鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

ひさしぶりにきらきら輝く陽射しを浴びて、「いつも以上に違う」思い新たに…

2016-09-25 21:23:16 | 日記

前回も記した記憶があるのですが、先週17日の土曜日から3連休や飛び石連休が続き、「このところ、祝日が多いなぁ」と思っていたところ、本日25日の日曜日までが俗にいう「シルバーウイーク」なのだとか。つい先ほど、工房のラジオから山下達郎さんが「今回のシルバーウイークは…」と言ってました。

まあ、ワタシに限っていえば、「シルバーウイーク」だからといって特にワクワクするようなプランはもちろんありません。ただただ陶芸教室と作陶の時間があるのみ。それでも、ここ数日来長々と続いていた秋の長雨からしばし解放されて、ようやく「さわやかな秋」を実感する一日となりました。工房の窓越しにみえるオリーブの木も秋の陽射しを目いっぱい浴びてきらきら輝いていました。


昨日まで、毎日毎日雨降りばかりで庭の草刈りもままならず、雑草生えまくりの状態となっていました。

明日以降ちょびちょびと雑草の状況を把握し、週末には顔なじみのお庭師・大熊さんの手によって「個展へ向けての庭作り」が整う予定です。

時あたかも本日は、地元・佐助町内周辺の街路清掃の日でもありました。平成9年に佐助に移り住んで来て以来、春秋を通じて今回で16回目の参加!の予定でした。が、諸々のヤボ用が重なり、今回はじめて清掃参加はあえなく断念。

朝9時過ぎ、清掃に励む町の皆さんの姿を目で追いながら出かけることになりました。なんとも残念、そしてなんとも申し訳ない次第でもあります…。

表通りまでクルマを進めたところでご近所のお店仲間「ブンブン紅茶店」の小木曽さんとばっちりアイコンタクト!

「今回は母親の用事で掃除は欠席です…」と伝えていると、傍らにいた「甘味処 こまめ」のかえさんが「マキロウさんの姿が見えないので、皆さんが心配してましたよ」と、そっと伝えてくれました。かねてより地元・佐助自治会では「高齢者にやさしい街作り」を掲げていますが、なるほど、ワタシのような不良中年? にも注意を配ってくれていることを肌に感じ、感謝感謝の一幕でした。

ひさしぶりにたっぷりと秋の陽射しに恵まれた日曜日。工房では個展に向けて追い込みの作業が続いています。

素焼きを経てうわぐすりかけを終えたご飯茶碗の本焼きは数日後。最後の本焼きまで気が抜けない日々が続きます。

個展の案内ハガキを目にした方々の中からは「今回はいつもと違いますね」という言葉もいただいたりしています。が、しかし、個展にさいしては「毎回違う」のですが…。正しくは「今回はいつも違う」のではなく、「今回はいつも以上に違う」ということになるのだと思います。

あらためまして、豆皿とご飯茶碗に特化した今回の個展のご案内…。




お時間ありましたら、鎌倉散策かたがたお立ち寄りくださいませ。心よりお待ちしています。
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個展に向けて、あちこちから「チー坊…」のささやきも聞こえる秋の日

2016-09-18 09:25:50 | 日記

カレンダーを見ると、昨日の土曜日から来週の日曜日までの間に「敬老の日」を含む3連休や「秋分の日」をはさんで「休日」を示す赤い数字が目立ちます。あと20日ほどに迫った個展へ向けて作陶を続けるかたわら、ラジオからは
「3連休交通情報…」「3連休天気予報…」といった具合にしきりと「3連休」がアナウンスされています。

工房では目下のところ、個展の準備もピークを迎えつつあり「3連休」どころではありません。されど、陶芸教室にやって来る方々と過ごすゆったりとした時間だけはワタシにとって「しばしの休日モード」と言えるのかもしれません。

一昨日から、今回の個展のテーマでもある「豆皿」の制作も終盤を迎えつつあります。作業テーブルの上に下絵を施した素焼き作品を並べて

この後、順次、うわぐすりをかけていきます。

昨日の土曜日夕方、苦闘2日間の末に今回のうわぐすりかけが終了しました。パッと見たところすべて同じ色合いのように思われますが、数種類のうわぐすりをかけてあり、焼き上がると白や淡い水色をはじめ濃い瑠璃色や真っ黒…といった具合にじつにさまざまな色合いの作品になります。この後、窯に入れて本焼きして作品の完成となります。

