PCの中身が煩雑なので、少し整理しようとして不要そうなファイルを開いては点検しているのだが、こんな未完の雑文がでてきた。
最近とみに記憶が怪しくなってるのだが、多分これは3~4年前に書いたものだろうと思う。SF小説でも書くつもりだったのだろうか。
リアルな問題意識としては、ノーボディの支配、偏在する権力とその内面化による支配そのものの分かりにくさは、この間、考えてきたこととも重なる。
削除するつもりだが、その痕跡だけでも残してやろうと掲載しておく。
なお、文末にあるのは、その続きを書く際にと思ってメモしておいたものだ。
私の周辺はどうしてかくも無機質で灰色っぽいのだろう。前世紀以来の名残りなのだろう。脳内アプリのカラーリングを立ち上げ、お花畑をセレクトしてみる。足元から色とりどりの花々が立ち上り、頭上にも百花爛漫を宿した枝が垂れ下がる。
違う違う、こんなキッチュなものに取り囲まれてたまるかと頭を振ると花々は一瞬のためらいの後、フッとフェイドアウトして消え去った。「キッチュな・・・・」といったところで、脳内アプリに発するものであるのだから、これは私のなかに蓄積された情報が貧しく平板極まりないということにほかならない。
何かが周りで揺らぐ気配がした。きっと光速列車が通過したのだろう。この時間からして、EX23星域との間の定期便に違いない。かつての光速列車の実験段階では、その通過が不自然に空間を撹乱するとあって、甚大な衝撃波による被害を及ぼしたのだが、その後の改善により、その衝撃の範囲は著しく狭まり、この辺りではフッとした揺らぎのようなものとしてしか感知できない。
EX23星域ヘは一度だけ行ったことがある。あれは、アマテラスと別れた頃だった。いや、正確にはアマテラスと一緒に行ったのだが、私のみが帰還を命じられ、このロウ族ヤパン専用の収容所に幽閉されたのだった。
誰が、どこで、どのようにして私を裁き、脳内想像力の自由(ただし外部へ公表する際にはAI による検閲あり)以外のあらゆるものを取り上げたのか、わからないままだった。
思い当たることは一つだけあった。あるとき私は、宇宙意志とでもいうようなある強度を感じ、それをふと漏らしたことがある。漏らした相手はアマテラスなのだが、ということは、彼女が私を売ったのだろうか。それとも、その折の会話が第三者の情報ネットにキャッチされたのだろうか。アマテラスはただ微笑んだだけだったが。
いずれにしても、その宇宙意志云々せいだとしたら、私を幽閉しているのは、その宇宙意志の側なのだろうか、あるいは、そうした宇宙意志に背く側なのか。その宇宙意志の感得(といっても微かな予兆に過ぎなかったのだが)そのものが、なにがしかの陰謀論に与するとみなされたのかもしれない。
私の最大の関心は、許されることがあるのかどうか、許されるとしたらどのようにしてかだ。転向? どういう立場からどういう立場へ? 誰にそれを表明したら?
いったい、誰がどのような権限をもって支配しているのかそれがまったくわからないのだ。それを知ろうとすること自体が罪なのかもしれない。
ノーボディによる支配? その顔は見えないけれど支配は確実に存在している。これではまるで、「笑い」のみを残して消えてしまう『不思議な国のアリス』の「チェシャ猫」ではないか。
もう一度、カラーリングアプリを立ち上げ、マリーンブルーのなかで溺れるイメージをと思ったが、やはりやめた。
アマテラスはあのままEX23星域にいるのだろうか。もはや、彼女の瞳が何色をしていたのかも思い出せない
永久に爆発し続ける有無限爆弾
ニーチェ的永遠回帰の遊技場 時空のメリーゴーランド
モノ自体の顕現 その可能性の条件 カント ラカン バタイユ
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