名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20150731今日の一手<その101>遊び駒をさばく

2015-07-31 | 今日の一手
20150731今日の一手

11日の名南将棋大会からAさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。














昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは互角です。
先手の攻め駒は55馬で1枚。
後手の攻め駒は46飛54角47成銀で3枚。ですが54角はあまり働きがよくありません。

総合すれば少し後手が指しやすいか、というところ。

先手は28飛の働きが弱いのでうまく使いたいところです。55馬がとてもよく働いているのでなにか手段を考えたいです。


△ 実戦は49銀でした。

後手の手番だとしても38成銀同飛49飛成のようなさばき合いはばからしく思えるでしょうからこのままでもいいのですが、銀を引いて48歩を狙っています。
42飛48歩34歩32歩

3筋に歩を謝らせたのは大きなポイントです。後手から36歩が気になる手でしたから。
実戦は22馬と桂馬を取りに行ったのですが、これが疑問手。36成銀で先手の飛車が危なくなります。

55馬のままなら27成銀に54馬があるので怖くはなかったのですが。
ここからの手順がよくわからないのですが、どうにか飛車交換になり49銀を67まで持っていけて先手が優勢になりました。しかし、この局面は後手を持ちたいです。
47成銀では33歩同歩成22飛とか、41飛とか、ほかにも候補となる手はありました。

22馬では58銀か64馬でやや先手が指せていたと思います。49銀は遊んでいるように見える38銀を玉の守りにつかせる好手です。


○ 48歩と局面をすっきりさせに行く手もあります。

成銀が動くと46飛のひもが切れますから38成銀しかありません。38同飛では少し損で、46馬28成銀同馬がわかりやすいです。

先手陣に隙がありません。後手陣に飛車を打っても大したことはないのでもう少し様子を見ることになりますが、馬と角の違いが出てくるでしょう。


△ 64馬と歩を取ると

38成銀は飛銀の総交換で48歩より先手が得をしますから、


41飛と引くくらいで、先手は44歩同飛55馬41飛44歩と飛車先を止めます。

46歩77桂36歩65桂というのが一例。

63金に47銀同歩成64銀という感じです。悪くはないのですが、28飛が取り残されるので微妙です。


× 18飛と先に受ける手

41飛44歩46歩くらい

これは後手に31飛と使われる手が残るので不満です。18飛が働かないです。


○ 44歩と垂らす手。

これで飛銀総交換なら43歩成や43銀が残るのでうますぎます。
42歩も利かされなので(18飛で手に困る)、36歩18飛45歩と難しい応酬です。

47銀と取るしかなく、同飛成に43銀

43同金同歩成同角とはがしてから48歩

46竜では44馬から47金で竜が死んでしまいますから、27竜に28飛で

こうなれば大成功。変化が多くて難しい手でした。


問題図では手が広いのですが、飛銀の総交換になれば先手が指せると思います。遊んでいた28飛38銀が後手の攻め駒と交換になるのですから。だから48歩か44歩を最善だとしました。

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20150730今日の一手<その100>無理攻めを受ける

2015-07-30 | 今日の一手
100回目です。ブログをはじめて100日目です。読んでいただいてありがとうございます。
今日の一手のネタが無くなるかと心配していた時もありましたが、名南将棋大会で月に50から100局の棋譜がとれます。デジカメで局面の写真を撮ってまわっています。参加者の方、ご協力ありがとうございます。
どこかで足りなくなっても、私の棋譜は800局以上のストックがありました。心配していただいたTさん、大丈夫です。
ということで、PCの故障などトラブルがなければ毎日更新します。

20150730今日の一手

11日の名南将棋大会からAさんとWさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同等なのですが、王手をかけられましたからこの局面は後手が堅いということになります。
先手の攻め駒は86飛88角44銀で3枚。
後手の攻め駒は15角。多分44飛と切ることになるので2枚とみてよいです。

