2月初旬のワタシの誕生日を過ぎた頃から、まれにみる「厳冬」もようやく峠を超えた感があります。先の週末、北国からやって来た友人とともに葉山御用邸近くの「山口縫春記念館」を訪れた折、記念館前庭のなだらかな斜面に佇む梅も間もなく満開を迎えようとしていました。いよいよ、春本番…。
市内でも、ワタシの誕生日の頃から梅の花がそろそろ目立ち始め、バレンタインを迎えると開花がさらに進んできます。梅花の香りに誘われながらも、「花より団子」という言葉があるようにバレンタインともなると「花よりチョコ」という気分もちょっぴり芽生えます…。おかげさまで今年もいろいろな方々から「ご厚意の茶色いカタチ」をいただけました。ありがとうございます…。
バレンタインの夕刻からは、意気揚々と街に繰り出して…。良くしたもので、ワタシにも顔見知りのご婦人方から声がかかり、お馴染みのあのお店「六弥太」さんへ。
グラスを重ねるに連れ「いやはや、今宵はウチの同居人さんが横にいないので皆さんとノビノビ飲めます」などと言おうものなら、「あー、マキロウさん。ミツコさんに告げ口しちゃいますよ~」と、スマホをパシパシ!。
お店の大将からは生ビールのプレゼントを供されながら、「お互い、耐えましょう」と答えにならない妙な励ましをいただく一幕も。
閑話休題。
先の終末ではなくて、週末のこと。生業たる陶芸教室の予約状況が比較的余裕があったこともあり、市内で演じらた公演の数々を楽しむ機会に恵まれました。
まずは金曜日の夕刻…。大船にある鎌倉芸術館小ホールのシートに身を置き、
テキスタイル・デザイナー片桐由美子さんが「これから始まる舞台に想いを馳せて」との願いを込めて制作した緞帳に見入りつつ 静々と、そして華やかに
昨秋以来、待ちに待った 鎌倉はなし会「立川志らく独演会」の開幕を迎えます。
いただいたパンフレットによれば、この日のトリの演目は「火焔太鼓」の予定だったようですが、志らく師匠は お楽しみ の演目として早々に「火焔太鼓」を披露し、トリには木彫り師として二代目の悲哀をテーマにした「浜野炬随(はまののりゆき)」を熱演してくれました。志らく師匠の「浜野矩随」を観るのは2回目だったのですが、前回にも増してエッジの効いた筋立てに息をつく暇もないほど笑い、そして引き込まれ続けたことは言うまでもありません。
ふり返ってみると、かねてから注目していた志らく師匠の鎌倉市内での独演会に詣でるようになったきっかけは、さまざまなご縁から始まる「鎌倉はなし会」からのお誘いによるものでした。
蛇足ながら、今を去ること約6年前の冬、鎌倉はなし会主宰「立川志らく独演会」でのワンシーン。
志らく師匠とワタシ、そして、ワタシとともに写る「鎌倉はなし会」席亭・髭が良く似合う秋山真志さんも、みんな若かった…。
あれから6年の時を経て、ワタシのまわりには「志らく命」のご婦人が確実に増殖しつつあります。明日もまた、志らく師匠が出演するTBS系ワイドショー「ひるおび」が楽しみな 梅の夜。
志らく師匠独演会の興奮も冷めやらぬ昨夕、次にはこちらの公演へ。
当公演を主宰する秀島実さんは鎌倉市内在住で、現代わが国コンテンポラリーダンス界を代表する存在の方です。そして共演者の一人でもある早紀ちゃんはウチの二人にとっては娘世代にあたる仲の良いお友達。
この秀島さんと早紀ちゃん、そしてウチの二人の間には、なんとも不思議な縁があるのです。そのなんとも深い えにしについてはこちらのブログから…。
このたびの公演は、市内にある小学校のホールにて開催されました。ステージはこのようなカタチで。
当然のことながら、ステージでの公演の撮影は、惜しいことに少々はばかられます…。いつもいつも秀島さんのステージでの身のこなしは、かのチャップリンの可笑しくも物悲しさも漂わせる姿に通ずるものがあります。少々難解とも思えるストーリーに知らず知らずのうちに引き込まれ、ふと気がつくと感激の涙が頬を伝わってきます。あのなんとも妙な感動こそが、他の芸術では味わうことのできない「秀島ワールド」なのでしょうか…。
公演を終えメイクを落とす前の秀島さんと、スッピンに戻った早紀ちゃんとともに、公演の感想を語り合う楽しいひととき。
家路につく途中、今回の公演「天井の園庭」での秀島一座のステージを反芻しながら、ワタシにとってはさまざまな えにし に導かれた「天井の縁庭」なのだ、と一人納得の一夜なのでした…。