このうわぐすりかけと本焼きは今後、何度か続きます。本焼きは約24時間かけて1245℃の温度まで焼き上げ、その後 窯内の温度が下がるまで4~5日ほど待った後に窯開けして完成品とご対面となります。

本焼きを済ませて、最後の最後「窯開けの瞬間が陶芸の醍醐味」などと言われますが、新たな手法で作品つくりに臨んだ時には「窯開けは恐怖の瞬間」でもあります。「期待値」がやたらに高くなるので窯開けの瞬間「あれれ!?…」ということも間々あります。もちろん「やったね、大成功!」という時の達成感は格別です。

この先、個展へ向けて何回か「陶芸の醍醐味」と「恐怖の瞬間」に立ち会うことになります。この感覚、オリンピックに臨む日本の若きアスリート風に言えば「思い切り楽しんできます!」というような感じでしょうか。ひるがえって人生の折り返し点を過ぎた我が身としては「思い切りジタバタします」という感じが似合うのかも。

毎年、個展に際しては「さんぽ市」仲間のご近所のお店にも案内ハガキを置かせてもらっています。昨日、「ブンブン紅茶店」に挨拶かたがた立ち寄った折、お店の奥の席が空いていたので思わず「しばし小休止」。オーナーご夫妻から「あら倉田さん、なんだかあのお殿様の細川さんに似てますね。陶芸もやってる元総理のあの人、名前、何ていいましたっけ?」と問いかけられて「えっ、護煕(もりひろ)さん?、えっ、ボク、あの人に似てるの?」とポカンとしているワタシ…。

このやり取りを聞いていたこの人、お店の常連・ジョージさんが…

すかさず「細川さんと陶芸つながりで、倉田さんも『殿』と呼びましょうか」と、合いの手を。他愛の無い会話ながらも、作陶に追われる我が身にジワ~ンと浸みるやり取りでもありました。

この先、「豆皿」はこのような

「和の心」をはじめ

ちょっとポップな

ストライプ柄まで

「硬軟」揃えてラインアップする予定です。上手くいくかなぁ…。

街中で会う友人知人の方々に「今年も個展、よろしくお願いします」と声をかけていますが、その中で何回も「あっ、チー坊の展示会ですね」とのリアクションがありました!?

あらためまして、今回の個展はワタシの陶芸展、です。

ウチにいた黒猫・チー坊のおかげで昨年4月に初めて開催した「黒猫ten」以来、ウチの工房では過去3回にわたって「黒猫」のイベントを行なってきています。が、今回はあくまでもワタシの陶芸展です、悪しからず…。

それにつけても今もって「チー坊」の存在感、おそるべし…。

皆さんが「チー坊」「チー坊」と名前を呼んでくれたお陰でしょうか、工房に一点だけ残っていた「黒猫ぬいぐるみ」が昨日、手にした瞬間に「一目惚れ」!?したお客様のもとに嫁いでいきました。


そして、「黒猫展」を楽しみにしていただいている皆様へ。次回「黒猫展」は来年春の開催へ向けて準備中とのことです。なにとぞよろしくお願いいいたします。

続きまして、まもなく開催のワタシの個展のご案内。




ワタシの作品の展観はもとより、同時開催・京都 伊と彦 鎌倉店「さわやかな秋に映える帯展」、ならびに「占い処 星の間」星井サトルさんの算命学占いをはじめ、諸々の企画も予定しています。

お時間ありましたら、是非、鎌倉散策かたがたお立ち寄りください。
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錦織選手が呼び起こしてくれた 「ニューヨークとあの頃」の思い出

2016-09-10 22:44:15 | 日記

常日頃、土曜日は朝10時前から陶芸教室という場合が多く、朝6時前からか弱いチカラを振り絞って開講へ向けての準備にかかります。そして本日10日の朝に限っては、テニスの錦織圭選手が全米オープン準決勝を戦うとあって、いつも以上に気合が入っていました。

錦織選手とワウリンカ選手の試合に先立つ準決勝第一試合では、ランキング1位のジョコビッチ選手がヨレヨレに疲れながらのプレーの末に勝利し、決勝戦進出を果たしました。

勝利者インタビューでジョコビッチ選手は「ホントに蒸し暑いコンディションで…」と、苦笑い。聞くところでは、試合が行なわれた本日はニューヨーク気象観測史上の数10年間の中でも最も暑い9月9日(現地時間)なのだとか。錦織選手は海外のテニスプレーヤーに比べてフィジカル面でやや劣ると言われているだけに、「この暑さは…」となんとなく不安な予感も。

