鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

佐助の街に舞い降りた歴史をたどるひと時は紅葉とともに・・・

2015-11-23 21:39:58 | 日記
佐助ケ谷の街を取り囲む里山がいよいよ本格的に紅く色づき始めた秋の日、佐助自治会こども会さんが主催する「神秘の里『佐助』を歩く」というプチ史跡めぐりツアーが開催されました。ウチの陶芸教室にかよって来てくれているチビッ子たちのお母さん方からも「是非ご一緒に!」とお声をかけていただき、散歩に出かけるポチの如くいそいそとお出かけするワタシがいました…。

「鎌倉を愛する会」会長・大貫昭彦さんを講師に招いてのツアーは御成町の鎌倉中央図書館からスタート。まずは大貫さんから、図書館の北側にある御成山の上には天狗堂があったことから天狗堂山と呼ばれていたことや、御成小学校周辺は古代のお役人が政務をつかさどった郡衙(ぐんが)があったことから歴史地理学、および地質学的にも安定した土地であったことが忍ばれる…その他、軽いレクチャーを受けて、一行はすぐお隣の街・地元 佐助へ。



御成山に沿って住宅地を西から北に歩き、鎌倉市景観重要建築物に指定されている笹野邸と休館中の大谷美術館の間の道を進んだ一帯は北条時盛邸跡。

鎌倉時代において頼朝以来源氏三代の後、幕府は京から公家や親王を将軍に迎えます。このような将軍は幼い時に鎌倉に招かれ、成人すると京へ更迭される運命だったようです。そして佐助の時盛邸は、鎌倉の御所を追われた将軍が京に返されるまで幽閉される場所だったとか。

時盛邸の説明をしながら大貫さんがつぶやいた「本当に偉いヤツは、けっして自らの手を汚しません。時盛は、本家に代わって汚れ役を務めたのです」という言葉に妙に納得。昔も今も、エラい人は上手く立ち回るようです…。

大貫さんに促されて傍らの電柱に目をやると、さきほど図書館で説明を受けた 御成山と天狗堂の関係を偲ばせる「天狗堂支」というプレートが確認できます。

ワタシ達 佐助の住民が日頃、会合やさまざまな催しでお世話になっている佐助自治会館前を通過する際、

誰からとなく「ここも時盛邸だったってことになるのかな!?」と、いにしえをたどる楽しそうな会話が聞こえてきます。

北条時盛邸を後に、次なる探訪の地は鎌倉税務署さん。講師の大貫さんから「この税務署の中に 遠い昔の佐助ケ谷遺跡から出土した遺物が展示してあります」との説明を受け、我々一同「そんな展示コーナーがあったっけ!?」とビックリ。

税務署の入口を入ってすぐ左のコーナーのガラスケースに地元・佐助ケ谷の街から出土した遺物が収められていました。中でもワタシの心に「ビビッ!」と響いたのは、鎌倉時代の地層から出土したクールに青白く光るこの磁器のお茶碗。鎌倉時代当時、まだ日本では磁器を制作することが出来ませんでした。磁器の歴史をひもとけば、6世紀頃に中国で生み出されたようです。そして日本では遅れること約1000年、1616年(元和2年)に佐賀県有田町にて初めて磁器が焼かれたことが文書等に残っているようです。

ちなみに、世間では「陶磁器」という言い方が一般的なようですが、その歴史や材料等はかなり異なります。陶器と磁器との違い その他はまた別の機会にご説明、ということで…。

ワタシが住む佐助のほぼ中心に位置するこの鎌倉税務署や旧法務局界隈には、いにしえの昔に蓮華寺というとても由緒あるお寺があったとか。旧法務局の敷地内には、往時を偲ばせる「蓮華寺」の石碑が立っています。

蓮華寺は古文書にも頻繁に登場するにもかかわらず、今もって「佐助に位置していたらしい」ということ以外、かつての所在地は不明なのだとか。このファジーな感じがまた、鎌倉らしい…というか、ゆったりまったり佐助日和…的で、思わずココロが綿アメのように溶ろけてしまいそう。