総合すれば互角です。

ここでは34飛を責めているので局面が落ち着けば先手の駒得になる可能性が高く、有利になるはずです。後手の攻め駒は現状2枚。33桂や65銀を使わせないようにすればいいのです。受ける手段はいろいろありそうです。

37歩の王手には37同銀、37同桂、39玉、48玉の4択ですね。
37同銀が堅実な手
37同桂は頑張った手
39玉は危ない手
48玉は場合による手

というのが私の感覚です。

37同銀は、例えば同角成同玉と進んで玉を逃げだした時にまだ37には29の桂馬の利きがあるので王手をかけられても玉が逃げ出しやすいという感じがします。壁銀を使うという意味でも本筋。

37同桂は37同角成とはされにくいけれど、36歩を打たれる傷があるので、欲張ったのかなあという感じ。受けの勝負手ともいえます。

39玉はまず考えません。38に何か打たれたら取るしかないので。この局面の前は48に玉がいて、15角に38玉だったので、今37歩に39玉とする構想なら15角に39玉のほうが得ですし。

48玉は後手の攻め駒から逃げるという意味ではあり得る手です。間接的に15角の利きに入るのと38に何か打たれた時の対応を考えなければいけないので、考えないで指せる手ではありません。


△ 実戦は37同桂でした。

44飛同角36歩がやってきます。

さらに強気に16歩でしたが29銀。

29同玉37角成

先手はここまで読み切って指していたのではないと思います。形勢を過信したのでしょう。
以下は48銀25桂46歩66桂。

65銀まで足がかりになってしまい、先手は防戦一方になりました。形勢自体は難しいのですが、後手のペースです。

戻って16歩では26歩なら

26同角には33角成

これは後手の攻め駒が少なくて先手が指せるでしょう。

26同角では43金88角と追ってから26角ですが46歩としておきます。

これで41飛からの攻めが残るので後手はどこかで持ち駒を使うことになりますから攻め駒が足りなくなります。これなら先手よし。


○ 37同銀を調べます。

25桂に46銀なら31飛

もらったのは歩だけです。25桂を取りに行きます。
16歩42角26歩75角85飛74歩97角

長く進めましたが、こんな感じです。42角から75角という転回は防ぎにくく、先手の飛車が狭くなるので角をぶつけての戦いですが、こうなっては25歩はいつ実現できるやら。44銀も浮いていますし、少しいやな展開です。

戻って25桂には26銀と駒得を目指したいです。

37歩は同桂同桂成同玉で攻めきれません。24飛とかわすくらいですが、焦らずに46飛。

この後すぐに15銀と取ったら端攻めがありますから16と突いて26角同歩から25歩で桂馬を取り切るまで指せれば勝ちです。


× 39玉はどうでしょうか。実戦でこう指す人はいないとおもいますが。

44飛同角38銀が怖い手。

38同金同歩成同玉に47歩成。

47同金は46歩が痛いですね。同金は詰み。同飛は45金ですから。
47同玉に56歩

56同歩は45金から56銀ですし、26銀と打って15角の利きを止めても57歩成同金56歩

いつでも45金があるので受かりません。


○ 最後は48玉です。

44飛同角38銀に

38同銀では39玉の変化と同じですからダメです。これが王手にならないのが利点です。
16歩と催促して(どこかで38歩成の時に角を取れるようにする)、49銀成同玉38金59玉

