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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

映画・コンサート・小説を読みながらのイタリアン

2019-06-06 01:11:15 | よしなしごと
 久々に午後から名古屋へ。映画を観て夕方からコンサート。終わって岐阜へ着いたら10時。
 これから帰宅して夕食は面倒なので駅構内のサイゼリアへ。250ml の赤ワインのデキャンターと、キャベツのアンチョビ炒め、たらこスパを注文。


 多和田葉子の小説を読みながらの夕餉。会計は798円。懐の寂しいときにはありがたい。
 ちなみに、映画は『誰もがそれを知っている』。アスガー・ファルハディが監督と脚本を担当した誘拐事件ものだが、単なるサスペンスに終わらせず、家族や血縁に絡ませたところに深みが加わる。


 コンサートは3丁のチェロとピアノを加えた珍しい編成のもの。チェロは、L・カンタ、花咲薫、野村友紀(&pf 加藤麻里)。
 ほかの編成をチェロ用に編曲したものより、もともとチェロの奏者であったD・ポッパー(1843=1931)、J・クレンゲル(1859=1933)がチェロのために書いた曲のほうが断然よかった。


 多和田葉子の小説は『地球にちりばめられて』。全体的には彼女の問題領域、言語に関するものだが、個別的にはそれを駆使した言葉遊び、言葉の音(シニフィアン)が横滑りして多言語と混濁するような表現が随所にあって面白い。
 またいつともしれぬ近未来のSF的設定も面白い。ここではもう、日本国という国家は消滅し、その言語はまさに「地球にちりばめられて」散在しているに過ぎない。
 いろいろ、横断的に散策した一日であった。 

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