名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180420

2018-04-20 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。


第1問


ツノ銀中飛車の狙い筋です。
A 55歩 B 89飛 C 98香

第2問


9筋をどうするのかということなのですが。
A 94同香 B 95歩 C 45歩

第3問


手にのってさばいていきます。
A 65歩 B 47角 C 86歩

第4問


86歩は何でもないので攻めるチャンスです。
A 34桂 B 34歩 C 44桂

第5問


金取りです。受け方は?
A 36金 B 37香 C 47桂

第6問


両取りですがどう受けますか?
A 42銀 B 29飛 C 38歩

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大山将棋研究(860);中飛車に引き角戦法(高橋道雄)

2018-04-20 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180420
昭和61年5月、高橋道雄先生と第36期王将戦です。

大山先生の中飛車に高橋先生は急戦の構え。

44銀から31角は珍しい、引き角戦法です。これは昔からあるもので、二上先生の定跡本か自戦記を読んだ覚えがあるのですが、どの本だったかは思い出せません。

35歩から34角と据えて、55歩同歩67角成を狙うと書いてあったのですが、中央を厚く構えられた場合はそう指しにくいですね。

ツノ銀中飛車のほうが角の打ち込みに強いわけで、9筋の位も取っていて、8筋の逆襲を狙えば作戦勝ちのようなのですが

さすが高橋先生、私には72角は思いつきませんでした。36を狙っているので大山先生も筋違いの自陣角で受けて、85歩から持久戦です。

互いに銀冠に組みなおして

高橋先生のほうが金銀を玉のほうに集めたので少し堅くなりました。端から開戦です。

95歩には98歩同香86歩ですね。手は作れました。

大山先生は9筋を明け渡して角を追います。

香損ですが74歩をみせて、65歩を誘い

桂馬を交換しました。香と4歩の交換、と金も作られていますが働きはなく、これなら大山先生のほうが指しやすそうです。

高橋先生は馬を作られ駒得はほとんど消えています。飛角も封じられているので4筋から反撃を目指します。

桂取りには桂取りで返し、取り合いならば十分でしょう。

大山先生はあっさり36で清算してしまいました。

桂馬を使って後手の桂頭を攻めます。

高橋先生も反撃して良い勝負のようですが

37香で返して、返し技の応酬です。

金を剥がして、大山先生の反撃のほうが厳しかったという結果です。

銀も取って大山先生優勢です。この銀は嫌な手なのですが、遠く92馬の利きがあるというのも見逃せません。

金のほうを守って寄せに行きます。

高橋先生の反撃も、先の38歩が利いている形なので届かず

後手玉は詰めろ。

脱出路を開いたようですが

詰めろは外せていませんでした。

膠着状態から駒の繰り替えは、高橋先生のほうがうまくまとめているように見えるのですが、開戦するほうがリスクを負います。99香を捨てても角をさばいて玉頭で勝負、という大山先生の大局観が光りました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:高橋道雄王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 5八飛(28)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 1六歩(17)
18 1四歩(13)
19 2八玉(38)
20 7四歩(73)
21 3八銀(39)
22 4二銀(31)
23 6七銀(68)
24 5三銀(42)
25 7八金(69)
26 4四銀(53)
27 5九飛(58)
28 3一角(22)
29 4六歩(47)
30 8六歩(85)
31 同 歩(87)
32 同 角(31)
33 同 角(77)
34 同 飛(82)
35 8七歩打
36 8二飛(86)
37 4七銀(38)
38 4二金(41)
39 3八金(49)
40 6四歩(63)
41 3六歩(37)
42 5三銀(44)
43 9六歩(97)
44 4四歩(43)
45 7七桂(89)
46 7三桂(81)
47 9五歩(96)
48 3三桂(21)
49 3七桂(29)
50 4三金(52)
51 8九飛(59)
52 7二角打
53 5八角打
54 8五歩打
55 6八金(78)
56 8一飛(82)
57 5七金(68)