24角と逃げては37銀が幸便な手。

37同金同桂36歩21飛

37歩成84歩同歩83歩同銀71金

都合のよい手順を書きましたが、受けきりにはならなくても寄せ合いで楽勝です。

24角では47歩成でしょう。

47同金に43歩と好位置の角を追います。88角に24角。

でも37銀29金21飛で

これも先手優勢です。後手からたいした攻めがありません。

48玉は危なさそうに見えますが、44飛から38銀しかないのなら寄せ合いで勝てそうです。

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20150729今日の一手<その99>駒得

2015-07-29 | 今日の一手
20150729今日の一手

11日の名南将棋大会からAさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。4択ですね。














昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得は角と銀歩の交換です。互いに持ち歩があるので歩は考慮に入れないで、角銀交換とみて先手の駒損です。馬も作られました。
玉は先手の方が堅いです。
後手陣先手陣に届いている攻め駒を数えます。(終盤になったら後手玉先手玉に絞ります。)
先手の攻め駒は持ち駒銀で1枚。(38飛や45銀も使えそう、45桂もとれば攻め駒、と金も作れそうですから、ここでうまく指せるかどうかです。)
後手の攻め駒は84馬と持ち駒角。(45桂は取られそうですが使えれば戦力です。)

総合すれば、この局面では互角。先手番なのが大きく、駒を補充する、玉を固める、戦力を増やすなど有効な手を指せれば指しやすくなります。

問題図の少し前、この局面だったのですが

この44歩を取れずに33金だったため、形勢が近づきました。46銀39角38飛84角成で問題図なのですが、44同金33銀に35金

両取りを恐れずに金が出ていけば、22銀不成46歩38銀39角で

あとは18飛に57桂成で後手が指せました。先手は飛車1枚なので後手玉はまだ安全です。


× 問題図に戻って、実戦は34歩でした。自然な手に見えます。

44金33歩成に37歩を利かされます。

37同桂同桂成同飛62飛

桂馬は逃げられたので75銀85馬を決めてから飛車の侵入を図り43とですが28角。

以下は36飛35歩同銀と飛車先を重くされて苦戦です。馬2枚に活躍されて先手の敗戦でした。

と金を作って飛車を侵入して戦力を増やす、という戦術は失敗でした。と金は作っても後手の金と飛車に逃げられて、取れそうな45桂をさばかれ、飛車を侵入するのが遅れるというのは最悪の展開です。


× 45銀と取りたいのですが。

これは27角と打たれます。

48飛同角成同金45馬は

45馬が厚くて攻めにくく、持久戦になれば駒損が響きます。

戻って27角に36飛としてみると、同角成同銀39飛18角

これは局面が落ち着いて飛車と銀桂の2枚替えなのでまだ指せそうですが、

36飛には44金同銀36角成です。

飛角と金銀桂の交換ですが、49飛や28飛の対策が難しく、持ち駒を自陣に投入して受けるのでは戦力不足になります。


○ 問題図では75銀と打ちたいです。

安全に桂馬を取ろうという手です。75同馬同歩49銀は

48飛58銀成同金

45桂を助けにくいので先手が指せそうです。

仕方なく85馬なら45銀。

27角48飛47歩が手筋ですがこれで後手は歩切れになりました。

47同飛38角成に37飛が利きます。

37同馬同桂52馬55桂

後手が歩切れなのが痛いです。39飛として桂香を補充したいのですが、66角が両取りの筋になるので打ちにくいです。これは先手優勢。

途中37飛には29馬のほうが難しそうですが

34歩19馬36飛18馬に33歩成。

36馬同銀で

後は と金で後手の飛車をいじめます。

途中で32金33歩成の交換をしているとこの図になりますが

先手玉が堅く駒得(銀香交換)なので、ゆっくり攻めれば先手よしです。


まだ互いの玉が安全ですから持久戦で落ち着きやすい局面でした。そういう時は駒の損得がだんだん響いてきます。力の強い駒を持っている方あるいは駒の枚数が多い方がそのあとの指し手の価値が高くなる可能性が高いのです。
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20150728今日の一手<その98>戦場をどこにするか

2015-07-28 | 今日の一手
20150728今日の一手

11日の名南将棋大会からMさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。









昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
後手玉のほうが堅いです。
後手の攻め駒はまだ働いていませんから0枚。
先手の攻め駒もまだ働いていませんから0枚。
総合すれば後手がやや指しやすいかというところ。はっきりしません。

