鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

「春」はすぐそこまで。粘土もココロも天日干し

2014-01-29 14:59:35 | 日記
年明け以来からワタシ自身、そして陶芸教室の会員さん達の間ではさながら呪文のように頻繁に「立春が待ち遠しいなぁ」とささやき合っていました。その待ちに待った「立春」まであと一週間ほど。ここ数日来、日中の気温が15℃を越える日も度々あり、「春はすぐそこまで‥」をまさに実感する候の到来です。ウチの工房に差し込む日差しも日に日に勢いが増しているようにも感じられます。

ウチの陶芸教室にかよって来ているチビッ子陶芸家さんの作品を天日干ししていると、その乾燥度合がかなり速くなってきていることが手に取るようにわかります。

このオブジェのような作品の場合、粘土の奥の奥まで十分に乾燥させるためにはそれ相応の日差しの強さと日照時間を要します。これからの春の時期、作陶にとっても好都合な季節ということになります。つくづく、「春って、いいなぁ。桜も咲くしね」などと、ココロ秘かに独り言…。

それにつけても、チビッ子と一緒の陶芸教室の時間はある意味、とてもスリリング。この作品を制作したワコちゃんの場合…。

「う~ん、今日は何を作ろうかなっ」と粘土をムニャムニャと捏ねながら、「そうだ!」と一声発してほんの30分ほどでゾウ2頭のフィギアを手早く作り上げてしまいます。その過程に於いて、ワタシのアドバイスなどが入り込む余地は微塵もありません。まさに、「完璧の手仕事」がそこにはあるのでした。ワタシが出来ることはといえば、ワコちゃんの言われるままに作品をしっかりと焼き上げることのみ。どっちが「先生」なのだか、時として判らなくなってしまいます。

陶芸教室のチビッ子達の間で「おーい、こっちに来い!」と脅迫? されたり、はたまた「コラッ、何してる!」と追いかけ回られたりしているウチのクロネコ・チー坊も「春近し」を感じているのか。


真冬はリビングのソファの「布団ハウス」にすっぽりと包まっているのが常だったのですが、つい最近は「ハウス」と自身の間にそれなりの空間を作って春の息吹を体感しているようにも思えます。


かたや わが陶業においては、昨年末から年明けにかけてたて続けに窯焚きした作品群が相次いでカタチとなり、順次お客様のもとへ愛車メガーヌを駆ってお届けの途に。

年に何客かは、このような抹茶碗の注文も。

抹茶碗制作の際には特有の緊張感が強いられることが多く、ご注文いただいたお客様から「とても美しい仕上がり。使い勝手も良いですし」などとの言葉をいただき、思わず「ホッ…」。

作り慣れたタテヨコ16㎝、深さ2cmの四角皿には「縁に金色をつけて…」とのご要望をいただき、なんとか渋めの金彩を施すことができました。

技術的な面において金彩自体はさほど難しいことではありませんが、金色を出すための材料原価の高さがなかなかのネック。そしてそれ以上に問題となるのが「金色」の原材料となる「金液」が発する強烈な匂い…。絵付けに際しては防臭マスクで鼻と口をしっかりガードするのですが、それでも毎回「金液」の匂いにガツーンとやられて激しい頭痛に見舞われることとなります。こうして、「金彩」のことを文にしているだけでも「金液」の匂いを思い出して目がクラクラしてきそうな気がします、トホっ。

気をとり直して…。

目下のところ、制作中この小鉢をめぐって「ああでもない、こうでもない…」といろいろな考えがアタマの中をグルグルしています。

この小鉢は「外側を黒い色に仕上げて欲しい」とのご要望をいただいています。しかしながらちょっと特殊な粘土を使用しているため、黒く発色するうわぐすりをかけても茶色に焼き上がってしまいます。

作品の制作技法に関して思い悩むことは俗に「試行錯誤を重ねて…」などと表現しますが、ワタシの場合、そのように恰好の良いものではなく、やはりあくまでも「いろいろな考えがアタマの中をグルグル…」がピッタリ、です。

この「グルグル」の結果が出るのは、ちょうど今から一週間後の「立春」の頃となる予定です。ひと足先に、春の日差しを背に受けながら「立春大吉」を心待ち…の今日この頃。






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「大寒」の夜に昭和の思い出たどり、心も季節も「春の気配が…」。

