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基礎がないのに読み始め失敗した読書

2024-02-20 01:34:17 | 書評
 
 図書館の新着図書に、佐藤俊樹『社会学の新地平・・・・ウェーバーからルーマンへ』(岩波新書)が出ていたので、借りてきて読んだ・・・・というより開いてみた。
 「社会学の新地平」というのが気になったし、マックス・ウェーバーのものは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』のほか短いものを2,3読んでいたものの、もはや内容もうろ覚えだし、ルーマンに至っては社会システム論の展開者ぐらいのことしか知らなかったので、この際その内容を知り得たらということで読もうとしたわけである。

          

 むろん、そんなに簡単に理解できるとは思っていなかったが、まあ、新書だから私のようなド素人にもある程度は吸収できるだろうと思ったのが、結果的には甘かった。

 この書は、社会学に馴染み、マックス・ウエーバーやルーマンを一通り理解してる人たちを対象とし、それに対して著者の新たな視点からの研究成果を述べるというもので、私のような門外漢から見ると、研究者同士の対話のようで、とても歯が立たないのだ。
 とくに、それがなぜ問題なのかの今日的な引っかかりが見いだせず、いきなり専門的な検証の分野に引きずり込まれた感じなのだ。

 改めていうが、これは決して著者の責任でもなんでもない。私が迂闊にも、自分の低レベルな知識で読めると高をくくっていたがゆえの罰ゲームとでもいえる。

 結局、当初の理解の目的は諦めて、斜め読み程度で目について点のみを読んだが、ウエーバーが、上に挙げた書で、プロティスタンティズムに依る質実倹約や消費抑制で一旦得た利益を次の流通過程に投じ、資本として機能せしめるという私自身の読解に、著者は実証的な検証を加え、ウエーバー自身がそうした機能を追求する商業資本家の当事者であったということを強調する。

 その他、ウエーバーについても、ルーマンについても、緻密な実証的検証が行われているようだ。
 しかし、私のような粗雑な野次馬には高度すぎる恩義であったというべきであろう。

 教訓としては、読書は自分の身の丈に合わせたものでないと身につかないということだった。
 
 ただ副作用として、いろいろ探していいる中で、ルーマンの社会システム論をわりかし平易に解説したネット上の文書を見つけたので、そこで勉強することとする。

   https://liberal-arts-guide.com/social-systems/

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