先の週末は当初より定められていた参議院選挙に加え、安倍元首相に対する許しがたい蛮行が発生したことにより、まさに国中が大騒ぎの数日間となりました。
そのような中にあって私はといえば、かねてから参観を希望していた催しに赴き、つかの間、心静かなひと時に触れる機会に恵まれました。その催しはこちら。
京都にて代々続く小鼓の家系に生を受けて幼き頃から鼓の世界で注目を浴びてきた曽和皷堂先生社中の発表会です。曽和先生は全国各地で道場を開設、そして日頃の成果披露の場としての発表会を開催しているようです。そして今年の発表会の場は鎌倉。
常日頃、私が暮らす鎌倉の街でいろいろお世話になっている呉服店「京都 伊と彦」の女将・好江さんと娘さん、そして知り合いの方々が曽和先生のお弟子さんということで、今回の発表会に向かった次第です。
振り返れば、曽和先生にはじめてお会いし、そして鼓を奏でる姿に触れたのは今を去ること約2年半前の2020年2月に 伊と彦さん主催によって催された「着物とワインの会」の折でした。その時の様子はこちらから…
「着物とワインの会」
思えばこの当時はコロナが少しづつ流行り始めた頃で、かろうじて様々な集いも開催されていました。その後はコロナに翻弄され続け、今日に至っています。コロナよ、早く去れ! と願わずにはいられません。
それはさておき、今回の「鎌倉ゆかた会」に鎌倉の方々4名が鼓の演奏を披露したのは午後1時過ぎからの約30分。まずは伊と彦・好江さんの娘さんの鼓から。
好江さんは私のすぐ横で、娘さんの晴れ姿をしっかり記憶と記録にとどめています。
「これぞ、母の本懐」とおおいに感じ入ったのですが、お仲間の方々が奏でる姿もきっちりと収録していました。このようなさりげな気配りがお店の好評の源になっているのでしょう。
そして、好江さんは当日の謡の先生方を従えて堂々と「羽衣 キリ」を披露してくれました。
私のような素人が見ても、鼓もしっかり音が響いていたし、とても素晴らしい舞台だったように感じます。
幕の合間、能舞台の前では晴れの日の出会いを楽しみ、そしてお互いに近況を語り合う和やかな姿も見受けられます。
ともあれ、世の中を騒がせる大事件や国政選挙最終盤のとかく慌ただしい中、私の生業たる陶芸等の工芸、各種美術、文学、音楽、そしてこのたびの鼓をはじめとする伝統芸能が心の平安にいかに寄与しているかをあらためて気づかされた週末でもありました。
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