先手番松田先生の手を考えます。
第1問
苦しい将棋が互角くらいになりました。この33香を疑問手にさせます。
A 55銀 B 63銀 C 36歩
第2問
5手目に好手があります。
A 46同歩 B 53桂成 C 34歩
第3問
寄せ合い勝ちを読み切ります。
A 58角 B 34歩 C 57金
第4問
即詰みです。
先手番松田先生の手を考えます。
第1問
苦しい将棋が互角くらいになりました。この33香を疑問手にさせます。
A 55銀 B 63銀 C 36歩
第2問
5手目に好手があります。
A 46同歩 B 53桂成 C 34歩
第3問
寄せ合い勝ちを読み切ります。
A 58角 B 34歩 C 57金
第4問
即詰みです。
今日の棋譜20230228
1954年9月、松田茂役先生(改名前なので茂行が正しい)先生と九段戦、挑戦者決定戦の1局目。
松田先生の先手で中飛車です。この当時の振り飛車は珍しいのですが、松田先生はツノ銀中飛車を得意にしていました。
62銀に55歩同歩同角。これは一度77角としているので、1手をかけて5筋の歩を交換したということになります。55同飛として59飛と引く形が作れたら手得の意味があります。42玉48玉34歩78金32玉54飛77角成同桂45角55飛27角成25飛54馬24歩同歩同飛・・・、というはめ手のような手順があり、米長先生の本で読んだことがありますが、書名は覚えていません。
42玉77角32玉48玉34歩。ここは55歩を打つか、66歩と止めるかに分かれるのですが、
66歩をのほうを選ぶと、後手に5筋の位を取られます。すると先手の手損ということになるのでしょう。この局面で先手が1歩持っていますが、先手は7手、後手は10手指しています。3手分で1歩持っているだけではだめですね。
松田先生は向い飛車にして
急戦をねらいますが、
85歩68角74歩77桂。これはスムーズに手が進んだとはいえ、後手の73桂が間に合うので、攻めが続くわけではありません。
駒組に戻ったところで、先手の28玉を見て、升田先生は65歩。中央が厚いので桂交換は後手のポイントになります。
65同歩同桂85飛、これで一気に中盤が終わり、終盤に入ります。
85同飛同桂89飛、両取りですが
82飛42銀59歩。形勢はどうでしょうか。駒の損得は無し(後手の1歩損でも持ち歩がある)、玉の堅さは同程度、攻め駒は2対1で後手の方が多いです。やや後手もちでしょうか。違いは65桂と85桂の差です。
56歩同銀99角成。後手はスムーズに香を取れたけれど、先手は91香を取るのに手間がかかります。
64歩同金88歩。升田先生はこれを同馬同金同飛成とするほうがわかりやすかったのです。かなり怖いですが。
98馬66歩、桂取りで忙しくなり、
76馬67銀75馬76歩97馬。先手が歩切れなので悪くなっていないのですが、振り飛車の寝技という感じがします。
73桂成55金65歩
66歩58銀56香57桂。どこが急所なのかわかりにくいです。
51歩85飛成。これは長い終盤になりそうです。
99飛成64歩同馬74成桂
97馬77角89竜87金。でも後手ペースではあるようです。
53馬75成桂78竜68歩。先手の我慢が続いて、
44馬64成桂と進んだところで、
57香成同銀右65桂同成桂同銀。悪い取引ではないのですが、先手の駒がさばけてきました。
46銀54金57香56桂。桂馬よりも香車の価値が高いようで、先手ペースになってきたでしょうか。
でも56同香同銀48桂なのか。形勢は混とんとしています。
65銀57桂67歩成。44角58と11角成49と は後手の勝ちなので、
67同歩77馬同金同竜65桂。馬角を交換して、金銀を取り合ったわけですね。駒の損得はほとんどありませんし、形勢互角です。
79竜66角33香。この33香は升田先生の失敗です。他の受け方も悩ましいところではあったのですが、香を手放して戦力が減ってしまいました。
36歩に52角。これは升田流の受けで、
75竜68歩35歩44歩。角を使って3筋を受けようというのです。でも堅い受けではないので、苦しい感じがしますね。
55銀打同金同銀69歩成。と金攻めは大きいのですが、
