鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

こんな時こそ足元を見つめ、忖度無用のコロナと陶芸を思う…

2020-08-06 13:35:56 | エンタメ

「記録的」ともいわれた長い梅雨もようやく開けて、いよいよ本格的な夏の到来。ワタシの季節がやってきた! と万歳したいところですが、昨夏3回も熱中症に見舞われたこともあり、「こまめに水分補給…」という縛りのかかった日々を過ごす羽目となっています。作陶の際にも工房内の温湿度計が気になります。立秋を明日に控えた本日8月6日午後2時現在、エアコンを弱めに稼働させた工房の気温28℃、湿度65%、熱中症指標は「厳重警戒」を示しています。


さらにはかのコロナに感染しないように人の前ではマスク必携となり、昨年以上にきめ細やかな熱中症予防対策が必須です。こんなことでは、楽しい夏の日も喜びは半減…。のハズなのですが、決してそのようなことはありません。楽しみは自分で見つけ、モチベーションが下がらぬように努めてみましょう。たとえば、今年も「甲子園」。いつもの年のような全国49地区代表校による選手権大会は見送られましたが、「交流試合」として春の選抜大会に出場する予定だった32校の「甲子園」が開催されます。というわけで、ついつい書店の店頭に並んでいた「Number」を手に取り、このところ毎晩 往年の名試合を思い出しています。


そして、市内の夜の裏小町界隈に出かける機会がほとんどなくなったことから、秋の夜長ならぬ夏の日長?の様相を呈し、本や新聞を読む時間が以前にも増して長くなってきたように思います。特に新聞は、これまで以上に熟読の度を深めています。本日の朝日新聞24面「文化・文芸」面がなんとも興味深い構成となっていて、とても楽しいひと時に…。

まずは落語界の重鎮にして人間国宝でもある柳家小三治師匠の「コロナのはなし」から。私の母と同じように太平洋戦争を体験している小三治師匠は今回のコロナ禍においても「いつ袈裟懸けに斬られるかわからない。まあ、びくともしませんよ」ときわめて明快で潔い姿勢が印象的。

その左側にレイアウトされた民俗学者・新谷尚紀氏の「語るー人生の贈り物ー」、ならびに下段の歴史学者「與那覇潤の歴史なき時代」も、ともにそれぞれの観点から「戦争、そして時の政治」を紐解いている点が偶然とはいえ、きわめて興味を引きます。

そしてさらに連載小説の定位置には、常日頃からその著作を愛読している池澤夏樹氏がこの8月から連載を始めた「また会う日まで」。氏の母方の親戚にあたる秋吉利雄という戦前戦中の海軍や水路部に属していた人の物語なのですが、8月1日の初回から文全体の流れに詩的なリズムが感じられ、第6日目を読み終えた時点で早や虜になっています。

工房に目を転じれば、このコロナ禍にあっても陶芸教室は程よい感じに作陶の方々がお越しいただき、なんとも嬉しいかぎりです。前回のブログでも少々記しましたが、陶芸教室会員の皆さん、そして体験陶芸にお越しの方々もともに「一日も早くこの状況の解決を。そしてコロナ後はどのように…?」を真摯に考えている様子がうかがいしれます。時として「コロナ後がまったくイメージできなくて。どうなると思いますか…?」という質問を受けることがありますが、「自粛とマスクと手洗いが『新たなるライフスタイル』などというなんともイカさない今の世の中よりも遥かに美しい時が待っている、かな」と答えるのが精一杯…。

このような感じで陶芸教室のひと時は過ぎていくのですが、この春から工房内に展示している拙作のひとつであるキーマカレー皿に対する支持がこのところ密かに広まっているように感じられます。


この作品は工房に併設のカフェにて、キーマカレーを提供する際の盛り付けに使用するお皿です。陶芸教室でも評判が良いアイテムのひとつですが、つい先ごろ、その制作の一端としてうわぐすり掛け作業を披露することがありました。
粘土で成形、乾燥、そして素焼きを終えた生地に、コンプレッサーを使用してうわぐすりを掛けます。



うわぐすりを掛け終えた状態。このグレーのうわぐすりは本焼きすると、瑠璃色に仕上がります。

本焼きは1245℃の温度になるまで約24時間を要します。

本焼きし、窯出し出来るまで5日ほど自然冷却した後に窯から取り出した作品。

同じ粘土、同じうわぐすりを使用して制作しても、焼成の際の窯詰めする作品の量や窯内の置く位置、その他の様々な条件によって、仕上がりの色が微妙に変化します。

その偶然の作用をして、「これぞ陶芸の醍醐味」ともいえるのですが、造る側の立場からするとやはり「コンスタントに計算通りの仕上がりがありがたい…」という思いもあります。

ことほど左様に、
コロナも陶芸も忖度のかけら、いずこにも無し…、といったところでしょうか。





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