2014-01-22 15:01:15 | 日記
年明け以来、七草や鏡開き、そしてドンド焼きのお焚き上げ等を経て、一昨日20日 月曜日は二十四節気の第二十四番「大寒」を迎えました。ごく簡単に言えば、二月初めの立春に至るまでの間の一年で最も寒さが厳しい時期ということのようです。

連日の寒さの中、わが家の東側の庭先に設えた自作の大壺にも野鳥がしきりに水浴びに訪れています。

不思議なことに寒さが厳しくなるほどに、野鳥が水浴びに来る頻度、ならびに跳ね上げる水の勢いが増してくるようにも思えます。壺に張られた水に集まる野鳥たちも「春よ来い…」とばかり、寒さを「羽根返し?」ているような気も…。

「大寒」の一昨日、陶芸教室午前の部を終えて午後からの作陶を前に久かたぶりに「ゆったりと昼食を‥」ということで、ご近所のお店仲間「ブンブン紅茶店」さんでマスターの小木曽さんとクルマ談議を交わしつつ、大好物のドライカレーに舌鼓。ホントにオ・イ・シ・イ…。小木曽さんとワタシはともに昭和31年 申年の早生まれということもあり、クルマ観その他、共感する点がつとに多いように感じられます。

つかの間の楽しいランチの終盤、ワタシとブンブンのマスター・小木曽さんのどちらからともなく「スロットレーシングカーしましょっ!」ということになり、その夕刻、わが夜でさっそくのサーキット走行となりました。

スロットカーとは、今から50年近く前の昭和40年代前半に当時の少年達を中心に大ブームとなり、全国各地に長大なコースを有する施設が続々と誕生していました。この図においては、もっぱらワタシがウキウキモード全開でレーシングしているように見えますが、ブンブンマスター・小木曽さんもスロットカーのコントローラーを操りながら「うわぁ、懐かしい。今でも結構 楽しめますね!」とばかり、「マイブーム再び」の気配がかなり濃厚に漂っていました。

今となっては懐かしいレコードプレーヤーがわが家に存在していることを知っている小木曽さんは所蔵しているレコード盤の一部を持参し、一枚一枚懐かしそうにジャケットを眺めています。

昭和年代のレコード盤が奏でる懐かしの名曲の数々を聴きながら「あの頃は…、そしてこんなことも…」などとふり返りながらもレコード一枚一枚に針を下ろすブンブンマスター・小木曽さんの後姿はさながら「Mr.DJ」そのもの。

ふと気がつけばウチのクロネコ・チー坊もリビングに姿を現して、ブンブンさんの足元をウ~ロウロ。

チー坊は人に対しての好き嫌いが激しい傾向が強いようで、わが家のリビングに来客の折にはめったに顔を出しません。チー坊もブンブンさんがすっかりお気に入りのようです。

ワタシとブンブンさんがクルマや音楽、そしてお互いの家庭秘話? で盛り上がって入る間にもチー坊はブンブンさんをジーッと見入っています。


ややあって、今度は別角度から

ふと気がつくと、またまたチー坊がファインダーの中に収まっています。

昭和のオトコ 二人、いや、三人?、「いにしえの自分探し」に花を咲かせながら、「おっと、もうこんな時間ですか…」とのブンブンさんの声で時計を見ると、時は間もなく日付変更線間際。

家路へ向けての身繕いを整えたブンブンさんに「では、記念に‥」ということで写真をパチリ。


「ブンブン紅茶店」さんのカウンターでも、街中でも、そしてわが家の玄関先でも…? いつでもブンブンさんはばっちりキマッてます。そのダンディな身だしなみ、ほんの少しでも見習わなくては…。

「大寒」のこの日、テレビのお天気お姉さんたちは「今日も寒かったですねぇ…」としきりに連呼するほどの厳冬の一日でしたが、予報ではこの週末の土曜日には東京都心は気温15 ℃のポカポカ陽気になるとか。

市内では梅の便りもちらほらと聞かれるようになってきました。春はもうすぐそこまで。






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しきたりと神事に触れて小正月、冬空に炎見上げて「摂氏2度」寒っ!

