待ちかねていたわが家の同居人(といっても離れ=屋外の火鉢の中だが)がやっと到着した。赤、黒、白、シルバーなど取り混ぜて12尾のメダカたち。
空き家の頃 掃除をして底に小石を敷き詰めた
二重の袋詰めにされ、発泡スチロールの箱に入れられ、暗いままにわけのわからないところを揺れて揺られて、さぞかし不安だったろうと思う。さあ、不安はおしまい。今日からここが君たちの住まいだよ。そして私が大家さんにして君たちのサーヴァント。よろしくね。
入居させる前にしっかり数えておかなかったので、何色が何尾かわからない。ひとたび放つと、ちょこまかちょこまか、おまけにホテイアオイの株の下に潜り込んだりで、とても数えられない。
次回、水替えの折になど、ゆっくり数えて確認しよう。今日のところはひとまず旅装を解いてくつろぎ、この新居に慣れてもらうこととしよう。
さっそく、餌をやった。はじめてのことで分量がわからない。あまりやりすぎないようにと控えたつもりなのだが、なにせあのコンマイ体、やはり多すぎたかな。
そのうちに、餌を待ちかねて、私の手から食べてくれるぐらいに懐くと嬉しいな。
よく見ると一尾、背筋が曲がったのがいて、泳ぎ方もぎこちない。でも心配することはないよ。ここなら他のに互して、のんびり暮らせるよ。
ホラ、その体の特徴で一番最初に私の目に止まったじゃないか。
名前を付けてやろうか。「ノートルダム」なんてやはりその肢体の連想に行きつくから嫌かなぁ。でも、直接「カジモド」と名付けるよりいいだろう。別に差別意識なんてないんだぜ。ユーゴーだってカジモドのことはこころ美しい男(ウ~ン、君は女性かもしれないね)として描いているし。
それに、私がそこへ行ってから半年後に焼け落ちてしまったあのパリの大聖堂の思い出もあるしさ・・・・。
え?なに?疲れてるんだからごちゃごちゃいってないで早くゆっくりさせろって? ア、ゴメンゴメン。
じゃぁ今日はもう母屋へ行くね。ノートルダムも他の連中もゆっくり休みなよ。雨が降ってきたから、ちょっとカバーをしておくね。イヤイヤ、もう真っ暗にはしないから大丈夫。早くここの生活に慣れてね。
じゃぁ、また。