トトが喋った!?
ブリキマンとかかしは顔を見交わし、眠っているトトに目を落とした……。
「そりゃ、たぶんマユが小悪魔だから、お話ができたんだ」
「そうだよ、マユには特殊な力があるんだよ」
かかしと、ブリキマンは勝手に理解した。
「もう、何時間ぐらい眠ってるんだろう……あんまり寝過ぎても、頭がボンヤリしちゃう」
「そうだね、タイマーを見てみよう」
かかしは、ドロシーのバスケットから、写真立てを出した。
「あ、これ、ドロシーが家出したときに持って出たエムおばさんといっしょに写っているやつね」
「これは、情報端末のタブレットなんだよ。写真は、ただのマチウケ。ドロシーが、ここへ来てからの記録や、予定が出てくるんだ……めったに使わないから、操作の仕方忘れちゃったなあ……」
「ブリキマンさんは、分からないの?」
「ボクは、ブリキで出来ているから、触れないんだ。タブレットの画面を傷つけてしまうから」
「……記録が出てきた」
「どのくらい寝てるの?」
「いや、違う記録だよ。やっぱり、オズの魔法使いから『西の魔女』のホウキをとってくるように言われてるね」
「で、何時間寝てるんだよ?」
ブリキマンがせっついた。
「せかせるなよ、こういうの、ボクは弱いんだから……あ、これは」
「なに!?」
マユとブリキマンの声がそろった。
「ドロシーが、ドロシーになるまえの情報みたいだ……ほら」
ブリキマンとかかしは顔を見交わし、眠っているトトに目を落とした……。
「そりゃ、たぶんマユが小悪魔だから、お話ができたんだ」
「そうだよ、マユには特殊な力があるんだよ」
かかしと、ブリキマンは勝手に理解した。
「もう、何時間ぐらい眠ってるんだろう……あんまり寝過ぎても、頭がボンヤリしちゃう」
「そうだね、タイマーを見てみよう」
かかしは、ドロシーのバスケットから、写真立てを出した。
「あ、これ、ドロシーが家出したときに持って出たエムおばさんといっしょに写っているやつね」
「これは、情報端末のタブレットなんだよ。写真は、ただのマチウケ。ドロシーが、ここへ来てからの記録や、予定が出てくるんだ……めったに使わないから、操作の仕方忘れちゃったなあ……」
「ブリキマンさんは、分からないの?」
「ボクは、ブリキで出来ているから、触れないんだ。タブレットの画面を傷つけてしまうから」
「……記録が出てきた」
「どのくらい寝てるの?」
「いや、違う記録だよ。やっぱり、オズの魔法使いから『西の魔女』のホウキをとってくるように言われてるね」
「で、何時間寝てるんだよ?」
ブリキマンがせっついた。
「せかせるなよ、こういうの、ボクは弱いんだから……あ、これは」
「なに!?」
マユとブリキマンの声がそろった。
「ドロシーが、ドロシーになるまえの情報みたいだ……ほら」
画面はバグりかけていたが、いくつかのことが読み取れた。
「この子、もとは日本人だったんだ……」
「責任感が強くて……」
「……なにか、使命があったみたいだな」
「ボランティア……読めないなあ」
「ここに来る前に、大きな手術やってる……中味は……ああ、バグちゃった」
「あ出てきた。ドロシーダイアリー……たいへんだ、もう三日も眠ってるよ」
「起こさなくちゃ。食事も、水分も摂ってないよ」
「ドロシー……と、その前に」
かかしが、マユを見た。
「なに?」
「言っといたほうがいいよな」
「うん、マユが混乱するといけないからな」
「いったい、なによ?」
「ドロシーが目覚めたら、マユと話していたことや、ボクたちが、何人ものドロシーの相手をしていたこと……」
「ボクたちには、もともとの姿があったことなんか忘れてしまうからね」
「ボクたちは、このドロシーが起きているうちは、このドロシーのためだけのブリキマンとかかしなんだ。だから、スカタン言うかもしれないけどね」
「分かった、早くドロシーを起こして」
「ドロシー、ドロシー……!」
それから、五分ほどかけて、やっとドロシーは目を覚ました。
「ああ、よく寝たわ……おはようみんな」
「「お、おはよう、ドロシー!」」
かかしと、ブリキマンが声をそろえて言った。
「やだ、ライオンさんもトトも寝てる……そうか、わたしが眠れないものだから、いろいろ面倒かけたのよね……あ、あなたは?」
ドロシーとかかし、ブリキマンの視線が、マユに集まった。
「「キミだれ?」」
「責任感が強くて……」
「……なにか、使命があったみたいだな」
「ボランティア……読めないなあ」
「ここに来る前に、大きな手術やってる……中味は……ああ、バグちゃった」
「あ出てきた。ドロシーダイアリー……たいへんだ、もう三日も眠ってるよ」
「起こさなくちゃ。食事も、水分も摂ってないよ」
「ドロシー……と、その前に」
かかしが、マユを見た。
「なに?」
「言っといたほうがいいよな」
「うん、マユが混乱するといけないからな」
「いったい、なによ?」
「ドロシーが目覚めたら、マユと話していたことや、ボクたちが、何人ものドロシーの相手をしていたこと……」
「ボクたちには、もともとの姿があったことなんか忘れてしまうからね」
「ボクたちは、このドロシーが起きているうちは、このドロシーのためだけのブリキマンとかかしなんだ。だから、スカタン言うかもしれないけどね」
「分かった、早くドロシーを起こして」
「ドロシー、ドロシー……!」
それから、五分ほどかけて、やっとドロシーは目を覚ました。
「ああ、よく寝たわ……おはようみんな」
「「お、おはよう、ドロシー!」」
かかしと、ブリキマンが声をそろえて言った。
「やだ、ライオンさんもトトも寝てる……そうか、わたしが眠れないものだから、いろいろ面倒かけたのよね……あ、あなたは?」
ドロシーとかかし、ブリキマンの視線が、マユに集まった。
「「キミだれ?」」
かかしとブリキマンの声が、またそろった。ほんとうにマユのことは忘れたようだ。
「あ、あなた、白雪姫さんのところで見かけたわよね」
「う、うん。小悪魔のマユ。よろしくね……」
「よろしく……」
そこまで言うと、ドロシーはバスケットから、ミルクやサンドイッチ、おにぎりなんかを取りだし、無心に食べ始めた。その間、かかしとブリキマンは不思議な顔をしている。
「だからあ……」
マユは、最初から説明をしなければならなかった。しかし、途中でライオンさんが目を覚ましてくれたので、マユの説明は半分ですんだ。
ドロシーが三日分の食事を終えたころで声がした。
「う、うん。小悪魔のマユ。よろしくね……」
「よろしく……」
そこまで言うと、ドロシーはバスケットから、ミルクやサンドイッチ、おにぎりなんかを取りだし、無心に食べ始めた。その間、かかしとブリキマンは不思議な顔をしている。
「だからあ……」
マユは、最初から説明をしなければならなかった。しかし、途中でライオンさんが目を覚ましてくれたので、マユの説明は半分ですんだ。
ドロシーが三日分の食事を終えたころで声がした。
「じゃ、そろそろ行こうか!」
声の主は、いつの間にか目覚めたトトであった……。
声の主は、いつの間にか目覚めたトトであった……。