ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

スカルラッティ ソナタ ロ短調 K.27ほか

2007-01-12 | CDの試聴記
10日近く更新が滞ってしまいました。
急な仕事が入ったのと、原稿の締め切りが重なってしまって、新年早々、早くも焦るはめに・・・。
我ながら、本当に段取り悪いなあ。
反省しきりであります。(汗)

さて、今年はグリーグ、シベリウス、エルガーあたりが、メモリアルイヤーとして各方面で採りあげられていますが、ドメニコ・スカルラッティも没後250年の年にあたります。

このドメニコ・スカルラッティは、昔からギターを弾く者にとっても近しい作曲家です。
これは、ひとえに神様セゴヴィアが編曲した数曲のソナタのおかげでしょう。
私の場合は、とりわけK.11のホ短調ソナタ(原曲はハ短調)が想い出の曲です。
高校生1年の頃にチャレンジしたのですが、なかなか思うように弾けず、泣きそうになりながら必死で練習したことをよく覚えています。
当時はまだカークパトリック番号よりもロンゴ番号で呼ぶことが多く、この曲はロンゴ番号でいうと352番ということになります。
カークパトリック番号が優勢になってくるのは、いつ頃からなんだろう。

さて、今日採りあげた曲は、K.27のロ短調のソナタ。
500曲を超えるスカルラッティの膨大なソナタの中でも、とくにロマンティックな作品で、私の大好きな曲です。
冒頭まもなく現われるアルペッジョを使って下降する響きの何と美しいこと。
そして、ドメニコお得意の数オクターブにまたがる下降スケールも、前後半の最後に聴くことができます。

このソナタについては、原曲のチェンバロもいいけど、私はピアノの演奏が好きです。
とりわけ、ペライアの演奏が素敵でいいなあ。
このディスクには、スカルラッティのソナタが7曲と、ヘンデルのソナタやシャコンヌ等の作品が収められていますが、いずれも素晴らしい演奏です。
ペライアの圧倒的なテクニックと、詩的でありながらも決して様式が崩れないスタイルが、大変魅力的。

スカルラッティのソナタでは、このペライアの演奏のほか、
チェンバロでは、生命力に満ちたスコット・ロス盤、
ピアノでは、永遠のスタンダードであるホロヴィッツ盤や、透明感に溢れた若きケフェレック盤が忘れられません。
そして、ギターでは、ジョン・ウィリアムスの演奏が本当に華麗に弾ききっていて爽快そのものですし、珍しいところでは、御木美江さんのアコーディオンによるディスクもあります。
この御木さんのアコーディオンによる演奏は、私の愛聴盤のひとつで、一聴するとオルガンのように聴こえますが、もっと自在で柔軟性にとんだ等身大のスカルラッティが聴けます。隠れた名盤だと思います。

この一年で果たして何曲聴けるか分かりませんが、スカルラッティのソナタについては、今年のひとつのテーマとして、できるだけ多く聴いていきたいと思います。


<曲目>
ヘンデル作曲
■クラヴィーア組曲第5番ホ長調 HWV430
■シャコンヌ ト長調 HWV435
■クラヴィーア組曲第3番ニ短調 HWV428
■クラヴィーア組曲第2番ヘ長調 HWV427
スカルラッティ作曲
■ソナタ ニ長調 K.491
■ソナタ ロ短調 K.27
■ソナタ 嬰ハ短調 K.247
■ソナタ ニ長調 K.29
■ソナタ イ長調 K.537
■ソナタ ホ長調 K.206
■ソナタ イ長調 K.212
<演奏>マレイ・ペライア(ピアノ)
<録音>1996年10月

    
コメント (4)
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