鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

さまざまなえにしに誘われて、笑う過度には富久喜多る!? 「鴻巣寄席」へ…

2019-09-24 18:00:05 | 日記

それは今から4カ月と少々前の風薫る5月、ウチの工房&カフェを舞台に真打ちを目指して修業中の若手落語家・柳家緑助さんの「落語の集い」というイベントを開催しました。

落語会を開くことになった経緯や当日の様子はこちらから。

そしてこの秋、お彼岸の3連休初日の土曜日、緑助さんの師匠である柳家花緑さんの噺を聴きに、埼玉県鴻巣市で開催されている「鴻巣寄席」に足を運んできました。じつのところ、真夏の7月の「鴻巣寄席」に出かけようとも思っていたのですが、熱中症のために断念。今回、まだ体調万全ではないものの、勇気をふるって出かけてみました。陶芸教室終了後、鎌倉駅からあわただしく湘南新宿ラインと高崎線を乗り継ぐ2時間20分の大移動!?は、今だに熱中症を引きずり気味のカラダにはなかなかキツいものもあります。されど、次々に変わる車窓の景色が体調の心細さを吹き飛ばしてくれます。

湘南新宿ラインが神奈川から東京に入って車窓の両側に高層ビルが林立する中、渋谷駅に停車すると目の前には再開発真っ盛りでぽっかりと穴の開いたような姿の桜丘の街が…。

入り組んだ路地やディープな飲み屋さんが点在するあの街がどのような姿に生まれ変わるのか…などと思いを巡らすうちに電車は夜のとばりがすっかり落ちた鴻巣駅へ。

駅から徒歩数分、「鴻巣寄席」が開かれる西洋料理メイキッスさんでは受付スペースにて母校・駒澤大学の大先輩である水村さん(写真左)と三ツ木さん(写真右)が「よく来たね!」と温かく迎えてくれます。
 

「会場は2階だよ」と促されて階段を見上げると、「鴻巣寄席」と書かれた立派な提灯がきらびやかに輝いています。
 
来年5月に開催を予定している「柳家緑助 落語の集い」にも、こんな感じの名入り提灯を準備したい衝動にかられつつ、会場に入ると100人近いお客さんが詰めかけています。

そして今から28年ほど前にはじめて開催して以来、今回で174回目を迎える「寄席」の歴史と伝統がそこかしこから伝わってきます。

開演前のあわただしいひと時、水村先輩に導かれて柳家花緑さんにご挨拶。水村先輩から「緑助の鎌倉での勉強会の席亭」と紹介されて、ちょっぴりこそばゆい思いとともに「緑助 落語の集い」をさらに盛り上げる意を強くしました。


この日、花緑さんが掛けたのは「狸賽」と「笠碁」の二席。

花緑さんが真打ちへ向けて修業中の二つ目当時からずっとこの「鴻巣寄席」に上がっていたこともあり、お客さんと丁々発止のやり取りを交えながらの高座からはとてもアットホームな雰囲気が伝わってきます。

中入り(休憩)にはメイキッス特製の美味しいサンドイッチとビールやお茶が提供されます。

花緑さんが噺のマクラで「とびきり美味しいサンドイッチを食べて、そのついでに落語を聴く。落語なんて、ついでのお楽しみでいいんですよ」という感じのくすぐりを入れるくらい、このサンドイッチは「「鴻巣寄席」には必須のアイテムのようです。

そして寄席をともに務めるお方は上方落語の桂春雨さん。上方特有のじつに流ちょうで面白可笑しい「お玉牛」に大笑いしつつ、寄席の〆のもう一席はなんと「不覚にもよく覚えていない!?…」という体たらく。後日、「佐々木政談」を掛けてくれたと伝え聞き、ようやく、そしてしっかり思い出しました。まだまだ、ボケてはいないみたい。よかったぁ…。

まあ、いろいろありますが かの流ちょうな上方落語を演じる春雨さんがじつは東京小石川生まれの東男だということを知らされた時の驚きははっきり覚えています。まだまだアタマは大丈夫、です!?…。

終焉後、ご厚意に甘えて懇親会にもちょこっと参加。西洋料理メイキッスのチーフ、そして「鴻巣寄席」の席亭としてとしても活動されているこの方と花緑さんともども、今日本で開催中のラグビー・ワールドカップの話題でひとしきり。元ラガーマンとのことで、日本代表サクラ・ジャージのユニホームがとても似合うナイスミドルでした。


