先手番塚田先生の手を考えます。
第1問
基本手筋です。
A 24同飛 B 24同角 C 23歩
第2問
横歩を取れるかどうか。
A 34飛 B 28飛 C 27飛
第3問
これで先手有利になっているのでした。
A 99香 B 79金 C 54桂
先手番塚田先生の手を考えます。
第1問
基本手筋です。
A 24同飛 B 24同角 C 23歩
第2問
横歩を取れるかどうか。
A 34飛 B 28飛 C 27飛
第3問
これで先手有利になっているのでした。
A 99香 B 79金 C 54桂
今日の棋譜20220930
1950年対局日不明で、塚田正夫先生と九段戦です。全日本選手権戦は九段戦に替わりました。
塚田先生の先手で矢倉です。
5筋を突き合う矢倉ですが、現代だと早囲いが珍しいところでしょうか。もちろん藤井矢倉ではないです。
升田先生は急戦矢倉も得意でしたから右銀を64に繰り出しますが(矢倉だと早繰り銀と呼ばないです)、塚田先生は右銀を66に持っていって受けました。
升田先生は左銀も使って攻めるようです。現代で大流行した64銀73桂の相矢倉(灘蓮照先生が得意にしていた)にしても良かったと思います。袖飛車にしなくても65銀から攻めるから考えやすかったのでは。
さっそく左銀をぶつけます。
24歩同歩23歩の反撃。現代でも見る定番の手筋ですね。44角とかわす方がわかりやすかったかもしれません。
23同金には24角。米長流の急戦矢倉を思い起こせば、32玉とするのが定番の受けです。米長先生が考え付いたということで良いのでしょうか。68角24歩同角同金同飛23歩に34飛が嫌味ではありますが、つぶれてはいなかったでしょう。
時代が違いますから、升田先生は銀を交換して26歩同飛25歩同飛14銀。これは14銀の働きが悪くて、
28飛24金同角23歩34飛。歩切れも痛くて、金歩2と角の二枚替えと見ます。66角同歩45角67角56銀35飛67銀成同金では面白くなくて(これが升田先生の読み筋で横歩が取れないと思い込んでいたか)、
56角54飛
66角56飛99角成。後手の駒得ですが難しい図です。55香があるので
88銀98馬46飛
44香同飛同歩43角。塚田先生の強攻です。
2金21角成の図は、飛銀と金桂歩の交換で駒損です。先手玉のほうが堅くて攻め駒は4対3、互角と見るところでしょうか。この図で、振り飛車党ならば99銀同銀同馬88銀98飛79金打が見えるでしょうか。後手が良さそうにも見えます。
85歩99香、これで先手玉は安定に向かいます。
88馬同玉86歩同歩39飛59歩。二段玉は飛の打ち込みに耐久力があります。後手は歩切れで上から攻めにくく、先手有利になったようです。
36飛成71角
87歩同玉81飛
44角成75銀。上から攻められて危ないようですが、馬二枚の守りがあります。
78玉86銀44桂。これは詰めろです。先手玉は2手すきくらいでしょうか。寄せ合いは先手の勝ちなので、形勢は先手有利。
82飛34歩。これも32馬からの詰めろ。
87銀成68玉51玉
33歩成も詰めろです。53歩の受けに
83歩92飛37歩25竜、2つの利かしが入り、先手玉は大分安全になりました。
42金61玉52金72玉84金、詰めろではないけれど確実な2手すき。
64銀62桂成り81玉61金まで。
急戦矢倉と言っても色々な形があり、定跡化もされていない頃です。升田先生が受け間違って、寄せ合い負けになりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/00/00( ) 00:00:00
棋戦:九段戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:塚田正夫
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 2五歩(26)
10 3三銀(42)
11 5六歩(57)
12 5四歩(53)
13 7九角(88)
14 3二金(41)
15 4八銀(39)
16 4一玉(51)
17 6八玉(59)
18 5三銀(62)
19 7八玉(68)
20 6四銀(53)
21 5七銀(48)
22 7四歩(73)
23 6六銀(57)
24 7三桂(81)
25 3六歩(37)
26 4四銀(33)
27 5八金(49)
28 5五歩(54)
29 同 歩(56)
30 同 銀(44)
31 2四歩(25)
32 同 歩(23)
33 2三歩打
34 同 金(32)
