■NHK/BSで是枝裕和監督の『そして父になる』を観る。2013年秋の公開時、劇場スクリーンで見ているので2度目である。
■初見時、タイトルも適切でいい映画だと思った。それが再見の理由だが、この映画が逡巡するところで私にはかすかな違和感がつきまとうのだった。
■それは、私が養子であり、父母との血縁関係をもともともっていないからかもしれないと思っていた。
■ある種の動物たちは血縁に支配され、自分の血縁を守るために血筋の違う子を殺すこともある。
■そうした野蛮から開放されたのが人間社会なのだと漠然と理解していた。血縁なんかどうでもいいのだと。
■しかし、よく考えてみたら、私自身、万世一系の血筋をもって国の元首とする日本国の臣民なのだった。嗚呼。