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ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

韓国ギター演奏旅行(その2)

2008-05-20 | その他
成田からの機内でいただいたこのCASSというビール、バドワーザーのような感じでなかなかいけます。
そして、そんな韓国ビールの話題から隣の紳士と意気投合。
話をしているうちに、その紳士はドクターで、特別養護老人ホームを経営されていることがわかりました。
私が演奏旅行で訪韓したこと、初日の今日は老人ホームで慰問演奏する予定であることをお話しすると、「それはいい。そういうのがお年寄りには、ほんとに最高のプレゼントなんです!それも、はるばる日本からきて演奏してくれるんだから・・・」と涙を流さんばかりに語っていただきました。
「そうなんだ。これこそが文化交流。音楽を通して、人と触れ合うために私たちは韓国へきたんだ」と改めて思い知らされた次第です。

そんな会話をしているうちに、あっという間に済州空港に到着。
出迎えていただいた金さん(今回招聘くださった恩人です!)たちとレストランで昼食を済ませた後、いったんホテルへチェックイン。釜山経由の大阪組の到着は夕方ですから、まだ少し時間があります。
「よし、一夜漬けの延長で、ちょっと練習でもするか・・・」と愛器ロマニリョスをケースから出してチューニング開始。しかし、ロマニリョスは、どうもご機嫌斜めです。
いつもの音色ではありません。長旅で疲れているのか、それともフライト中のアクシデントに備えて弦を緩めていたことが原因なのか、気候の問題なのか分かりませんが、本調子には程遠い状態です。一日前に自宅で弾いた時は、あれだけ魅力的な音を出してくれたのに・・・。
しかし、悩んでいる時間はありません。お願いだから、少しでも調子を取り戻してね・・・。(祈)

練習が一段落したところで、大阪組を出迎えるために再び空港へ。
待つこと20分。いました、いました。山のような楽器と荷物を抱えた一行を発見!
師匠をはじめみんな元気そうです。しかし、懐かしがっている暇もなく、その足で、一路最初のコンサート会場である老人ホームへ直行。
ホームに着くと、ステージ衣裳に着替えるや否や、楽器と譜面台と足台を抱えて、各自ホールに集合です。
結局、リハーサルはわずか15分間しかありませんでした。

■最初のコンサート会場となった老人ホームの入口です
気がつくとホールには、ぎっしりとお爺さんお婆さんの姿が。
いよいよ本番です。
シュランメルンの名曲「ウィーンはウィーン」で、コンサートは始まりました。
文字通りぶっつけ本番だったこともあり、アンサンブルの精度としてはいまひとつでしたが、何とか徐々に調子を取り戻して迎えた後半、韓国民謡のアレンジものを弾いた時のことです。
聴衆のみなさんが、一緒に歌いだしたのです。
最初はぱらぱらでしたが、やがて大合唱に・・・。
きっと懐かしい歌なんでしょうね。みんな手を振りながら、大きな声で歌っているのです。
いやー、感激しました。
こんなに喜んでもらえるなんて・・・。はるばる韓国まで来た甲斐がありました。

そして、コンサートが終わり、お約束の打ち上げです。
市の職員の方や地元の音楽愛好家の方と、とろけるような焼肉をいただきながら楽しく話をさせていただきました。
ビールや焼酎の空き瓶があっという間に増えていきます。
あー、来てよかった!

ホテルに戻ってからは、仲間達で二次会です。
飲むほどに酔うほどにギターを弾き、気がつくと夜中の2時。
(周りの宿泊客の方、ほんとにごめんなさい。)
明日は、済州島の南部のリゾート地「西帰浦市」で、本命ともいえるコンサートがあります。
しかも、ホテルでのロビーコンサートもあるので、いわゆるダブルヘッダーの日。
私個人としても、ソロはあるし、コンチェルトのソロもあります。
さて、どうなりますことやら。
自分の腕前は棚に上げて、ひたすら愛器ロマニリョスの復活にすがる私でした。

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韓国ギター演奏旅行(その1)

2008-05-18 | その他
随分更新が滞ってしまいました。
決して体調不良で寝込んでいたわけではないのですが、GWに韓国へギターの演奏旅行という大イベントがありまして、行く前はその準備(俗に言う「一夜漬け」というヤツ+「楽器の調整」+「旅の準備」等々)、帰国後は当然のように溜まっている仕事を、大汗かきながらやっつけたりとかで、なかなか落ち着いてブログを書く時間がなかったのです。
ご心配をおかけしてしまって、本当に申し訳ありません。
ようやく少し落ち着いてきましたので、これから何回かに分けて、20年ぶりの韓国への演奏旅行の様子を書かせていただきたいと思います。

私が韓国へギターの演奏旅行に行くのは、今回で実は3回目になります。
私のギターの師匠が、韓国の高名な作曲家の先生と親しかったことが縁で、最初の訪韓演奏会が実現したのは、もう30年以上前のことです。
以来、韓国の若い演奏家を招いて日本でコンサートを行なったり、逆に日本から韓国へ行って演奏したりしながら、交流を深めてきました。

今回の訪韓メンバーは9名。
アルトギター、プライムギター(普通のギターのことです)、バスギター、ギタロン(チェロのように構えて弾く低音楽器)の構成でアンサンブルを組みます。
そして、アンサンブルとは別に、ソロ、デュエット、コンチェルトを織り込んだプログラムを用意していきました。

さて、初日は、韓国初の自然遺産にも指定された済州島(チェジュ島)。
私以外のメンバーは、関空からの直行便が満席だったため、釜山経由でチェジュに入りました。
当の私はというと、一人寂しく成田からチェジュ入りです。