こう書くとまだ序盤のようですが、小競り合いは継続中です。後手は13に追いやられていた銀を24歩同歩同銀と使ったところ。パッと見ると後手がうまいように見えますが、先手の57角の利き(24銀や93香をにらんでいる)でバランスを取っています。
この局面手が広いようですが、よく見ると先手の有効な手は少ないです。


△ 65歩と指したくなりますね。63桂の頭が弱点ですから。実戦もこの手です。

25歩27金53銀64歩同銀65歩53銀までは妥当でしょう。

この局面を問題にしたかったのですが。(実は少し先手が損しているのです。)

実戦の手順は後に回して、この局面で45歩は銀取りですが

23玉44歩同金66角43金とおとなしく対応されて

先手玉の薄さが目立ちます。

85桂もやりたくなりますが

85同飛93角成に45歩

57馬83飛(86香を避けた)45歩

23玉46銀44歩

先手はうまく指したように見えても盤面右側は後手の勢力が強すぎます。93香と77桂が交換になったのは後手のほうが得で、57馬は魅力的ですがこれは先手が駄目な図です。

後手の45歩を避けて66角としたいですが

75歩同歩86歩同歩同飛

87歩(76歩があるので)66飛同銀76歩が痛い。

85桂に75桂と使われます。

93桂成では67角、75同銀は77歩成同金68角、29飛は77歩成同銀58角、という感じで、後手玉が堅いので細い攻めですが受けにくいです。

じっくりしていると73角から55歩同歩同桂と来られて指しにくいですから、実戦の35歩はこう指すしかないのでしょう。

35同歩36歩(合わせの手筋)に45歩

45同歩同桂66角(王手)33銀46銀

なかなか見ごたえのある手順で、この後も激しい攻め合いでしたが、最後に後手玉が頓死してしまいました。
ですが、この局面は後手玉が堅くまた厚みがあり、その上部で戦っているのですから、先手が好ましい展開とは思えません。


問題図に戻って、65歩は△を付けましたが、こう指さずにもう少し駒組みを続けるほうが正しいです。
○ 29飛がいいです。

これなら25歩と押さえて、27金53角(65歩に備えた)に48玉

盤面右側は後手の勢力が強いので引っ越しです。
23玉58玉95歩くらいなら36歩で攻撃開始。

35同歩36歩同歩同銀34歩35歩

合わせの歩で後手玉の弱点を突きます。これは先手のペース。

後手は手数がかかりますが21玉

から31銀22銀23銀と固めて3筋の弱点を作らない待ち方です。
先手は9筋から攻撃を見せてこういう図。

後手の金銀が片寄ったので端を受けられません。いつでも65歩があるので後手の飛角を動かしにくいです。
45歩同歩同桂46銀とはできますが、次の手がなくて44歩なら95歩から香交換。

92歩には94香なので85桂同飛93飛成が狙い。でもあまり急がなくて後手から無理に攻めさせて成駒を作って入玉が理想です。
最初に29飛で25歩を打たせれば、後手が歩切れになって手を作りにくいことにも注意しておきます。

風車では相手の陣形を見て戦場を変えることが重要です。相手の駒が多いところで戦いたくはありません。


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20150727今日の一手<その97>持ち駒を考える

2015-07-27 | 今日の一手
20150727今日の一手

11日の名南将棋大会からIさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手、できればこの後の展開を考えてください。











昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉は先手のほうが堅いです。後手の美濃囲いは横からの攻めには強いのですが、この局面は上から攻められそうです。
先手の攻め駒は45銀66角持ち駒桂で3枚。89飛もすぐに働きそうですし、香車も交換できますから戦力としては十分です。
後手の攻め駒は16香と持ち駒桂。11飛は使えそうですが、まだ戦力は足りません。

