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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

必要な薬が手に入らなくなる!

2009-05-14 03:17:24 | 社会評論
 楽天の三木谷社長が楽天会員にメッセージを送付しています。
 内容は、今、新型インフルエンザではしゃぎ回っている桝添厚労相の指揮下、密かに行われようとしている医薬品の通販全面禁止の措置についてです。

 確かに、あやしげな薬が通販で売られるという弊害が報告されてはいます。
 しかし一方、約800万人の人が必要な薬品を通販で購入しています。
 流通システムの変化に伴い、街の薬屋さんはどんどん減っていますし、離島や僻地の患者さんたち、産地特定の漢方薬の売買をする人たちは通販によってその生命線を維持しているのです。
 従ってこれを禁止する措置は、本好きの人たちに対し、アマゾンを通じての本の購入を禁止するような措置なのです。

 

 ようするに、一部の悪弊を忌避するあまり、通販そのものを規制することはたらいの水とともに赤児を捨てるようなやり口です。もちろん、こうした規制が世界的に見てもまれに見る狭量なもので、前例がないものです。

 ではなぜ、国際的にも逆行するような無茶な規制が実施されようとするのでしょうか。これにはとてもはっきりした理由があります。
 それは厚労省から主要な役員が天下りしている日本薬剤師会が、与党に対してこの3年間で10億円を越える政治献金を行っているという事実の中に見て取れます。これらの金額が、私たちが購入する薬価に上乗せされているのはいうまでもありません。
 ようするに、天下りした奴はそれに応じた役割を果たすべく厚労省の現役に働きかけ、また、厚労省の現役幹部は、自分たちの天下り先を確保するために現行の薬品販売ルートを守るため必死なのです。

 

 ここには、通販での薬を必要とする人たち、あるいは通販でしか薬を届けられない特定産地の漢方薬などの業者たちへのこれっぽっちの思いもありません。
 ただただ、厚労省の天下り先の確保と、そこからの政治献金の継続を狙った嫌らしいさが見えるのみです。
 
 表向きの理由になっている怪しげな薬の販売に対する規制の方法は別途あるはずです。それを敢えて、薬品の通販全般を禁止するという乱暴な施策を強行する中に、別の意図が見え隠れするのです。

この措置への反対署名は以下から出来ます。
 期限が5月18日までですから、ご賛同の方はお早めに。

 
 http://event.rakuten.co.jp/medicine/net_signature/public_comment/

<追記>
 私は、楽天の三木谷氏のようなビジネスにはある種の抵抗感があります。ただし、この件に関しては氏の提起に賛同します。
 というより、開けつつある新しい流通経路への規制強化には基本的に反対だからです。

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2 コメント

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Unknown (N響大好き。)
2009-05-14 08:25:43
この件については、私も、自論が固まっていません。

 コンビニで、市販薬が買えるようになりましたが、例えば、安易に風邪だ、胃炎だ、と考えていたら、実は、重病で手遅れになってしまったということが、心配されます。ですから、市販薬に頼る風潮を警鐘を与えるためにも、ネット販売は、何らかの規制が必要だ、という気もします。
 また、咳止めや酔い止め薬でも、覚せい剤のような使い方をすることも、できるそうですので、大量購入を抑制する必要があるのかもしれない、という気もします。

 とはいっても、現在の薬局で、薬剤師による適切な助言が受けられるか、というと、そうではないし、ネット販売規制をしたからといって、市販薬の安易な濫用が抑制されるか、というと、そうでもないでしょう。

ここは、天下りとか、そういう話は、がまんして、純粋に、規制が必要か、最小限か、効果があるのか、という冷静な議論をすべきだと思います。

 仮に、規制が実施された場合は、かつての薬事法距離制限違憲判決のように、違憲判決もありうるかもしれません。
 
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Unknown (六文錢)
2009-05-15 01:41:12
> N響大好き。さん
>>ネット販売は、何らかの規制が必要だ、という気もします。

 私もそれには反対しません。明らかな弊害に対してはそれなりの規制があって然るべきかと思います。
 
 薬は対面販売が原則だというのが今回の規制の主旨ですが、 N響大好き。さんもお書きになっているように、どれだけの薬局がそれに対応し得ているでしょうか。中には、薬剤師の名義だけ借り受けた薬局もあるかに聞きます。

 ネットには確かに弊害もあり、限界もあります。
 しかし、その弊害を最小限にとどめ、その限界を見極めながらそのメリットを引き出すというのが新しい技術に直面した私たちのとるべき態度だと思うのです。
 それを頭ごなしに「悪」と決めつけ、既得権擁護に走るのには不純な動機を思ってしまうのです。

 ネットはパンドラの箱です。一度開いてしまったものを閉じこめるわけには行きません。
 例えそれがどれだけのカオスを現出しようとも、その弊害と闘いながら、ギリシャ神話のいうごとく、その最後の最後に、「希望」というひとひらの出現を期待したいと思うのです。

 
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