お盆の休みも終わりの頃です。
母の病院へ行った帰りに、怪しいおじさんを見かけました。
なにやら真剣な面持ちで用水路を見つめているのです。
麦わら帽子にタモをふたつ持ち、ズックの水槽バケツを持っています。
どうやら、この用水路にいる水生動物を狙っているようなのです。
元祖「怪しいオジサン」の私が、これを黙って見過ごすわけには行きません。
早速、不審尋問に取りかかりました。
「何を獲っていらっしゃるのですか」
「ザリガニです」
とっさに私は、ザリガニを使って海老チリソースを作るおじさんの姿をイメージしました。
そのときおじさんは、ザクッと網を入れました。
狙い違わずザリガニは網の中です。
しかしおじさんは、「あ、これは大きすぎるなぁ」とすかさず、キャッチ&リリースです。
エッ?エッ?エッ? エビチリにはちょうどじゃないの?
そこでおそるおそる尋ねました。
「ザ、ザリガニをどうなさるんですか」
「あ、これですか。これはウナギ釣りの餌なんです。だからあまり大きいとだめなのです」と、おじさん。
なあんだそうか、ということで話が弾みました。
子供の頃、川に竹製の簀の子を仕掛け、川蟹(モクズガニ)とウナギがいっしょに入ると、ウナギが蟹を食べてしまって、蟹の甲羅とハサミしか残っていなかった話などしました。
この場合、餌に釣られて蟹が入って、その蟹を餌にウナギが入ったということなのです。ようするにそれくらい、ウナギは甲殻類が大好きなのです。
ですから、まずザリガニを調達するというのは、石鯛を釣るのにサザエを用意するようなものですね。
その後おじさんと、U字溝化されて以来、ザリガニが減ってしまったことなどを話し合いました。ただし、おじさんが獲りに来ているこの辺りのわずかな区間だけザリガニがいるのだそうです。
おじさんは、それはこの区間だけ両側に草が生い茂っていて、昔の小川の環境に似ているからではないかと解説してくれました。
なるほど、そういえばそうです。ザリガニは敏感にもアスファルトとコンクリートがむき出しの地域を逃れて、適当に草陰があり、しかも餌になる有機物がありそうな地点に集中しているのです。
こんな話を交わしながらも、おじさんは適切な大きさのザリガニを次々とゲットし、ズックのバケツへとため込んで行きました。
おじさんに合ったのは午後3時半頃でしょうか、「それでいつお出かけですか」と訊くと、これから夕方にかけてだとのことです。釣りの好きな方はご承知のように、とりわけ淡水魚は、朝まずめと夕まづめに食いがいいのです。
場所は長良川の墨俣付近とのことです。
流しですかそれとも竿釣りですかと訊くと、「もちろん竿です」と、幾分胸を反らせての答。仕掛けを流しての運任せではなく、ポイントを選んで竿を打ち込み、ウナギとの知恵比べをしようというのです。これぞマニアの釣りです。
天然のウナギは養殖のように腹が白くはありません。黄色に黒い斑点が混じっていたりします。
「腹の真っ黄色なウナギが釣れるといいですね」というと、「そうですね」と白い歯の笑顔が返ってきました。怪しいおじさんは、自分の目的に向かってまっしぐらになれるおじさんでした。準備の段階からまるで少年のように、こんなに夢中になれるって羨ましいなあと思いながら別れを告げました。
*写真はもちろん、了承を得て撮ったものです。
母の病院へ行った帰りに、怪しいおじさんを見かけました。
なにやら真剣な面持ちで用水路を見つめているのです。
麦わら帽子にタモをふたつ持ち、ズックの水槽バケツを持っています。
どうやら、この用水路にいる水生動物を狙っているようなのです。
元祖「怪しいオジサン」の私が、これを黙って見過ごすわけには行きません。
早速、不審尋問に取りかかりました。
「何を獲っていらっしゃるのですか」
「ザリガニです」
とっさに私は、ザリガニを使って海老チリソースを作るおじさんの姿をイメージしました。
そのときおじさんは、ザクッと網を入れました。
狙い違わずザリガニは網の中です。
しかしおじさんは、「あ、これは大きすぎるなぁ」とすかさず、キャッチ&リリースです。
エッ?エッ?エッ? エビチリにはちょうどじゃないの?