69同銀同竜44銀。少し駒得なのですが、先手の攻め駒が4枚あります。
46歩53桂成47歩成。寄せ合いではあるのですが、
52成桂同金65角。王手で と金を抜かれてしまいます。
43歩33銀成同桂47角。角歩と銀銀の交換は駒得、玉の堅さは同じくらい、攻め駒は5対3、これだけ見ると後手有利なのですが、
67竜34歩。桂は取られるでしょうから、駒得は消えます。後手玉は33歩成から詰みそう。先手玉は47竜としても詰み筋が見えないです。でも後手玉の詰み筋が・・・33歩成同銀同角成同玉34歩同玉35香44玉56桂打・・・詰みのようです。詰めろ逃れにはなっていませんでした。
なので66竜同竜で詰めろ逃れ。73角の王手は受け方が多いですが、
64歩44銀。
33歩成同銀上34歩同銀35歩45銀左46歩。先手玉が危なくならないように攻めれば、先手優勢は変わりません。
46同銀同竜64角。ここを間違えなければ先手の勝ちです。
55香45銀打
45同竜同銀。竜を切ったということは、即詰みねらいです。
33銀同玉34銀。34同銀同歩26桂は飛金銀を持っているので詰むでしょう。44玉45銀同玉56銀も同じようなものかな。55香を取られたり動かしたりしなければ。32玉33飛も、42玉22飛も難しくないです。ここまで。
対抗型で振り飛車の粘りに手を焼くということはよくあります。相居飛車の将棋とはかなり違うので、振り飛車側の腕の見せ所なのかも。居飛車党としては、最初の踏み込みを逃さないようにするのが良いのですが、その判断が難しいのですよね。本譜では58手目88歩を同馬と踏み込めたかどうかです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/09/19(日) 00:00:00
棋戦:九段戦
戦型:対中飛車
手合割:平手
先手:松田茂役
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 5五歩(56)
10 同 歩(54)
11 同 角(77)
12 4二玉(51)
13 7七角(55)
14 3二玉(42)
15 4八玉(59)
16 3四歩(33)
17 6六歩(67)
18 4二銀(31)
19 3八玉(48)
20 5三銀(62)
21 7八銀(79)
22 5五歩打
23 6七銀(78)
24 5四銀(53)
25 4八銀(39)
26 5三銀(42)
27 8八飛(58)
28 6四歩(63)
29 7八金(69)
30 7二金(61)
31 8六歩(87)
32 同 歩(85)
33 同 角(77)
34 8五歩打
35 6八角(86)
36 7四歩(73)
37 7七桂(89)
38 7三桂(81)
39 8九飛(88)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 6三金(72)
43 2八玉(38)
44 6五歩(64)
45 同 歩(66)
46 同 桂(73)
47 8五飛(89)
48 同 飛(82)
49 同 桂(77)
50 8九飛打
51 8二飛打
52 4二銀(53)
53 5九歩打
54 5六歩(55)
55 同 銀(67)
56 9九角成(22)
57 6四歩打
58 同 金(63)
59 8八歩打
60 9八馬(99)
61 6六歩打
62 7六馬(98)
63 6七銀(56)
64 7五馬(76)
65 7六歩打
66 9七馬(75)
67 7三桂成(85)
68 5五金(64)
69 6五歩(66)
70 6六歩打
71 5八銀(67)
72 5六香打
73 5七桂打
74 5一歩打
75 8五飛成(82)
76 9九飛成(89)
77 6四歩(65)
78 同 馬(97)
79 7四成桂(73)
80 9七馬(64)
81 7七角(68)
82 8九龍(99)
83 8七金(78)
84 5三馬(97)
85 7五成桂(74)
86 7八龍(89)
87 6八歩打
88 4四馬(53)
89 6四成桂(75)
90 5七香成(56)
91 同 銀(48)
92 6五桂打
93 同 成桂(64)