ふと気がつけば夜もすっかり更けて、花緑さんの「そろそろ、おいとまします」という声とともに帰宅の途に。タブレットを凝視して帰路をたどります。

最終電車に乗り遅れると、所要時間6時間34分・翌朝5時17分鎌倉着という恐ろしい状況に陥ってしまいます。

酔いにまかせて車中で眠りでこけないように注意しつつ、東京駅発東海道線最終電車に間に合った時には、ドッと安堵。

備忘録よろしく撮った写真は感動のあまり? 手が震えていたのか、ブレブレの状態でした。

何カ月ぶりに未明の駅を横目で見ながら家路につきます。

気のせいか、熱中症も幾分か改善したかも…。

そして今回「鴻巣寄席」にお誘いいただいて得たさまざまなもてなしの流儀をもとに、来年の「柳家緑助 落語の集い」をよりいっそう楽しい会に盛り立てていきたいと思った次第です。

あらためまして「鴻巣寄席」に呼んでいただいた水村、三ツ木先輩、そして柳家花緑、桂春雨両師匠に感謝いたします。

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かの台風から一週間、ようやく街も落ち着き始めつつ次なる嵐は消費税…かな!?

2019-09-14 14:48:26 | 日記

昨日13日の金曜日、中秋の名月を愛でるこの日を境にぐっと秋めいてきたようで、熱中症にすっかり痛めつけられ続けきていた痩せぎすのカラダもいささか楽に動けるようになってきたようにも思います。

それにつけても先週末に襲来を受けた台風15号の影響は当地にも未だ残っているようで、本日の陶芸教室でも市内各所に長く続いた停電の話題が交わされていました。

そしてこうしている間も、千葉県に住む母の親戚の家は未だに停電が続いています。千葉県のこのような状況に触れ、あらためて2011年春の東日本大震災の折に計画停電が続いた際、つくづく電気のありがたさを感じたことを思い出したりもします。

それにつけても、かの台風15号が8日の日曜日未明にもたらした猛烈な北風と豪雨は、ワタシにとってかつて経験したことのないものでした。午前1時から1時半にかけて何度も窓の外の様子をうかがいましたが、横なぐりの雨でお隣の家もはっきり確認できないほど。「少し怖いなぁ」と思いつつ、気がついた時には夜が明け、北側の窓には裏の家の太い竹の木がしなだれかかっていました。

見方によっては「趣きのある光景…」ということになるのかもしれませんが、直感的に「市内の森や街路樹の被害が」と心配に…。

かくして、鉄道網も道路も寸断され、家の周りにも台風の痕跡が。玄関横には家の東側の斜面に育つ木々の枝が散乱。

台風が去ったあとの猛暑と熱中症による体調不良で撤去作業は遅々として進まず、きれいに片付いたのはつい昨日…というありさまでした。

ご近所の家のシンボルタワー的存在の樅ノ木も台風の北風によって根こそぎ巻き上げられて

元通りの姿に戻るまで連日、植木屋さんが懸命の作業を繰り返していました。

台風一過の朝、知り合いの呉服屋・伊と彦 鎌倉店の若女将・好江さんがFacebookに「なんという事でしょう」と驚きながらアップしていた鎌倉駅西口の御成通りのゲート倒壊の様子を思い浮かべながら

熱中症の治療に向かう道すがら、

御成通り入り口は撤去作業もほぼ終盤。

倒れて道に横たわるゲートが、熱中症でヨレヨレのわが身とダブります…。

北鎌倉をはじめ市内各所の方々から「停電で大変…」との報が伝わる中、「とりあえず佐助は大きな被害もなく…」と思っていたところ、ご近所のお店仲間に大被害が…。

かの台風の最中、お店の東側にそびえる崖から大きな木の幹が倒れてテラスを直撃し

夜が明けた時には庭の片隅にごろんと横たわっていたそうです。

大木の直撃を受けたテラスは一時はこのような感じに…。

大木が落下する位置があと少しズレて居宅部分だったら、大けがどころか命を落とす危険もあったほどだと思います。

台風からほぼ一週間経った今も、崖の途中には大木が落ちかけた状態のきわめて危険な状況のままです。

聞くところでは、この倒壊した大木の撤去費用は火災保険の補填の対象にならないのだとか。なんとなく腑に落ちないものを感じつつ、あらためてわが家の火災保険の定款を再確認しながら幾重にも「?」が広がる陶芸の午後…。