総合すれば先手が優勢。

角交換振り飛車から序盤で66角64角と角を打ち合っての駒組みで、先手は玉頭位取りから地下鉄飛車を間に合わせました。先手の作戦勝ちです。
後手の飛車が端を狙って11に転回したのを45桂同桂同銀と交換して戦機をとらえ、後手は16香(12から)と反撃したところです。

さて、戦力も十分なので、どうやって攻めるかを考えます。互いの持ち駒に注目です。
後手玉を攻略するにはどういう持ち駒がいいか、その時にどんな反撃があるか後手の持ち駒も考えます。


× 実戦は74歩でした。(全部見ていないので手順が違ったらごめんなさい)

74同歩84歩同歩16香同飛44銀同歩と突き捨てや駒交換をすべてこなしてから85歩の継歩。

しかし85同歩同銀86歩が返し技。

これが厄介です。86同飛は65歩ですから、74歩の突き捨てはやりすぎたかなあ、と反省している局面です(多分)。
84香83香同香成同銀84歩に87銀で止められてしまいました。

地下鉄飛車はこういう反動があります。気を付けないといい将棋が台無しになります。


× うまくいかないほうから書いておきます。54銀です。

角を逃げてくれればいいのですが、19香成53銀成同金

2枚替えで角を取りましたがうまい使い道がありません。これは失敗。


○ 16香と取ります。香車は玉頭攻めには強力な攻め駒になりますから。

ここで44銀と取りたくなります。

同角同角同歩に87香

18飛成に84歩同歩85歩同歩

ここでなにか83歩とか84歩とかやりたいですが歩切れ。85同銀しかなく、83歩には84歩と合わせます。(これしかない)

84同歩同銀に88歩が返し技。

88同飛76桂で

これは先手がまずそうです。
(注:問題図で44銀は同歩16香からこの変化で角を交換していないパターンになりそう。同じような手順でうまくいきません。)

戻って、44銀ではなく54銀が正しいです。

これで持ち歩が2枚になりました。
18飛成53銀成同銀87香に45桂。

84歩85歩同歩に83歩とたたけるようになったのですが、83同銀85銀に57歩が反撃。
(あとで同じような変化が出てくるのでここはさっと飛ばして図面だけ見てもらえばいいです。)

57同金直同桂成同角54香と5筋を攻められて

74銀84歩同香同銀同飛72玉

83飛成62玉81飛成72銀

こういう感じで、以下は73銀成から74歩も厳しいので先手がいいのですが、先手玉も薄いので後手も紛れがあります。
先手はもらった角を使っていませんね。攻め急いでしまったのです。後手の持ち駒が増えると反撃が強くなります。

戻って、18飛成には角を取らずに87香が正しい手です。

この図なら45桂は49桂から46歩でもいいので、打ちにくいでしょう。42角が普通です。

これで84歩同歩85歩同歩83歩。

83歩では84歩もありますが、後手から86桂もあるのでこっちのほうが厳しいです。

83同銀85銀に53歩くらいですが、74銀。

84歩同香同飛で

54銀がまだ残っているので受けがありません。

細かい違いで分かりにくいかもしれません。後手の18飛成は攻めの手で、角を取ってくれれば攻め合いで勝負できるのですが、取ってもらえないなら受けたほうがいいのです。
18飛成ではなく42角です。

角は62より42のほうが後手玉が狭くなりません。
ここでは46歩が落ち着いた手で、

53歩と殺されるのを防いでおいて、87香からの玉頭攻めが回れば勝ちです。

46歩では87香53歩84歩と攻めを急ぐのもあります。

84同歩85歩同歩83歩。攻め方は同じ手順ですね。

83同銀85銀54歩(これで銀を取られた)74銀

84歩同香同飛72玉(71玉は63銀打で寄り)

83飛成62玉81竜72銀

これには73銀成同玉74歩が厳しいです。

74同玉は83銀同銀61竜、63玉は61竜で詰み。62玉に73銀(あるいは84角でも)