94 同 銀(54)
95 4六銀(57)
96 5四金(55)
97 5七香打
98 5六桂打
99 同 香(57)
100 同 銀(65)
101 4八桂打
102 6五銀(56)
103 5七桂打
104 6七歩成(66)
105 同 歩(68)
106 7七馬(44)
107 同 金(87)
108 同 龍(78)
109 6五桂(57)
110 7九龍(77)
111 6六角打
112 3三香打
113 3六歩(37)
114 5二角打
115 7五龍(85)
116 6八歩打
117 3五歩(36)
118 4四歩(43)
119 5五銀打
120 同 金(54)
121 同 銀(46)
122 6九歩成(68)
123 同 銀(58)
124 同 龍(79)
125 4四銀(55)
126 4六歩打
127 5三桂成(65)
128 4七歩成(46)
129 5二成桂(53)
130 同 金(41)
131 6五角打
132 4三歩打
133 3三銀成(44)
134 同 桂(21)
135 4七角(65)
136 6七龍(69)
137 3四歩(35)
138 6六龍(67)
139 同 龍(75)
140 7三角打
141 6四歩打
142 4四銀打
143 3三歩成(34)
144 同 銀(42)
145 3四歩打
146 同 銀(33)
147 3五歩打
148 4五銀(34)
149 4六歩打
150 同 銀(45)
151 同 龍(66)
152 6四角(73)
153 5五香打
154 4五銀打
155 同 龍(46)
156 同 銀(44)
157 3三銀打
158 同 玉(32)
159 3四銀打
160 投了
まで159手で先手の勝ち
負けたほうからですが、先手番升田先生の手を考えます。
第1問
攻めの分岐点です。これが一番良さそうで、先手有利になります。
A 24同飛 B 46歩 C 51角
第2問
ちょっとしくじりましたが、後手も間違えました。またチャンスです。
A 44角 B 41角 C 33香
第3問
升田先生はここでも間違えてしまいました。正しくは?
A 86歩 B 86銀 C 67銀
第4問
またチャンスが来て、逆転です。
A 19香 B 29香 C 37銀
今日の棋譜20230227
1954年8月、二上達也先生(当時七段)と王将戦です。若い世代が出てきました。
升田先生の先手で角換わりです。
升田先生は腰掛け銀、二上先生は銀の動きを保留して
いましたが、相腰掛け銀に進みます。
ここで73桂に45歩と進めば先後同型の升田定跡になるかも。
でも73桂を保留しておくというのが、後手の有力な対策です。(この局面を名南将棋大会の参加者の少年たちに聞いてみると、68金右と待つ、という意見でしたが、後手も待っていれば千日手です。)
先手の48金を見て73桂を跳ねる。29飛ならば65歩と先攻して後手がまあまあでしょう。それが有力だとされていたのですが、
では先手が45歩同歩同桂(41角もあったか)と攻めたらどうなるでしょうか。45同銀同銀は難しいかもしれないけど、まあ先手もちです。42銀には41角63角同角成同銀の形であれこれ攻められそう。なので44銀が普通の受けですが、
24歩同歩51角。これは後手がまずいのか。戻って
73桂が甘いのではないかということになります。65歩同歩75歩同歩73桂というような、ちょっと無理そうな攻めを考えるのが現代的というか、今の時代の指し方だったのでしょう。
また戻って
桂取りを受けにくいし、24角成もあります。
でも46角の飛取りで返せる、というのが二上先生ののねらいだったはずです。29飛65歩は後手が良さそう。でも23歩同金が入って(23歩に同玉は29飛65歩47金~24角成)
73角成28角成82馬は升田先生の桂得です。後手玉が乱れているので先手有利ですね。まだ角換わり腰掛け銀のブームは続きそうな感じがしてきました。
後手の19馬に、升田先生の64馬(歩を取った)は乱暴です。飛を打ちおろしておくか、91香を取れば十分すぎたでしょうに。
64同馬62飛42歩64飛成、馬は取り返したけど、後手の馬は働いていなかったし、91香も取り損ねたし、後手を引いています。
