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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

書籍流通の謎と韓国の抵抗詩人

2016-01-19 01:39:52 | よしなしごと
 一つの謎が解決しそうに思った。
 それで、それを決定づけるための書を一冊読んだ。
 しかしそれは、また新たな謎を生むものであった。
 したがってそれを埋め合わせるためにまた書を入手して読んでいる。

           
             私が追いかけている謎の人物
 
 その謎についてはやがて文章にするつもりだが、ここに書こうとするのはそれについてではない。
 そのために入手した最後の一冊の本についてだ。

 町の本屋さんを贔屓にしたいのだが、まず、絶対に置いていない本や急ぎのものはやはり、AMAZONに依拠してしまう。今回もそうだった。

 必要としたのは韓国の抵抗詩人、金洙暎の全詩集だったが、参照したいのはそのうちの1、2篇だったので、新本は諦めて中古のなかから程度の良さそうなものを選ぶこととした。送料ともで970円ほどだった。

 来てみて驚いた。未確認だったのだが、500ページ近い大著だったことがひとつだ。
 もう一つ驚いたのは、全くの新本だったことだ。
 人がページを開いた形跡なないし、愛読者カードのハガキから、「スリップ」とか「短冊(たんざく)」と呼ばれる「補充注文カード」もそのまま入っている。

 もう一度、AMAZONのその箇所を見てみた。
 新本は4,700円プラス税で、5,076円とある。それにさらに送料がかかる。 
 私の場合は送料込みで970円だった。
 なお、この書は2009年末の発刊だからそんなに古いものではない。

           

 なぜこんなことが起きるのだろう。
 書籍とは馴染みがある割に、その流通には暗いが、出版社から取次があり、そこから一般書店へという経路があることぐらいは知っている。
 そのうちのどこがどうなって新本が五分の一以下の価格で流通するのだろう。全くの謎だ。

 せっかく金洙暎の詩集の話がでたのでそのうちからの引用を。

 
「青空を」(若干改行の変更あり)

 青空を制圧するヒバリが自由だと
 羨んだ詩人の言葉は修正されなければばならない

 自由のために 
 飛翔してみたことがある人ならわかるだろう
 ヒバリが何を見て歌うのか
 なぜ自由には血の臭いが混じっているのかを
 革命はなぜ孤独なのかを

 革命は
 なぜ孤独でなければならないかを

 (1960年6月15日 奇しくも樺美智子さんがなくなった日の詩だ)


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