2014-01-15 12:26:47 | エンタメ
ふと気がつけば、年が明けて早や半月…。わが家からほど近い鶴岡八幡宮でも10余日前の「松の内」においては、このような感じで

初参りの方々が近郊の各所から詣でて大賑わいの様相を呈していました。

そして、睦月1月も半ばを迎え、新成人を祝う「成人式」を経て、世の中 ならびにウチの陶芸教室においてもようやく「いつもどおり」の日常のペースを取り戻してきたような感があります。

されど、されど…。「行く川の流れは絶えずして、しかも本の水にあらず」というか「諸行無常」が世の常。ワタシが住むここ佐助の地においても例外ではなく、そこかしこに「いと可笑し…」な事が目白押し。

たとえば昨日は、ご近所に家を建てるお宅の上棟式に際して、今となっては懐かしき「餅撒き」の儀式が行なわれました。ご近所ではあらかじめポスティングや「クチコミ」等で「餅撒き」が大いに話題となっていた故、式典開始時刻午後4時半前にはご近所のチビッ子や大人の皆さんがまさに「鈴なり」の態。
 
この棟を施工する工務店さんの方々の「それでははじめますよ~!」という声を合図に紅白のお餅やお菓子が天空から舞い降り、居合わせた一同が「ワーッ」という声とともにお餅に手を伸ばす光景は「懐かしき昭和」の光景そのもの。期せずしてワタシと同世代の方々からは「棟上げの『餅撒き』かぁ。懐かしいなぁ」との声が上がっていました。

自らの子ども時代をふり返っても、近所の「餅撒き」のたびに友人達とともに収穫したお餅の数を競っていた記憶があります。あらためて指折りかぞえれば、それはまさに半世紀も前のこと。つくづく、「昭和は遠くなりにけり…」。

「餅撒き」の儀式が終了し、三々五々帰路に就く方々の中には、あらあら、お見知りおきの方々が、そこにもここにも。

地元自治会にて日頃お世話になっている役員さんからは「えっ、倉田さん、お餅受け取れなかったの? じゃあ、ワタシが受け取ったお餅の一部、譲りますよ。縁起モノだからね」ということで、丸餅をいただき、思わず「ありがとうございます!」。
 
家へ戻る道すがら、ご近所のお店仲間「ブンブン紅茶店」さんの奥さんとご長男を見つけては、「餅撒き、楽しい、楽しい!」と大笑いしつつ、初春の夕暮れが過ぎていくのでした。

そして今朝方、1月15日 小正月…。

ウチの同居人さんともども「えいやっ!」と勇気をふるって朝6時半に家を出発し、鶴岡八幡宮での「左義長神事」に参列と相成りました。この「左義長神事」とはお正月の松飾り等をお焚き上げする神事で、一般的には「ドンド焼き」と呼ばれています。

朝7時前、鎌倉駅西口を経て小町通りから八幡宮方面へ。
 
あと数時間もすれば鎌倉散策の人々であふれる小町通りも、さすがに朝7時前とあって人っ子一人見当たりません。若宮大路の段葛まで来てようやく、八幡宮へ向かう人の姿がぽつぽつと。

朝7時から八幡宮境内の源平池のほとりにて、三人の宮司さんの仕切りのもと「左義長神事」が厳かに取り行なわれました。傍らにいた参拝の方によると「気温2度…」という凍てつく寒さの中、約20分ほどのお祓いや祝詞等を経て、神事はクライマックスへ。

積み上げられた松飾に宮司さんが火を点し、ほどなく大きな炎が冬空に向かって赤々と舞い上がっていきます。


この炎からは10メートルほど離れたところに居たのですが、頬、手足、そしてカラダ全体がじんわりと暖められていくことが感じられます。松飾を燃やす炎のチカラを存分に受け、あらためてお正月気分から通常モードへと本格的にリセット! といったところでしょうか。

「左義長神事」終了後、お供物として供されていた蜜柑をいただいて、なぜか子供の頃のように妙に嬉しくて嬉しくて。
 
式に臨んでいた人々も、いつまでもなごり惜しそうに早朝の境内で燃え尽きていく炎を見守っていました。

八幡宮からの帰り道、同居人さんからの「今日は小正月。家に戻ったら、邪気払いと無病息災を願って小豆粥ですよ」との声…。

思えば昨年は4月に乗り合わせていたクルマが追突事故に遭い、腰や足、指先までカラダのあちこちがギシギシと悲鳴をあげた一年でした。今年はそのようなアクシデント無きよう、例年以上に「平穏に」との思いを込めて、小豆粥を食させていただきます。

そろそろお昼、リビングにも小豆が煮える香りが漂いはじめてきました。それでは間もなく、小豆粥 

「心して、いただきます…」。













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日々是好日「いつもどおり」のお正月を経て、あらためて「今日から、そして明日も」・・・