18飛38桂。働きのない桂を打たされて、後手有利に変わっています。
二上先生の37香同金19角は格好いい手だけど、
46角37角成同角38竜。これは角金交換でしかありません。難しくしたでしょう。
26角63金。竜は捕獲できるけれど、駒得でもないのです。
63同竜同銀41角。これは痛くて
32桂63角成、さらに45銀同馬(44角と切られるのを嫌ったのか)、これで角銀銀と飛桂の交換は駒損です。また先手有利になりました。
86歩55馬44桂打86歩。升田先生が86歩を歩で取ったのが失敗です。銀で取れば問題がなかったのですが。
29飛の角取り、37角などでは87歩同玉89飛成が痛いのです。仕方なく48銀と受けて
26飛成39金18竜。飛角桂と銀銀の交換で駒損です。でも先手玉のほうが堅く、攻め駒は3対2、まだよい勝負でしょうか。
二上先生の85歩が甘くて、19香。27竜引には37銀打25竜28歩あるいは28銀36竜引37銀右で竜を1枚取られます。
48竜同金86歩81飛。でも銀を打たせてから切ったほうが良かったはずですが。また駒損に戻り、先手有利か優勢です。
29竜49歩25竜91馬
87銀同金同歩成同玉(同飛成が無難)に45角。これで勝負になったのか?
31銀33玉26歩同竜41飛成。升田先生は銀取りを放置して寄せに出ます。
67角成52銀で詰めろ。
25歩46馬35歩。この図はかなり難しくて、
43銀成同歩78金、升田先生は一回受けに回ります。
86歩同銀34馬
42竜24玉32竜、この辺りが甘いのでしょう、
85歩同銀86歩同玉33金打。後手玉が堅くなっていて
62竜78馬、金を取られて先手劣勢です。84銀は入玉を目指しているのですが、後手に金銀3枚を持たれているので望み薄です。
36竜82馬67馬69香。この香は犠打で
68歩同香同馬85玉と逃げだします。
あとは先手玉が捕まるかどうかなのですが、
この81歩が良い手で、
81同馬64竜83歩に85銀も好手。85同玉93歩同銀不成75歩では捕まっているようです。
93玉に63竜同馬同馬同竜91銀。上下の詰めろです。
95銀81桂84玉76銀。詰めろではないけれど
61飛27角。この角が良く働いています。
64歩93金74玉73歩。75玉には74香86玉63角成・・・
73同竜に72香。もう望みがなくて
63歩成73桂77桂
67飛72と同角成まで。
二上先生には終盤力があるし、若いので粘りも利きます。体力のない升田先生が攻め急いで失敗したら勝てないです。
さて角換わり腰掛け銀では、昨日並べた将棋の後手の待機策以外にも、本譜の待機策があるということがわかりました。だけど本譜のほうは先手に対抗策があると見て良いでしょう。なので角換わり腰掛け銀は、主流ではないけれど、まだ続くようです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/08/20(金) 00:00:00
棋戦:王将戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:二上達也
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 3八銀(39)
14 5二金(61)
15 6八玉(59)
16 4一玉(51)
17 7八金(69)
18 3三銀(22)
19 4六歩(47)
20 6二銀(71)
21 5八金(49)
22 6四歩(63)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 3六歩(37)
26 6三銀(62)
27 4七銀(38)
28 5四銀(63)
29 3七桂(29)
30 7四歩(73)
31 7九玉(68)
32 9四歩(93)
33 9六歩(97)
34 3一玉(41)
35 5六銀(47)
36 4四歩(43)
37 6六歩(67)
38 2二玉(31)
39 8八玉(79)
40 4三金(52)
41 4八金(58)
42 7三桂(81)
43 4五歩(46)
44 同 歩(44)
