京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

背守り

2007-02-18 22:25:36 | ギャラリー
背守りをご存知ですか?
昔、母親が子供の身を守るために背中に縫い付けたお守りです

鎌倉山のギャラリー招山に背守りを見にいってきました。

        
        藍染め作家の鳴海友子さんが
        背守りに魅せられて収集した背守りの付けられた着物



江戸時代の着物らしい。
黄八丈の背に付いているのは赤い絞り生地。こうもりなんだそうです。
こうもりは福を呼ぶとされていました。

        
        背紋という、刺繍をしたものもあります。
        いろいろな図柄を記した明治時代の背紋帳もありました。


この背守りは亀ですが、その下に背縫いのように青の糸で大きな目の縫い目が
あります。この縫い目が基本の背守りだそうで、1年分12目縫って、襟で
斜めに2~3目縫います。右に折れているのは女の子、左は男の子だそうです。

        
        房飾りのような背守り

母親の着物を子供用にリフォームした着物も沢山あり、
  それぞれの背守りに込められた母親の祈りがひしひしと感じられます。
  素朴であればあるほど、一針一針に込めた愛情が滲んでいるようです。

鳴海さんはこの背守りを現代に生かせないかと考えました。
  そして、藍で染めた子供用のTシャツの背中にオリジナルの背守りを
  縫い付けることにしたのだそうです。

母の愛の原点とも言うべき背守り、人間関係が寒々しい出来事が
  多い今、誰かの無事を祈るために背中にそっと縫い付けてみてもいいかな
  って思ったことでした。