鎌倉の歴史を語らせたら他の追随を許さない大貫さんを講師にお招きしての「佐助史跡めぐり」のエンディングは佐助稲荷神社さん。ワタシ達佐助のご近所お店仲間さんが毎年夏に開催している「鎌倉 佐助のさんぽ市」の同志でもある佐助稲荷神社さんはいつ訪ねてみても、ココロ休まるスポットです。

源頼朝が鎌倉幕府を開く折の佐助稲荷神社さんとの歴史紀行はさておき、今回のツアーの講師・大貫さんはそのお話の中で「水の源に人が集まり、そして華やかな歴史とその裏に潜む人間の我の悲しさ」のようなものをワタシ達にさりげなくひもといてくれたように感じた次第です。

そして、ワタシ達 人間という生き物は、歩くとオナカが減ってきます。今回のツアーの〆は鎌倉「ひなや」さんの豪華にしてコストパフォーマンス満点の1200円お弁当。

当ブログの常として、お料理の写真は「ノーグッド」。献立をもとに特製お弁当の味と香りを堪能していただければ幸いです。

秋の日に 楽し悲しき街歩る紀 それにつけても 佐助の里の侘住まい…
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高級スーパーと朝のラジオから始まる「ノッコン」の明るい明日…。

2015-11-14 08:45:59 | 日記
今からちょうど1カ月前の10月半ばといえば、まさにワタシの個展の真っ最中。陽気的にも、暑くもなく寒くもなく本当に気持ちの良い風が吹く日々が続いていましたっけ。そして、それから秋が徐々に深まり、あちらこちらから紅葉の便りが伝わって来たと思っているうちに、ふと気がつくと「立冬」を過ぎていました…。この「立冬」の頃から、ウチの工房でも朝方は石油ストーブが稼働を始めます。工房の窓越しに所どころ紅く色づき始めた里山を眺めながら、石油ストーブの炎の温もりをカラダ全体で受け止めるひと時の心地良さは、なんとも「シァワセ…」、です。

そしてこの時期の陶芸教室は、「陶芸with紅葉 in 鎌倉」の休日を楽しむ 体験陶芸 の方々が増える傾向にあります。たとえば「明日、陶芸できるでしょうか」と電話でお問い合わせいただいた場合、駅から工房までの道順もお伝えするケースが多いように思います。

たとえば、「鎌倉駅西口の改札を出て、真正面の道を紀ノ国屋さんに向かって進んでください。そしてそのまま歩き、スタバとトンネルを越えて程なく斜め右に向かうゆるい登り坂の小径を進んで…」といった具合に説明します。

駅西口から紀ノ国屋さん方面を望むと、約80mほど先に深緑色の「KINOKUNIYA」の看板が冠された紀ノ国屋さんが見えます。

そして奥の里山の向こう、トンネルを越えるとウチの工房が位置する佐助の杜と家並みが広がっています。

ウチの工房への道順を伝える上において、そして駅西口方面の方々にとって、この紀ノ国屋さんはいわばランドマーク的な存在でもあります。そして紀ノ国屋さんといえば、東京の青山、等々力、吉祥寺…といったような街に出店している、いわゆる「高級スーパー」という位置付けになっています。よって、あらためて説明する必要もありませんが売られている生鮮食料品をはじめとする商品の価格は総じて、ワタシ達庶民にとっては「高いよねぇ」と感じます。