45 同 桂(37)
46 4四銀(33)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 5一角打
50 4六角打
51 2三歩打
52 同 金(32)
53 7三角成(51)
54 2八角成(46)
55 8二馬(73)
56 1九馬(28)
57 6四馬(82)
58 同 馬(19)
59 6二飛打
60 4二歩打
61 6四飛成(62)
62 1八飛打
63 3八桂打
64 3七香打
65 同 金(48)
66 1九角打
67 4六角打
68 3七角成(19)
69 同 角(46)
70 3八飛成(18)
71 2六角(37)
72 6三金打
73 同 龍(64)
74 同 銀(54)
75 4一角打
76 3二桂打
77 6三角成(41)
78 4五銀(44)
79 同 馬(63)
80 8六歩(85)
81 5五馬(45)
82 4四桂打
83 8六歩(87)
84 2九飛打
85 4八銀打
86 2六飛成(29)
87 3九金打
88 1八龍(38)
89 6七銀(56)
90 8五歩打
91 1九香打
92 4八龍(18)
93 同 金(39)
94 8六歩(85)
95 8一飛打
96 2九龍(26)
97 4九歩打
98 2五龍(29)
99 9一馬(55)
100 8七銀打
101 同 金(78)
102 同 歩成(86)
103 同 玉(88)
104 4五角打
105 3一銀打
106 3三玉(22)
107 2六歩打
108 同 龍(25)
109 4一飛成(81)
110 6七角成(45)
111 5二銀打
112 2五歩(24)
113 4六馬(91)
114 3五歩(34)
115 4三銀成(52)
116 同 歩(42)
117 7八金打
118 8六歩打
119 同 銀(77)
120 3四馬(67)
121 4二龍(41)
122 2四玉(33)
123 3二龍(42)
124 8五歩打
125 同 銀(86)
126 8六歩打
127 同 玉(87)
128 3三金打
129 6二龍(32)
130 7八馬(34)
131 8四銀(85)
132 3六龍(26)
133 8二馬(46)
134 6七馬(78)
135 6九香打
136 6八歩打
137 同 香(69)
138 同 馬(67)
139 8五玉(86)
140 6七馬(68)
141 9四玉(85)
142 6六龍(36)
143 6四歩打
144 4五馬(67)
145 6三桂打
146 8一歩打
147 同 馬(82)
148 6四龍(66)
149 8三歩打
150 8五銀打
151 9三玉(94)
152 6三龍(64)
153 同 馬(81)
154 同 馬(45)
155 同 龍(62)
156 9一銀打
157 9五銀(84)
158 8一桂打
159 8四玉(93)
160 7六銀(85)
161 6一飛打
162 2七角打
163 6四歩打
164 9三金打
165 7四玉(84)
166 7三歩打
167 同 龍(63)
168 7二香打
169 6三歩成(64)
170 7三桂(81)
171 7七桂(89)
172 6七飛打
173 7二と(63)
174 同 角成(27)
175 投了
まで174手で後手の勝ち
本日は第238回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。
A級優勝
村松勇亮さん
B級優勝
安本興生さん
C級優勝
成田広文さん
D級優勝
寺本浩二さん
E級優勝
近藤悟さん
首藤大地さん
F級優勝
天野一雄さん
北爪邦治さん
G級優勝
佐藤健治さん
優勝された方々、おめでとうございます。
参加された皆様、ありがとうございました。
過去12回分の優勝記録です。
半分にして拡大します。
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
後手の攻め筋が多いですが、この利かしが入ったのが大きかったのです。
A 87歩 B 85歩 C 76歩
第2問
受け方は?