ここ佐助では銭洗弁財天とともに街のランドマークとなっている佐助稲荷神社がかの台風の際の倒木によって本殿が全壊する被害を受けました(写真は鎌倉市観光協会HPから転載)。


街の守り神として、そして「鎌倉 佐助のさんぽ市」お店仲間でもある同神社本殿の一日も早い再建を祈るばかりです。
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今年も「こまめ寄席」にて納涼のひと時を満喫させていただきました…

2019-09-02 20:44:16 | 日記

9月 長月の最初の日は日曜日。月が変わるとともに「残暑お見舞い申し上げます」という時候の挨拶はそぐわぬものとなり、「初秋の候」「月愛でる頃」といった句がしっくり来る時を迎えつつあります。そして午後の陶芸教室にはTOKYO-FM「山下達郎サンデー・ソングブック」がふんわりと流れていました。

毎年、この時期に番組恒例のまりや&達郎夫婦納涼放談を聴くたびに、じんわりひたひたと夏の終わりを感じることとなります。それにつけても番組の中で流れていた「竹内まりやのクラブ活動」と称するビートルズナンバー12曲メドレーは山下達郎さんの絶妙なリミックスによって珠玉の出来映え…で、工房にかすかに聞こえてくるまりやさんの歌声に思わず聞き耳を立ててしまいました…。

そして「納涼」というにはまだまだ夏の陽射しが名残る遅い午後、陶芸教室の方々とともに「納涼企画第二弾」。魔術の如く素早く浴衣姿に変わった会員さんの姿を追いながら佐助の街を進みます。


家から徒歩2分ほどで辿り着いた先はご近所のお店仲間「甘味処 こまめ」さん。

この時期恒例の「こまめ寄席」の一夜が間もなく始まります。

今年も「こまめ」の店長・かえさんの開会の挨拶とともに寄席が開幕。

集まった約30名近い方々の中には顔見知りも数多く、慣れ親しんだ場で旧交を温めつつ落語に触れることが出来るちょっぴり贅沢な時間の始まりです。

「こまめ寄席」にて噺を掛けてくれるのは、三遊亭遊吉師匠で決まり。黒い羽織を煽っての一席目は、旦那が話した言葉にいたく感心した植木屋が真似をしてしくじる様を描いた「青菜」。

噺が始まってほどなく、黒い羽織を脱ぐ時の仕草がとても粋でした…。

一席目が跳ねてしばしの休憩タイム・中入りを経て二席目は「大山詣り」。

遊吉師匠が育った神奈川・伊勢原の象徴・大山を詣でる庶民と相州各地の風情を織り交ぜた噺は、まさにこの地「こまめ寄席」にぴったり。

噺二席を終え、恒例のプレゼントタイムへ。

遊吉師匠に促されて老若男女、歳を忘れてじゃんけんに興じながら趣向を凝らしたプレゼント争奪戦のひと時を楽しみます。

お笑い過ぎて 日は暮れて…。「こまめ寄席」終了直後、いかにも「精も根も尽き果てた…」という感じの遊吉師匠の脱力感いっぱいの姿がこれまた妙に可笑しくて…。その傍ら、「こまめ」の店長・かえさんと遊吉師匠の奥さんの底抜けに楽しそうな笑顔がこれまたとても印象的。

茹で過ぎた青菜の如くへなへなの遊吉師匠と、大山詣でを軽くこなす強者よろしくとても逞しい女性陣…。いかにも「今どき」な幕切れのワンシーンでした…。

「こまめ寄席」の帰り道、ほろ酔い気分で家路をたどりつつ ふと西の夜空に目を向けると佐助の杜に三日月が沈みかけていました。


あと2週間もするとお彼岸、そしてその後には中秋の満月も控えています。季節は確実に秋へ。

されどワタシは「月愛でる頃」が来ようとも、夏の喧騒に未練たっぷり。今の気分は「さよなら夏の日」ではなく「小夜なら夏の日」…。













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