演奏旅行にあたって、まず悩んだのが楽器です。
まず、3本持っている楽器のうち、どの楽器を持って行くか。
それについては、迷うことなく、私のハンドルネームにもなっている、「ホセ・ロマニリョス(1988年作)」を連れて行くことにしました。
次なる大きな問題は、最近とくに難しくなっている楽器の機内持込のことです。
ギターの大きさから考えて、1席分の料金を払って座席を確保するか、それとも土下座して拝み倒して機内のどこかで預かってもらうか、いずれかの方法しか思い浮かびません。
ただGW中でもあり、飛行機はもちろん満席。したがって、前者の選択肢はもとよりありませんでした・・・。
ということで、最悪、愛器ロマニリョスを荷物室へ預けることも覚悟していました。
その最悪の事態に備えて、これしかないという究極のギターケースを急遽購入しました。このケース(チェロケースとしても著名なアコードケース)は、カーボングラスファイバーでできていて、信じられないくらい軽量なのに、強度も十分なのです。何でも、F1の車体と同じ原理で作られているとか・・・。
余談ですが、同じくロマニリョスを愛用している美人ギタリストの村治佳織さんも、このケースを使っているそうです。
唯一最大の難点は、ギターが1台買える位高価なことなのですが、背に腹は変えられません。(泣)

■成田空港の待合室で(ロマニリョス イン アコードケース)
さて、成田空港で、その最初の試練の時がやってきました。
チェックインカウンターで、私が背負っている「ロマニリョス イン アコードケース」をみて、カウンターの女性が一瞬沈黙の後、ひとこと。
「機内へ手荷物として持ち込まれますか?」
「えっ、いいんですか?」
「結構ですよ。」
何と優しいお言葉。その担当の方が女神に見えたのは、いうまでもありません。
私はアコードケースを撫でながら、中に入っているロマニリョスに向かって、心の中で話しかけました。
「良かったなぁ。これで離れ離れにならなくてすむよ。」

そうこうしているうちに、あいにくの雨の中、飛行機は私とロマニリョスを乗せて、初日の成田空港を無事離陸しました。
初日のチェジュでは、早速老人ホームでの慰問演奏会が待っています。
詳細は次回に・・・。

■成田空港 機内から(雨です・・・)



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ウィーン国立歌劇場 イオアン・ホーレンダー総監督が語る

2008-04-09 | その他
昨日、ウィーン国立歌劇場の総支配人であるホーレンダー氏のセミナーがあり、なかなか興味深い話が聞けました。  

■日時:2008年4月8日(火)19:00開演
■会場:浜離宮朝日ホール
■テーマ
  ウィーン国立歌劇場 イオアン・ホーレンダー総監督が語る
  「音楽の都ウィーンと歌劇場の全て」
■レクチャー: イオアン・ホーレンダー(ウィーン国立歌劇場総監督)
■モデレーター:奥田佳道(音楽評論家)
■通訳:松田暁子


途中、貴重な映像も交えながら、ホーレンダーさんの話を中心に、奥田さんが司会兼解説者となってセミナーは進められました。
以下、印象に残っていることを書きます。

■ウィーン国立歌劇場のこと
1920年まではウィーン宮廷歌劇場と呼ばれていた。
第2次世界大戦で焼かれたが、1955年11月5日、カール・ベームの指揮による「フィデリオ」で活動を再開した。
50年後の2005年に行なわれた「ウィーン国立歌劇場 再建50周年記念ガラ・コンサート」は、その意味でも大変想い出深い。
過去の総監督で重要な功績を残したのは、マーラーとカラヤンだと思う。
7月8月のシーズンを除いて、ウィーン国立歌劇場では毎日異なるプロで公演を続けており、平均60万人もの聴衆が観に来てくれる。
演目数も、今年度の場合48作品を数える。
その毎日公演を可能にしてくれるのが、合唱団とオーケストラ。
オーケストラは勿論有名なウィーンフィルだが、合唱団もリハーサルなしに見事に演奏できる素晴らしい存在。

■子供のためのプログラムのこと
歌劇場の屋上のテラスで開催。
入場料は3ユーロ(500円程度)で、対象は6~12歳の子供。
大人は入場できない。
年間20~30回上演され、のべ8000人~9000人の子供が来場する。
予算は年間5000万ユーロ。
演目は、「魔笛」と「ニーベルンクの指輪」の2演目。
このうち、「ニーベルンクの指輪」は日本の新国立劇場での公演がヒントになっている。(「ジークフリートの冒険」のこと?)
子供は騙せない。面白くなければ騒いだりすぐにトイレに行ったりするし、いったん席を離れたら絶対戻ってこないもの。
両親にも友人にも話すだろうし、また是非観たいと思わせることが大切。
子供達には、まず歌劇場の屋上だから全体が見渡せるので、「歌劇場って、こんなに広いんだ」と実感させる。そして、この大きな歌劇場で、毎日素晴らしいオペラが上演されていることを理解させる。
そして、大きくなったときに、自然にオペラを観たいと思わせるようにしたい。

■総監督とオペラ経営
どうしてオーストリア人でもないのに、ウィーン国立歌劇場という最高の歌劇場の総監督という名誉ある職に、4回も契約を更新してもらえたのか。
それは、「クオリティを大事にしてきたから」というひとことに尽きる。
「良いものを提供すれば、必ず買ってくれる人がいる」ということ。
この事実は、歌劇場経営だけではなく、レストラン経営でも、新聞社の経営でも同じことだ。
赤字・黒字の話に少し触れると、オペラというのは、いくら劇場収入以外の部分(DVDの販売等)で頑張ったところで、絶対収入よりも支出が上回るもの。
金銭的に儲かるものではない。極めて精神的なものだということを、まず理解してほしい。
その上で、どこにお金を使って、どこにお金を使わないかをはっきりさせること。
とくに「どこにお金を使わないか」という節約の部分が最も重要。