A 35桂 B 24銀 C 31桂
第3問
これが本手です。
A 48同角成 B 55桂 C 75銀
第4問
先手玉は詰みません。後手玉は?
A 57香成 B 24歩 C 33桂打
今日の棋譜20230226
1954年8月、原田泰夫先生と九段戦の2局目です。
原田先生の先手で角換わりです。
腰掛け銀に進みますが、
後手の升田先生は腰掛け銀を保留して、待機戦術をとります。これが最初の角換わり腰掛け銀ブームを終わらせた原因なのです。(73桂を保留する指し方もあります。)
飛を移動するのは手待ちのようなもの。さらに54銀ではなくて54歩です。
原田先生の47金~68金は、升田流で
46金72銀47金63銀の様子見が入りましたが、46角を打ちます。35歩同歩同角34歩46角~36金~24歩同銀15歩同歩25金同銀同桂36金15香・・・と攻める筋です。
ただし後手玉が堅いので成立は微妙なところでした。72銀に35歩は危ない感じもするので(35同歩同角65歩同歩55歩67銀65桂・・・と進むのか)、67銀83銀56歩84銀。升田先生が攻勢を取ります。
原田先生は待っていても仕方ないので、55歩同歩24歩同歩55角。
でも1歩渡したので、54歩46角65歩、この攻めを受け切るのは難しそうです。
65同歩75歩64歩
86歩同歩87歩を取り切れなかったか(87同玉76歩同銀右75歩67銀65角のねらい)、78玉
65桂66銀88角。香が取れるので升田先生の攻めは切れなくなりました。
25歩99角成24歩。2筋の攻めも厳しいのですが、
88歩成69玉89馬。升田先生は駒得しながら攻めることができます。本譜は25桂ですが、23歩成同金24歩同銀同角同金同飛23歩28飛・・・金銀と角の二枚替えの攻めも反撃のほうが厳しいので後手有利は変わりません。
その25桂には、あっさり24銀同角23歩。銀1枚の損でも、先手の攻め足が止まります。桂香を拾っているからおつりがくるのです。
46角76歩65銀、これで銀香交換になりましたが、馬と と金があります。
79馬58玉77歩成
77同金46馬同金37角。あっさり攻めても十分です。
48飛には、飛を取るのを保留して75銀と使っておきます。64銀、66歩、87と、55桂、48角成など、有力手が多く、原田先生は受けきれません。
54銀というのが良くわからないです。それでも55香を打たれて取りにくいですし。ここで56歩や57歩と受けると、87と同金64飛も厳しいですね。
47玉48角成同玉68飛。56歩や57歩を打っていないので
58歩と受けることができるのですが、後手の64飛が自然な攻めです。65銀打には66歩くらいでしょうか。
原田先生は26桂の攻め合いを選んで67飛上成。先手玉は詰めろです。
34桂12玉67金、これは詰めろ逃れの詰めろです。67同飛成でも後手玉の詰みには関係ないので、
58飛成37玉67竜47角。角を打たされても後手玉は詰めろのままでした。升田先生は33桂打。先手からの13で清算して25桂を受けた、詰めろ逃れです。
33同桂成同金右52飛。また後手玉は詰めろですが、
25桂27玉。王手で詰めろが消えました。
26金同玉のところで、後手玉は詰めろになっていたのですが、37銀27玉46銀不成で詰めろ逃れの詰めろ。終盤で寄せ合いの攻防が続きましたが、ここまでです。
角換わり腰掛け銀は先手が打開策を見つけられずに流行が終わります。次は角換わり棒銀のブームに変るはずですが、長くはなかったです。昭和の終わりごろに26歩型の角換わり腰掛け銀が発見されて2回目の流行になり、今は3回目の流行期の中でしょうか、かなり長く感じます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/08/13(金) 00:00:00
棋戦:九段戦
戦型:角交換その他
手合割:平手
先手:原田泰夫
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7六歩(77)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 3八銀(39)
14 4二玉(51)
15 7八金(69)
16 7二銀(71)
17 4六歩(47)
18 3三銀(22)
19 4七銀(38)
20 6四歩(63)
21 3六歩(37)
22 5二金(61)
