛けからは互角、53と から駒損が消えて先手有利、逆転筋もありそうだったけれど、そのまま着地したという流れです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:谷川浩司棋王
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 8二玉(72)
15 7七角(88)
16 7二銀(71)
17 8八玉(78)
18 5二金(41)
19 9八香(99)
20 4三銀(32)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 9九玉(88)
24 6四歩(63)
25 8八銀(79)
26 7四歩(73)
27 7九金(69)
28 6三金(52)
29 6八角(77)
30 9四歩(93)
31 5九金(49)
32 8四歩(83)
33 6九金(59)
34 8三銀(72)
35 7八金(69)
36 7二金(61)
37 3六歩(37)
38 3二飛(42)
39 6六銀(57)
40 5一角(33)
41 7七銀(66)
42 5四銀(43)
43 8六歩(87)
44 4五銀(54)
45 2六飛(28)
46 2二飛(32)
47 1六歩(17)
48 5四銀(45)
49 9六歩(97)
50 6五歩(64)
51 1七香(19)
52 4五歩(44)
53 8七銀(88)
54 3三角(51)
55 8八金(79)
56 7三桂(81)
57 2七飛(26)
58 4三銀(54)
59 3七桂(29)
60 5四銀(43)
61 2四歩(25)
62 同 歩(23)
63 3五歩(36)
64 同 歩(34)
65 同 角(68)
66 3四歩打
67 6八角(35)
68 1四歩(13)
69 5五歩(56)
70 同 角(33)
71 2四飛(27)
72 同 飛(22)
73 同 角(68)
74 3七角成(55)
75 5一角成(24)
76 2八飛打
77 4一飛打
78 2二飛成(28)
79 4二馬(51)
80 5五馬(37)
81 5二歩打
82 8五歩(84)
83 5一歩成(52)
84 8六歩(85)
85 同 銀(77)
86 8五歩打
87 7七銀(86)
88 8六桂打
89 5二と(51)
90 7八桂成(86)
91 同 銀(87)
92 8六歩(85)
93 5三と(52)
94 8五桂(73)
95 6三と(53)
96 同 銀(54)
97 8六馬(42)
98 3二龍(22)
99 5一飛成(41)
100 5二金打
101 8四歩打
102 同 銀(83)
103 8三歩打
104 9二玉(82)
105 8五馬(86)
106 同 銀(84)
107 8四桂打
108 9三玉(92)
109 7二桂成(84)
110 5一金(52)
111 8二歩成(83)
112 7二銀(63)
113 同 と(82)
114 同 龍(32)
115 8六歩打
116 8七歩打
117 同 銀(78)
118 5八飛打
119 5六歩打
120 同 飛成(58)
121 8五歩(86)
122 8三歩打
123 9五歩(96)
124 8二玉(93)
125 5三銀打
126 5二桂打
127 7五歩(76)
128 7九角打
129 6八銀打
130 同 角成(79)
131 同 銀(77)
132 5八龍(56)
133 7七角打
134 6六歩(65)
135 5七金打
136 4九龍(58)
137 6六金(57)
138 5四馬(55)
139 6五桂打
140 6四歩打
141 7三金打
142 同 龍(72)
143 同 桂成(65)
144 同 玉(82)
145 7一飛打
146 7二金打
147 5一飛成(71)
148 8七馬(54)
149 同 金(88)
150 7八銀打
151 6二角打
152 8二玉(73)
153 8一金打
154 投了
まで153手で先手の勝ち



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20180406今日の一手(その673); 攻防の手を探す

2018-04-06 | 今日の一手

20180406今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、TさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀歩と角桂の交換で、持ち歩があり竜を作っています。先手の大きな駒得です。ただし終盤なので重視しません。
玉の堅さは同程度。(この時には相手の攻め駒は考えていません。)
先手の攻め駒は21竜35角と持ち駒角桂で4枚。
後手の攻め駒は85桂97銀で2枚。端を攻めているので91香も加えてよいでしょう。3枚あります。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として

後手の攻め駒不足という感じがしますが、端に銀を打ちこまれました。これが受かるのでしょうか?後手は小駒だけの攻めなので何とかなりそうではあるのですが。
放置したらどうなるかというのもありますが、単純な攻め合いでは速度負けしていそうです。
清算したらどうなるかを読みましょう。
素直に応じてまずいとなれば、何かしっかり受けるか攻防の手を探すかということになります。