ジョコビッチ選手の勝利に続いて行なわれる錦織選手の準決勝を「今か今か…」と待つ中、テレビ画面では、かつてサッカー日本代表チーム・トルシエ監督の通訳を務めた あのダバディさんが番組を進行しています。テニスのグランドスラム中継では毎度おなじみのこのお顔。

このダバディさんをはじめとする特異なキャラクターのタレントが活動していることもまた、WOWOWやスカパーの「醍醐味」?のひとつなのかもしれません。

そして、いよいよ錦織選手の準決勝戦がスタート。

駅前の「リトルマーメイド」の調理パンを抱えてやってきたワダちゃん親子とともに応援体勢に入ります。というか、かわいい幼児からジーっと見つめられるといささか応援のテンションが下がります…。ということで、工房にて陶芸教室の会員さんとともに錦織選手に熱いまなざしを…。

第1セットを首尾よく取り、解説の松岡修造氏も「今日の圭は無理やりポイントを取りにいってない。これならイケる」と控えめに分析して、決勝の晴れ舞台へ向けて明るい希望が…。

と思ったのですが、それから約3時間後、工房内には「あーぁ」というむなしい声が…。今年のニューヨークは暑かった。そしてまたも世界の壁は厚かった。

テレビ画面では会場のアーサー・アッシュ・スタジアムから西方に望むマンハッタンの高層ビル群が何度も映されていました。

このテニス会場に隣接して、メジャー・リーグ ニューヨーク・メッツの本拠地シェイ・スタジアムがありました。現在は建て替えられましたが、今からちょうど30年前の1986年の夏、メジャー・リーグの取材でこのシェイ・スタジアムからもまさに同じような風景が望めました。壁のようにそそり立つ摩天楼を「アメリカの象徴」のようにうっとり眺めていたことを思い出します。

この1986年夏のメジャー・リーグ取材時、メッツのデイブ・ジョンソン監督の試合後会見に立ち会ったことがあります。かつて長島巨人軍で球団初の外人選手としてプレイしたジョンソン氏はこの1986年、メッツ球団創設25周年のメモリアルイヤーに監督として同球団史上2度目のワールド・チャンピオンに導いています。

この会見時、ワタシの顔を見て「ニホンジン? オウサン(王貞治さん)ゲンキ?コウベビーフ(神戸牛)タベタイ…」と訊ねてきたときの笑顔が忘れられません。


球団創設25周年を記念するベースボール・キャップ。

今も時々頭にかぶって、あの1986年夏の1ヶ月半に及ぶメジャー・リーグ取材当時を思い出したりします。思えば、随分時が経ちました…。

この1986年のメジャー・リーグ取材は、同年秋に開催される日米野球の「観戦ガイド」作成へ向けてのものでした。夏の甲子園地区大会からアメリカ取材、そして「日米野球観戦ガイド」の作成、そして「メジャー回顧号」まで、休み無しで働かせてもらった思い出深き6ヶ月間の成果がこの2冊。

この年の秋、後楽園球場での日米野球第1戦で球場を埋めた観客の多くがワタシが作成したこの「観戦ガイド」を買い求めて熱心に見入っている姿を見た時には、それまでの苦労がいっぺんに吹き飛んだようでした。

ふと「日米野球観戦ガイド」のページをあらためてめくってみると、日本プロ野球代表選手を紹介する数ページの一番目に、高卒ルーキーとして大活躍したかの清原和博選手をフューチャーしていました。

巨人のエース・江川卓投手や日本の四番打者・ロッテの落合博満選手ではなく、あえて「清原で行っちゃえ!」と、気合を入れて躍動感ある写真を探し続けていたことが昨日のことのようによみがえってきます。

あの1986年から30年。手の先に持っていたペンを粘土に変えて、思えば、随分時が経ちました。

あらためて、ワタシにとってとても思い出深き1986年の「ニューヨークとあの頃」の日々を呼び起こしてくれた「錦織選手 at 全米オープン」に感謝…。
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落語と浴衣のランデヴー、9月の空にこだまして…

