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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

2015韓国現代戯曲ドラマリーディング 俳優オーディションのお知らせ

2014-08-28 | Weblog
日韓演劇交流センターでは、今週の会議でついに、2015年1月、シアタートラムで行われる「韓国戯曲リーディング」の詳細を確定しました。
出演俳優はオーディションによって決定いたします。上演されるのは以下の三作品です。

「木蘭姉さん」  キム・ウンソン作 石川樹里訳 演出=松本祐子(文学座)
「五重奏」  キム・ユンミ作 鬼頭典子訳 演出=保木本佳子(ケムリノケムリ)
「アリバイ年代記」  キム・ジェヨプ作 浮島わたる訳 演出=公家義徳(東京演劇アンサンブル)

以下、出演俳優募集資料から。
下記の申込先に問い合わせていただければ、戯曲をメール送付します。

………………………………………………………………

日韓演劇交流センターでは、2015年1月に7回目の韓国現代戯曲ドラマリーディングを計画しております。
公演に際しまして、出演者を広く公募することにいたしました。
日韓の演劇交流事業として、韓国の現代作家を日本に紹介するためのリーディング公演となります。後述にあるような作品の上演を計画しております。
出演ご希望の方は下記の要項を熟読のうえ、A4サイズ1枚に写真、プロフィール(年齢、身長は必須)、希望作品、志望理由をお書きのうえ、書式自由にて、郵送またはメールにてお申し込みください。
なお、作品を読みたいという方は戯曲の粗訳を準備しております。メールでの送付のみの対応となりますが、お問い合わせいただければ戯曲を送付いたします。
それでは、たくさんの皆様からのご応募をお待ちしております。

■お申し込み・お問い合わせ
akira@tee.co.jp 必ず件名に『2015日韓リーディング』としてください。

■オーディション日時
10月15日(水) 10時半~18時 (予定) ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関)
※3作品それぞれ行います。複数作品を希望することも可能です。

■締め切り
9月26日(金)18時必着

■オーディション参加条件
韓国演劇に興味のある方で、20歳以上で1年以上の俳優経験者、心身ともに健康の方
出演料は1ステージ2万円程度(稽古手当・交通費込み)
稽古期間は1月6日頃から1週間~10日程度
公演中は他のも必ず観劇し、期間中行事に必ずすること
12月中旬の顔合わせに参加すること
チケットノルマはありませんが、積極的にチケットを売っていただくこと

■オーディション参加費
無料

■公演内容・日程
2015年 韓国戯曲ドラマリーディング 会場:シアタートラム
「木蘭姉さん」  キム・ウンソン作 石川樹里訳 演出=松本祐子(文学座)
「五重奏」  キム・ユンミ作 鬼頭典子訳 演出=保木本佳子(ケムリノケムリ)
「アリバイ年代記」  キム・ジェヨプ作 浮島わたる訳 演出=公家義徳(東京演劇アンサンブル)

2015年1月13日(火)~18日(日) シアタートラム 料金 1500円 通し券3000円 シンポ 500円


■韓国現代戯曲リーディング 作品資料


☆『木蘭姉さん』 作=キム・ウンソン 訳=石川樹里 演出=松本祐子

2012年東亜演劇賞戯曲賞、演劇評論家協会今年のベスト3。
平壌でアコーディオンを専攻した木蘭は、20代のエリート出身の脱北女性。不慮の事故で韓国に越えてきた彼女は北に居る親を連れて来てくれるというブローカーに騙され、すべての資金を失う。韓国生活に幻滅した彼女は再び北に帰る決心をする。

キム・ウンソン
全羅南道、宝城(ポソン)出身。1986年冬からソウルで育つ。
北朝鮮学を専攻する。韓国芸術総合学校演劇院演出科で演劇専攻。2006年卒業公演『シドンナサ』が韓国日報新春文芸に当選。2011年8月8日に劇団月の国椿の花を創立。2012年斗山(トゥサン)アートセンターで「木蘭姉さん」と「砂地」が好評を博す。