■海外公演について
2008年10月には来日公演があるが、同じ日にウィーン国立歌劇場でもフィガロが上演されることになっている。
質を落とさずにマルチで上演できる秘訣は、たとえばオケでいうと143人という多目の人数を抱えていること。
それでも、ワーグナーをやるときは、さすがにマルチで上演することはできないが、(ワーグナーに比べると小規模な)モーツァルト&モーツァルト、モーツァルト&ベートーヴェン等の組み合わせであれば可能だ。
また、歌劇場が海外公演に出ているときに、ウィーンでは(オケは小規模で済む)バレエを上演していることもある。
このような工夫をしながら、上演を続けている。

■演出について
簡単に説明できないので、できればあまり答えたくないテーマ。
オペラという世界では、上演に値する新しい作品を次々に取り入れることは難しい。
だから、(マンネリ化を防ぐ意味からも)今まであるものを、少しずつ変える形で上演してきている。
ただし、作曲家の意図が変わってしまうようなことは、良くない。
それは「オペラ上演における病気」だとさえ思う。オペラで重要なのは、次の3つ。
①指揮、②歌手、③演出
この3つは均等に大切なのであって、どの項目も決して突出してはならない。
演出という点で考えると、たとえばアイーダ。
ラダメスは必ずしも象に乗って登場する必要はないが、だからといって、ヘリコプターで登場しなくてもいいでしょう。

■好きなオペラ、嫌いなオペラ
正直に申しあげると、バロックオペラは、あまり評価していない。
ただ、ワーグナーの「神々の黄昏」と「セビリアの理髪師」を比較するなんて、土台無理な話。それぞれに、全く異なる個性があって、それぞれに素晴らしいのだから。

■最高のオペラ上演とは
まず、何よりも音楽が素晴らしいこと。
そして、内的に満たされているものが素晴らしいと思う。
ただ、ロッシーニとリヒャルト・シュトラウスのオペラを比べて、こちらが上と言ってみたところであまり意味はない。
私(ホーレンダー氏)も、常に聴衆の一人として上演を観ているので、皆さんも、是非歌劇場に足を運んでください。

ざっと以上のような話でした。
熱心にメモを取ったわけではないので、きっと誤りや書き漏らしたことがあると思いますが、その点は平にご容赦を。
それから、この日のホーレンダー総監督の話をきいていて、びんびん感じたことがあります。
それは、ホーレンダーさんが、現シェフであり大切なテニス仲間でもある小澤征爾さんのことを、どれだけ高く評価し信頼しているかということ。
日本という国も文化も、きっと小澤さんという人間を通して理解しているのでしょうね。
2010年からは、シェフがウェルザー・メスト、総監督がマイヤーという新体制になりますが、彼らの手腕に大いに期待しているとも語っておられました。
2010年に、ホーレンダーさんと小澤さんが、同じタイミングで国立歌劇場を去ることになったのも、確かに何か運命的な気がしますね。
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「母べえ」

2008-02-10 | その他
今日、お天気も回復したこともあり、妻と「母べえ」を観てきました。



この映画は、スリリングな結末が待っているわけでも、華麗なアクションがあるわけでも、ましてや官能的なシーンがあるわけでもありません。
しかし、観終わったあと、じわーっとこみ上げてくるこの温かさ・感動は、一体なんなのだろう。
この映画では、第2次世界大戦前後という日本にとって暗く辛い時代背景の中で、家族という小さいけどまさに原点ともいうべき単位の「心の絆」が描かれています。
そして、その「心の絆」の要になっている「母」の存在。
そのことを、いやというほど思い知らされました。



しかし、「母べえ」役を演じた吉永小百合さんの素晴らしさを、どんな言葉で表現したらいいんだろう。
母として、妻として、そして一人の女性として、健気に精一杯生き抜こうとしている「母べえ」を、こんなに魅力的に演じることのできる人は吉永さんしかいないでしょう。
彼女の存在なくして、この映画は絶対成立しなかったと思います。
2人の娘役もそれぞれ好演だったし、檀れいさんも鶴瓶さんも良かった。
でも、吉永さんと並んで素晴らしかったのが、夫の教え子である山ちゃんを演じた浅野忠信さん。
不器用だけど、人間味溢れる山ちゃんにみんな惹かれたことでしょう。

それから、映画で流れていた音楽にもひとこと。
この映画では、ピアノと佐藤しのぶさんの声だけが使われていましたが、それが実に素晴らしい効果をあげていました。
とくに、メインテーマとして流れていたバッハのコラール前奏曲「主よ、われ汝に呼ばわる(BWV639)」 の敬虔な雰囲気は、この映画をいっそう感銘深いものにしてくれたと思います。

是非多くの方に観ていただきたい映画ですね。

(配役)
■吉永小百合  野上佳代
■浅野忠信   山崎徹
■檀れい    野上久子
■志田未来   野上初子
■佐藤未来   野上照美
■笑福亭鶴瓶  藤岡仙吉
■坂東三津五郎 野上滋


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リヒテル 「平均律:インスブルックライヴ」 発売中止!