されど、ワタシは足しげく通ってお買い物しています。たとえば…

ワタシが毎晩飲む キリン淡麗グリーンや窯焚きの際の清めのお酒は、近くのコンビニさんとほぼ同額。

普段は400円近くする牛乳も、

特売の時には、超格安のお値段で買うことができます。

そして、ウチの陶芸教室で使っている月謝袋も紀ノ国屋さんにて調達。

「かまくら社頭」さん製、10枚216円とかなりこなれた価格のこの月謝袋は、会員さんの間でも「この袋はデザインも素敵で、手触りもとても良い感じ」と評判です。

もう、お判りのことと思いますが、紀ノ国屋さんでのウチの消費形態は「安いモノだけに狙いを定める」ゲーム感覚的な買い方…ということになるのでしょうか。間違っても、「赤身まぐろ1柵2000円」には手を出しません。というか、手が出ません。駐車場も完備しているし、心おきなく「特売ツアー」に没頭できます。

ふと今、思い出したのがこの巻き寿司のパック。

夕方6時半を過ぎると、紀ノ国屋さんの御惣菜コーナーの商品が軒並みディスカウントされ、運がよければ「半額」!ということになります。ウチの同居人さんはこの「半額」!にめっぽう弱く、駅方面での買い物の後に立ち寄って「また、買ってしまう…」と二ガ笑いしながら、レジに向かうこと数限りなく。

さりとて、この紀ノ国屋さん夕刻のディスカウントセールはかなり知り渡っているようで、夕方6時半近くになると お惣菜コーナー付近にはきちんとした身なりのご婦人方がシズシズと、そして好物を求める回遊魚の如く集まってきます。ウチの二人もその潮の流れに身を任せながら「半額」に目を凝らします…。

そして、意外と知られていないのですが、紀ノ国屋さんの地下フロアのトイレに至る階段が「ステキ」です。

コンクリート打ちっぱなしの階段の壁面に懸けられたモノクロ写真が、とてもクールなムードを醸し出しています。

おりしも今朝、上記のような感じで「紀ノ国屋さんにまつわるテーマでブログを作ろう」と思いながら、いつものように作陶のお供でもある 文化放送「くにまるジャパン」を聴いていました。その折、ワタシと同世代の野村邦丸アナとコラム二スト・えのきどいちろうさんが、紅葉の便り満ちあふれる秋の朝からいきなり「熟年世代のオムツ事情」について熱く語り合っていました。

聴くところによると、今年は「軽失禁元年」なのだとか!?。番組の中で「ボクたちは老人の初心者」「かつての『俺たちのカーライフ』のように『俺たちのオムツライフ』を明るく語れるように…」というような、きわめて前向きな話に終始した約30分。それにつけても「軽失禁」という言葉の字つら、と響きはけっして良くありません。そこで、えのきどさんは「軽失禁というカラダの状況を『ノッコン』と言い変えたら良いのでは…」、と。この秋はラグビーが盛り上がったことから、ラグビーで ボールを前に落とすという反則の「ノッコン」を 失禁とダブらせたものとか。この『ノッコン』、かなり、いい線ついていると思います。この提案に対して邦丸さんは賛意を示し「えのきどさん、この『ノッコン」をさらにもっと掘り進めてね」と珍しくきわめて前向きになっていましたっけ。

鎌倉の紀ノ国屋さんのトイレへの導入が「ステキ」というコトから、思わぬ方向に話しが進んでしまいましたが、えのきどさんが今朝 提唱した「ノッコン」は実に多くの示唆に富んでいるように思います。それはあたかも、「身に降りかかるものは あくまでもしなやかに受け止めて けっしてリキまず」の如く…。

それにつけても、いつの間にかカラダの「ノッコン」を真摯に語り合える年齢になってしまいました…。

紀の国が 希の国になる 秋の空…。












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晩秋の「チョピット歩こう会」、なんともステキな時間と語らいを満喫!