× 端を放置して寄せ合いならばどうなるか。自然な33歩成で

飛車を取っても詰めろにならないです。98銀成同玉97香同桂同歩成89玉77桂成同銀87と

後手の攻め駒が4枚になるので、受けが無くなっていきます。


× 97同桂は

銀桂香どれでも取れますが、桂馬を残さない方が良いので普通は桂から考えます。97同歩成同香同香成98歩

88成香同金77桂成同金85桂78金97歩

これも後手の攻め駒は4枚。小駒だけでも受けきれません。

途中88成桂を同玉としたら

77桂成同玉66銀88玉77金99玉95桂

攻め駒としては66銀の働きが悪いとはいえ、いざとなれば67銀成から寄せていくこともできますから、受けきることはできません。

66銀の時に68玉としても57香

で右翼脱出もできません。


× 97同香ならば

97同歩成同銀同香成

この場合は97同桂と同じです。後手有利でしたね。


× 97同銀ならば

97同歩成同香同香成

これが詰めろ。89桂よりも88銀の配置のほうがまだ良いです。ということはさらに悪い取り方だということになります。


△ 受けとしては86歩が良さそうで

77桂成は歓迎なのです。98銀成同玉97歩成(97香は無効)同桂同香成同銀77桂成88香

後手の攻め駒は4枚ではありますが小駒だけで、上から押さえつけられていないのでかなり受けやすくなっています。後手玉も91角から追うことができるから、9筋がどちらの勢力圏になるかという攻防が続きそうです。


× 金取りだからと78金引は

98銀成同玉97香同桂同歩成同銀同桂成

詰んでしまいます。


× ならば67金のほうがましですが

98銀成同玉97香同桂同歩成同銀同桂成89玉87成桂

受けがなくなります。


○ 実戦では37角を利かせました。

後手は歩しか持っていないので73金寄しかないです。73金上では怖すぎるでしょう。97桂同歩成同香同香成

この時に53角成というのが攻防の手でした。94香97銀同香成に98香

というのも攻防の受けで、98同成香しかなく、98同玉77桂成に42馬

かなり難しい順なのですが、これで後手玉が詰めろです(81飛93玉82銀以下)。後手から95香とか96銀とかで紛らわしいのですが、先手有利ではないかと思います。

実戦では苦し紛れに91銀の王手でしたが

これでは後手玉に詰み筋がないので悪手です。93玉94歩同銀97銀同桂成98歩

王手してから受けに回りました。しかし後手の攻め駒は4枚になっています。85桂97歩77桂成

4枚の攻めは切れません。後手Yさんの勝ちに終わりました。


○ 92歩が攻防の手を狙っていて、時々出てくる筋なのですが

後手は91香の利きを止められるわけにはいきません。92同香に91角93玉

相手玉で香の利きを止めるという手筋でした。これなら97桂同歩成同銀同桂成同香

となれば王手です。歩の連打で香を取られても、33歩成などゆっくり攻める手が間に合います。

他の筋としては92同香に93歩と連打して

93同香には97桂同歩成91角92玉81銀

と追いかけて後手玉が詰んでいます。

後手がどこかで(と言っても92歩の時しかない)手抜いて98銀成

と攻めたら、98同玉97香同桂同歩成同銀同桂成同玉85桂88玉77桂成同玉

バラバラにされましたが後手は金銀2枚しかありません。右翼に逃げ出せば負けがないです。


○ 93歩でも

93同香に97桂、98銀成以下も怖くないわけですから、どちらも先手の勝ち筋です。


× 95歩同香(あるいは94歩同香)

もっと上から打つと後手玉が広くなってしまいます。これでも37角があるとはいえ、先手が勝つのは大変です。


☆ まとめ

穴熊で端から攻められた場合にはしっかりした受けが利かなくて、単純計算でつぶされているか、受けきっているかということになりやすいかもしれません。

ではつぶれている場合はどうするか。穴熊では珍しいのですが、攻防の手段がありました。(互いの玉の位置が関係したら攻防の手が出現しやすくなります。)
攻防の手は飛び道具によるものがほとんどですが、持ち駒入手で詰みに関係するものもあります。

37角73金寄に、どこかで53角成が攻防になります。
92歩同香に91角93玉というのは攻めながら92香を使えなくする手筋でした。攻めながら受けているので、これも攻防だということができそうです。
93歩同香としておくと、97桂で銀を入手するのが詰めろになるので攻防の手になるのです。


私は穴熊否定派です、というか得意ではないのでやっかみかもしれません。穴熊ではこういう攻防の手が出てきにくいのでつまらないなあと思ってしまいます。
自玉に王手がかかりにくいから攻めるだけの終盤が単純で読みやすいとは言えるのですが、それはしっかり深く読める人だけです。読むのが苦手ならば穴熊にしてはいけません。

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