2007-09-25 | その他
先日、HMVのホームページで、リヒテルのあの名盤「平均律:インスブルックライヴ」が国内正規盤として正式にリリースされる旨、報じられていました。
この演奏の素晴らしさと希少性はつとに有名で、この秋最大の話題になるんじゃないかと秘かに期待していたのですが、またしても発売中止になってしまいました。
まさに「幻の名盤」の面目躍如といったところでしょうか。(笑)
私は、偶然に中国盤を入手することができて、この演奏の素晴らしさにぞっこん惚れこんでいるのですが、今回の国内盤がリリースされたら絶対ゲットするつもりでした。
もう少し気長に待つしかなさそうですね。

さて、本日新しく福田内閣が誕生しました。
派閥の領袖を集めた旧時代的な体制の党執行部だとか、閣僚が変わり映えしないのは新たな意欲がないからだとか、いろいろ揶揄されているようですが、私に言わせればそんなことはどうだっていい。
「選ばれたお一人お一人が、岐路に立たされた日本という国を真剣に立て直す気概があるか。」
私の関心は、この一点に尽きます。

大学の経営財務のゼミで学んだ2つの重要なことを思い出しました。
①ゴーイング・コンサーン(going concern)
企業というものは永遠に継続するもの(going concern)であって、企業会計では、企業は継続して存在していることを前提にする。
②会社の存在目的は株主の利益を最大化すること。

①の企業を「日本」に、②の会社を「内閣」、株主を「国民」と置き換えれば、新内閣の使命になるのではないでしょうか。
もはや迷っている時間はありません。
真摯な姿勢で全力で取り組み、何としても結果を出していただきたいと思います。


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燃える神宮・・・

2007-08-22 | その他
今日は音楽のことではなくて、野球のお話を・・・。

昨日、会社から5分ほどの場所にある神宮球場で久しぶりにナイターを観てきました。もちろんタイガースの応援です。
バックネット裏の2階席(B指定席)がうまくゲットできたのですが、全体が見渡せて風通しもいいし、いざというときは屋根もあるし、ほんと素晴らしい席でした。

試合は、先発のジャンが乱調で、2回で早々と7点のビハインド。
テレビ観戦だったら、迷わずチャンネルを切り替えていたでしょう。
しかし勝負は分からないものです。
スワローズの若い松岡投手は、この7点を守りに入ってしまったんですね。
鳥谷選手の2ランホームランで5点差になった後は、完全に流れが変わりました。

そして、無死満塁で「代打桧山」のコール。
毎年逆境と戦い続け、今シーズンは2軍落ちも経験した桧山選手。
1軍に戻り「代打の切り札」「中年の星」といわれながらも、正直ここまでは「チャンスに凡打」が多かった。
そんなこんなで、私も必死で声援を送るものの、本音は「三振だけはやめてな。何とか外野フライくらいは打ってや!」という感じでした。

ところが、奇跡は起きました。
真っ芯でとらえた打球は、追い風にものって、何とバックスクリーンに飛びこみます。
代打満塁ホームランです。
やったー。やったー。
あまりに絶叫しすぎて、声もかすれて出なくなってしまいましたが、そんなのどうってことありません。
ここまで彼がどれだけ必死で努力をしてきたか、どんなに真摯な姿勢で取り組んできたかを思い出すと、私はしばらくの間、涙が止まりませんでした。
「よかったなぁ、ヒーヤン。ほんま、よかったなぁ」
ふとみると、周りでも目頭を押さえている人が何人もいました。

その後、タイガースは逆転し、最後は金看板のJFKがすべて3人ずつで片付けるという今季最高のピッチング。
もし、もしもですよ、今年タイガースが優勝できたとしたら、この日の試合は必ずエポックメイキングなゲームとして語られることでしょう。

勝ったことも嬉しいけど、あんなに大差のついた試合を投げ出さないで、全員が一丸となって素晴らしいプレーをみせてくれたことが、なによりも私は嬉しかった。
素晴らしいゲームを、本当にありがとう。

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13日の金曜日

2007-07-13 | その他
『13日の金曜日』
まさに、その通りの日になってしまいました。
いや、なりかけました。

今日は、日帰りで、台風接近中の宮崎へ出張。
朝、9:30のほぼ定刻に出発したANA機でしたが、「宮崎空港の天候が悪い場合は、鹿児島空港か羽田空港に引き返すことも了承願いたい」という条件付のフライトでした。
果たして、宮崎空港は梅雨と台風が重なり、雨と霧で明らかに視界不良。
宮崎空港の上空を1時間あまりも旋回していたでしょうか、私も覚悟を決めて「鹿児島着の場合のリスクシナリオ」を頭の中でシミュレーションしていたところ、「これより着陸します」とのアナウンス。
超低空飛行しつつ無事に着陸した時は、機内で拍手と歓声があがりました。
そして、着陸後の機長のアナウンスが、また良かった。
「天候不良のため、到着予定時刻より大幅に遅れてしまい申し訳ありません。でもこれに懲りずに、また是非ご利用ください・・・」
このウィットに富んだ機長の言葉に、乗客の顔もほころびます。

すぐに往訪予定のお客様に連絡をとり、とにかく市内のお客さまのところへ直行しました。
お客様も心配して下さっていたようで、とにかく仕事を最短コースで片付けて再び空港へ。
台風の影響でしょうか、強烈な雨がタクシーの窓をたたきます。
やっとの思いで宮崎空港に着くと、空港は、少しでも早い便で帰ろうとする人でごった返していました。
電光掲示板を見ると、JALグループは全便欠航、ANAも天候調査中の表示。
予約していたANAの便も欠航するかもしれないと係員から言われ、一本前の便を確認すると、キャンセル待ちが何と100人。
運を天に任せ、おとなしく当初の予約便を待つことにしました。

待っている間、ロビーで珈琲を飲みながら、「もし欠航になったら・・・」といろいろ考えてみました。
■鹿児島へ高速バスを使って行き、飛行機または新幹線を利用する。
⇒そもそも高速バスが休止する可能性大だし、飛行機は宮崎と状況が変わるわけはないので、まずダメ。
また、新幹線でたとえ熊本まで到達できたとしても、その後が運休のリスクが極めて大きい。中途半端な場所で足止めされたら、それこそ身動きが取れないので、これもダメか・・・。
福岡等への高速バスも、高速道路そのものが通行止めになるリスク大で、大同小異。

■となれば、今日は泊まるしかない。
さて、どこで泊まるか。
空港の近くにホテルはないし、市内へ戻る?それともこのまま空港で一夜を明かす?