23 5六銀(47)
24 7四歩(73)
25 6八玉(59)
26 6三銀(72)
27 5八金(49)
28 9四歩(93)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 9六歩(97)
32 3一玉(42)
33 7九玉(68)
34 7三桂(81)
35 6六歩(67)
36 8一飛(82)
37 8八玉(79)
38 2二玉(31)
39 3七桂(29)
40 4一飛(81)
41 4五歩(46)
42 5四歩(53)
43 4七金(58)
44 6一飛(41)
45 6八金(78)
46 4二金(52)
47 4六金(47)
48 7二銀(63)
49 4七金(46)
50 6三銀(72)
51 4六角打
52 7二銀(63)
53 6七銀(56)
54 8三銀(72)
55 5六歩(57)
56 8四銀(83)
57 5五歩(56)
58 同 歩(54)
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 5五角(46)
62 5四歩打
63 4六角(55)
64 6五歩(64)
65 同 歩(66)
66 7五歩(74)
67 6四歩(65)
68 8六歩(85)
69 同 歩(87)
70 8七歩打
71 7八玉(88)
72 6五桂(73)
73 6六銀(77)
74 8八角打
75 2五歩打
76 9九角成(88)
77 2四歩(25)
78 8八歩成(87)
79 6九玉(78)
80 8九馬(99)
81 2五桂(37)
82 2四銀(33)
83 同 角(46)
84 2三歩打
85 4六角(24)
86 7六歩(75)
87 6五銀(66)
88 7九馬(89)
89 5八玉(69)
90 7七歩成(76)
91 同 金(68)
92 4六馬(79)
93 同 金(47)
94 3七角打
95 4八飛(28)
96 7五銀(84)
97 5四銀(65)
98 5五香打
99 4七玉(58)
100 4八角成(37)
101 同 玉(47)
102 6八飛打
103 5八歩打
104 6四飛(61)
105 2六桂打
106 6七飛成(64)
107 3四桂(26)
108 1二玉(22)
109 6七金(77)
110 5八飛成(68)
111 3七玉(48)
112 6七龍(58)
113 4七角打
114 3三桂打
115 同 桂成(25)
116 同 金(42)
117 5二飛打
118 2五桂打
119 2七玉(37)
120 2六金打
121 同 玉(27)
122 3七銀打
123 2七玉(26)
124 4六銀(37)
125 投了
まで124手で後手の勝ち
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
ちょっと悪そうなので先手を迷わせる手を指します。
A 85歩 B 93角 C 53歩
第2問
66歩と突かれて、無視して良いかどうか。
A 66同歩 B 77銀成 C 95歩
第3問
少し指しやすくなりました。どう攻めましょうか。
A 97歩成 B 86歩 C 77歩
今日の棋譜20230225
1954年8月、原田泰夫先生と王座戦です。
原田先生の先手で相掛りです。互いに引き飛車で
5筋の歩を突き合う旧型に。
ここまで先後同型ですが、
原田先生は一手損で角を交換して68銀。33銀には45桂があるので、もう先後同型(の先手一手損)にはならないです。
升田先生の42金は、22銀を42に持っていく代わりです。32玉型にしようというのですが、
45歩を突かれたので32金と戻して、33銀とするコースに戻ります。後手の一手損となりました。
原田先生は26飛(39角を避けた)~46銀
互いに中住まいになり、
65歩に35歩と仕掛けるのかと思えば、29飛84飛48玉64銀。また同じような形ですが、もう先後同型には戻りません。
57銀上75歩。右玉で後手の攻めをいなせるかどうか。
75同歩77歩同桂75銀。後手から76歩があるので
76歩同銀55歩。87銀成85歩同桂87金77桂成85歩同飛86銀は何とかなりそうです。
74飛に75歩同飛86角。打たされた角ですが、
74飛54歩同飛の図は、5筋から反撃できそうです。
56銀に97角。この王手の受け方は悩ましいですが、57歩ではつまらないか。75歩を打つか
