鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

個展を終えて名残る賑わいの気配と旧車の歴史、日々新たに…

2016-10-23 09:56:19 | 日記

それは今からちょうど1ヶ月ほど前のこと。個展に向けてバタバタ動きまわっていたある日、ご近所のお店仲間「ブンブン紅茶店」のマスター・小木曽さんから「来月10月17日、また一緒に観に行きませんか」と、この「La Festa Mille Miglia 2016」のパンフレットを手渡されました。


「Mille Miglia」とは、1927年にイタリアで生まれた都市と都市を駆け巡るロードレースで、「世界で最も美しいカーレース」「走る博物館」などと形容されているようです。その伝統と精神を引き継ぎ、日本では1997年に「La Festa Mille Miglia」として、国内に現存するクラシックカーのユルく趣きのあるレースがスタート。以来、今年で20回目を迎えるとか。

10月17日といえば、ワタシの個展も終了しているハズ。レーススケジュールに従えば、「ブンブン」の小木曽さん、ならびに同店の常連・ジョージさんとともに箱根か大磯プリンスホテルあたりでクラシックカーをじっくり見ることが出来る、予定でした。たしかに当日、個展は予定どおり終了していました。されどワタシは急用が入ってしまい、箱根or大磯でのクラシックカー詣では断念することに。グスン…。

ならば…とばかり、用向きの合間を縫ってそぼ降る雨の中、由比ヶ浜海岸の交差点で次々通過するクラシックカーに手を振り続けます。例年なら沿道から多くの人がレースの様子を眺めているのですが、肌寒い雨とあって辺りには誰一人いません。

横なぐりの雨の中、数多くのクラシックカーが通過する様子を見つめながら待つこと約20分。お目当てのこのクルマ「トヨタ2000GT」が姿を現しました。クラシックカーに対して多くの知識を持ち合わせていないワタシにとって、このレースでの最も大きな目的は1960年代後半に生産されたこの「幻の名車」の雄姿を見ること。ワタシにとって子供の頃からこのトヨタ2000GTこそが「永遠の名車」に他なりません。

トヨタ2000GTということで「名古屋 2000」のナンバーがじつにシックリきます。

ちなみにウチの愛車メガーヌもエンジン排気量2000ccにちなんで希望ナンバー手続きにより「2000」を取得した経緯があります。同じ「2000」のナンバーながら超レアなトヨタ2000GTの市場流通価格は軽く億の大台を越えています。それに引き換え我がメガーヌは30万?、いや、ひょっとして超人気薄車ゆえ買い手が現れない可能性も。雨の中「2000」をめぐって、さまざまな思いがアタマの中を駆け巡るのでした…。

個展終了後、各所への挨拶等に向かう折にいわゆる「旧車」と出会う場面がたびたび。ある日の夕方にはいすゞ自動車の名車「べレット1600GT」が濃厚な排気ガスを撒き散らしながら走行していました。

秋の夕暮れに光るオレンジ色のボディカラーがなんとも印象的でした。

クラシックカーがちょっとした「マイブーム」となっていたある朝、ご近所のナイスミディが「今日は『佐助自治会歩こう会』の日ですよ。一緒に行きましょう」と誘ってくれました。されど我が身を振り返ると個展の後片付けも道半ば。市内の里山や街をそぞろ歩きたい衝動をグッと抑えて「歩こう会」参加の皆さんをそっとお見送りして、「さぁ、ワタシももうひと頑張り!」と小さくつぶやいて、個展でお買い上げいただいた作品の梱包作業の決意も新たに。


「さぁ、もうひと頑張り!」の決意が奏功したのでしょうか。過日、作品の梱包もおおむね終了して個展終了後恒例の「納品ツアー」へ。ご挨拶係としてウチの同居人さんに同行してもらって向かった先は、華のお江戸。

メガーヌの車中、この同居人さんはひさしぶりに出向いた東京の景色に興味津々⁉

いわく「この銀色は?」の問いに、ワタシは「えっ、東京ドームでしょうが…」と、やや呆れながら、そして

「この平川門って、誰の門?」と聞かれて、「えっ、皇居でしょっ、皇居!」と答えるのが精いっぱいのワタシ。いわゆる「ハマっ子」の同居人さんは、時として恐るべき「東京オンチ」ぶりを白日の下にさらしてくれます…。

華のお江戸から地元へ戻って街をメガーヌで巡っている折、助手席からポツリと「何処か遠くに行きたい…」。思わず「えっ、さっきまで、東京。そして七里、稲村、極楽寺。今は長谷を巡ってね。あの先には高徳院」と、大仏さんが鎮座する森を指差すワタシ。

