飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

待っていたら子どもたちはできるようになるよ

2023年08月11日 06時46分54秒 | 学級経営
「何でもあれこれ口を出したら指示待ち人間になるよ」
「子どもを信じて、任せなければ自主性が育たないよ」
「待っていたら子どもたちはできるようになるよ」
「問題が起きたときには子どもたちに話し合わせることが大事だよ」
この言葉は、若かった頃先輩教師からよく聞いた言葉だ。
この言葉は正しいのだろうか。
「そうですね。ありがとうございます。」
と言いながら、心の中でも何か違和感を感じていた。

正確に言うと、ある一面においては正しいが、全面的に正しいとは思わない。
教師になった頃から、子どもたちの自主性というものは放任しておいて育つことはありえないと考えていた。
学級内に問題が起きたとき、とくに人の心を傷つけるような問題、を子どもたちに話し合いだけをさせて解決することはありえない。

子どもたちに任せる前には、指導があり、子どもたちの心を育てるという段階がある。
4月当初は、学級の中の渦の中心にいるのは間違いなく担任でなければならない。
担任は、当初は学級の統率者であるという強い自覚が必要だ。
決して、スタート時点から担任が支援者であるという甘い考えは許されない。

自律的自主的にと言うのは、ある一面をとらえるならば時間管理ができているかということだ。
一人ひとりが時間管理ができていないのに、自主性に任せるというのは美辞麗句に過ぎない。
特に経験の浅い先生は、このことを誤りやすい。
子どもたちの自主性が育っているかどうかをみるなら時間管理がどのくらいできているかを見ればわかる。

学級の学習の場面で考えてみる。
教師が言う。
「5分以内にこの問題をやります。
 できた子は、説明の仕方を考えます。」
子どもたちが
「わかりました。」
と返事をして活動を始める。
4分くらい経つと、ほとんどの子が終わり、教師の方をみてよい姿勢で待つ。
その様子を感じ取った子どもたちも真似をして、きちんと姿勢を正して待つ。
この様子は、時間管理の意識が育っている学級の姿だ。
通常であれば、時間を気にせず、問題の取り組む。
これはこれで集中しているという点では素晴らしいが。
時間を意識していないと教師の「時間ですよ」という言葉で、終了時刻がきたことに気が付き、そこから話を聞かせる姿勢にするまでにまた2分かかる。
これは全体に迷惑がかかるということ。
自分で時間を意識している子は、時計を自分で見て、終了時間だと思えば、準備して待つ。
そうすることにより、5分後にすぐに教師の話が始められるのである。
他の人に迷惑をかけないということにもなる。

このような状態は放任すれば育つか。
それはノーだろう。
教師が日々の生活の中で、指導し、繰り返し修正する中でできるようになることだ。
悪い行いは注意し、善い行いは積極的にほめる、そういう小さな営みの中で育まれていくものだ。
だから、この段階なくして、「待っていたら子供ができるようになるよ」なんてことはあり得ない。

自分の場合、イメージ的には、1月くらいからは全面的に子どもたちに任せることが多くなる。
待つ技を使うのはこの時期からだ。
子どもたちに聞いてみる。
「もし、1週間、先生が急に学校をお休みしても君たちだけで学級を運営していけますか?
 かわりの先生は、誰もきませんよ。」
子どもたちは自信満々に言う。
「大丈夫です。自分たちだけでやれます。」
その根拠のない自信はどこから来ているのかと少し心配にもなる。

子どもたちはおそらく、一日の流れは当番が指示し、作っていく。
授業に関しては、自力で学習を進められるようなシステムになっているので、学習部が指示をだして討論をするだろう。
もちろん、細かい問題は起こる。
また、体調が悪くなったりすることもあるだろう。
小さなトラブルなら、第三者の友だちの立会いで互いの立場を尊重して、譲り合って解決する。
どうしても納得いかないことは一旦保留にして、担任が戻ってきた時点で再度、話し合う。
緊急性を伴う案件については学年主任の先生に指示を仰ぐ。
体調がすぐれず保健室に行った子は、学年主任の先生に報告して、連絡帳に書いてもらう。
帰りの支度ができたら、学年主任の先生に報告して許可をもらってから、誰も残らず下校する。
宿題に関しては事前に担任の欠席がわかっていれば提出はしない。
補欠の先生に迷惑をかけるからだ。
後日まとめて、担任に提出する。
まだまだ細かいシステムはあるが、これらのことは学級全員の共通事項として自覚している。
だから、何をどうするかが明確になり、それが学級のシステムとして機能して初めて、自由で自主的な学級は生まれる。
「大丈夫です。
 自分たちだけでできます。」
の言葉は、こういった細かいシステム構築を自覚していることが要因かもしれない。