35 2四角(79)
36 6六銀(55)
37 同 銀(77)
38 2六歩打
39 同 飛(28)
40 2五歩打
41 同 飛(26)
42 1四銀打
43 2八飛(25)
44 2四金(23)
45 同 飛(28)
46 2三歩打
47 3四飛(24)
48 5六角打
49 5四飛(34)
50 6六角(22)
51 5六飛(54)
52 9九角成(66)
53 8八銀打
54 9八馬(99)
55 4六飛(56)
56 4四香打
57 同 飛(46)
58 同 歩(43)
59 4三角打
60 5二金(61)
61 2一角成(43)
62 8五歩(84)
63 9九香打
64 8八馬(98)
65 同 玉(78)
66 8六歩(85)
67 同 歩(87)
68 3九飛打
69 5九歩打
70 3六飛成(39)
71 7一角打
72 8七歩打
73 同 玉(88)
74 8一飛(82)
75 4四角成(71)
76 7五銀(64)
77 7八玉(87)
78 8六銀(75)
79 5四桂打
80 8二飛(81)
81 3四歩打
82 8七銀成(86)
83 6八玉(78)
84 5一玉(41)
85 3三歩成(34)
86 5三歩打
87 8三歩打
88 9二飛(82)
89 3七歩打
90 2五龍(36)
91 4二金打
92 6一玉(51)
93 5二金(42)
94 7二玉(61)
95 8四金打
96 6四銀打
97 6二桂成(54)
98 8一玉(72)
99 6一金(52)
100 投了
まで99手で先手の勝ち
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
この形ならば後手有利になるのです。
A 95歩 B 86歩 C 65歩
第2問
攻め方はいくつかあるのでしょうが、とりあえずはここを。
A 86歩 B 65桂 C 75歩
第3問
飛を逃げる前の手筋で決まります。
A 87同飛成 B 45歩 C 99角
今日の棋譜20220929
1950年、月日不明で坂口允彦先生と順位戦です。
坂口先生の先手で角換わりです。
相腰掛け銀に進みますが
坂口先生は48金の形です。29飛とするかと思えば
45歩~47金。先手が4筋の位を取ると先攻しにくいです。先後同型で65歩に46角を打てば少し得だと思っていたのでしょう。
42飛88玉44歩。升田先生は4筋で反撃しますが、ちょっと無理をしているようです。44同歩に同銀は24歩同歩51角~24角成があるので
44同歩に同飛でしたが、坂口先生の46歩はおとなしすぎました。AIに指摘されて気が付いたのですが、33銀が動くと66角がほぼ両取りですね。24歩同歩25歩や35歩同歩34歩で先手有利になるのでした。
後手の飛が8筋に戻ってから45歩を突くのならば、最初から45歩と打てばよいのに。46歩の形でも45桂とか45銀の攻めを考えねばならないところでした。
升田先生は1歩持っているので65歩から攻撃開始です。坂口先生は1手遅れて46角でけん制しますが、
66歩同銀95歩同歩97歩。97同香には86歩同歩85歩同歩同桂、あるいは96歩同香86歩同歩同飛87金99角で決まります。自然な手が悪いのでは形勢はかなり悪化しているのです。
64歩62金77銀95香
96歩同香97桂75歩。75同歩には84飛か92飛だと思うのですが(65桂や65銀と攻めることができる)、受けきれそうにありません。
24歩同歩35歩同歩44歩、坂口先生は75歩を取らず攻め合いの形を作っておきます。
97歩成同香96歩同香76歩同銀84桂。升田先生の攻めは厳しいです。
77歩76桂同歩
86歩同歩同飛87金
99角は取れなくて97玉84飛
86歩85歩まで。85同歩同桂~77桂成で決まります。
まだ坂口先生が角換わり腰掛け銀に慣れていなくて、45歩~46角だけねらったけれど、後手の攻めを防ぎきれなかったという将棋です。1歩の威力が良くわかりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/00/00( ) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:坂口允彦
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7六歩(77)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 4八銀(39)