続けて「東京から鎌倉の超定番ドライブコースをしっかり巡ってきたのですが。楽しかったでしょ…?」とは言ってみたものの、助手席で「あ~、何も分かっていませんね」とガックリと首を垂れる同居人さん。我が家に住まうオトコのオバサンとオンナのオジサンの心の溝が埋まることは永遠になさそうな気配です…。

とにもかくにも、個展が終了して約1週間を経た今もワタシの作品に関するご意見、ご感想はもとより、展観にまつわるさまざまな感想をいただいています。

今回もご近所のお店仲間「甘味処 こまめ」さん、「ブンブン紅茶店」さんには、いろいろお世話になりました。

おかげさまで「こまめ」さん手作りの特製あずき、「ブンブン紅茶店」さんが作ってくれたチー坊ノワール鎌倉紅茶のゼリーは、ともに今もって「あれは美味しかった」と評判。

信州「古安曾農園」さん直送の滋味深い無農薬野菜には「このあと、いつ入荷するの?」といった声をいただいています。

そして、市内・今小路で算命学占い「星の間」を主宰する星井サトルさんの鑑定は、引き続き好評の様子…。

ワタシ自身、今回の個展に際して「京都 伊と彦 鎌倉店」さんが「さわやかな秋に映える帯展」を同時開催したことにより、着物や帯に関する興味が湧くこととなりました。


ともあれ、個展から1週間ほど経った今も工房には賑やかだった展観の余韻が漂う中、作品発送、その他、諸々の作業が静々と進んでいます。


本日からは陶芸教室もようやく通常営業の運びとなるまでにこぎつけました。

あらためまして、個展に際しましてはありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。
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「とりどりの豆皿と茶碗が織り成す」佐助ヶ谷の8日間、ありがとうございました。

2016-10-15 10:00:56 | 日記

今月7日に開幕したワタシの陶芸展「とりどりの豆皿と茶碗が織り成す食卓のカタチ」が昨日14日、その幕を閉じました。ふりかえれば今から約5ヶ月前の5月初夏の頃から準備を始め、夏を過ぎる頃から多くの方々とお話するたびに「もうすぐ個展ですね」と声をかけられてきたことがどんなに励みになってきたことか…。


今回の個展は、豆皿とご飯茶碗に特化した少々実験的な企画? ゆえ、その評価がとても気になるところでした。お陰様で案内ハガキをお配りし始めた段階から「今回はいつもと違うね」とのお言葉を幾度も耳にしてきました。

「今回はいつもと違う」とささやかれ続けた個展の一端をあらためて回顧…。


ディスプレイに際しては朱塗りのお膳も使って、変化を出してみました。


撮影用に制作した黒い大四角皿にも「これもマキロウさんの作品ですか?」と少なからず注目が集まりました。


個展のたびに「マイごはん茶碗」を求める方々が増えてきています。


そしてワタシの豆皿といえば、やはりこのカタチ⁉

今回も多くの方々にお買い上げいただきました。

「とりどりの豆皿と茶碗…」の総点数は約200点。今回も「いつも佐助の街をプラプラ歩いているのに、いつ作っているのですか?」と不思議がられます。


京都 伊と彦 鎌倉店さんの協力のもと、同時開催「さわやかな秋に映える帯展」にて展示販売した帯も好評を博しました。


蛇足ながら、個展開幕直前にドサクサ紛れでこの案内ボードを制作したのですが、恥ずかしながら「世紀の大誤植」!?が一箇所。

「うわぁ、困ったなぁ」と思いながらも「まぁ、いいか…」と文字の修正をせずに掲示し続けてみましたが、誰も文字の間違いに気がつきません。まあ、人生なんてそんなもの…。

不思議なことに今回の個展に際しては、ワタシにとって「会うのは何十年ぶりだよねぇ…」という懐かしの人達との再会の連続でした。「懐かしの再会」に至った陰には「fecebookをいろいろ見てたら、アナタの個展の情報に出会ってね。そして、来ちゃった…」というような過程があるようです。日頃はSNSに対して消極的なのですが、今回あらためてSNSツールの影響力の大きさを感じた次第でもあります。

夕刻ともなると普段から行きつけのお店「六弥太」さんで「残業」というか「修行」の時間…。

ふと気がつくと、店内はご近所佐助の人ばかり。「六弥太」の大将を囲んでとりとめのないおしゃべりを肴に「もう1杯 おかわり…」。

とにもかくにも、友人知人、ご近所の方々、そして鎌倉散策のかたわら ふらりとお立ち寄りいただいた方々に心より御礼申し上げます。


そしてあらためまして、これからも佐助Room114、ならびにCHI-BOU-NOIRをよろしくお願いいたします。

まずはお礼まで。



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雨にも負けず、風にも負けず、みんなに支えられて 個展の日々は続きます…