■問題はむしろ明日の土曜日。明日こそ台風のど真ん中で、おそらく全便欠航でしょう。
まる一日、どこでどうやって過ごすの?そして夜は?
日曜日だって飛行機が飛ぶ保証はない。

■加えてこの3連休は、年金のテキストの改訂作業を一気に仕上げるという大切なミッションがあるんです。そのための材料は何ひとつ持ってきていないじゃないか。

ここまで考えて、私の思考は完全にストップしました。
「Oh My God!」
祈ろう。それしかない。
その後、ipodでミュンシュのシューベルトのハ長調交響曲を聴きながら、心の中で祈り続けました。
(しかし、なんでミュンシュのグレートなんだ? でも良かった・・・。本当に素晴らしい音楽、そして演奏だった!)

祈りながらも、最悪のケースしか頭に浮かびません。
小一時間経過したでしょうか。
突然、「これより東京行きの搭乗手続きを再開します」とのアナウンスが・・・。
今度はロビーで歓声があがりました。
聞き間違いじゃないかと思い、カウンターまでいって聞きなおしましたが、間違いなさそう。
「これで東京へ戻れる!」
まさに祈りが通じた瞬間です!

ANAも、その後18時以降宮崎空港を発着するすべての便の欠航を決めましたから、まさに1時間の差が天国と地獄の境目でした。
これほど感謝しながら飛行機に乗ったのは初めて。
「神様 ありがとう」

11日の川久保賜紀さんのブルッフのコンチェルトの感想や、ミュンシュのシューベルトのこと、そしてケーブルテレビのチューナーがぶっ潰れてしまったこと等ほかにもいろいろ書きたいのですが、それは後日ということで・・・。



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いよいよ、『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2007』

2007-05-02 | その他
いよいよ今日から『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2007』のコンサートが始まります。
今年は、「民族のハーモニー」と題して、世界各国の19世紀後半から20世紀にかけて作曲された作品が演奏されます。
とくに、室内楽等で普段あまり演奏されない作品も聴けることが、私にとっては最大の魅力。
また、3日は、MICKEYさんやユリアヌスさんとご一緒させていただく予定で、これまた大きな楽しみです。

今日は、もともと所用があり午後から休暇をとっておりましたので、早速いくつかのステージを聴く予定です。
また、久しぶりに息子が帰って来るので、コンサートの合間をぬって有楽町近辺で家族で晩飯を食べようと目論んでいます。
さあ、どんなことになりますことやら・・・。

ちなみに、今回私が聴く予定のコンサートは次のとおりです。


<5月2日>
■樫本大進(vl)/佐藤俊介(vl)/小菅優(p)/ニコラ・バルデル(cl)
シマノフスキ:ドリアードと牧神(「神話」作品30より)
ミヨー:2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ミヨー:ピアノ、ヴァイオリンとクラリネットのための組曲

■鈴木大介(g)/トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ/沼尻竜典(指揮)
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲/他

■ドミトリー・マフチン(vl)/アレクサンドル・クニャーゼフ(vc)/ボリス・ベレゾフスキー(p)
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調 作品50 「偉大な芸術家の思い出に」

■アントニア・コントレラス(フラメンコ歌手)/チャパロ・デ・マラガ(g)
フラメンコ・リサイタル

<5月3日>
■アンヌ・ケフェレック(p)
ラヴェル:鏡
ラヴェル:古風なメヌエット
ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

■佐藤俊介(vl)/小菅優(p)
シマノフスキ:アレトゥーサの泉(「神話」作品30より)
バルトーク:狂詩曲第1番 Sz.86
ファリャ:7つのスペイン民謡(コハンスキ編曲)
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調

■アナ・キンタンシュ(S)/ピーター・ハーヴィー(Br)/ローザンヌ声楽アンサンブル/シンフォニア・ヴァルソヴィア/ミシェル・コルボ(指揮)
フォーレ:レクイエム 作品48

■ジャン=クロード・ペネティエ(p)
フォーレ:バラード 作品19
フォーレ:9つの前奏曲 作品103

<5月4日>
■アナ・キンタンシュ(S)/ピーター・ハーヴィー(Br)/ローザンヌ声楽アンサンブル/シンフォニア・ヴァルソヴィア/ミシェル・コルボ(指揮)
フォーレ:合唱曲集

<5月5日>
■工藤重典(fl)/ニコラ・バルデル(cl)/ホルン未定/河村幹子(ファゴット)/ブリジット・エンゲラー(p)
グリンカ:夜想曲「別れ」
ルビンシテイン:メロディ ヘ長調 作品3-1
リムスキー=コルサコフ:ピアノと管楽器のための五重奏曲変ロ長調

■読売日本交響楽団メンバーによる弦楽四重奏団:藤原浜雄(vl)/鈴木理恵子(vl)/鈴木康浩 (va)/毛利伯郎(vc)
グリンカ:弦楽四重奏曲ヘ長調
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番二長調 作品11

■アラン・プラネス(p)/樫本大進(vl)/レジス・パスキエ(vl)/アントワーヌ・タムスティ(va)/ニコラ・バルデル(cl)/ホルン未定/河村幹子(ファゴット)
ヤナーチェク:コンチェルティーノ
ドヴォルザーク:三重奏曲ハ長調 作品74

■小川典子(p)
ドビュッシー:アラベスク第1番
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より月の光
ドビュッシー:「前奏曲集」第1集」より沈める寺
ラヴェル:クープランの墓