未熟な教師である自分では、そこまで到達するにはいつも8ヶ月以上の時間を必要としていた。

saitani







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想像力の大切さ

2023年08月10日 07時52分18秒 | 学級経営
学級内のトラブルの原因はただひとつ、子どもたち一人ひとりの想像力の欠如である。
人間関係のトラブル、喧嘩、いじめ(自分は犯罪と言うが)等すべて想像力の欠如が原因だ。
自分の行動について、こうすれば誰かが傷つく、こう言ったら誰かが悲しむ、自分が何もしなかったら学級は間違った方向にいく、こういった想像力のなさが悲しい現実を生み出す。
思いやりの心を子どもたちに育てたいのなら、想像力を育てることだ。
自分は子供たいにいつもいう。
思いやり=想像力+行動力
どんなに優しい心をもっていても、行動に移さなければ相手には伝わらない。
思いやりの心をもっていることは美しいことではあるが、なんの役にもたたない。

身近な例で考えてみる。
「時間を守る」
このことにはどんな意味があるのだろうか。
ここで想像力を働かせる。

「時間を守れる人はどんな人ですか。」と子どもたちに問う。
自分は答えを言う前に子どもたちに問うことを多くしていたと最近感じる。
自分なりの答えを最終的には伝えるが、その前に子どもたちに考えさせるのである。
それも人間の心に関することなら、とことん。
今授業をつぶして、そんなことをしたら、ことの是非はともかくとしてクレームがくるだろう。
「これは授業よりも大切なことです」
教師なら一度は言ったことがあるセリフだ。
自分も何度も言った覚えがある。
そして、何時間にも及ぶ子どもたちの話し合いがあった。
そんな中で、真の学級経営の基盤が育まれ、子どもたちの価値観も多様になり、心の柔軟性も育っていったと思う。
今の学校をみているとそんな気の利かない、でも、大切な教育が失われている。

時間を守れる人は、約束を守る人です。
時間を守れる人は、信頼できる人です。
時間を守れる人は、自分のことより、友だちのことをう優先できる人です。

様々な意見が子どもたちから出る。
そこで子どもたちに問う。
「時間を守るということ8時10分までに朝学の準備、次の授業の準備ができていなけばなりません。
 時間を守るというのはスローガンです。
 行動ではありません。
 大事なのは自分の思いやスローガンを行動に移せるかどうかです。」

遅くても8時には登校する。
8時5分までにはランドセルが片付いている。
8時7分までには、宿題の提出がすんでいる。
8時8分までには、朝学や読書の準備ができている。
8時9分までには、朝学や読書を本気でする心の準備ができて席についている。

このような準備ができているでしょうか。
チャイムで切り替えるのではありません。
少なくとも1分前には、気持ちの切り替えができているということが先を読むということです。
先を読むには想像力が必要です。

この時点で一日のすべては決まっていると言ってもいいでしょう。
スポーツの世界でも、最初のスタートは大切です。
スタートダッシュという言葉がありますが、最初にアドバンテージをとるということはそのあとのレースを有利に展開できるということです。
場合によってはそのまま一位でゴールするということも珍しくありません。

想像力を働かせて、先をよむことは人間関係にも影響してきます。
先を読める人は友だちを待たせるようなことはありません。
先を読める人は、友だちが困っていることにも気づくことができます。
だから、先を読める人は友だちを助けることができ、信頼されるようになります。

