延光寺近くの寺山の民家の庭先で出会ったさくら草の鉢植えのです。
なかなか華やかな雰囲気で、春を感じさせれれます。
宿毛の町に入り貝塚の史跡公園で休憩する。公園には先客の近所のおばあさんが
休まれていた。おばあさんは話好きでお遍路のことなど聞いてくる。
この場所でよく足休めをしていると、春になったとたんに深浦のへんろ道を通る
お遍路さんが多くなったとも話された。
松尾峠登り口へは貝塚から3kmほどですが、丘陵歩きの風情あるいい道です。
峠の登り口に明日のトレッキング・ザ・空海に使われる竹杖の束が200本ほど
立てかけられていた。峠から少し奥に入った子安地蔵堂にお参に寄る。
縁側に「おへんろさん食べてください」と箱に文旦が入れられていた。
最後の一個を有難く頂く。地蔵堂の周りや、この峠道の途中には文旦がたくさん
栽培されている。地蔵堂の中は通夜もさせてもらえるようだ。
袋を被された文旦畑の傍を通り、いよいよ松尾峠の急な登りに入る。
前回は05年の11月に逆打ちをされていた山下正樹さんを激励するため、今日
泊まる札掛の宿まで峠越えで歩き、翌日また二人で松尾峠を越えて延光寺まで
歩いたのを含めて、今回でこの峠を歩くのは5回目です。
松尾峠の途中の休憩所からの展望です。宿毛湾が眼下に見渡せる。
汗をかいた身体に、風が心地よく感じられます。
身体の不自由な高見さんが中心になって、お遍路さんや村の人達が建てた松尾大師
堂です。いつもお堂の周りは綺麗に手入れされています。
大師堂には閂がされていますが、施錠はしていないので閂を明けお参りします。
この峠は県境でもあり、土佐の国と伊予の国の石碑も建てられている。
東屋もありこれより1.5kmほどはよく手入れされた尾根道はとても快適です。
松尾峠を挟んでのへんろ道は、土佐側の道は男性的で、伊予側はがらりと変わって
女性的と対照的です。
峠を下ると一本松の町に入ります。山際の道では満開の辛夷が迎えてくれます。
山肌にはツツジの木々にも薄紫の花も咲いていました。もうすっかり春です。
延光寺を12時に出て今夜のお宿札掛の宿まで20km。5時前に到着しました。
宿は篠山神社の鳥居の横にあります。昔の遍路宿を改築して営業されている。
ここから番外霊場篠山神社までは標高1000mの山道を10kmほど歩きます。
往復20kmで1日行程なので、足の弱い人はこのの鳥居の横の社に札を掛けて
参拝したところからこの地名も付けられたとのことです。ここは遥拝所でもある。
篠山神社は昔は40番の奥の院として、また霊山として参拝者の多い神社でした。
女将さんの岡田さんとは1年半ぶりの再会です。岡田さんはこの宿を始められて
はや3年目を迎えれました。岡田さんも歩き遍路経験者で大阪で住んでいた時には
曼陀羅のオフ会メンバーの常連さんのひとりでした。
保存会の地図・宿一覧表には、「遍路が営む遍路宿」と紹介されています。
岡田さんは歩き遍路をされていた時に、遍路宿との交流を通じて自分も遍路宿を
してみたいと色々探されて、この土地にご縁もいただき遍路宿を営まれました。
松尾大師堂の再建にも何日間もお手伝いをされ、その山下にある札掛にご縁を
頂いたのもご縁のひとつではないかと、お話されていた。