14 3三銀(22)
15 7八金(69)
16 6二銀(71)
17 4六歩(47)
18 6四歩(63)
19 4七銀(48)
20 6三銀(62)
21 3六歩(37)
22 7四歩(73)
23 6八玉(59)
24 4二玉(51)
25 3七桂(29)
26 7三桂(81)
27 4八金(49)
28 5二金(61)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 9六歩(97)
32 9四歩(93)
33 5六銀(47)
34 3一玉(42)
35 7九玉(68)
36 5四銀(63)
37 4五歩(46)
38 6三金(52)
39 4七金(48)
40 4二飛(82)
41 8八玉(79)
42 4四歩(43)
43 同 歩(45)
44 同 飛(42)
45 4六歩打
46 4二飛(44)
47 6六歩(67)
48 8二飛(42)
49 4五歩(46)
50 6五歩(64)
51 4六角打
52 6六歩(65)
53 同 銀(77)
54 9五歩(94)
55 同 歩(96)
56 9七歩打
57 6四歩打
58 6二金(63)
59 7七銀(66)
60 9五香(91)
61 9六歩打
62 同 香(95)
63 9七桂(89)
64 7五歩(74)
65 2四歩(25)
66 同 歩(23)
67 3五歩(36)
68 同 歩(34)
69 4四歩(45)
70 9七香成(96)
71 同 香(99)
72 9六歩打
73 同 香(97)
74 7六歩(75)
75 同 銀(77)
76 8四桂打
77 7七歩打
78 7六桂(84)
79 同 歩(77)
80 8六歩(85)
81 同 歩(87)
82 同 飛(82)
83 8七金(78)
84 9九角打
85 9七玉(88)
86 8四飛(86)
87 8六歩打
88 8五歩打
89 投了
まで88手で後手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
桂頭を攻められて受けにくいです。これでなんとかバランスを取るしかないか。
A 67銀打 B 62銀 C 24歩
第2問
この銀打は厳しいですが、対応できます。
A 57同金 B 56飛 C 85銀
第3問
即詰みです。
今日の棋譜20220928
1949年12月、大山康晴先生と順位戦です。
大山先生の先手で矢倉です。
升田先生は2筋を角で受けた、これは3手で四手角にするねらいですが、
角を転回するには時間がかかるので、大山先生は右銀を繰り出します。
3筋の歩を交換して
84角には68銀。2手損は気になりますが、急戦矢倉です。
33歩を打たせ、2筋の歩を切り、先手好調です。
升田先生は7筋の歩を交換するのですが、84角のところで86歩は75歩87歩成同金同飛成96角がありました。ちょっとうまくいっていない感じがします。
大山先生は位を取り、飛の横利きも通して大模様を張ります。
升田先生は角を引いて
4筋の歩を切られたら8筋の歩を交換しておきます。先手の模様が良いですが、後手不利まではいかないです。
16歩に74飛、軽く攻めを見せたところで
45桂に34歩。攻めてこいの催促です。34同銀33歩25銀44歩がねらいですが、33歩の時に24歩同歩23歩など怖い攻めがありそうでした。
54歩同銀33歩から
桂交換されて66桂は痛いのか。
84飛54桂同歩34銀、これならば
馬は作られても香桂交換で、形勢は互角です。
62角36飛35歩46飛
31金12馬45桂、これは57桂打ちねらい。
79玉44角77桂73桂、これは65桂打ちねらい。
53歩42金寄の利かしが入って66歩の受け。
75歩に62銀。先ほどの53歩に同金ならば63金の受けがありました。そのほうが良かったかな。
76歩73銀不成83飛。これは結局桂の取り合いになるのですが、AIによると74飛85桂に55角~56桂あるいは19角成~77香のような攻めをみて後手有利だと。桂を逃がす方が良いとは思いませんでした。
62銀成77歩成同銀。53歩42金寄の利かしが利いていて、先手が良さそうです。
なので85桂76銀77歩68金を利かして53角。
75桂に62角で升田先生は勝ち筋だと判断しているのですが、急がず飛を逃げておくのが正解でした。
83桂成57銀、これは厳しいのですが、すぐに詰めろがかかる形ではなくて、
85銀46銀成61飛。角は取られます。