あらすじ
平壌の芸術学校でアコーディオンを専攻した木蘭は、画家である父、舞踊家である母とともに北朝鮮で幸せに暮らしていた。しかしある日、家族は知らぬ間に政治的な事件に巻き込まれ、両親は収容所に送られ、木蘭は韓国に亡命することになる。演劇は木蘭の韓国での生活を描く。
北朝鮮にいる両親を南に脱出させてくれると約束したブローカーに、南での定着金と賃貸アパートの保証金すべてを騙し取られた木蘭は、韓国での生活に懐疑を覚える。北から亡命してきた人間に、両親が収容所を追放され、地方の芸術団体で活動しているという消息を聞き、再び北に帰ることを決意した木蘭は、その費用5千万ウォンを稼ぐために、引きこもりの太山の世話を引き受ける。
泰山の母は女手一つで三人の子を育てるためにピンクサロンを経営し、手段や方法を顧みずに財をなしたやり手のビッグママ。長男の太山は韓国史の博士号を持っているが、失恋の痛手から立ち直れず何年もうつ状態のまま引きこもり生活を続けており、次男の太江は哲学を教える大学教授、長女の太陽は作家志望である。資本主義の手垢に染まっていない木蘭の純朴さは、三人の兄妹たちを次第に変えていく。
生きる意欲を取り戻し始めた太山の姿を見て、ビッグママは木蘭を太山の嫁に迎え、5千万ウォンを渡すことを約束する。ところが、ある日突然事業に行き詰まり、ビッグママは借金取りに負われて雲隠れしてしまう。北に帰る当てがなくなり悲嘆にくれる木蘭に、兄ではなく自分と一緒に逃げてくれれば5千万ウォンを渡すと約束する太江。彼の提案を受け入れた木蘭だったが、彼女は5千万ウォンを手にして消えてしまう。
演劇は、おそらく中国であろう都市の酒場で、木蘭がアコーディオンを弾きながら歌を歌っている場面で幕を閉じる。

*あらすじだけだとわからないが、戯曲は短い場面が非常に速いテンポで次々に移り変わるように書かれ、
特に前半は、資本主義の目まぐるしさとカオスのような韓国社会の模様が観客さえも混乱させるような手法で書
かれている。

登場人物
この劇に登場するのは、俳優12人(男優6人、女優5人、子役1人)である。
主要人物以外は、次のように多役で演じわけるように書かれている。

俳優1> チョウ・モンナン (女、26才) アコーディオン奏者
俳優2> チョウ・デジャ(女、55才) ピンクサロン経営者
ナム・グムジャ(女、55才) チョウ・モンナンの母親
俳優3> ホ・テサン (男、36歳)韓国史の博士号取得者、無職,チョウ・デジャの長男
俳優4> ホ・テガン (男、33歳)大学教授、チョウ・デジャの次男
俳優5> ホ・テヤン (女、30歳) 小説家、チョウ・テジャの長女であり、末っ子
俳優6> キム・ジョンイル (男、 41歳)反北朝鮮団体会員、北朝鮮脱出ブローカー
俳優7> ぺ・ミョンヒ (女、30歳) 統一団体会員ㆍ民謡歌手
ユク・ソニョン (女、33歳)小学校の教師
チャ・ヨンミ (女、29歳)大学院生、
リョ・モンナン ホ・テヨンが書いているシナリオの中の登場人物。
俳優8> チョウ・ソンホ (男、55歳)画家、チョウ・モンナンの父
オ・ヨンファン (男、48歳)映画監督
カン・グッシク (男、66歳)事業家、韓国系アメリカ人
俳優9> リ・ミョンチョル (男、32歳)再入国脱北者
グッ・サンチョル (男、32歳) 国会議員補佐官
ヒョン・ソンウク (男、34歳) 大企業秘書室職員
ヤン・ムノ (男、15歳) 北朝鮮の男子中学生
チャ・ミニョク ホ・テヤンが書いているシナリオの登場人物
俳優10> ナ・ヌリ (男、9歳) 小学生
チョン・シンギュン (男、34歳) 医者
ソ・ヒンドル (男、25歳) 大学生
チョン・ウォンサン (男、20歳) ピザ配達員
俳優11> ソン・ホンヨン (女、15歳) 北朝鮮の中学生
ホ・セビョル (女、9歳) 小学生
ノ・ミレ (女、21歳) ピンクサロン従業員
コン・ドゥソン (女、23歳) 大学生
俳優12> ユ・モンナン (女、10歳) 脱北児童