2014-01-05 15:09:45 | 日記
このお正月の期間中、鎌倉駅方面に友人知人を出迎えに行くことが何回かありました。友人たちと駅西口からワタシが住む佐助の街の間にある御成隧道(トンネル)をボチボチと歩いて通過する際に、「このトンネル、なんだか感じいいんだよなぁ…」という言葉を聞くことが何度も…。


ワタシ自身も、この御成隧道を通るたびにほとんど条件反射的に「トンネル抜けて、つながる笑顔」という言葉を口ずさんでしまいます。この「トンネル抜けて…」というフレーズは、ワタシたち佐助のお店仲間20余店舗が毎年夏に開催している「鎌倉 佐助のさんぽ市」のキャッチコピー。

数年前、佐助のお店仲間とともに「さんぽ市の発展を期して永きにわたるキャッチコピーを」という意向の下に一同で考えに考えた末、仲間みんなが集まって会議をしていた場に「トンネル抜けて、つながる笑顔」という言葉がひらひらと舞い降りてきたような感じだったことがつい昨日のことのように思い出されます。

お正月三が日のとある日の午後、「さんぽ市」仲間の人力車・有風亭 飛車(とびぐるま)清水さんに「おーい」と声をかけると、清水さんはお仕事中にもかかわらず、周囲をはばかることなく全開の笑顔。

「トンネル抜けて」どころか、その笑顔は真っ青な冬空を突き抜けていかんばかりに弾けまくっていました。春から縁起いい、かも…。

幸先が良いというか、流れが良いというか。陶芸教室、ならびに作陶も正月3日からスタートし、4日には早くも今年最初の窯焚きと相なりました。その間にも、来客の方々と軽~く控えめながらもお年始の宴にありつくこともできました。

大好きな大好きな、お正月ならではの
 
全国高校サッカー選手権大会や大学ラグビー選手権準決勝も友人ともども「チョイ見」をしたし。

母校のランナーも走った箱根駅伝は東洋大に敗れてちょっと残念な結果になってしまいましたが
 
2.3日の2日間にわたってNHK-BSにてサッカー日本代表のW杯での全試合をチラチラとプレイバックすることもできたし。春からますます、縁起が良い…。

W杯日本代表の過去の試合が放映される中、テレビ観戦していた一同がなぜか「ビビッ」と妙な反応をしてしまうのが、2002年日韓W杯の日本代表監督を務めたフランス人 フィリップ・トルシエ氏が登場するシーン。

このトルシエ氏をめぐっては、今もって2002年代表メンバーが「トルシエの言うとおりに戦っていては試合に勝てない」との危機感から緊急ミーティングを行なって結束を固め直したというような逸話が何篇も聞かれるくらい個性的な指揮官でもありました。故にこのお正月にわが家でもテレビをとおしてトルシエ氏の姿を観た方々は「おぉ、ビビッ」ということに。とにもかくにもワタシとしても「♪お正月を写そう!」というCMに誘われて、テレビ画面に写し出されたトルシエ氏の姿を思わず「パチリッ!」。それにつけても、テレビ画面から撮らせていただいたこの写真、なかなかいいかも…。

閑話休題。

ほどほどに陶芸、そしてそこそこにお正月を経て松の内の〆は、市内は鎌倉駅2分ほどの会場での「秀島実 舞踏公演 小父さんの直覚」というコンテンポラリー・ダンスの観賞へ。


白い衣装をまとった「静」なる舞踏を経て、黒いコスチュームに身を包んで繰りひろげられる「動感」いっぱいのダンス・パフォーマンスは、まさにアッという間の2時間…。

この公演に際してはウチの陶芸教室にかよって来ている若いお嬢さん達、ならびにウチの二人がすっかりご贔屓にしてる落語家・立川志らく師匠の独演会主催者・秋山真志氏をはじめ、数多くのお見知りおきの方々と出会うこととなりました。

その中には、ご近所のお店仲間「サスケストア」の大将・井上さんの姿も。「このカワイイお嬢さんは誰?」と言問えば、なんと、大将のお嬢さんだとか。

子供がいないわが身としては、なんともフレンドリーな父娘関係がただただうらやましい限り、なり。

帰り道、鎌倉駅東口前のイルミネーションの下を通りながら、つい先ほどまでの舞踏公演の余韻に浸る一幕も。
 
歩を進め、昼間の喧騒とはうって変わって人影もまばらなぷらっとホームを横目で見ながら、思わず「ふー」っとため息も。そうなのですね、間もなく「お正月」もジ・エンド…。