32玉62飛成57桂成77金。46成銀が攻めに使えないと攻めが細い(使えば時間がかかる)です。
47飛48歩67成桂
24桂33玉47歩77成桂で詰めろ。でもここから後手玉が詰むようです。
22馬同金42飛成同玉72飛。77飛成の保険もありますが、
52金32金53玉41角まで。
現代では銀矢倉の将棋は見かけなくなりましたが(角換わり拒否から進むことはあった)、この当時には人気がありました。大山先生も好んで指していた時期があります。攻めに手数がかかるけれど守りは堅く、先攻されるとすこし分が悪いようです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/10(土) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:大山康晴
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 3二金(41)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 4八銀(39)
12 4一玉(51)
13 3六歩(37)
14 2二銀(31)
15 5六歩(57)
16 8五歩(84)
17 5七銀(48)
18 6四歩(63)
19 4六銀(57)
20 5一角(33)
21 3五歩(36)
22 同 歩(34)
23 同 銀(46)
24 6三銀(62)
25 7八金(69)
26 7四歩(73)
27 6九玉(59)
28 5四銀(63)
29 4六歩(47)
30 8四角(51)
31 6八銀(77)
32 3三歩打
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 同 飛(28)
36 2三歩打
37 2六飛(24)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 同 角(84)
41 7六歩打
42 8四角(75)
43 5五歩(56)
44 6五銀(54)
45 4五歩(46)
46 5二金(61)
47 3七桂(29)
48 5一角(84)
49 4四歩(45)
50 同 歩(43)
51 同 銀(35)
52 4三歩打
53 3五銀(44)
54 8六歩(85)
55 同 歩(87)
56 同 飛(82)
57 8七歩打
58 8四飛(86)
59 1六歩(17)
60 7四飛(84)
61 4五桂(37)
62 3四歩(33)
63 5四歩(55)
64 同 銀(65)
65 3三歩打
66 同 桂(21)
67 同 桂成(45)
68 同 銀(22)
69 6六桂打
70 8四飛(74)
71 5四桂(66)
72 同 歩(53)
73 3四銀(35)
74 同 銀(33)
75 1一角成(88)
76 2二銀打
77 2一馬(11)
78 6二角(51)
79 3六飛(26)
80 3五歩打
81 4六飛(36)
82 3一金(32)
83 1二馬(21)
84 4五桂打
85 7九玉(69)
86 4四角(62)
87 7七桂(89)
88 7三桂(81)
89 5三歩打
90 4二金(52)
91 6六歩(67)
92 7五歩打
93 6二銀打
94 7六歩(75)
95 7三銀(62)
96 8三飛(84)
97 6二銀成(73)
98 7七歩成(76)
99 同 銀(68)
100 8五桂打
101 7六銀(77)
102 7七歩打
103 6八金(78)
104 5三角(44)
105 7五桂打
106 6二角(53)
107 8三桂成(75)
108 5七銀打
109 8五銀(76)
110 4六銀成(57)
111 6一飛打
112 3二玉(41)
113 6二飛成(61)
114 5七桂成(45)
115 7七金(68)
116 4七飛打
117 4八歩打
118 6七成桂(57)
119 2四桂打
120 3三玉(32)
121 4七歩(48)
122 7七成桂(67)
123 2二馬(12)
124 同 金(31)
125 4二龍(62)
126 同 玉(33)
127 7二飛打
128 5二金打
129 3二金打
130 5三玉(42)
131 3一角打
132 投了
まで131手で先手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
これで先手の作戦勝ちです。
A 45歩 B 26角 C 56金
第2問
端攻めを続行します。
