ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

那須邸の音楽

2013年06月23日 | タンノイのお話
悠久のジャガー氏はROYCEのタンノイに耳をかたむけておられる。
音楽堂を森林の一角に建築された趣味人の、その後の推移を知りたいものである。
『コーネッタ』のユニットをふたたびⅢLZのエンクロージャーに戻され「とても良い音に鳴っています」と写真を見せてくださった。
ジェフローランドや、マッキントッシュ、2A3アンプの音など古今の名器を試されて、たんたんと快活に所見は述べられていくのが、音楽を聴くように耳を奪う。
御仁が一瞬席を外されたとき、いささかの意図もあるわけもなく当方はご婦人にお尋ねした。
――最近の音のご様子、そうとうな仕上がりと感銘いたしました。
「わたくしには、こわしているのか造っているのか、さだかではありません」
なにぶんご婦人は、声楽の研鑚を深く積まれたかたである。
謙譲こそ平安の要諦なのか、あくまで涼しげなご婦人であった。
お帰りになったあと、残された写真を拝見していると、『三無の茶室』の植栽が季節を彩って、音楽堂のなかで小さく見えるアルテックスピーカーと枠に据えられたⅢLZが並び、趣味を持つものには空想が絶好の眺めである。
室内の壁面を飾る絵画もまた、すばらしい。
省みて、ふとトーレンス226のSPU-Aの針圧を計りなおすと3.2グラムであるが、季節が緩んだ今朝がた、少しネジをひねったあれが原因か。
4.5グラムにすると、コントラベースの定位も音はいつもの風景になった。
タンノイの音は毎日変わるが、二人の演奏家ほどには違わない。
しかし、日本の各地のタンノイは、それぞれ確たる別の世界を持って鳴っている。





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