名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

SS2-8 先手石田流 早石田(7)

2023-12-31 | 基本定跡の研究

74歩同歩48玉の続きです。「菅井ノート先手編」で、88角成同銀45角が気になると書いてありました。

これを調べてみましょう。74飛には67角成が後手の最善です。先手の駒損なので、代償がなければいけませんが。

55角73歩62歩

74歩61歩成同玉11角成89馬78金打

馬を殺して粘ろうという手ですね。2手掛けて取るのでは面白くないと思いますが。この図の評価値は-557の後手有利なのです。55馬に72玉とされているのですが、これが疑問手のようです。他の手もありますが、75飛が後手の最善で

56馬86歩同歩同飛79金寄

56飛89金54飛

ここまでは必然で、金香と飛桂歩の交換は後手の駒得ですね。攻め駒の数も後手が多いです。後手有利。

先手としては、55角の前に62歩を打つ方が良いようですが、

62同飛55角89馬11角成

22銀21馬88銀

この図の評価値は-282の後手良しです。駒得が大きい。

ということで、74歩同歩48玉は後手良しとなりました。

 

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SS2-8 先手石田流 早石田(6)

2023-12-30 | 基本定跡の研究

寄り道が長くなったという気がしますが

74歩同歩としたのですから、74同飛のほうが自然です。ただし角を交換して65角があるから、(74歩同歩同飛とは) 誰も指さなかったわけです。でも20年ほど前に偶然発見された手なのです。65角には対策があると。その前に、また寄り道ですが、後手がおとなしく73歩を打ったらどうなるでしょうか。まず34飛とすると88角成同銀45角

定跡書には後手良しとされていますが、もう少し見てみると、36飛67角成78角

最善手は78角ではなくて77桂みたいですが、その評価値は-111の後手もちです。この場合の指し方を知っておいたほうが良くて、57馬23角成22飛

馬を消して、評価値は-138の後手もちです。

さて戻って、73歩を打たれたら75飛と引いて見ましょう。実戦例があったはずです。

86歩同歩同飛78金

これでゆっくりした流れになります。駒組が進んで

この辺りで後手は74歩を突けば、わずかに評価値はマイナスなのですが。77桂32玉85飛

飛交換には応じられず、84歩86飛として、評価値は+20ほど。まだまだ互角なのでした。後手が面倒を避けるならば、73歩を打っても良いかなあというところです。

先手にはもう一つ選択肢があって

76飛と引くのも自然です。これも駒組に移るのですが、

先手が78金と備えたところでは、後手から88角成とすれば評価値は-54、後手ペースとして良いでしょう。逆に74歩とされたら先手から角を交換すれば、評価値は0近辺の互角です。後手陣をまとめにくいということなのでしょう。定跡書では74歩66歩と進むのですが、

角筋を止めるならば78金と合っていない感じがします。72金68銀73金67銀

84金65歩と進んで先手ペースなのですが、ここはAIに聞いてみると54銀77桂72飛だと。

あまり急がないほうが良いですが、84金~75歩で先手の飛を殺せます。だから先手は65歩から暴れるのでしょうが、評価値は-93、後手ペースでしょう。

この変化も、後手が無難な指し方で構わないという結果です。

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SS2-8 先手石田流 早石田(5)

2023-12-29 | 基本定跡の研究

昨日調べたものと似ているのですが、

74歩同歩に58玉ではなくて48玉とすると話が変わります。なぜなら72飛22角成同銀83角と進めると、本に書いてある65角ではなくて (これは互角) 44角

のほうが困るようなのです。74飛と走れるように香取りを受けるのが難しいということらしく、77桂に86歩同歩82歩72角成同銀

この図の評価値は-134の後手もち。87角とか45角とか75歩~76歩が残っているので先手が指しにくいです。

ゆえに戻って、角を交換せずに76飛と浮くのだと書いてあります。

AIは62銀のほうがわずかに勝るというのですが。本に書いてある82銀86歩と進めると、

86同歩同飛83歩でも、88角成同銀45角でもなく、75歩56飛42玉

85歩76歩78金52金右36飛35歩56飛

意味のはっきりしない指し手が続きますが、評価値は-60で後手ペースなのでしょう。飛の使いやすさが関係しているのだと思います。

 

 

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SS2-8 先手石田流 早石田(4)