そして6日 月曜からまた「いつもどおり」の日々がスタートします。
あらためまして、今年もよろしくお願いいたします。



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「いつもどおり」に思いを込めて、今年もよろしくお願いします。

2014-01-01 23:09:04 | 日記
あけましておめでとうございます。
旧年中はいろいろとお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

昨日の大晦日 午後10時過ぎ、一年最後のブログをアップした後から年明けを迎えた頃にかけて、数々の「おつかれさま」コールや「おめでとう」メール等をいただきましたこと、ここに御礼申しあげます。

そして…

年が明け、新年最初のワタシのお仕事といえば、毎年毎年カーボンコピーのようにお雑煮にいただくお餅を焼くことから始まります。

この冬、工房で使っている石油ストーブをリビングに持ち込むのは本日が初めて。赤々と燃える石油ストーブでお餅を焼くワタシを見るチー坊は、なんとも興味津々の様子がありあり…。一歩一歩、注意深くストーブに近寄り、最後には赤い炎にべったりと「横付け」になってしまいます。お餅を焼くワタシの傍ら、ストーブの炎で背中を暖めるチー坊の姿を見て、「コラッ、チー坊。背中が焦げちゃうよ!」と叱る同居人さんの声が響きます。これまた、いつもの元日の風景…。

三が日の朝食は、ウチの二階に棲息しているワタシの母とともに。母とワタシの同居人さん合作のおせち料理を愛でながら、各人各様、子ども時代のお正月模様などを語り合いつつ、あらためて「今年もよろしく…」と挨拶し合うことも、これまたいつもの元日風景。

母の「お重の特別なしつらえはしないからね」との意向により、テーブルの上はごくありふれたおせちが並びます。ただし、雲丹、いくら、コハダ、数の子…等が盛り付けられた小皿は、「倉田流」というか、「母流」というかその源は不明ですが、母なりにチカラを込めて盛り付けてきます。

そして、「このお皿は忠右衛門、このお猪口は今右衛門…」などと講釈を披露するワタシもまた、いつもどおりの元日なり…。

頃合いをみて、毎年の例にならってご近所の佐助稲荷へ初詣に向かう道すがら、顔なじみの宅急便のお兄さんと顔を見合わせ、お互いに「おめでとうございます」とニッコリ笑顔。

「いつもいつも、ありがとうございます。そして元日からお仕事、いつも以上におつかれさまです!」との言葉をかけると、満面の笑みで返してくれた宅急便のお兄さん。今年もよろしくお願いします。

ワタシにとって年に一度の定休日たる元日は、お年始詣りの「特異日」でもあります。この日はサッカー・天皇杯決勝ということで、訪問したお宅でも、なかば強制的に「サッカー中継観たいです、よろしくお願いいたします」となることも、お決まりの元日風景。

ワタシのご贔屓チームである横浜マリノスが優勝の栄誉に輝いたのですが、その結果以上に、間もなくその姿を消す国立競技場の雄姿が気になって気になって。
 

今から約50年ほど前に開催された東京オリンピックのメインスタジアムとして建設されたこの歴史的遺産を簡単に壊してよいものなのか…。新年早々というか、従前からというか、「この国のやることは、よくわからない…」という、別角度からの「いつもいつも」の疑問もチラリ…の元日の午後でもありました。

蛇足ながら、今年も三が日の「鎌倉交通情報」を。この三が日、鎌倉付近はクルマでの流入が午後5時までシャットアウトされます。
     
住人は「通行手形」にてかろうじて近郊との行き交いが可能。ワタシの愛車・メガーヌのカーナビでも、市内に入る主要道路はいずれも「通行止め」のマークがびっしりと表示されています。

以前、東京に住むワタシの友人がこの「通行止め」を知らずに朝からクルマを飛ばして来て北鎌倉辺りでストップの憂き目に遭い、泣く泣く帰京したという悲しい出来事がありました。明日、明後日、クルマでお越しの際には道路規制には十分に注意して戴きますようお願いいたします。最悪の場合、ワタシがお迎えに上がりますので、遠慮なくご連絡ください。この三が日、いつもいつも待機しています。

そして今…。

日がすっかり落ちてから、玄関先の「おはらいさん」も新たに模様替えを済ませて。


リビングで一人、日本酒なんぞをチビリチビリと飲りながら、届いた賀状にあらためて目を通すひと時。これもまた、いつもの元日の夜の習い。

年の始めの気良き夜、「いつもどおり」のありがたさ




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