午前10時には入院手続きを終えることが案内されていました。それを守る為所要の時間を推定して家を出ましたが予想通り、車が混雑する場面を避けることは出来ませんでした。その時点でもまだ、案内の時刻には間に合う計算は成り立っていましたが気持ちには少しの不安は生まれざるを得ませんでした。手術当日はシャワーを浴びてくること、の記載も書類にありましたのでその通り従いましたが、実際には病院側からはそれに関する質問はありませんでした。以前は病院で入浴することがありましたので今回もそれが“あり”かな、と想像しましたが、思い過ごしでした。朝食は絶食が求められていました。受付を済ませた後「多目的室」へ。専用の衣類に着替え血圧測定など幾つかのことを済ませ主治医による説明の機会を待ちました。「手術に伴うリスクよりメリットの方が大きい」ことが告げられました。日常生活上、私の症状は切羽詰まったものではない事は私も感じていましたが、主治医の発言からもそれが感じ取れました。悪い状態が進んでいたことは事実ですが、何かの異常が何かの原因で身体に現れたとき、それが全て今回手術対象の病とは無関係であっても心臓が原因だ、と解釈してしまうことからも逃れたかったのです(加齢はその事を促進しますので)。医師からは幾つかの問題点が各項目毎に説明されましたが、極めて稀に副作用として脳梗塞を引き起こすことも告げられました。確率としてはゼロに近くとも発生することの事実は存在しますのでそれが私に起こらない保証はありません。事実、過去、別の疾病で、殆ど発生しない副作用がジェネリック薬品で私に起こったこともありまた、別の病に襲われたこともあります。説明後は私の署名・捺印。時間が来て車いすで手術室へ。看護師さんがイスを押してくださいましたが、左手には点滴しながら右手首の穿刺部分には麻酔用の貼り薬がありました。手術室に入ると同看護師さんが私の様子をみて「落ち着いておられますね」と声かけられましたので今回が3回目であることを告げました。起床後直ぐの血圧測定では正常だったものが病院では高めになっていましたが、手術室ではどうだったでしょうか。(余談ですが、1回目の手術の前、心臓の状態を確認するための検査を受けましたがそれが「カテーテル」というものでした。実は、私がまだ勤めをしていたとき、幼子3人を持っておられた職場の女性がそれにより亡くなられていたのです。そのことが私の頭に残り続けていましたので検査時に私の血圧は異常な高さとなり下がりませんでした。時間をおいても下がり方は僅かでした。そういう中で検査を受けたのです)。手術中は左手には点滴の他、5分毎に自動的に測定される血圧計のカフが巻かれていました。治療に当たられる人達のいろんな言葉のやりとりも聞こえてきました。しかし、私が分かったのは「ニトロ」という言葉くらいでした。何度も出てきましたが都度、都度それが使用されたのでしょう。前2回の手術時は管を血管に挿入して行かれる感触が何となくありましたが、今回は全く、といってよいほどありませんでした。翌日は朝から主治医により結果の説明を戴きました。示された画像でハッキリと治療されていることが確認出来ました。退院時に戴いた書類を見てその使用された薬剤等の種類の多さにビックリしています。病院では主治医の方は勿論、関係者全員が極めて親切、部屋の掃除をされる方々までそうでした。所謂、職員教育が徹底しているのだと思っています。