後手玉はこの手順で、54銀がいなくても寄ります。

問題図では先手が優勢ですから、87香から84歩同歩85歩同歩83歩という順が見えれば勝てます。
その時には先手の持ち駒は香歩歩が必要です。


この攻め筋は76銀が移動するので76の空間に桂馬を打たれるかもしれません。
(だから83歩でスピードアップさせます。)
85に後手の歩があるときは86桂とか86香で89飛の利きが止まります。
(だから87香を打ってから攻めます。)
実戦の手順で74歩を突き捨てたので86に歩を垂らされるとか、9筋を攻めると89飛に当たりやすく反動がきついとか、注意することは多いです。できるだけ後手に持ち駒を渡さないことです。









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20150726今日の一手<その96>強い受け;追記あり

2015-07-26 | 今日の一手
20150726今日の一手

11日の名南将棋大会からAさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得は、先手の桂香歩得です。
玉は後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は86香と持ち駒飛角桂で4枚。
後手の攻め駒は49飛と持ち駒角で2枚。35銀を使ったとして3枚でまだ足りません。

総合すれば先手が有利。
実はこの前はもっと先手が有利でした。48に受けた角と72で遊んでいた飛車とを42に転回されて刺し違えられました。先手の心理としては、ひどい手を指したというわけでもないけれど、ちょっと嫌な展開だなあと思っていたと推測します。
ですが、落ち着いてみればまだ先手が有利です。攻め合いになっても攻撃力があるのでどうにかなりそうですし、受けに回って後手の攻めを切らすこともできそうです。


△ 実戦は46同歩でした。

これは自然な手ですが、35の銀が46に出て使えるので3枚で攻められることになる手でもあります。できれば指したくない手。
56角に58角は38角成がありますから、69角と全力で受けます。

46銀に48飛も力のこもった受けです。

48同飛成同金29角成38銀28馬

47銀同銀成同角19馬74角39飛という展開、

ここで49飛が受け過ぎで、同飛成同金44飛から怪しくなりました。
83香成か75桂で一手勝ちを狙いたかったです。

途中変化が多くて難しいですが、両者力のこもった戦いでした。


○ 問題図を見て、これに気が付いた人は簡単だと思ったでしょう。58角です。

59飛成には69金


47歩成には49角38と同角。


相手の攻め駒を責めるのが最強の受けです。
相手の攻め駒は49飛と持ち駒角の2枚だけですね。35銀が働かないうちに盤上の飛車を責めると一番速いです。

× もっと激しくいきましょう。31飛です。

寄せ合いです。(61金左はこの後の変化に合流します。)
47歩成51飛成38と で詰めろですが、83香成は詰めろ逃れ。


追記;この局面、97角で必至でした。おぶーちゃんの旦那さんありがとうございました。これは後手の勝ち。


79金88玉89金97玉79角86玉68角成と追われます。

でもまだ先手玉が詰めろではありません。
71竜に同銀なら73角で詰み。


こういう変化を読み切れるなら攻め合いで勝てます。


○ 受けるなら65角もあります。(25角でも同じようですが、24銀で千日手?)こう指すなら58角と打ちそうですが。

47歩成同角に46銀は58角なので79角です。

69桂と受ければなんでもなくて、46銀58角に

39飛成同金88銀ともたれるくらい。31飛62金左41飛打とします。

61飛成は一応見せますがダミーで、46の銀を消去して右に逃げられるようにすれば勝ちです。

簡単に46銀と出させなければ先手の有利をキープできます。


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将棋に勝つ考え方

2015-07-25 | 将棋本 断捨離
将棋に勝つ考え方―異次元の大局観 (谷川浩司の将棋新研究 1)
谷川先生の本です。1982年、最初に名人になったころですから若い写真が。

形勢判断のやり方から大局観について、定跡や実戦に理論的な解説をしています。次の一手も。
私は昔立ち読みをして買わなかったのですが(学生でしたから経済的に)、ずいぶん経って古本で買いました。
良い本です。名人だし部数も出たのでしょう、安いですから古本で買って読んでみたらいかがでしょう。欲しい方50円で差し上げます。