少し努力すればみんなにもできます。
人間は心によって変わるのではなく、行動によって変わるのです。
はじめの1分の差。
これが一日を決定します。

こんな語りも今の時期に必要なことだ。
基本的ことは繰り返して指導する必要がある。
全員ができるようになるまで。

saitani



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心に響く言葉

2023年08月09日 18時22分39秒 | 人生論
急がないこと 焦らないこと

急げば急ぐほど
ちっとも前に進まず

焦れば焦るほど
ますます時間を失い

心の余裕がなくなるほど
急ブレーキを踏まなければならなくなる

でも、ゆっくり歩けば
いろんなものが見えてきて

いろんな音が聞こえてきて
いろんな人の出会いがある

肩の力を抜いて
ゆっくり歩けば遠くまで行ける



63歳でも半年で別人になれる習慣

①15分の昼寝(3時間分の体力回復になる)
②20分の入浴(シャワーだけでは疲れが取れない)
③30分の散歩(朝、日光を浴びなさい)
④起きたら白湯を飲む(活動モードに切り替わる)
⑤12時間何も食べない日をつくる(デトックス)
⑥毎朝、鏡に映った自分を褒める(幸運体質になる)
⑦寝る間に理想をイメージして寝る(願いが叶う)
⑧感謝を伝える(人間関係がガラッと変わる)



何度も振り返りたい大富豪8つの教え

①100学ぶより1の行動
②誰でも最初は、初心者
③困った時は人に頼って良い
④やる気に頼らず環境を変えろ
⑤迷ったら成長できる方を選べ
⑥やらない後悔より、やった失敗
⑦自信とは自分との約束を守った数
⑧皆がやりたがらない事こそチャンス


優秀な人が絶対にしない事7選

①職場の仲良しごっこ
②謝らずに言い訳をする
③後輩のせいにする
④全部一人でやろうとする
⑤納得できない指示に従う
⑥行きたくない飲み会の参加
⑦他人を下げて、自分を上げる


もしも、今日、苦しくなったり
落ち込んだり、くじけそうになったら

心の中で「だからこそ」を唱えてみて

お金がない、だからこそ
時間がない、だからこそ
経験がない、だからこそ
実績がない、だからこそ
根拠がない、だからこそ

この投稿を目にした人は
絶対に大丈夫だから

心のおまじない「だからこそ」を
大切にしてみてください

saitani




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成長のきっかけ

2023年08月08日 18時15分42秒 | 学級経営
子供を叱る時に何を意識させているだろうか。
注意、報告、謝罪等。
いろんなことを意識させながら叱る。
そして、最後に忘れてならないのは、叱られてよかった。
感謝の気持ちを相手に対してもてるかどうか。
このことが現代では重要になってくる。

学校で指導しても、家に帰って証言を翻して、自分は悪くないと言ったり、先生から強要されてしかなく認めたと言ったり、そんなことは現在ではあたり前にある。
これは、叱られた当事者に感謝の気持ちが欠けているからだ。
叱られることが成長の種であることを理解していない。
まったく誰かに叱られずに生活できる人はいないし、自己否定のない人は成長もない。

小学校に入学する前に、子どもたちは例外なく親や家庭の人から、叱られ、何かを強制されてルールや規範意識を身に付けてきた。
入学してからも様々な指導を受ける。
人は誰しも成長したいと考えている。
ある意味、本能みたいなものだ。
国語の時間、漢字練習のときに、書いた漢字を教師が点検する。
合っていれば◯だが、間違っていれば当然やり直しとなる。
◯をつけてもらった子は、「ありがとうございます」というだろう。
しかし、「やりなおし」と言われた子が「ありがとうございます」と言うだろうか。
ごく稀にはあるが、ほとんど聞いたことがない。
先生方の教室では、どうだろうか。

自分が間違えて、そこを指摘くれた人間に「ありがとう」と言える人、この人は間違いなく成長する。
成長したいという気持ちにあふれている。

あえて、教室で言う。
「今、◯◯さんは、間違っています。やり直しです。と言われた時になんて言ったと思いますか。
 ありがとうございます、です。」
これはなかなか言える言葉ではない。
正解してマルをもらって、ありがとうございますは言えます。
でも、間違えても、ありがとうございますと言える。
このことは心が強い人ができることです。
なぜなら、教えてもらってありがとうございますという気持ちがあふれているからです。
おかげで成長できますという感謝の気持ちが現れているからです。
間違えるのはあたりまえのことです。
間違いを乗り越えるから成長するのです。

間違ったり、叱られてショックを受けたり、責任転嫁するのではなく、成長のきっかけをもらえたという気持ちをもてれば、「ありがとうございます」という言葉がでてきます。
その気持をもてることはすごいことです。