2015-11-05 20:23:18 | 日記

霜月・11月を迎え、朝晩は日に日に寒さが増してきています。テレビ等の情報によれば、この週末あたり 箱根は紅葉がまさに見頃を迎えるとか。箱根の紅葉には少々及びませんが、ワタシが住む佐助界隈の里山も徐々に「モミジ」の準備を始めています。

そのような佐助の、とある秋の一日。ご近所に住まう人生の先輩の方が創設してくれた、ワタシのための「チョピット歩こう会」2回目のツアーが挙行されました。この人生の先輩は「鎌倉歩きの達人」として、佐助町内ではつとに有名な方です。ちなみに5月に催された第1回目「チョピット」はこんな感じでしたっけ…。

さてさて、第2回目「チョピット歩こう会」当日の朝9時半。「鎌倉歩きの達人」とご近所のヤングミセスとの集合場所たる佐助1丁目交差界隈は徐々に秋色を深めています。

他府県からやって来る校外学習の生徒さん達も、薄寒の陽気のもと、少々肩をすぼめていました。

佐助1丁目交差点を出発して材木座海岸や逗子の街をゆっくり探訪し、細い階段を登った先はかの名だたる 逗子・披露山住宅。有名人も多く住むと言われるこの住宅地は、まさに豪邸 豪邸…の光景が広がっていました。ふと気がつくと、豪華な作りの家をカメラに収めるのはちょっと心が引けた故、道路に面する植え込みをそっとカメラに収めました。どのお宅のお庭もきち~んと手入れされています。

それにしても、街路を歩く人影はほとんどありません。通行するクルマもありません。時おり、犬を散歩させる人が不審そうにワタシ達3人の姿を目で追っています。

今回の「チョピット」開催にあたり、ワタシのほうから「ぜひとも、逗子の大崎公園に連れていってください」とお願いしてありました。披露山住宅の西端の細い道を抜けて、いよいよお目当ての大崎公園へ。


「初日の出」スポットともなっている大崎公園見晴台にたどり着く手前から、眼下に小坪漁港と逗子マリーナ、そして遠く江ノ島が望めます。天気の良い日には江ノ島の奥に富士山がド~ンと鎮座…、ということになるとか。いろいろな人から「大崎公園からの眺めはイイよ!」と聞かされていましたが、まさに想像どおり。いえ、当初の予想をはるかに超えていました。もう、今回のルートをたどる「チョピット」は癖になりそうです。

少しばかり気になるのは、この逗子マリーナ周辺にて2020年のオリンピックがらみでの再開発計画が持ち上がっていること。マリーナに100メートルを超える建造物が建てられる計画もあるとか。

ワタシの周りでも、この計画に賛成、反対、その他さまざまな意見が交わされています。いずれにしても、より多くの人が「美しい…」と感じるカタチでの決着を望んで止みません。

大崎公園見晴台から小坪に下る途中に寄った天照大神宮では、見覚えのある名前を発見。

「石原慎太郎殿」はもちろんあの不良老人さん。「中山りつ子殿」は往年の女子プロボウラーとして大活躍されていた中山律子さんでしょうか。

天照大神宮から長い階段を降りて小坪の平場付近まで下ったところであらためて振り返ると、たどってきた階段の角度のなんと急なことか…。

この長く急な階段を登りつめて大神宮に詣でてこそ、さぞやたくさんのご利益に授かれるのかも…、とふと思ったり。

第2回「チョピット」の〆は小坪漁港へ。

店内に所狭しと並べられた、素人目にも新鮮な魚、さかな、サカナを見ているうちにオナカが「グーっ」とおねだりを始めていました。

ふと気がつけば、早やお昼どき。小坪漁港を後に、「鎌倉歩きの達人」たる人生の先輩に導かれるまま近くのイタリアンでランチを摂りながら、アタマの中でサザンの「♪旅の終わりがハッピーエンドなら…」というフレーズを反芻していました…。

今回の「チョピット歩こう会」に際しては、ワタシ以上に運動不足気味なウチの同居人さんも引っ張りだすつもりでした。しかしながら、彼女は左足首の負傷であえなく「休場」。そのような事情だったとはいえ、わが家的にはワタシだけが街歩きの醍醐味を満喫することになってしまい、「チョピット或る後悔!?」も感じた一日でもありました…。

次回の第3回目こそ、同居人さん、そして、ご希望の方々も誘っていざ、「チョピット!」。




コメント (2)
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