そこでおそるおそる尋ねました。
「ザ、ザリガニをどうなさるんですか」
「あ、これですか。これはウナギ釣りの餌なんです。だからあまり大きいとだめなのです」と、おじさん。
なあんだそうか、ということで話が弾みました。
子供の頃、川に竹製の簀の子を仕掛け、川蟹(モクズガニ)とウナギがいっしょに入ると、ウナギが蟹を食べてしまって、蟹の甲羅とハサミしか残っていなかった話などしました。
この場合、餌に釣られて蟹が入って、その蟹を餌にウナギが入ったということなのです。ようするにそれくらい、ウナギは甲殻類が大好きなのです。
ですから、まずザリガニを調達するというのは、石鯛を釣るのにサザエを用意するようなものですね。
その後おじさんと、U字溝化されて以来、ザリガニが減ってしまったことなどを話し合いました。ただし、おじさんが獲りに来ているこの辺りのわずかな区間だけザリガニがいるのだそうです。
おじさんは、それはこの区間だけ両側に草が生い茂っていて、昔の小川の環境に似ているからではないかと解説してくれました。
なるほど、そういえばそうです。ザリガニは敏感にもアスファルトとコンクリートがむき出しの地域を逃れて、適当に草陰があり、しかも餌になる有機物がありそうな地点に集中しているのです。
こんな話を交わしながらも、おじさんは適切な大きさのザリガニを次々とゲットし、ズックのバケツへとため込んで行きました。
おじさんに合ったのは午後3時半頃でしょうか、「それでいつお出かけですか」と訊くと、これから夕方にかけてだとのことです。釣りの好きな方はご承知のように、とりわけ淡水魚は、朝まずめと夕まづめに食いがいいのです。
場所は長良川の墨俣付近とのことです。
流しですかそれとも竿釣りですかと訊くと、「もちろん竿です」と、幾分胸を反らせての答。仕掛けを流しての運任せではなく、ポイントを選んで竿を打ち込み、ウナギとの知恵比べをしようというのです。これぞマニアの釣りです。
天然のウナギは養殖のように腹が白くはありません。黄色に黒い斑点が混じっていたりします。
「腹の真っ黄色なウナギが釣れるといいですね」というと、「そうですね」と白い歯の笑顔が返ってきました。怪しいおじさんは、自分の目的に向かってまっしぐらになれるおじさんでした。準備の段階からまるで少年のように、こんなに夢中になれるって羨ましいなあと思いながら別れを告げました。
*写真はもちろん、了承を得て撮ったものです。
取り立てて書きませんでしたが、おっしゃるようにアメリカザリガニです。ことほどさようにアメリカの方が一般的になってしまってついザリガニと書いてしまうようです。
岐阜でも南部の方では日本ザリガニはもうほとんど絶滅状態のようです。私の近辺でもまったく見かけません。それどころか、アメリカザリガニ自体が用水路のU字溝化と半年はそれが干上がるという状況下で、姿を見ることは少なくなりました。
ウナギについては養殖の方が脂がのっていることが多いので、その柔らかさと共に好まれるのかも知れません。
養殖技術も進歩していますし・・・。
私が小学生の頃、ため池にいたザリガニは、
日本ザリガニ8割、アメリカザリガニ2割という感じでしたが、もう日本ザリガニは絶滅しちゃったのでしょうか?
天然ウナギを2回食べたことがあります。そのうち一回は、東京上野の有名な伊豆栄。
でも、2回ともあまりおいしいとは感じなかったのは、なぜだろう???養殖ウナギに舌が慣れてしまったせいか?