A 25飛 B 15香 C 14歩
第3問
43歩同金(52から)を利かしたところ。逆モーションの感じがしますが、好手があります。
A 45歩 B 33香 C 64桂
第4問
実戦では逃してしまったのですが、即詰みがあります。
今日の棋譜20220927
1949年12月、木村義雄先生と名人A級総当り十番将棋、名人がA級10人全員と対局する企画です。翌年には名人A級選抜勝継戦(データはこれを棋戦名にしている)となり、後に王位戦に統合されます。
升田先生の先手で角換わりです。
相腰掛銀に進みます。
この図から88玉44歩と進めば、45歩同歩35歩から木村定跡で先手有利、定跡も完成していた頃だと思います。ならば88玉に後手は65歩から先攻したのかですが、35歩同歩36歩の筋に45桂とかわせば銀当たりになるので難しそうです。現代角換わりだと45歩~46角では受け身になるので、45銀とぶつける筋を考えます。今のAIならば45桂と跳ねて攻める筋でしょうか。後手の22玉の形が攻めやすそうです。
升田先生の47金は、45桂と跳ねる準備と思えば攻撃的ですが、桂頭を守って攻めてこいというところでしょうか。木村先生は84角。角換わりではあまり良くない手です(がまだ認識されていなかったでしょう)。45桂あるいは35歩同歩45桂は先手が良くなりそうです。45銀55銀は後手が良いかな。
升田先生は受け身の67銀。65歩を突かれて、同歩同桂66銀左は何とも言えませんが、
65同歩同銀66歩54銀56金。これならば先手よしになりそうです。
65歩45歩、6筋は手厚く守り、攻め合い勝ちだとみました。
45同歩35歩44銀。もう丸田手筋の44銀が一般化されているのがわかります。
15歩同歩24歩同歩同飛23歩29飛。堅く守って飛角桂香で攻める形ができそうで、先手有利です。
66歩には同銀左が形だと思っていました。65桂や65銀の攻めが気にならなければこれでも良いか。
46歩34歩47歩成。この と金は大きいのですが、
12歩同香25桂
43銀13歩同香同桂成同玉。金銀4枚でも玉は13なので後手玉の守りは堅くないです。
25飛22玉13歩。もう端が受かる形ではないです。
57と15飛65歩。木村先生の と金攻めは駒得になるのですが、2枚は取れない金銀取りでは効率が悪いです。
12歩成31玉21と42玉22と。22と では11飛成~31と同金33角のほうが厳しかったのか?
66歩32と同銀66銀。金をはがし合いましたが
86歩を手抜かれて43歩同金64桂は52金同飛同桂成同玉82飛ねらい。84角がお荷物です。どこかで66角と切れば勝負ですが、
34金61角、次に43金は厳しいので
33玉72桂成。ここで66角と切っても飛を取られます。83飛73成桂もだめですし、92飛73成桂同角では寄せ合いになりません。
72同飛同馬54桂で勝負。でもせいぜい2手すきです。
62飛は攻防で、42歩61馬。先手の攻め駒は5枚はあります。
43金に22金、これは詰めろ。22同玉は43馬なので
66桂は詰めろ逃れでしたが、66同銀で詰めろ。この35銀は詰めろ逃れになっていなかったのですが、
32金同玉に12竜22桂を入れずに43馬(同玉32銀同玉12竜の筋)から詰んでいたようです。
43同玉23竜33角、これで詰まないのですが、
32銀54玉33竜で詰めろ。
45玉49香には47から合駒ならば詰まなかったのですが、46銀打に27角
36銀42飛成44歩同竜
44同金36竜まで。
角換わり腰掛銀に慣れていない人は、84角(26角は)疑問手、64角(46角)は好手と覚えておいてください。例外もありますが、持ち角と比べて働きが変わります。矢倉とはスピード感が違うのです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/05(月) 00:00:00
棋戦:名人A級勝抜戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:木村義雄
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 4八銀(39)
14 3三銀(22)
15 7八金(69)
16 6二銀(71)
17 4六歩(47)
18 4二玉(51)
19 4七銀(48)
20 5二金(61)
21 3六歩(37)
22 6四歩(63)
23 6八玉(59)
24 7四歩(73)
25 5八金(49)