■仲道郁代(p) /シンフォニア・ヴァルソヴィア/ペーテル・チャバ(指揮)
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 作品16
シベリウス:トゥオネラの白鳥 作品22-2
シベリウス:悲しきワルツ 作品44

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得がたい経験

2007-04-22 | その他
先週は、東京~広島~静岡と3日間に亘って年金セミナーを開催しました。
今回は準備期間があまりとれなかったので心配していたのですが、自分でも不思議なくらい落ち着いて話が出来ました。
そのせいか、いずれの会場でもお客様からの質問も活発で、終演後には「とても分かりやすかったです」と予想外のお褒めの言葉までいただきました。
連戦の疲れも正直ありましたが、来て下さったお客様に喜んでいただけると、まさに講師冥利に尽きるというもの。

今回のセミナーで落ち着いて話ができたのは、ひょっとすると、ピアニストの廻由美子さんの書かれたエッセイを読んだからかもしれません。
廻さんは、月刊「ぶらあぼ」の「メグリンのHappy Tunes」というコーナーでエッセイを発表されていますが、今回私が刺激を受けたのは、4月号に掲載された「得がたい経験」op70というタイトルのエッセイです。

廻さんが、桐朋ピアノ科の高校受験をしたときのことです。
当時、初見演奏が試験科目にあったそうです。
順番待ちの席にも課題曲の楽譜が置いてあって、
「前の人の演奏を聞きながら、譜面をさらっておきなさい。でも本番のピアノの前にも楽譜は置いてあるので、この楽譜は持っていってはいけませんよ」と係りの人から説明を受けたそうです。
しかし、譜読みに熱中していた中学生の廻さんは、つい名前を呼ばれてピアノの前に進む時に、その楽譜を持っていこうとしました。
とたんに、試験官の先生から雷のような大きな怒声。

その試験官こそ、有名な井口基成氏。
さぞかし、恐ろしかったことでしょう。
しかし、入試で緊張していた彼女は、その瞬間に信じがたい経験をしました。
それまでの「びくびく」感がなくなり、ツキモノがすとんと落ちたように感じたそうです。
以下、彼女のことばをそのまま引用します。

「ドナり声はまだ続いていたが、もはや私の耳には関係ない雑音となり、さっさとピアノの前に進んだ。するとそこには楽譜が落ち着いた感じで存在している。ピアノと楽譜、これは私の味方なんだ。きのうまでは、そんなこと、思いもしなかった。いや、むしろ敵対視していたかもしれない。
でもピアノが言っているではないか。
『びっくりしただろう。ガーガーうるさいやつはほっといてこっちにおいで、さあ、音楽しようよ』と。
あんなに気持ちよく弾けたことはない。
(以下略)」

自分のやってきたことを、まず信じること。
小手先で考え込んで結果に一喜一憂するのではなく、自然に、とにかく自然に行動する・・・。
まさに、これなんですね。
楽器の演奏でも「脱力」が以下に大切かは、いやというほど今まで勉強してきたはずなのに、その極意が分かっていなかったのだと、今さらながら思い知りました。
でも、この廻さんのエッセイで、本当に大切なことを教わった気持ちです。

廻さんは、次のようなことばでエッセイを締めくくっておられます。
「音楽と自分のパイプが強ければ、何も恐がることはない。
周りがどんなに騒然としていても、楽器がそこにあり、音楽しようとすればそこは別空間になる。
小さな出来事だったが私にとってはとても大きな経験だった。
私が井口基成先生から受けた最初で最後の最高のレッスンである。」

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「クラシカ・ジャパン」が見れる!

2007-03-29 | その他

先週から始まった2週間にわたる必殺「出張シリーズ」?がようやく終わりました。
齢のせいでしょうか、さすがに疲れました。(笑)
睡眠時間ひとつとっても、普段よりもかえって規則正しい生活が送れるはずなのですが、やはりホテル住まいが続くと「畳」が恋しくなります。
妙なところで、日本人であることを思い知らされました。

さて、私にとって嬉しいニュースがひとつあります。
それは、我が家で加入しているケーブルテレビで、4月から「クラシカ・ジャパン」が見れるようになったことです。
もちろんオプションプログラムなので、2,100円/月の負担増なのですが、メニューをみると、もう文句は言えません。
申込日を待ちかねて、すぐに申し込みました。

今週から試験的に放映されているのですが、この1週間だけ採りあげてもコンテンツはやはり魅力的。
ムーティ&スカラ座の「マクベス」や、カール・リヒターの「ミサ曲ロ短調」等、すでに有名な映像も含まれていますが、私がとくに興味をそそられたのが、ドキュメンタリーや音楽映画。

■ドキュメンタリー 『トスカニーニからアバドへ~ルツェルン祝祭管弦楽団の歴史』
■《1947年制作の伝説的ハリウッド音楽映画》 ユーディ・メニューイン『コンサート・マジック』 +同メニューインの語り

他に、アンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団演奏会や名手ピエッリのギターリサイタルという、レア映像も含まれています。

あっという間に、DVDレコーダーのハードディスクが満杯になりそうで、それだけが懸念です。
でも、楽しみだなあ。
また、折を見てブログでもご紹介していきたいと思います。

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アインザッツのこと、ブログ仲間のこと、ブログ仲間のコンサートのこと

2006-12-19 | その他
俄かに仕事が立て込んでしまい、「武士の一分」以来更新が途絶えてしまいました。
やっぱり師走ですね。
ジャーナル投稿用の原稿作成やセミナーの準備、そして想定外の手ごわい案件が次々に飛び込んできたこともあり、いささかハードな日々が続いております。
「お願いだから、誰か時計を止めて!」