58 2四歩(23)
59 2六歩(27)
60 6三銀(62)
61 4八金(38)
62 2二玉(32)
63 3八銀(47)
64 5二銀(63)
65 2七銀(38)
66 4一銀(52)
67 3八金(48)
68 3二銀(41)
69 4七角(58)
70 8四飛(81)
71 5八銀(67)
72 2三銀(32)
73 4九銀(58)
74 3二金(42)
75 4八銀(49)
76 6三角(72)
77 5八角(47)
78 8一飛(84)
79 4七角(58)
80 5二角(63)
81 5八角(47)
82 4二金(43)
83 4七角(58)
84 8四飛(81)
85 5八角(47)
86 4三角(52)
87 4七角(58)
88 3一金(32)
89 5八角(47)
90 3二金(42)
91 6七角(58)
92 4二銀(53)
93 5八角(67)
94 9四歩(93)
95 同 歩(95)
96 7五歩(74)
97 同 歩(76)
98 5五歩(54)
99 同 歩(56)
100 9四香(91)
101 4五歩(46)
102 9八歩打
103 4四歩(45)
104 5二角(43)
105 4七角(58)
106 9九歩成(98)
107 5九飛(89)
108 6五歩(64)
109 同 桂(77)
110 同 桂(73)
111 同 角(47)
112 6三角(52)
113 5四桂打
114 3五歩(34)
115 同 歩(36)
116 5三銀(42)
117 4六金(57)
118 4一香打
119 9二角成(65)
120 5二桂打
121 4七銀(48)
122 4四桂(52)
123 4五歩打
124 3六歩打
125 同 銀(47)
126 同 桂(44)
127 同 金(46)
128 8六歩(85)
129 3四歩(35)
130 同 銀(23)
131 4六桂打
132 2三銀(34)
133 3四歩打
134 4五桂(33)
135 同 桂(37)
136 同 香(41)
137 同 金(36)
138 4四歩打
139 3五金(45)
140 4三桂打
141 3七香打
142 3五桂(43)
143 同 香(37)
144 4五金打
145 3三歩成(34)
146 同 金(32)
147 同 香成(35)
148 同 玉(22)
149 3四歩打
150 同 銀(23)
151 同 桂(46)
152 3七歩打
153 同 金(38)
154 4八銀打
155 3八歩打
156 5九銀(48)
157 4二銀打
158 同 銀(53)
159 同 桂成(34)
160 3五香打
161 4三金打
162 2三玉(33)
163 3一成桂(42)
164 3七香成(35)
165 同 歩(38)
166 2二金打
167 2一成桂(31)
168 8八飛打
169 3八桂打
170 5五金(45)
171 2二成桂(21)
172 3四玉(23)
173 3三金打
174 投了
まで173手で先手の勝ち
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20180420今日の一手(その680);四枚の攻めは切れない

2018-04-20 | 今日の一手

20180420今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、SさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

仕掛けから見てみると

相振り飛車ですが、自陣角を据えて矢倉崩しです。44飛65歩同歩64歩

歩を打って駒をぶつけるのが手筋です。64同銀65銀同銀同桂64歩

73歩同桂同桂成同金上

と進んだのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46角68飛と持ち駒銀桂で4枚。
後手の攻め駒は44飛と持ち駒角銀桂で4枚。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として

1歩損だけで後手玉を薄くできました。ここでゆっくりしていると後手玉を堅くされたり、77角とけん制されたりで厄介、攻撃続行あるのみです。
攻め駒が4枚ありますから、寄せのセオリーに則って攻めを考えていきます。


× 72歩同玉

は最初に考える手なのですが、後手玉は下段にあるほうが攻めやすいです。歩切れになってしまったのでこれは不利かもしれません。


△ 実戦は75歩で

直接後手玉を攻めるのがだめなら、73金を攻めることを考えます。2手かかりますが75歩~74歩というのが次の候補。でも75同歩と取られて持ち歩がありません。85桂72金