2016-10-08 23:15:15 | エンタメ


昨日10月7日に開幕したワタシの個展「とりどりの豆皿と茶碗が織り成す食卓のカタチ」2日目の本日は朝から小糠雨模様。案内ボードも雨露に濡れて…。

さりとて、お客様の出足を不安視するような気持にはまったくなりません。朝から「午後、そちらに向かいます」というメールが次々に到着し、あらためて「みんなが来てくれる」とおおいに元気つけられて「いざ開店」。

午前中こそ、雨が降ったり止んだりしていましたが、お昼過ぎには空も明るくなりそこそこの「芸術の秋」モードになってきました。


個展会場となっているワタシの工房では来廊された方々が、ワタシの作品を観る前に目ざとく「美味しい生活」へ向けての品定め。


たとえば信州・古安曾農園さん直送の無農薬野菜。

農薬を使っていないことがなにより魅力ですが、その味の深さと姿の美しさも秀逸です。

今やウチの工房での各種イベントでの「お定まり企画」ともなっている[占い処 星ノ間」星井サトルさんの算命学占いは、今回も大好評。

鑑定を終えた方々の晴れやかな笑顔がとても印象的です。重い悩みがある方はもちろん、「ちょっとお話を聞いてもらおうかな…」という軽い感じでも、「納得、実感…」の道筋を導いてくれるハズです。

今回の個展に際しての同時開催は 京都伊と彦鎌倉店さんの「さわやかな秋に映える帯展」。作家さんが手掛ける色とりどり、そして趣きあふれる帯の数々を展示販売していただいています。











そして、ワタシの作品…。


古典的な千鳥と縞の文様をあしらい


日々暮らす鎌倉旧市街の街を施した四角皿。自ら住まう地の地名をあしらってちょっと遊んでみたつもり、です。

このお皿を制作していた夏の頃は、工房近隣の里山で蝉時雨が一日中響いていましたっけ…。

この黒いお皿は土鍋として使える優れモノ…。駅西口の美味しいお店「カジェヘロ」さんからオーダーを受けて制作したお皿です。

あらかじめグリル等で200℃くらいに熱して出来立ての麻婆豆腐を盛り付けるといつまでもグツグツと熱々で美味しくいただけます。もちろん、注文制作いたします。ご希望の方は是非、お申し出くださいませ。

お客様とのお話の合間、ふと気がつくと我が家の2階では…。東京からやってきた高校時代の野球部仲間がワタシの母親と懐かしそうにお酒を汲み交わしています。

今から約45年前、ワタシが住んでいた東京・葛飾の家に野球部の仲間たちがしょっちゅう泊まりこんでいました。当時40歳代だったワタシの母にとっても、ワタシの野球部仲間は息子同様の存在でした。このような「再会のひと時」も、個展の醍醐味でもあります。

ともあれ、まだ個展は2日を終えたばかり。この先、どのような出会いや新たなる展開が待ち受けているのやら。明日から まだお休みが2日ほど続きます。お時間がありましたら、鎌倉散策かたがたワタシの個展にもお立ち寄りいただければ幸いです。



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倉田牧郎 陶芸展 明日開幕いたします

2016-10-06 22:44:22 | 日記

これまで幾多の難問をどうにかこうにか乗り越えて、とにもかくにも明日7日からワタシの個展が開幕の運びとなりました。個展のご案内を始めて以来、さまざまな方々から「今回は違うね」という言葉を聞いています。しかしながら、あらためまして「今回はいつも以上に違う」テイストの作品を展観する個展、を意識してみました。

個展のテーマに「とりどりの豆皿…」と謳ってみましたが、その片鱗はこのような感じで…


                              水玉もすこしばかりご用意してみました。


京都 伊と彦 鎌倉店さんの協力による同時開催「さわやかな秋に映える帯展」の準備も、ほぼ整ってきました。

作家が手掛けた素敵な秋の新作も。機会がありましたら、お着物での来廊はいかがですか…。

知り合いの方からは、早くもお祝いのお花をいただいています。

あらためて、毎年毎年 皆さんの協力により個展が開催できることに感謝感謝のひと時でもあります。

そして…。夜遅くまで続くであろう個展準備の合間、夕食を摂りながら「タイムアップ」寸前の「感動の一瞬!」。

居合わせた方々と「明日へ向けて、弾みがつくね!」と、乾杯のひと時。それにつけてもウチの同居人さんの「青いユニホームが日本なのね!?。白は外人?」とのお言葉に、思わず天を仰いでしまいました…。