当時駒の損得を点数で比べるというのが画期的でしたが、このブログで書いている方法で形勢判断をしたほうがいいと思っています。そういう目で読み直してみると力が付きます。
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20150725今日の一手<その95>振り飛車らしい指し方

2015-07-25 | 今日の一手
20150725今日の一手

11日の名南将棋大会からTさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。38銀と指せれば先手の方が上ですが。
先手の攻め駒は今のところありません。後手陣に向かっていませんね。
後手の攻め駒は85飛と持ち駒角で2枚。73金か63銀と81桂まで使えればいいのですが。

総合すれば後手が指しやすい局面です。先手は角交換四間飛車から筋違い角を96に打ったのですが空振りでした。追いかけられて手損したので少し立ち遅れているのです。


× 実戦は86歩。多分一番悪い指し方です。

82飛に56角でしたが、これも67角ならまだ問題は小さかったのです。76歩が痛い。

76同銀86飛で銀取りが受けにくく、75銀87飛成。

88歩や76竜が残ります。以下は74歩72金65歩同歩88歩76竜65飛となって、まあまあかと思われましたが

65同竜同角69飛で両取りです。

まるで私が指しているような気がしてきました。

まず最初の86歩ではおとなしすぎました。おとなしく指したのに76歩があるとは。


× 受けるなら87歩のほうが負担が少ないです。

82飛38銀54銀56角63金78飛74歩86銀という感じ。

途中87飛成は88飛とぶつけます。ここまではまあまあのようですが、ここから75歩同歩同銀とはいけませんからまだ先手が指しにくいです。後手からは55銀が残っています。

やはり87歩と先手から謝るのでは互角になりません。


× 38銀としまったらどうでしょうか。指しておきたい手ですが。

76歩同銀88飛成があります。

67角99竜82歩93桂81歩成88歩

後手は竜を引き上げても指せますが、これで桂香を先に取れるので後手のペースです。まだ先手の飛角銀が働きません。


○ 振り飛車らしいのは67角です。

87飛成も88飛とぶつけて、38銀としまってはいないものの、飛車交換なら十分。
だから82飛に88飛87歩

78飛74金38銀までは当然で、ここから75金と出てくるのは気になります。

後手から76歩と打たれてはだめそうですが、こちらから76歩と打つのも振り飛車の手ではありません。
86銀と行きましょう。

86同金は71飛成83飛82歩73飛81歩成で

これなら86金が遊んでいますからうまくさばけた感じです。

戻って66金は

81飛成86飛75竜。

67金86竜58金同金

これで先手の銀損ですが、駒は取り返しやすいです。以下は72銀打に83歩という感じ。


後手も75金は怖いので73桂のほうが普通の発想でしょう。

これには85歩と打って、75歩に86銀。

88歩成同飛65歩に77銀

44角に84歩同金と重くさせて45角。

54歩74歩同銀54角で

こういう戦いならまあまあでしょう。飛角銀が使いやすく、後手の84金が重い形です。

振り飛車らしい戦い方といっても様々ですが
自分だけ歩を謝らない。相手に打たせる。
左側の駒をさばく。飛角は大きく動き、銀桂は相手の駒と交換する。
駒を捨てる手を考える。
相手を重い形に導く。

というのがこの変化で出てきました。



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下町流三間飛車 居飛穴攻略の新研究

2015-07-24 | 将棋本 断捨離
下町流三間飛車―居飛穴攻略の新研究 (振り飛車の真髄)
小倉先生の本です。2006年出版。

コーヤン流だけでなく、ほかの三間飛車での居飛穴対策があります。
玉頭銀
石田流本組
78金型の石田流
相穴熊
といろいろ解説。実戦解説が6局。三間飛車を指す方には良い本です。
残念ながら穴熊も三間飛車も苦手な私としては使いこなせませんでした。
コメント (2)
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20150724今日の一手<その94>飛車交換の部分定跡