歩を持っていれば73歩と打ちたいところなのですが。
55銀と打って、45飛と逃げてもらえたので64銀

これは先手好調です。歩を取りながら攻めが続いています。46飛73歩62金寄46歩74角

ここに角を打たれるというのが、最初に75歩同歩と打ち捨てたことのマイナス面です。
ここで39玉とかわしておけば簡単でしたが、合駒の47飛、85角63銀成同角

63同飛成で勝ちですね。それを逃して72金同金同歩成同玉、とやってしまったので攻めが切れて後手Oさんの勝ちになりました。

さて本譜の順は先手の勝ち筋が2回(それを逃した)ありました。後手としてはその前に飛車を切るべきです。

46同銀(46同歩は74角がある)61桂55銀65銀31飛12角

粘られたら難しそうです。先手が悪いことはないとは思いますが。


○ 単に85桂のほうが良さそうです。歩の次は桂を考えますね。

72金73歩62金寄55銀

今度は46飛に同歩と取れます。65角なら

65同飛同歩31飛61桂21飛成

54歩ならば72角同金同歩成同玉64桂


あるいは54歩に64桂として

55歩72歩成同金同桂成同玉81角

という寄せがあります。

後手としては54歩ではなく75銀とか

飛車で切られない受け方をします。31飛61桂21飛成77角

この時に悩ましいのですが、56歩12角同竜同香45角

73桂63角成同金64銀同銀同飛同金73桂成

強襲してしまえば寄り筋です。


○ 次に考えるのは63金のほうを狙う手で、65歩から。

65同歩には85桂が厳しいです。金を逃げられなくて64銀73桂成同金(73同銀は52銀でからむ)55銀

と攻めていけばいいでしょう。歩切れでも桂金交換というのは大きいです。

後手に62金と引かれると難しいのですが

というのは64歩に67歩同飛66歩同飛54桂があるからです。
64歩と取り込まずに55銀14飛64銀72金引73歩82金

63銀成同金64歩同金同角

と攻めてしまえば優勢です。


× 55桂だと

角筋が止まってしまいます。62金には63歩なので、54金とかわして65歩同金同飛

65同歩に43桂成の狙いですが46飛同歩

そんなに悪くはないですが駒損です。


○ 56桂は64歩を狙っているだけなので厳しくはないのですが

飛車取りですから手は抜かれません。46飛同歩34桂47銀

こうなると長そうですが、先手だけ飛を持っているのでわかりやすいです。

後手が飛車を切らないと横に逃げるわけですが

64角同金直同飛同金73銀

桂は残して飛角を切ってしまえます。この詰めろが受けにくく、62飛には64桂が利きますし、72飛にも64桂73飛63金

と迫れば寄りです。


○ 最後は55銀で

14飛には85桂が入るから、と思ったら34桂

で角筋をずらされるとややこしいです。

ということで14飛には64銀と突っ込んで

64同金右65歩

65同金同飛64歩55桂73金63金

飛車を逃げていると怪しいのですが、強引に攻めていけばよいです。

64銀に同金直だと85桂です。

63金寄に64角同飛同飛同金73桂成

という寄せです。

ところで

最初の55銀に46飛と切るのは46同銀

今度は56桂の時と比べて飛桂を持っていますからよりわかりやすそうです。




☆ まとめ

おかしな感じの手を指さなければ、どれも手が続きます。四枚の攻めは切れないといわれるのがよくわかる問題でした。

どれが一番良いのか?というのは悩みますが、本来はセオリー通りに考えていって、最初にうまくいきそうな85桂が第一候補です。しかし後で55銀の時に46飛と切られると、結構難しそうです。

そう思えば55銀あるいは56桂を先に決めておいてから後の攻め方を考えるものなのかもしれません。だけど後手からの抵抗もいろいろありますね。

問題図の前の

自陣角を打っての矢倉崩し、後手は33銀21桂が働いていないけれど、飛車の横利きで守れるし、角を手持ちだから抵抗の手段が多いということなのでしょう。先手は2歩持っているけれど先手玉は堅くないということも関係しています。

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