サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

ピーポくん

2017年03月22日 | サカタだよ
知人が殺害されたとき、刑事が会社にきて名刺を出しました。その名刺がどうも薄っぺらくて、
カラーコピー機でも作れそうな代物だったので、内心この人は本当に刑事だろうか? 週刊誌
の記者がネタを拾いにきてニセの名刺をくれたんじゃないか? と疑りながら名刺を見てると
ピーポくんの印刷まで怪しく見えます。



まだニュースにもなってないのに、殺害現場の様子を教えてくれたり、致命傷についてわかる
範囲で話してくれた上で、故人との関係や、故人の人物像などを聞き出そうとします。聞き込み
だったら構わないけど、もしかしたら週刊誌の記者が身分を偽ってニセの情報を提供しながら
ネタを拾ってるだけかもしれない。自分がもし記者だったら、それぐらいするかもと用心しつつ
言葉を選んで話しました。



翌日の新聞を読み比べたら、会社にきた刑事の話と食い違いがなく、その週や翌週の週刊誌で
すっぱ抜かれた様子もなかったので、あれは本当に刑事だったんだと考えなおしました。普通は
名刺を出さないんだけど、追加で情報があればもらいたいから連絡先を渡しておくようなことを
言い訳がましく話していたけど……実際そうだったとは。 (電話かかってきたし)



ことほどさように、見ず知らずの人と初めて会って話を聞くのはデリケートな問題をはらんでる
わけですが、サカタだよもピーポくんの名刺を出さないまでもカラーコピー機で印刷したような
安っぽいクロワッサンの名刺を出して、初めて会う年長の男女に根掘り葉掘り話を聞くことが
最近よくあります。服装もラフだし人相も悪いから、さぞかし怪しいでしょう。



3月25日に出るクロワッサンは創刊40周年記念号(その1)なんですが、長崎の漁師のお宅に
上がり込んで例によって根掘り葉掘りお話を聞いてきました。食卓に欠かせない魚のこととか、
毎日の暮らしのこと、人生のこと、仕事のこと、郷土のこと、etc……島根の谷の暮らしを取材した
ことが以前ありましたが、今回は長崎の海の暮らしです。



創刊から40年のあいだに食卓はずいぶん様変わりしました。40年後まだ元気だったら、食卓には
おいしい魚が並んでいるのだろうか? そんなことを思いながら、漁協に押しかけてお話を聞きます。
長崎って伊勢海老とれるんですね。かさご、ひらまさ、あおりいか、ひらめ、うに……。いけすを覗くと
目が合います。活魚、鮮魚として出荷されるのを待っています。



干物にしたり、すり身にしたり、揚げたり、漬けたり……魚食普及のためにがんばる漁協の婦人部長
にもお話を聞いたり、加工や調理を実演してもらったりしました。「食いしん坊!万才」みたいだなとか
余計なことを思いつつ、「クロワッサン!万才」に脳内で変換していきます……そういうページだっけ。
見知らぬ土地で、行き当たりばったり精を出します。



この漁師町は隠れキリシタンの里なので教会なども訪ねます。まっとうに暮らしてる人には雑誌の編集が
どんな仕事か理解してもらうのが難しい……取材して記事を書くことでも、撮影してキャッチを書くことでも
なく、いかにバレないでインチキをやりおおせるか? それが本質だとか説明しても信用してもらえないし、
信用してもらうと仕事にならない! 胸を痛めて祈る罪びとのふり。

40周年記念号の「食遺産」ページ
つとめてまっとうにつくりました。
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