☆『五重奏』 作=キム・ユンミ 訳=鬼頭典子 演出=保木本佳子

2003 年初演。保守的な家父長制を描いた作品で、フェミニズム的な視点もある。定められた運命を女性は受け入れなければならない、ということがテーマにある。後継ぎとしての息子を求めて、妻以外の女とも関係を持つ男。しかし、娘ばかりが生まれてしまう……。

キム・ユンミ
作家は1967年、慶北(キョンブク)奉化(ホンファ)で生まれ。1988年東亜日報新春文芸戯曲部門に『列車を待って』が当選して登壇した。中央(チュンアン)大学校文芸創作学科を卒業。延世(ヨンセ)大学校大学院国語国文学科で修士、博士過程修了。
戯曲集に平民社『月を撃つ』、『キム・ユンミ戯曲集1、3、4』、公演戯曲に『月を撃つ』『チェア』『五重奏』『メディアファンタジー』『結婚した女』『結婚しなかった女』『楽園での昼と夜』などがある。

あらすじ
中風の後遺症で車椅子に座っている老人、キム・キプン。ある日、バラバラに暮らしている4人の娘を呼び寄せる。
キプンは後継ぎ息子が欲しいばかりに、次々多くの女と関係を持ってきた。
娘たちは、そんな女性たちの間に産まれた腹違いの姉妹である。
娘たちはそれぞれ父や母、姉妹たちとの間で様々な過去を抱え、心に傷を負っている。
キプンの家には、死んだ妻たちも、成仏できずに幽霊となって集まって来る。
生きている娘たちと幽霊になった母親たち。それぞれの思いが、再会を機にぶつかり合う。
そして、それでも息子をもうけることが出来なかったキム・キプンが娘たちに伝えようとしたことは…?

登場人物
キム・キプン (七十代) 父
ヨンスン (四十代) 長女
ヨンファ (四十代) 次女
ヨンオク (四十代) 三女
ヨンジン (二十代) 四女
スク (五十代) 幽霊
イファ (十代) 幽霊
クムスン (五十代) 幽霊
サンピル (四十代) キム・キプンの従兄弟、アルコール中毒者
クォン先生 (四十代) 漢方医
仮面をかぶった幽霊たち多数


☆『アリバイ年代記』 作=キム・ジェヨプ 訳=浮島わたる 演出=公家義徳

2013年、国立劇団にて初演。東亜演劇賞最優秀戯曲賞、演劇評論家協会今年のベスト3、ベストセブンなど演劇賞を総なめにする。大阪で生まれた父親の人生を語ることで、戦後の韓国の歴史を語っていく。ウィットに富み、感性あふれる作品。

キム・ジェヨプ
作家は1973年大邱(テグ)生まれ。延世(ヨンセ)大学国語国文学科卒業。漢陽(ハニャン)大学大学院演劇学科博士課程修了。2006年から2010年まで恵化洞一番地4期同人として活動。劇団ドリームプレイ代表、世宗映画演劇学科教授。

あらすじ
韓国の現代史を背景に、小市民の日常を断片的に積み重ねた作品。父親、息子の二世代にわたってドキュメ
ンタリードラマの形式で描かれている。
タイトルの「アリバイ」は各時代の政治責任者の失敗を隠ぺいするための口実という意味で用いられ、最後に
はそれが一個人の不都合な部分を覆い隠す証明という意味にも使われている。
各時期の政治が韓国国民の心情にいかに深く入り込み、影響を与えていたかを皮膚感覚で知ることのできる
作品であり、その意味で非常に韓国的な戯曲と言える。

(韓国の政治、経済、社会、風俗の一定の知識がないと理解できない部分が多いでしょう。韓国の現代史をお
さらいしながらお読みください。)

登場人物
父キム・テヨン
ジェヨプ
少年(テヨン)、少年ジェジン、少年ジェヨプ
青年(テヨン)、ジェジン
母、おばさん
伯父さん、本屋の主人、刑事の班長、校長、嶺南政治家1、酔客
従兄弟の兄さん、少年の父、青年の兄、おじさん、刑事、ヨンヒョン、南総連、(国土開発)要員1、嶺南政治
家2、宣銅烈
班長、ソンフン、店員、張り紙職人、新聞売り、応援団長、医師、(国土開発)要員2



日韓演劇交流センター
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17 東京演劇アンサンブル内
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433 URL http://www.tckj.org/ akira@tee.co.jp
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