26 6三銀(62)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 5六銀(47)
30 5四銀(63)
31 7九玉(68)
32 3一玉(42)
33 3七桂(29)
34 7三桂(81)
35 6六歩(67)
36 9四歩(93)
37 9六歩(97)
38 2二玉(31)
39 4七金(58)
40 8四角打
41 6七銀(56)
42 4四歩(43)
43 8八玉(79)
44 6五歩(64)
45 同 歩(66)
46 同 銀(54)
47 6六歩打
48 5四銀(65)
49 5六金(47)
50 6五歩打
51 4五歩(46)
52 同 歩(44)
53 3五歩(36)
54 4四銀(33)
55 1五歩(16)
56 同 歩(14)
57 2四歩(25)
58 同 歩(23)
59 同 飛(28)
60 2三歩打
61 2九飛(24)
62 6六歩(65)
63 同 金(56)
64 4六歩(45)
65 3四歩(35)
66 4七歩成(46)
67 1二歩打
68 同 香(11)
69 2五桂(37)
70 4三銀(54)
71 1三歩打
72 同 香(12)
73 同 桂成(25)
74 同 玉(22)
75 2五飛(29)
76 2二玉(13)
77 1三歩打
78 5七と(47)
79 1五飛(25)
80 6五歩打
81 1二歩成(13)
82 3一玉(22)
83 2一と(12)
84 4二玉(31)
85 2二と(21)
86 6六歩(65)
87 3二と(22)
88 同 銀(43)
89 6六銀(67)
90 8六歩(85)
91 4三歩打
92 同 金(52)
93 6四桂打
94 3四金(43)
95 6一角打
96 3三玉(42)
97 7二桂成(64)
98 同 飛(82)
99 同 角成(61)
100 5四桂打
101 6二飛打
102 4二歩打
103 6一馬(72)
104 4三金打
105 2二金打
106 6六桂(54)
107 同 銀(77)
108 3五銀(44)
109 3二金(22)
110 同 玉(33)
111 1二飛成(15)
112 2二桂打
113 4三馬(61)
114 同 玉(32)
115 2三龍(12)
116 3三角打
117 3二銀打
118 5四玉(43)
119 3三龍(23)
120 4五玉(54)
121 4九香打
122 4六銀打
123 2七角打
124 3六銀(35)
125 4二飛成(62)
126 4四歩打
127 同 龍(42)
128 同 金(34)
129 3六龍(33)
130 投了
まで129手で先手の勝ち
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
先手は飛を切るつもりの底歩ですが。
A 27銀 B 47銀 C 31玉
第2問
この55角が甘い手でした。寄せ合いに入ります。
A 57歩 B 28飛 C 36角
第3問
攻防の角を打たれたのですが、先手玉は即詰みです。
今日の棋譜20220926
1949年11月、五十嵐豊一先生と順位戦です。
五十嵐先生の先手で相掛りです。
新旧対抗になりました。相掛りだと旧型も息が長いです。
旧型は中央位取りに進むことが多いです。雁木に組みなおす方が難しいと思いますが。
五十嵐先生は端の位を取ってゆっくり。でも端攻めの味があるので有効な手です。
この45歩では35歩同歩45歩のほうが良さそうにも思えますが。
升田先生は44歩同歩45歩。さらに位を取るのですが、
56歩44角。飛取りでもあり後手十分、になっていないのです。56歩が取りにくいですから。
35歩43銀。やっと56歩を取れる形ですが先手番です。
55歩同銀56銀。56銀では56歩、45桂、79玉など、先手に有効な手が多かったです。56同銀44角同銀56飛でも悪くないから先手が指しやすそうです。
35角36飛56銀
56同飛55歩同角44銀。玉の堅さ、右桂の活用で差がついているので、先手有利になっているでしょう。
77角55歩36飛、ここまでは良いのですが、
46歩59歩47銀。この図は先手の変調です。59歩を打っていなければ35飛同歩59金で良さそうなのに(だから59歩ではなくて79玉と逃げておけば)。47銀を嫌うのならば48歩の受けだってありました。銀は27から打たれるものだと思い込んでいたのかもしれません。
47同金同歩成35飛同歩。と金があるので底歩が堅く見えません。25桂と跳ねる筋(33歩同銀25桂など)ではちょっと甘いようで、