とにもかくにも、個展の始まりまであと12時間余。開幕の「タイムリミット」まで、気の抜けない時が流れます。

連休も交えたさわやかな秋の一週間、鎌倉散策かたがた、ワタシどもの個展に足をお運びいただければ幸いです。皆さまのお越しを心よりお待ちしています。




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長月の長雨去って神無月、晴れと「ハレの日」待ちきたり・・・

2016-10-02 15:47:29 | 日記

ふと気がつくと10月 神無月、時まさに「秋の日はつるべ落とし」ということで、午後から夕刻にかけて陽が西の空に傾き始めるとにわかに日没を迎えるようになってきました。そして個展を間近に控えた我が身にあっては、太陽だけでなく日々の移ろいもまさに「つるべ落とし」の如く、スルスルと毎日が過ぎていきます。

個展へ向けて夏前からポツリポツリと進めていたとりどりの豆皿やご飯茶碗つくりもいよいよ最終盤。9月の終わりのとある日、最後の窯焼き作業が静かに進行していきました。

素焼きした作品にうわぐすりをかけながら

アタマの片隅で、本焼きへ向けて作品の窯詰め手順をインプットします。

うわぐすりかけを終えた作品は何とか全て窯に収め、この後、約24時間かけて1245℃まで焼き上げます。

その後、窯内の温度が下がるまで約5日ほど待って、10月3日頃に窯開けの予定です。どういう結果が出るか、神のみぞ知る…。

そして最後の窯焼きまでこぎつけた安堵感とともに向かった先は、おなじみの「六弥太」さん。今やすっかりお友達付き合いさせてもらっているインド在住のオランダ人・ディルクと一献傾けます。

この夏、ディルクは7月初めに何度目かの来日を果たして市内・材木座の定宿を拠点に、9月末まで東京の日本語学校に通い続けていました。ディルクの頑張りを称え、ワタシの最後の窯焚きを祝してもらいながら、何度も何度も「乾杯!」…。

ちなみにこの日、ディルクにとっては3ヶ月間にわたる日本最後の夜。彼はこの後、あわただしく午後8時鎌倉発の横須賀線に乗り、羽田空港へ向かいました。

ディルクとの別れ際、そっと手渡された紙袋の中には「昨日マデ行ッテイタ…」草津温泉のお饅頭が。「前世ハ日本人」と信じているらしいディルクは、日本人以上に義理堅い愛すべきガイジンです。11月の再来日が今から待ち遠しい…。

日印友好、もしくは日蘭友好の感動の一夜を経て、9月の〆は知り合いのお庭師・大熊さんにお願いして、いまや恒例となった「個展前のお庭作り」。大熊さんは手馴れたもので、庭がパシパシと整って行きます。


剪定鋏で枝を切る「パキパキ」という音が、突如、「ドドドッ」というバイクのエンジン音にかき消され、ふと気がつくと大熊さんの開成学園柔道部の先輩・次郎さんの参上です。

「お~い、クマ。後輩の仕事の応援で、東京から鎌倉までわざわざバイクで2時間半もかけてやって来る先輩なんてそうはいねぇ~ぜぃ」と啖呵を切る次郎さん。嗚呼、ワタシの高校野球部仲間にも、こういうタイプの愛すべき先輩、います、います…。

お庭師・大熊さんと次郎先輩が交わす漫才のような会話の中、お庭仕事はアッという間に進行し、

雑草生えまくりの庭…

でしたが、

約3時間後には、すっきりとした姿となりました。

この「庭作り」を経て、身も心も一気に「個展モード」まっしぐらとなります。

そして10月 神無月の幕開けは、今や市民の秋の風物詩にもなりつつある「オクトーバーフェストKAMAKURA2016 鎌麦祭」。昨日1日の土曜日、ワタシもちょこっと出かけてみましたが、今年も市内の酔っ払いが大集合。

顔見知りの方と会うたびに「個展の準備で忙しいんだけどさ、来ちゃった…」と挨拶すると、異口同音に「飲んで元気出さなきゃ、やってられないでしょ!」と励まされることしきり、です。

蛇足ながら…。皆さんに励まされたいがゆえに今日もこれからちょこっと午後7時のリミットまで鎌麦祭…。お呼びがかかるうちが華ですから…。

そしてあらためまして、あと6日後に迫ったワタシの個展もよろしくお願いいたします。




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