本譜の38玉か。74飛に
75歩同角同角同飛までは当然のようですが、もう一回97角では57角のほうが良いのかも。
74飛66歩95歩。ちょっと忙しくなりました。
75歩84飛65桂
96歩73桂成同金79角。まあ普通の手順ですが
86歩を無視して65銀でも良いの? 86同歩同飛88歩77歩ではちょっと苦しそうでしたけど。
65同銀同歩87歩成、8筋を破られて、67金78と57角に88飛成か58銀か、それは悪そうなので金を逃げている暇もないのか。とりあえず64桂の王手。
42玉25桂。これはそれほど厳しくなくて、
78と33桂成同桂21銀。うまく攻めているようでも
22金とかわされたときに大した手がありませんでした。角を逃げても88飛成があるので良くならないからと、44歩79と
43歩成同玉まで。後手玉は広くて捕まりません。駒損がひどいので仕方がないのか。
右玉の将棋としては、うまくいった中盤戦だったのですが、2回目に97角を打った辺りで悪くしているようです。5筋を攻めて良しにはなりませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/08/10(火) 00:00:00
棋戦:王座戦
戦型:相掛かり
手合割:平手
先手:原田泰夫
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7八金(69)
6 8五歩(84)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 8七歩打
16 8二飛(86)
17 7六歩(77)
18 3四歩(33)
19 4八銀(39)
20 6二銀(71)
21 5六歩(57)
22 5四歩(53)
23 5七銀(48)
24 5二金(61)
25 6九玉(59)
26 4一玉(51)
27 3六歩(37)
28 5三銀(62)
29 5八金(49)
30 7四歩(73)
31 4六歩(47)
32 6四歩(63)
33 4七金(58)
34 6三金(52)
35 3七桂(29)
36 7三桂(81)
37 2二角成(88)
38 同 銀(31)
39 6八銀(79)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 1四歩(13)
43 1六歩(17)
44 4二金(32)
45 4五歩(46)
46 3二金(42)
47 2六飛(28)
48 3三銀(22)
49 4六銀(57)
50 5二玉(41)
51 5八玉(69)
52 6五歩(64)
53 2九飛(26)
54 8四飛(82)
55 4八玉(58)
56 6四銀(53)
57 5七銀(68)
58 7五歩(74)
59 同 歩(76)
60 7七歩打
61 同 桂(89)
62 7五銀(64)
63 7六歩打
64 同 銀(75)
65 5五歩(56)
66 7四飛(84)
67 7五歩打
68 同 飛(74)
69 8六角打
70 7四飛(75)
71 5四歩(55)
72 同 飛(74)
73 5六銀(57)
74 9三角打
75 3八玉(48)
76 8五歩打
77 9七角(86)
78 7四飛(54)
79 7五歩打
80 同 角(93)
81 同 角(97)
82 同 飛(74)
83 9七角打
84 7四飛(75)
85 6六歩(67)
86 9五歩(94)
87 7五歩打
88 8四飛(74)
89 6五桂(77)
90 9六歩(95)
91 7三桂成(65)
92 同 金(63)
93 7九角(97)
94 8六歩(85)
95 6五銀(56)
96 同 銀(76)
97 同 歩(66)
98 8七歩成(86)
99 6四桂打
100 4二玉(52)
101 2五桂(37)
102 7八と(87)
103 3三桂成(25)
104 同 桂(21)
105 2一銀打
106 2二金(32)
107 4四歩(45)
108 7九と(78)
109 4三歩成(44)
110 同 玉(42)
111 投了
まで110手で後手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
受けの意味もあるので打ち得の銀です。
A 56銀 B 25銀 C 64銀
第2問
受け方は?
A 77金引 B 87玉 C 49角