2016-09-03 22:45:26 | 日記

大好きな夏・8月も静々とその幕を閉じ、そしてやってきた9月最初の週末。本日3日は土曜日ということで、通例ならば夕方からは「残業」、もしくは「つらい修行」と称して駅周辺の飲み屋さんの暖簾をくぐることとなります。夏の終わりの寂しさはことさら痩せたカラダに浸みるので、お酒のチカラを借りなければ明日を迎えられません。ということで本来ならば駅前に向かってまっしぐら!となるところなのですが、今宵に限っては佐助の街に「漂流」を決め込むことになっています。

向かった場所はこちら。毎年この時期恒例、ご近所のお店仲間の 甘味処こまめ で開催される「こまめ寄席」へ。

年に一度、自宅からわずか徒歩2分足らずの地での「浴衣でこまめ寄席」は、すっかり「わが家のルーティン」になっています。

開場の午後4時半を過ぎて「こまめ寄席」の暖簾をくぐると、笑顔いっぱいの「こまめ店長 兼 席亭」?のかえさんがお客さんの間を忙しく立ち廻っています。

ワタシは「まずはビール」と所望して喉を潤しているうちに、席亭かえさんの開演の挨拶から寄席がスタートします。

「こまめ寄席」は三遊亭遊吉師匠の独演会の形式を常とします。今年のお題は「三年目」と「愛宕山」。

今年の「こまめ寄席」に際しても、遊吉師匠は誠意を込めてとても聞き易いテンポで高座を進めてくれました。されどされど、最初の噺が終わった時に友人から演目名を訊ねられた時に「三年目」を度忘れして答えられず、我ながら思わず「ビックリ!」。これも、還暦なればこそ。ちょっと意味は異なりますが、立川談志師匠が解いていた「落語とは業の肯定」という言葉が浮かんでは消え…。

「愛宕山」はとても思い出深い一席です。ワタシが子供の頃、生活していた東京・葛飾の家には、ワタシの父の幼馴染「コイデさん」が居候していました。「コイデさん」は落語修業中の身で、後に三遊亭円之助という落語家になりました。当時小学生だったワタシや友人たちはいつも我が家の居間で「コイデさん」から落語を聴かせてもらっていました。その時の得意ネタが「愛宕山」でした。「愛宕山」という演目のあらすじはさておき、「こまめ寄席」遊吉師匠が熱演する「愛宕山」を聞きながら、今は共に亡き父と「コイデさん」との思い出が走馬灯のように目の前をよぎり、思わずウルウルしそうになる一幕も…。

落語二席を経て恒例のプレゼント・タイム。遊吉師匠と深いつながりのある芸人さんの手ぬぐい獲得へ向けて、真剣勝負の「じゃんけん大会」がスタート。

たかが手ぬぐい…、と言うなかれ。これが結構盛り上がります。寄席に居合わせた総勢30人ほどの立派な大人がきっちり真面目に手ぬぐい目当てで「じゃんけんポン!」。明日の日本、大丈夫なのでしょうか…。ひとえに、若者が頼りです!

以前、当ブログに記した記憶があるのですが、遊吉師匠の奥さん・横山真香さん(右)は「こまめ」店長のかえさんの幼馴染、そしてお店のスタッフとして側面から支えています。偶然にも真香さんは、ワタシがかつて務めていたベースボール・マガジン社の後輩でもあります。人生とはまさに不思議な縁でつながっています。

真香さんはこの夏、「長女が母の呪縛から自由になる方法」というとても長いタイトルの著書を刊行しました。今、ひそかに話題になっている一冊です。興味を待たれた方は、是非ご一読のほどを。

「こまめ寄席」もお開きとなり、あらためて店長・かえさんをはじめスタッフの方々が勢揃い。

思わず「ずっと浴衣で行こう!」と声をかけたくなるような佇まいです。

帰途につく方々の多くは顔見知り。そぼ降る雨を見上げながらお店の軒先に立ち止まっていると「傘、お貸ししましょうか?」と問いかけられてしまいます。「お気遣いありがとうございます。家はすぐそこですから」とアタマをポリポリ掻きながら答えるワタシ。

傘を持つご婦人方が纏う浴衣の裾に跳ね上がる雨粒の勢いも秋色の気配濃く…。

傘も差さずになんとか家にたどり着き、あらためて紐解いた「こまめ寄席」の思い出…。

遊吉師匠からいただいた手ぬぐいとともに、逗子銀座通り・和菓子「こよみ」さんが手がけた「こまめ」印入りのプチどら焼きが妙に心躍ります。

こよみ見て 秋の気配を感じつつ 落語と浴衣のランデヴゥー



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