左腕の骨折でにわか隻腕になってから一週間が経つ。
いろいろ不自由しているが、この間、経験したことをレポートしておこう。
ユニバーサルなものの開発やそのデザインの参考になるかもしれない。
【衣類について】
*ボタン
大きめで、ボタンホールもざっくりしているものはいい。
しかし、ワイシャツサイズでホールがきっちりしたものはとてもはめにくい。
*ファスナー
ズボンなどの固定したものはほとんど問題はない。
ジャンバーなどの左右に分かれているものは、最初のかみ合わせをしなければならない。
これがけっこう、難しい。
*ホック
押すだけで済むはずだが、実際にやってみるとけっこう難しい。
はずすときは、布地を引っ張ってということになるが、これが薄手の場合は布そのものを傷つける可能性もある。
*靴下
これが難物で、履き口が緩んだようなものはいいが、まだ新しく、履き口がすぼまっているようなものはたいへんだ。
動物を檻の中に誘導するように、その履き口へつま先を誘うのだが、これが難しい。
親指に引っ掛け、小指まで入ればいいのだが、この段階で慌てると、するり、するりと逃げられてしまう。慎重に事を進めて、つま先全体を入れる。
しかし、ここでしめたと急いで引き上げると、因幡の白兎が最後のワニザメに捕まったように、靴下の場合は逆に、いったん入ったと思ったつま先が、するりと逃げてしまう。
【食について】
食べる方はほとんど問題ない。カツやステーキをフォークとナイフで食べるとか、ラーメンのスープを丼を抱えて豪快に飲む、などということはできないが、前者は予めまな板の上で切っておくとか、後者の場合はれんげで品よく飲めばいいだけだ。
まあ、箸一膳でなんとかなる。
問題は調理の方だ。
下ごしらえで、魚をおろすとか、里芋や馬鈴薯など芋の皮を剥くことができない。
切る段になると、逆に芋類や大根、人参など硬くて抵抗のあるもののほうが切りやすい。
青菜などは、まな板に横たえて、据え物のように包丁を振り下ろして引くのだが、手を添えてのようにはうまくゆかない。
刺し身も、予め切ってあるものは鮮度などイマイチなので、短冊で買ってくるのだが、これがうまくゆかない。
包丁の切れ味にもよるが、だいいち、包丁が研げない。
煮物、揚げ物、味付けなどは、調味料の蓋が開かないなどの不便はあるが、基本的には問題ない。
あとは洗いものである。固定していない器や鍋を洗うのは極めて難しい。たっぷり洗剤をつけるのだが、どうしても表面を撫でるだけで、ゴシゴシというわけにはゆかない。
以上は愚痴ではなく、隻腕になった場合、克服すべき実態である。
これらをこなしている人たちは偉いと思う。
私も、もうしばらく、隻腕生活を余儀なくされるが、こうした経験を工夫や発想の転換で克服しながら、頑張ってゆきたい。
いろいろ不自由しているが、この間、経験したことをレポートしておこう。
ユニバーサルなものの開発やそのデザインの参考になるかもしれない。
【衣類について】
*ボタン
大きめで、ボタンホールもざっくりしているものはいい。
しかし、ワイシャツサイズでホールがきっちりしたものはとてもはめにくい。
*ファスナー
ズボンなどの固定したものはほとんど問題はない。
ジャンバーなどの左右に分かれているものは、最初のかみ合わせをしなければならない。
これがけっこう、難しい。
*ホック
押すだけで済むはずだが、実際にやってみるとけっこう難しい。
はずすときは、布地を引っ張ってということになるが、これが薄手の場合は布そのものを傷つける可能性もある。
*靴下
これが難物で、履き口が緩んだようなものはいいが、まだ新しく、履き口がすぼまっているようなものはたいへんだ。
動物を檻の中に誘導するように、その履き口へつま先を誘うのだが、これが難しい。
親指に引っ掛け、小指まで入ればいいのだが、この段階で慌てると、するり、するりと逃げられてしまう。慎重に事を進めて、つま先全体を入れる。
しかし、ここでしめたと急いで引き上げると、因幡の白兎が最後のワニザメに捕まったように、靴下の場合は逆に、いったん入ったと思ったつま先が、するりと逃げてしまう。
【食について】
食べる方はほとんど問題ない。カツやステーキをフォークとナイフで食べるとか、ラーメンのスープを丼を抱えて豪快に飲む、などということはできないが、前者は予めまな板の上で切っておくとか、後者の場合はれんげで品よく飲めばいいだけだ。
まあ、箸一膳でなんとかなる。
問題は調理の方だ。
下ごしらえで、魚をおろすとか、里芋や馬鈴薯など芋の皮を剥くことができない。
切る段になると、逆に芋類や大根、人参など硬くて抵抗のあるもののほうが切りやすい。
青菜などは、まな板に横たえて、据え物のように包丁を振り下ろして引くのだが、手を添えてのようにはうまくゆかない。
刺し身も、予め切ってあるものは鮮度などイマイチなので、短冊で買ってくるのだが、これがうまくゆかない。
包丁の切れ味にもよるが、だいいち、包丁が研げない。
煮物、揚げ物、味付けなどは、調味料の蓋が開かないなどの不便はあるが、基本的には問題ない。
あとは洗いものである。固定していない器や鍋を洗うのは極めて難しい。たっぷり洗剤をつけるのだが、どうしても表面を撫でるだけで、ゴシゴシというわけにはゆかない。
以上は愚痴ではなく、隻腕になった場合、克服すべき実態である。
これらをこなしている人たちは偉いと思う。
私も、もうしばらく、隻腕生活を余儀なくされるが、こうした経験を工夫や発想の転換で克服しながら、頑張ってゆきたい。