2023-12-28 | 基本定跡の研究

74歩同歩58玉とする形について、「菅井ノート先手編」では

54歩を突くのが嫌だという感じで書いてあります。

74飛55歩54飛52飛

飛交換は応じにくくて、84飛82銀とすると対抗型ので振り飛車から離れるから・・・という理由なのですが。AIに聞いてみると、52同飛成同金左48玉

この図の評価値は+128の先手ペースです。後手は位を取っているので、飛の打ち込みがより気になるということなのでしょう。

なので後手としては52飛とぶつけるのではなくて42玉

これで評価値は0近辺の互角です。

先手としては54飛ではなくて、34飛

堂々と横歩をかすめる方が良いのだと。この後は玉を囲って

8筋は金で受けておいて、後で反撃する感じです。 (87歩~86飛など) 評価値は+38、少しプラスです。

後手の54歩は良い手ではないようです。

 

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SS2-8 先手石田流 早石田(3)

2023-12-27 | 基本定跡の研究

早石田のような形で

74歩同歩58玉というのが比較的に新しい手です。74同飛だったら65角があったのを防いだ手ですね。後手は突き捨てをとがめたくなるところです。62銀は普通の手ですが、22角成同銀55角 (両取り) 73銀74飛

また早石田の手順が出てきます。先手が58玉の1手を指しているというのが違いです。だから33角73飛成55角82竜同角・・・というのは先手ペースでしょう。定跡書には64銀だと書いてあるのですが (64同飛同歩同角83飛打で後手良し) 、AIに聞いてみると66角

一つ引いて84飛をねらうのが難しいです。33角84飛同飛同角73銀66角

この図の評価値は-30、互角です。後手番と思えば十分だと言えますが。

もっと昔からある受け方は

64角と打つ手がありまして、33角よりも優ります。64同角同銀は後手の手得なのです。注意しておくのは64同飛同銀15角の筋ですが、33飛と打てば

問題はないです。これも後手の手得が残るでしょう。

ならば戻って

73飛成同桂64角同歩74歩72歩

という攻め方ですが、この図の評価値は-18、後手はこれでも良いようです。

とは言えちょっと危ないので、

ここは62銀ではなくて72飛が最善です。先手は22角成同銀83角

74歩を取り返しに行きます。定跡書には54角、82飛、55角が解説してありますが、AIに聞いてみると86歩同歩33角

こういうけん制で評価値は-160の後手もちです。

先手は86歩を手抜くほうが良く、72角成同銀74飛と攻めます。

後手の最善手は33角で、82飛に73銀

81飛成74銀73桂

99角成61桂成42玉

この図の評価値は-78の後手ペース。ということで、

この形は後手がまあまあ指せるようです。

 

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SS2-8 先手石田流 早石田(2)

2023-12-26 | 基本定跡の研究

石田流は派手な手が多いのが特徴です。

(昨日は76飛を調べましたが) 74歩を突く手が指されたのは20年ほど前でしょうか。これに対して、後手が62銀と受けるて、先手が22角成同銀55角と攻めると

早石田と呼ばれる変化に合流します。もともとは後手番で、76歩34歩26歩35歩25歩32飛48銀36歩同歩同飛37銀88角成同銀55角・・・という形です。私が子供のころに読んだ定跡書に書いてありました。33角73歩成同銀同飛成

飛から行くのは、95角の王手飛車があるからです。ここで73同桂ではなくて、55角82竜同角83飛

ここでAIに聞いてみると71金63飛成45角のほうが評価値が低い (後手にとって得) なのですが、かなりの乱戦になります。普通は72金85飛成94角

この辺りまでは昔の定跡書にありました。先後逆ですが。後手良しとしているものと、先手良しとしているものがあって、どちらが正しいのか知らなかったです。75竜62玉58玉84角65竜

これくらいの進行で、評価値は-137の後手ペース。角銀交換+竜ができているというのがわかりづらかったのですが、後手が良いみたいですね。

さて所司先生の定跡書に戻ります。この変化は書いていなくて、

ここで62銀ならば、22角成同銀73歩成同銀同飛成同桂74歩と攻めなさいと。

65桂には (73歩成は95角なので) 73角62飛68銀

定跡書には66銀とされていますが、AIに聞いてみると68銀のほうが良いと。評価値は+105、まだ互角の範囲だと思いますが。先手としては62角成ではなくて91角成のほうが主なねらいです。

戻って

72歩の受けには55角33角63歩成55角

先ほどの早石田のような手筋で受けて、82と同角83飛

この図の評価値は+264の先手良しです。71金は同飛成同金55角がありますね。だから飛は81から打った方が、より良いのかもしれません。ここまでは定跡書にある通りなのですが、AIに聞いてみると

72歩55角には33銀73歩成95角だと。

48玉73角同角成同歩

この図の評価値は-56、後手ペースとして良いでしょう。飛歩と銀桂の交換は先手の得でもないということでしたか。実は62銀も成立するのでした。

 