そんなことを言いながらも、先週13日には名古屋・大阪出張の折に梅田北新地のクラシックバー「アインザッツ」で東西のブログ仲間と久しぶりに再会しました。
楽しかったなあ。みんなノリノリでした。
時間があっという間にたってしまい、気がついたら何と12時半。
もちろん終電はありません。タクシーでホテルへ直行。
でも、ラッキーなことに、ホテルはツインルームのシングルユースでした。
ゆったりした気分で、バタンきゅー。
この気分ノリノリ作戦が効を奏したのか、翌日の14日の気が滅入るような仕事も何とか無事に終了。
アインザッツのマスターやブログ仲間の方々のおかげです。

前にも書きましたが、大阪出張の楽しみの一つだったアインザッツは、今月22日に閉店します。
22日の千秋楽には東京でセミナーの仕事があるので、どうしても行くことができません。
ということで、アインザッツに行けるのは、この日がとうとう最後になってしまいました。
アインザッツがなければ、この日集まったブログ仲間の方々と出会えなかったでしょう。
そう考えると、本当に残念としか言いようがありません。
でも、マスター、ブログ仲間の皆様、せっかくアインザッツの縁で親しくさせていただくことができたわけですから、今後ともどうぞよろしくお願いします。

そして、17日には、これまたブログ仲間であるMAIさんが出演されるコンサートに行ってきました。
新宿交響楽団の定期演奏会だったのですが、モーツァルトのジュピターや、マーラーの5番という何とも骨のあるプログラム。
オケのメンバー全員が、音楽に対して真摯に取り組んでいることがひしひしと伝わってきました。
マラ5のアダージェットが、とくに素晴らしかった。
透明なハーモニーが見事で、まさに天上の音楽でした。
また、音楽の美しさもさることながら、この演奏をするためにメンバーひとりひとりがどれだけ頑張って練習してきたかを想像すると、涙をこらえるのに本当に大変でした。
続くフィナーレも熱く燃える演奏で、エンディングもばっちり。
大きなブラヴォーがかかっていました。
MAIさん、素敵なコンサートにご招待いただき、本当にありがとうございました。

冒頭書きましたように、仕事の関係で睡眠不足であることは否めませんが、なぜか気力は充実しています。
これもやっぱり大好きな音楽に触れているから、そして音楽をとおしてブログ仲間の方々と本音で楽しくお話させてもらっているからなんでしょうね。
感謝!感謝!です。
22日のセミナーは200人以上のお客様が来られるようです。
さあ、もう一度ねじを巻きなおして頑張ろう!
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「武士の一分」

2006-12-10 | その他
今日、話題になっている映画「武士の一分」を観てきました。
映画館で映画を観るのは、2年ぶりです。
映画は大好きなのですが、封切後半年もしないうちにBSやCSで放送してくれるし、時間的にもそのほうが楽なので、ついついそちらのほうに流れがちでした。

さて、「武士の一分」。
これは素敵な作品ですねえ。
何か温かいものを感じさせてくれる映画で、見終わったあとの満足感・爽快感がとても心地よかった。
この映画の特徴的なところは、かたき役一人を除いて、みんな善人なんです。
小市民的なキャラクターもいますが、基本は善人。
このあたりのプロットの巧みさが、見終わって温かい気持ちにさせてくれる大きな要因なんでしょうね。

     

下級武士である主人公夫婦と、先代から仕える手伝いの老人。
決して豊かではないけど、つつましくも愛情に満ちた生活を送っていた彼らに突然襲った悲劇。
今の世なら、間違いなく労災適用になるような大事故に主人公が見舞われるのですが、何せ江戸時代の話。
明日からの生活保証もまったくない。そんな状況で、美人で気立てがいい妻が罠にはまります。夫婦仲が良かったからこそ嵌った悲劇。
ネタバレになるので、これ以上細かくは書きませんが、ここで主人公は、
「命に代えても守るべきものがある。守りたい愛がある」と一大決心し、ある行動に出るのです。

「私が主人公の立場だったら、どうする?」と思わず考えてしまいました。
考え方・思いは100%主人公に賛同するのですが、ついついリスクも考えてしまいそうで、ここまで男らしい行動が果たしてとれたかどうか。
大いに考えさせられる映画でもありました。

隣で一緒に見ていた妻はどう感じたんだろう。
また、じっくり聞いてみましょう。

P,S
ところで、この映画のキャスティングは、主役も脇役もまずは申し分ない最高の配役だったように思います。
とくに気に入ったのが檀れいさん。
女優初仕事だそうですが、その美しさと、純粋で健気さが伝わってくる演技に、すっかり心を奪われてしまいました。





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浜松市楽器博物館

2006-08-30 | その他
昨日から、夏季休暇をとって、一泊二日で浜松へ行ってきました。
7月に浜松へ赴任した社会人一年生の息子とも話がしたかったし、久しぶりに家族4人でのんびり温泉旅行に行くのが目的です。

浜松に行くのは今回が初めて。
浜松駅に降り立って出口に向かって歩いていると、何と駅の中にピアノがあるじゃないですか。

          

さらに横をみると、11月の浜松国際ピアノコンクールのポスターが・・・。
さすがに音楽の盛んな町ですね。とってもいい雰囲気です。

そして息子・娘と合流し、食事(もちろん豪華?に「鰻」です)をしたあと、息子のアパートへ。
汚くしているんじゃないかと懸念していたのですが、思っていたより綺麗な部屋だったので、まずは一安心。
その後、息子の車で一路三ケ日温泉へ。
やっぱり温泉はいいですね。美味しい料理にいい湯。時間がゆっくり流れていきます。
湯船に浸かりながら話してみると、息子の方も初めての営業ということで色々苦労をしているようですが、何とか元気にやっているようです。
少し見ないうちに、ちょっとだけ頼もしくなったかなぁ。
先日の24時間テレビではありませんが、久しぶりの家族旅行を通して「家族の絆」が深まったような、そんな気がしています。