2015-07-24 | 今日の一手
20150724今日の一手

11日の名南将棋大会からWさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。















昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが上です。
後手陣先手陣に届いている攻め駒を数えます。
先手の攻め駒は98飛95香で2枚。
後手の攻め駒は84飛91香で2枚(82飛は微妙ですが)。73桂54銀22角を使えれば攻め駒が増えます。

総合すれば互角に近いけれど先手のほうが指しやすいかもという局面です。

先手から見れば、互角以上の駒交換でサバきたいところです。

ところで、この97香の形の振り飛車から95歩同歩98飛というのは皆さんの常識になっていますか?
子供のころ大内先生の入門書か実戦集で見たと思うのですが、いまでは見かけることがありません。居飛車が73桂とはねての持久戦を指さなくなったのが原因か、この攻め筋が知られてしまったのが原因で73桂からの持久戦が消えたのか、どちらかなのでしょう。
ですから、若い方は知らないかもしれません。

この将棋は先手の向い飛車で始まり、飛車交換の筋を見られて73桂の形になり、58金左と普通の形に落ち着いたので中央位取り、という流れです。先手のAさんは居飛車党のはずですが、振り飛車党のOさんだからと向い飛車を研究していたのでしょうか。

少し前はこの形。95歩同歩98飛(88から)が手順で

86歩同歩84飛

というのが部分的な定跡です。このあとは後で変化手順で出てきます。81桂の形なら93歩か92歩で受かることに注意しておきます。
実戦は84飛と浮いてから86歩なので手順前後です。


× 実戦は86同角でした。

95香に同飛は94香で飛車が死ぬので、95同角。87飛成に97飛とぶつけました。

ここで85竜が悪手。87香があります。

96歩からの飛車交換では後手を引くので73角成で悪い。ですから95竜同香で、2枚飛車に攻められて後手が苦戦しました。

もどって、83竜が最善。

84歩93竜59角96歩87飛85歩と局面を落ち着かせます。

これで後手だけ竜を作っているので有利です。

もう少し戻って、先手は95香に同香ではなく96歩と我慢したらどうでしょうか。

仕掛けたのに謝るのでは面白くはないのですが。
これには65歩同歩66歩同銀56歩が感触のいい攻めです。

この銀取りは飛車で受けるしかありません。68飛に86飛同歩79角

5筋で歩がぶつかっていますが、これは取ってもらった方が後手だけ51歩の余地ができます。
67飛では66角同飛57歩成ですから69飛打68角成同飛96香で

後手が香得、攻め筋もあるので優勢です。

86同角は振り飛車が悪い、というのも昔の本には書いてありました。


△ 手順前後は許すのですが、本に載っているのは86同歩です。

95香同飛94香に85飛で切り返し。

85同桂同歩95香84歩までは一本道。

後手は多分98香成でしょう。
ここでの形勢判断は、駒の損得なしですが89桂だけ取られそう。先手玉が堅く、攻撃力は互角です。形勢は互角に近いです。

この97香からの端攻め飛車交換の部分定跡は、玉の堅さがものを言います。本問くらいの差では好んで選ぶかは考えどころ。もう少し堅さに差があれば振り飛車優勢ですが。


○ 最後は手順前後をとがめる91香成です。

87歩成には93飛成で返します。

飛車を逃げては角に逃げられて香損ですから、77と84竜67と同金。

この局面、先手が角銀と飛香の交換で少し駒損です。さらに後手玉のほうが堅いのですが、先手の方が攻撃力があります。後手は73桂を助けづらく、84竜と持ち駒飛香プラス73の桂馬あるいは91成香も使えそうです。後手から攻める方法が見えません。
よって先手有利です。


さて、これでこの飛車交換の部分定跡を理解していただけたでしょうか。
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