 

 

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SS2-8 先手石田流 早石田(1)

2023-12-25 | 基本定跡の研究

この項目の定跡書は、所司和晴先生の「早分かり石田流ガイド」を使います。初手から、76歩34歩75歩

3手目が早くも石田流だとわかる手なので、後手としても (相振りを含めて) いろいろな指し手があります。とりあえずは84歩に限定しておいて、78飛の時に88角成同銀45角は76角

後手石田流の時に見たように、54歩や42玉が入っていなければこの角打で両成に対応できます。42玉に38銀と守ることが可能で (美濃囲いにしやすい) 、54角に16歩

76角同飛28角には17香と逃げられるから大丈夫です。この図の評価値は+44、後手としては催促されなければ54角とぶつける必要がない (評価値は0付近) のですが、無理にこんなことをしなくてもよいでしょう。

ということで

84歩78飛85歩の進行を考えますが、76飛と浮く手があるとか。

88角成同銀45角には66飛

27角成に74歩同歩55角22銀36歩

後手は63飛成を防ぎにくいのです。26馬58玉64歩

これは飛角交換を催促して、26馬を使おうという良い感じの手なのですが、82角成同銀63飛成

この図の評価値は+168の先手もち。後手の馬作りは失敗でした。

ということで

ここでは88角成 (石田本組を防ぐため) 同銀42玉

これは升田式石田流になりそうな進行です。後手が知らないとはまってしまいそうなので、注意が必要です。

 

 

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SS2-7 後手石田流(2)

2023-12-24 | 基本定跡の研究

先手にはもう一つの手段があります。

ここで25歩32飛68玉

62玉には22角成同銀65角

昨日見た56歩もですが、34角と打つ手を消しているのが、68玉なのでした。36歩同歩55角77桂

昨日の56歩ならば55角と打たれる手も消していました。28角成同銀36飛

これはうっかりしていると38飛打があります。37銀32飛43角成27飛

この時の受けも間違えるとひどい目にあいますが、39金37飛上成同桂同飛成

38飛と打つ受けもあります。38歩31竜ならば65角

32銀打のほうが難しいですが、54銀の両取りを選ぶと、同角同歩82飛

82同銀は53銀72玉61馬同玉62金で詰んでしまいます。72銀でも81飛成ですし (81同銀53銀72玉61馬) 、72角打には31馬

これが詰めろです。という作ったような手順が佐藤康光先生の本に書かれています。

さてAIに聞いてみると、

この図では52玉が最善だと。83角成36飛と進んで

61馬同玉46金があって

後手の応手もいろいろあるのですが、46同飛同歩46角37歩52玉

この図の評価値は+187、先手ペースですが、角飛の交換だけです。好んで踏み込むものでもないかというくらい。

なので昨日調べた56歩のほうが優りそうです。後手の石田流は指されないという理由でした。

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第249回名南将棋大会(壱)結果速報

2023-12-23 | 名南将棋大会

本日は第249回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。激戦が続き、6クラスとも4連勝なしという結果に。

A級優勝

伊藤誇吾さん

村山周平さん

B級優勝

丹羽拓郎さん

伊藤康さん

C級優勝

谷口祐樹さん

美和剛さん

D級優勝

濱地晶仁さん

青木凱愛さん

本郷聰弘さん

E級優勝

斉田賢治さん

長谷川智也さん

F級優勝

村瀬賢二さん

松岡好美さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

 

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SS2-7 後手石田流(1)

2023-12-23 | 基本定跡の研究

石田流三間飛車を調べてみましょう。後手石田流は指されないのですが、佐藤康光先生の本に理由がまとまっています。検証してみましょう。

初手から、76歩34歩26歩35歩

無難なのは56歩で、32飛には22角成同銀65角

馬が作れるから先手有利なのですが、AIに聞いてみるとまだ難しいようです。33角88銀82飛

43角成42飛

馬が逃げると47飛成ですから、42同馬同金77銀

この辺りまでは対応できそうなのですが、57角を打たれたときに、66歩同角上48銀

84角ならば57銀同角成45角

ここまで来てやっと先手有利を実感できます。評価値は+400を超えるくらい。

ということで後手が回避するのですが、56歩に44歩と突くと25歩33角となり

後手の位取り三間飛車でしょうか。先手は持久戦にしてしまえば、右銀を46に繰り出すけん制があるので石田流にはならなさそうです。

ならば42飛として

これは角道オープン四間飛車のところで調べた形に合流します。先手が恐れることはないでしょう。

 

 

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