そして今日は、午前中に息子・娘と浜松駅で別れた後、妻と2人で立ち寄ったのが楽器博物館。
ここは、本当に面白いですね。
和楽器から世界各地の民族楽器、そして西洋楽器についても、鍵盤楽器から弦楽器・管楽器と、ありとあらゆる楽器が展示されています。
ずっと「お琴」と思っていた楽器が実は「筝」であり、本来の「琴」は1~3弦のまったく別のものの楽器であることや、尺八や鼓にも種類がいくつもあること等も初めて知りました。

また、西洋楽器についても、ヴァージナルやクラヴィーコード、ピッコロ・ヴァイオリン(しかも展示されていた2台はストラディヴァリとグァルネリです!)、ヴィオール族の楽器、ポストホルン、エオリアンハープ等、初めて実物を見るものが多数ありました。






そして単に楽器が展示されているだけではなく、たとえば鍵盤楽器であれば、それぞれのアクションの仕組み等を模型を使って詳しく説明してくれていました。
しかも、模型では、自分で実際にキーを叩いて音を出せるので、仕組みが実に良く分かります。
音楽好きには、なかなか堪えられない興味深い経験でした。

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初めてのネットオークション

2006-08-25 | その他
初めてネットオークションを利用しました。

11月に来日するウィーンフィル、もしかしたら最後の来日になりそうな巨匠アーノンクールとのコンビだけに、何としても行きたかったのですが、プレオーダーも一般販売もあっけなく一蹴されてしまいました。
やはり今回は縁がないんだと諦めていたのですが、先日、何気なくネットオークションを覗くとチケットが出ているではないですか。

ちょっと首をかしげるような値段になっているものもありましたが、何種類か出品されているなかで私が注視していたのは、モーツァルト39番とベートーヴェン7番というプログラム。
サントリーホールA席(1階後ろから3列目)のチケットなのですが、最終日になってもほとんど定価だったのです。
何度かネットオークションを利用している妻からは、「終了直前に、きっと入札価格が跳ね上がるから」と言われていましたが、果たして、残り1時間を切った時点で定価を上回ってきました。
私自身は「定価の1割を超えたら絶対買わない!」と決めておりましたので、その範囲内で何度か入札したところ、幸運にも落札することができました。
初めてのネットオークションだったので、チケットが届くまでは正直不安だったのですが、出品者の方が大変迅速に手配していただいたおかげで、無事にチケットを手にすることができました。

イープラスのプレオーダーでもしっかり手数料をとられるんだから、まあこんなものでしょう。
送られてきたチケットを目の前にすると、じわーっと喜びが・・・。
サントリーホールの場合、後方の席であっても決して悪い音ではありません。
昨年ムーティのときの「前から2列目」というとんでもないロケーションではありませんが、かえってブレンドされたウィーンフィルのサウンドを楽しめるかもしれません。
本家ムジーク・フェラインとの比較も楽しみになってきました。

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追悼 岩城宏之さん

2006-06-13 | その他
岩城宏之さんが亡くなりました。

20回以上も体にメスを入れながら、その都度不死鳥のように立ち上がって、素晴らしい音楽を聴かせてくれた岩城さん。
一度も実演を聴くことはできませんでした。
それだけが本当に残念です。

岩城さんに関して、私が印象に残っていることが3つあります。

1.ベートーベン交響曲全曲演奏会(大晦日)
昨年と一昨年の大晦日に、「フル(振る)マラソン」と称してベートーベンの交響曲全9曲を1人で指揮されました。
CS放送で生中継していたので、若干つまみ食いではありましたが、全曲観ることができました。
昨年は、さすがに8月の肺がんの手術をした影響もあってか、いかにもやつれた表情ではありましたが、最後まで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
とくに偶数番号のシンフォニーが見事で、大変印象に残っています。

2.スコアの暗譜と失敗談
「春の祭典」を覚える方法として、岩城さんはスコアの1頁1頁を写真のように覚えるそうです。
そして演奏中は、その記憶にある「写真」を1枚1枚めくっていくんだけど、あるとき頭の中で2枚続けてめくってしまったからもう大変。
戻そうにも音楽が進んでいくから大混乱に陥り、ついにはいったん演奏をストップすることに・・・。
でも、普通は隠したくなるこんなエピソードを本に書けるんだから、岩城さんはやっぱり大きい人だったんですね。

3.30年位前の新聞の文化欄の記事
たぶん産経新聞だったでしょうか。
小澤征爾さんを宿命のライバルと認めたうえで、小澤さんがトロント響、サンフランシスコ響と順調にステップアップしていく姿を見て、本当に悔しかったと述かいされていました。
でもそのことが自分を叱咤激励し、飛躍の原動力になったとも・・・。

そして、私が最も鮮烈に記憶しているのは、ものまねの記述でした。
よく「音楽において、人のものまねをしてはいけない」というが、岩城さんは真っ向からそんな言い方を否定していました。
たとえば、カラヤンにあこがれているんなら、とことん真似をしたらいい。
カラヤンそっくりに指揮ができるんなら、それは素晴らしいことじゃないか。
でも、必死にものまねをしているうちに、きっと物足りない部分がでてくる。
それが個性なんだと。
確かこんな内容だったと思います。

この話を読んで、私は雷に打たれたような状態になりました。
はっと目が覚めたというのでしょうか。
「良いと感じたもの、本当に気に入ったものは、まず見習ってやってみる。そして納得するまで、徹底的に何度でも繰り返しやってみる。」
これがいつしか私の信条になりました。

岩城さんの音楽については、また日を改めて書きたいと思います。
長い間、ほんとうにお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。



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