ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

ウエストミンスターの客 vol.8

2011年05月07日 | タンノイのお話
赤いジャガーを駆って高速道を疾駆する御仁は、コルビジェ風のロッジを那須に構えておられたが、とうとう500坪の庭の一角に茶室の完成あいなって、この連休の5月に登場されると楽しみの写真を御開陳くださった。
川辺で拾った石を並べて悦に入っている当方の感性からすると、それは異星の出来栄えであり、やはりコルビジェの庭なのか。
利休の物語では、露地を茶室にむかう庭石を踏みながら、そこに俗世間のしがらみを置いて身軽な別人になり変わるはずが、この写真を拝見してギョッと思った。
無事に戻ってこれるのか、楽しみではあるが覚悟が迫られている。
一関から眺める写真に名をつけて、三無の茶室。
庭石を行けども行けども、なかなかたどり着かない。
茶室に鳴るタンノイが手に取るように想像できるが、どうも聴こえない。
平蜘蛛の茶器から湯気が見えるようにある碗の、手を伸ばしたそこに侘茶はない。
茶室の内部を撮った写真に、ひとり和服の御亭主が大勢の御婦人に囲まれて微笑んでおられる姿があって、いつぞやこれとそっくりに、9人の女性たちと堂々Royceに登場した寺島先生の光景が思いおこされた。
この御仁にいわく、素封家であった兄から五十枚ほどLPを遺られたが、タンノイで聴くと昔の盤は非常に音が良い、そうである。
母屋にて、拝領の不思議な味噌が白米のうえに香るのを眺めながら、写真につらなる風雅な庭石の夏のかなたを想像して飽きなかった。





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