京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

雪の朝(あした)はなほぞ恋しき

2006-01-21 23:42:55 | 季節のことば
カーテンを開けたら、大きな雪片が舞っていて、すでに道も屋根も真っ白。
車の上にも分厚い綿帽子。やっぱりダメかぁ
今日はわが△ёдф歳の誕生日 ハッピーランチに
出かける予定だったのに…
誕生日を延ばそー、そーだ、そーだ

「とし月のつもりはててもその折の
       雪のあしたはなほぞ恋しき」 建礼門院右京大夫
                     けんれいもんいんうきょうのだいぶ

(随分昔のことなのに、あの雪の朝のことはますます恋しく思われる)
建礼門院右京大夫という人は、平家の公達(きんだち)平資盛(すけもり)の
恋人。正妻にはなれない立場であったが、資盛は彼女を大事に思っていた。
ある雪の降った朝(あしたは朝のこと)、こんな雪の中、訪ねてくるような
人がいたら誠実な人なんだろうなあ、などと想いながら季節はずれの着物を
かまわず着てぼんやりしていた。
と、そこへ木戸を押し開けて颯爽とはいってきた男がいる。資盛であった。
資盛は枯野色の狩衣(かりぎぬ)に蘇芳(すおう)色の着物、紫の
挿貫(さしぬき)という季節にあった衣装をビシッと決めて、非常に
上品でかっこよかったのです。
あの雪の朝のことは今もありありと思い出されて、あの時と同じように
ドキドキすると右京は書いている。

資盛は自分が死んだら後を弔ってくれと言い残して平家一門と一緒に
壇ノ浦へと都を落ちていったのです。
勿論彼に二度と逢うことはできませんでした。
資盛は文武に優れた魅力的な男性だったようです。
建礼門院右京大夫という女性の歌日記にその名を濃く残した資盛と
いう男性が私も大好きなのです。
雪の朝は、私もこの資盛の姿を思い出しているのです。今朝も 



我が家の前の雪の朝。
資盛が訪ねてくる雰囲気ではないけど…。
でも雪は醜いものを覆い隠してくれる