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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

面白うてやがて哀しき玉遊び

2008-11-16 01:01:31 | 写真とおしゃべり
 私の近くに大きな郊外型のパチンコ屋さんがありました。
 この近くをしばしば通るのですが、入ったことはありません。
 もっとも、ここのみならず、もう何十年もパチンコ屋さんへ入ったことはありません。
 あ、正直に言います。トイレを借りに入ったことはあります。

 40年近く前には、時折、今池のパチンコ屋さんに時間つぶしに行きました。
 その頃は、弾をひとつず左手で押し込みながら右手で打つというローテク・パチンコでした。
 あまりというかほとんど負けたことはありませんでした。
 当時はまだタバコを吸っていたのですが、タバコを買ったことはありませんでした。
 それのみか、店の顧客用の買い置きタバコも、それで補っていました。

 
       「パサージュ」の名のごとく栄華は通り過ぎて・・

 秘訣は簡単です。
 私がある台に座って弾き始めると、その店の店員さんが飛んできて、「マスター、その台は今日は出ないからだめ、こっちにしなさい」と別の台を教えてくれるのです。
 言われる通りその台に行くとチンジャラ・チンジャラと出るわけです。
 
 その当時は釘師という人がいて、店の終了後、ひとつひとつの台を点検し、微妙な釘の調整をおこない、出る台と出ない台を構築するわけです。
 優秀な釘師は、経営者の意向を受けて、明日の出玉律は○○%とどんぴしゃり実現することが出来たそうです。
 そういえば、私の店の顧客にもそうした釘師がいて、自分の腕の自慢をよくしていました。
 事実、店員さんたちと飲みに来ても彼は別格で、時には先生と呼ばれていました。

    
     右の塔の上のネオン、人家の屋根越しに花火のように見えた

 で、私が勝ち続けた話に戻るのですが、入る台を教えてくれたのは釘師ではなく幹部クラスの店員さんで、私の店の常連さんであり、私とはとても仲が良かった人です。
 まあ、早い話がインチキで(ゆっくり言ってもインチキですが)、その頃、今池のパチンコ屋で負けていた人には申し訳ないのですが、いずれにしても小遣い程度の範囲に収まる平和なパチンコの時代でした。

 
   ガランとした駐車場、猫が横切っていったがシャッターが間に合わなかった

 その後、ハイテク化と同時にパチンコは急速に賭博性を強め、動く金額も私がやっていた頃と二桁も違うようになりました。
 負け続けながらもやめることが出来ない依存症の人も急増し、女性にも広がりを見せる中で、パチンコ屋の近くの質屋では指輪やネックレスを曲げる(質入れする)女性が目立つようになりました。
 またどのパチンコ屋の近くにも、消費者金融の簡易ポストがあることは周知の通りです。
 私の知り合いの女性にもそうした依存症患者がいて、なけなしの貯金数百万円を全てつぎ込んだ上、毎月の給与も全てつぎ込み、ついにはサラ金地獄で自己破産というおきまりのパターンとなりました。

 では、パチンコ屋さんは儲かっているのかというとそうばかりではないようです。
 冒頭に述べた私の家の近くにあるパチンコ屋さんですが、あまり関心がないので気づかなかったのですが、なんだか最近、様子が変なのです。
 よく見たら、いつの間にか閉店していました。
 一頃は、まあ、こんな時間帯にという時刻にでも駐車場に結構車が入っていたのに、この不況は人々からパチンコで遊ぶ余裕をも奪ったのでしょうね。

 
     これは13日に撮った夕月 丸い玉からの連想  ああ、単純!

 パチンコ屋さんのとなりのお寿司屋さんも閉店していましたが、どっちが先でどう関連があるのかは知りません。いずれにしても、どの商売もなかなか大変なようです。
 
 どうも、博打打ちが支配する金融資本主義が、実質産業の鼻面をもって引き回すような不健全な経済情勢下においてはこうした混乱は避けられないように思います。
 サブプライムがサプライズになったとしても、賭博資本主義下では決して不思議ではないように思うのです。



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2 コメント

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Unknown (N響大好き。)
2008-11-17 23:34:57
昨日はどうも。

いやあ、ご立派なブログをお持ちで!
内容ぎっしりですね!!!
とても、仕事帰りの眠たい目では読み通せません。

明日から、ぼちぼち、探検していきます。

硬派の社会問題に、クラシック音楽に、趣味の話題に、いやはや、感服いたしました。
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Unknown (六文錢)
2008-11-18 01:11:59
> N響大好き。さん
 いらっしゃい。
 このブログは、散漫にして紆余曲折、自己同一を好まず、よくいえば天真爛漫、実のところ支離滅裂がコンセプトです。
 また時折、覗いていただければ幸甚です。

 ところで、「 N響大好き。」さんのハンドル、どこかの会長さんが聞いたら泣いて喜びそうですね(笑)。
 レトリックさえ変えれば、志向そのものを曲げずに語れるはず。パージされないように、貴兄の批判精神が保持されることを望みます。
 
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