このところ、世の中では事あるごとに「平成最後の…」という言い廻しがすっかり枕言葉のようになっている感があります。たとえば、年明けと同時につぶやき合った「平成最後のお正月」から始まって、翌2日には「平成最後の箱根駅伝」…。そして先週の日曜日は「平成最後の大寒」との言葉を交わし合ったかといえばそうでもないような感じなのですが、とにもかくにも「平成最後」という言い方は今年前半の琴線に触れる言葉であることでありましょう。
そしてつい一昨日、25日の金曜日、ワタシが住む街からほど近い葉山町はじつに厳かな雰囲気の中、「天皇皇后両陛下、平成最後の葉山御用邸ご静養から皇居へ…」の時を迎えました。
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今から10年前にこの地に移り住んで以来、至近の葉山御用邸付近はプチドライブコースのひとつでした。そして、天皇皇后両陛下が御用邸でご静養する際に周辺道路で迎える住民の方々の姿を何度か見ています。ワタシ自身、皇室に対しては限りなき敬愛の念をいだいてはいますが、「その列の一人として両陛下をお迎えすることはないだろうな…」と思い続けていました。
されどこの金曜日の午後、皇居に戻る両陛下を拝顔したいとの想いに駆られて気がつくと葉山御用邸の前に立っていました。
家を出発する頃の雨も葉山御用邸前に到着する頃には降り止み、真冬の雲の間からは柔らかな陽も差し込んでいます。
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程なく、御用邸前の三差路の信号はすべて「赤」になり、沿道に並ぶ出迎えの皆さんも厳かな緊張感に包まれます。
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この警察車両通過後、「あと5分ほど後に両陛下がご出発されます」との説明があり、沿道の皆さんは申し合わせたようにスマホのカメラを「再チェック!」な感じです。
間もなく、御用邸前の県道に先導の白バイ2台が待機し、
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青い制服に身を包んだ2人ともに、両陛下の乗るクルマの動向に注意を払うべくバックミラーを注視し続けます。
ややあって2台の白バイはゆっくりと発進し、その後に黒塗りの2台のクルマが逗子方面へ向かって進み始めました。
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瞬間的に「両陛下の乗るクルマは?」と思っていたところ、すぐ横にいた男性が誰に告げるともなく「2台目のクルマ…」と呟きながら、その映像をスマホに納めています。ワタシにとっては、これぞ「平成最後の神の声!?」
それから数秒後、黒塗りのトヨタ・センチュリーに乗る両陛下ご拝顔の時を迎えました。
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クルマはたしかにゆっくり走行してくれたのですが、ご拝顔の「その時」は「あ、あ、ぁ…」という想いとともに一瞬のうちに過ぎてゆきました。
両陛下ご一行の車列を見送りながら
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30年余の平成の時代を過ごした我が身がたどった道筋の記憶が早廻しのテープの如くよみがえった午後…。
両陛下の笑顔を収めたワンシーンは、ワタシの宝物になりそうです…。