韓国政府は、日本を含む29カ国を武器転用の恐れのある品目の輸出手続きを簡略化できる輸出優遇国に指定していたが、ホワイト国と非ホワイト国の2分類だった制度を新たに3分類に変更し、日本だけを新設される分類へと移そうとしている。対日輸出は原則、一度の許可で一定期間の輸出が認められる「包括許可」の対象外となる。日本政府が韓国を輸出優遇国「グループA(ホワイト国)」から除外する改正政令を施行するなど、対韓輸出規制を強化したことへの、当たり前すぎる対抗措置。
で、この、韓国政府が輸出優遇国「ホワイト国」から日本を外す手続きの一環として実施しているパプリックコメント(意見公募)に対し、なんと、日本政府が意見を投稿したそうな。経産省が自ら発表した。措置の理由を質問しても明確な回答がないとした上で、「根拠のない恣意的な報復措置だと考えざるを得ない」という内容だとか。
パプリックコメントに投稿できるのがその国の人だけというわけでもないのだろうが、「日本政府、ちっちぇっ」、と誰もが思っただろう。河野太郎よ、外交能力がないからって、こんな書き込み実施を許したの?
しかし考えようによっては、韓国のパプリックコメントに日本が「政府」の立場で書き込んでいいのなら、日韓交流はまだまだ脈があるね。もっと交流しよう。このさい、それを推し進めて、朝鮮学校の無償化、日本在住の皆さんの選挙権も、認めてはいかがだろう。
ただ、そこまで日韓友好に積極的なはずなのに、大事なことを忘れていやしませんか。2020東京オリンピック(五輪)組織委員会が、多くの国々で「日本軍国主義を象徴する戦犯旗」と認識されている「旭日旗」の使用を。「制裁なく認める」考えを明らかにした、というニュース。これは、いただけない。
東京五輪組織委は「旭日旗が日本で広範囲に使用されているため制止する理由はない」「旭日旗自体はいかなる政治的な意味もない。したがって禁止品目と見なさない」と主張しているんだって。
来年の東京オリンピックで旭日旗が堂々と掲げられるなら、オリンピックをボイコットする国だって出てきかねない。ドイツがハーケンクロイツを掲げてオリンピックを開催すると言ったら、一発でそこでのオリンピックは不成立間違いなし。説明が必要ですか?
韓国の文化体育観光委が、旭日旗を活用した応援について「過去の帝国主義侵略の対象になった国には苦痛の記憶を刺激する行為」「スポーツを通じた世界平和の実現という五輪の理念に合わない」とするのは、「世界の常識」で言えば、当然のこと。
日本が「大日本帝国」の帝国主義を再現したいと考えていると、全世界の人たちに誤解されていいのですか。
写真は、七年前、日韓合作『荷』を演出していたときのもの。寒い季節だったが、水をいっぱい使った。大友良英の韓国民謡を盛り込んだ音楽が素敵で、いまでもよく耳に甦る。矢内原美邦の振付も、劇の内容とシンクロするという意味では、他に類のない鬼気迫るものだった。