71角42飛43歩同金45歩。4筋から攻めてみます。
53銀44銀は結構うるさい攻めです。升田先生は銀を取りにくいので58と。これはどちらで取るのもあるのですが、
58同玉88歩同角まで入りました。88歩は無視されそうでしたが。72金を打ったのは受けつぶし、には見えませんね。ひねった受け方です。
43銀成71金42成銀同銀。駒の損得は無し。玉の堅さは同じくらいか。攻め駒は3対3です。形勢互角だけど先手番なので有効な手がありそうですが。
五十嵐先生の55角は自然な攻めの手でしたが、36角の王手が結構厳しかったのです。55角では69玉と受けておくのが正解だったようです。合駒するしかないですが、
47銀28飛57玉。57玉で48金の合駒は、47角成同玉46歩(好手)同角36銀57玉48飛成で悪かった、というのが誤算です。
48銀56玉54金。玉の安全度がずいぶん違いますから先手劣勢。
36銀65金46玉36歩。これで詰めろです。37銀不成36玉26銀成47玉36銀46玉35玉45竜・・・という詰み筋があるので、45の地点は守っておきたい。なので63角が正しいのですが、52歩に22飛だと55金同玉33角で王手飛車。どうにも勝ちにくいのです。
54角のほうが攻防ですが、
54の地点が埋まってしまったので、37銀不成36玉26銀成47玉36銀まで。46玉48飛成35玉25成銀44玉52桂34玉24成銀で詰んでしまいます。
新旧対抗は新型のほうに分があり、五十嵐先生の指しやすい中盤だったのですが、手堅いつもりの59歩がおかしかったです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/11/25(金) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:相掛かり
手合割:平手
先手:五十嵐豊一
後手:升田幸三
先手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7八金(69)
6 8五歩(84)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2六飛(24)
12 3四歩(33)
13 7六歩(77)
14 8六歩(85)
15 同 歩(87)
16 同 飛(82)
17 8七歩打
18 8二飛(86)
19 4八銀(39)
20 6二銀(71)
21 5八金(49)
22 5四歩(53)
23 1六歩(17)
24 4一玉(51)
25 4六歩(47)
26 5三銀(62)
27 4七銀(48)
28 5五歩(54)
29 6八銀(79)
30 5四銀(53)
31 6九玉(59)
32 4二銀(31)
33 3六歩(37)
34 5二金(61)
35 1五歩(16)
36 6四歩(63)
37 3七桂(29)
38 6三金(52)
39 4五歩(46)
40 4四歩(43)
41 同 歩(45)
42 4五歩打
43 5六歩(57)
44 4四角(22)
45 3五歩(36)
46 4三銀(42)
47 5五歩(56)
48 同 銀(54)
49 5六銀(47)
50 3五角(44)
51 3六飛(26)
52 5六銀(55)
53 同 飛(36)
54 5五歩打
55 同 角(88)
56 4四銀(43)
57 7七角(55)
58 5五歩打
59 3六飛(56)
60 4六歩(45)
61 5九歩打
62 4七銀打
63 同 金(58)
64 同 歩成(46)
65 3五飛(36)
66 同 歩(34)
67 7一角打
68 4二飛(82)
69 4三歩打
70 同 金(32)
71 4五歩打
72 5三銀(44)
73 4四銀打
74 5八と(47)
75 同 玉(69)
76 8八歩打
77 同 角(77)
78 7二金打
79 4三銀成(44)
80 7一金(72)
81 4二成銀(43)
82 同 銀(53)
83 5五角(88)
84 3六角打
85 4七銀打
86 2八飛打
87 5七玉(58)
88 4八銀打
89 5六玉(57)
90 5四金(63)
91 3六銀(47)
92 6五金(54)
93 4六玉(56)
94 3六歩(35)
95 5四角打
96 3七銀(48)
97 3六玉(46)
98 2六銀成(37)
99 4七玉(36)
100 3六銀打
101 投了
まで100手で後手の勝ち