このような布石を学級経営では打ち続ける。

saitani

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台上前転のテクニカルポイント

2023年08月07日 08時30分35秒 | 体育科
1 技の動きと3ポイント
①勢いよく走る。
・スピードのある助走から勢いをとめずに踏み切る。

②跳び箱の手前に手をつく。
・跳び箱の手前を横向きに持つ(ハの字)、そして、手と手の間に頭を入れ込むようにする。
・頭を入れ込んだら、後頭部を跳び箱につけるようにする。(前転時と同じ)

③頭の後ろをつけて回転し、静かに着地する。

2 できるようになるための5ステップ
①マット3枚(縦置き)で前転。(マット3枚)
・助走をつけて、床をけってマットの上で前転をする。

②跳び箱の上で前転(中3・中3【転落したときのためにマットを横向きにかぶせる】・マット2枚)
・跳び箱上でしゃがみ、マットをかぶせた跳び箱の上で前転をして着地する。

③1段→3段で台上前転(小1・中3・マット2枚)
・1段の跳び箱から、3段の跳び箱に向かって前転する。
・ゆっくりまわり、着地を意識させる。

④2段→3段で台上前転(小2・中3・マット2枚)

⑤補助台上前転(ロイター板・中4・マット2枚・両サイドに1枚ずつ)
・補助付きで台上前転をする。
・落下に気をつける。

★よくある失敗とアドバイス
①横におちてしまう。
・頭頂部をつけると落下する。
・後頭部をつけるようにする。
・できない場合は前転から。

②おしりがあがらない。
・跳び箱に手をついた上体で、ロイター板で強く踏み切りさせる。

③回転中に落下する。
・跳び箱の手前を横向きに手でもっていないことが多い。
・つき手の形や位置を確認する。
・落下の安全のために両サイドにマットを設置。

★場の工夫
①跳び箱がこわい場合
・跳び箱にマットをかぶせてしまう。

②着地でおしりをつけてしまったり、背中を打つ子の場合
・跳び箱をふたつつなげてとんでみて、修正をする。

★発展技
◯伸膝台上前転
①勢いよく走る
②手間に手をつく
③膝を伸ばしたまま回転する。
・ロイター板をけったあと、膝を伸ばしたまま回転する。
・ゆっくりと体感させる。
・この運動は高学年の首はねとびにつながる動きとなる。
・前段階の5ステップを伸膝で練習させる。

saitani

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かかえこみとびのテクニカルポイント

2023年08月06日 08時04分00秒 | 体育科
かかえこみ跳びの技の動きと3ポイント。
①踏切の直前、手は下から前へ振り上げる。
②膝は胸につけるように折り曲げる。
③体を起こして着地する。

・手のつきはなしに合わせてすばやく膝を抱え込むことで上体を起こす。
・感覚づくりの運動「うさぎとび」を十分にさせる。
・跳び箱は横向き。

できるようになるための5ステップ
①マット3枚でうさぎとび(重ねたマット3枚・横向き・着地マット1枚)
・マットに手をつき、跳び越える。
・跳び箱にみたたて跳び越える。

②跳び箱上でうさぎとび(マット2枚・中3)
・手をついて跳び箱の上にのる。
・跳び乗ったらすぐにジャンプしておりる。

③1段→3段でかかえ込みとび(中1・小3【横】・マット2枚)
・1段の跳び箱の上にのり、3段に向かってかかえこみ跳びをする。

④2段→3段でかかえこみとび(中2・小3【横】・マット2枚)
・2段の跳び箱の上にのり、3段に向かってかかえこみ跳びをする。

⑤補助かかえこみとび(ロイター板・中3・マット2枚)
・補助付きで跳ぶ。
・顔から転倒するおそれがあるので着地まで肩を支える。

★よくある失敗とアドバイス
①足がひっかかりそうでこわい
・手をつく時間を短くする。
・膝をすばやく胸へとひきつける。
・突き放しの感覚をおぼえるために壁にむかってジャンプして、壁をおして元の位置より後ろに着地する。

②跳び箱に正座でのってしまう
・ロイター板の位置を少し近い。
・足2個分くらい距離をあける。

③間に転倒してしまう
・体が前に倒れすぎている。
・手をついたあとは視線をあげて、顔を前に向ける。

④足がぬけないときには…
・床のライン、マットのラインをつかって、ラインに手をついて、そのラインより前に足がつくようにする。

⑤転倒を怖がる子に対して…
・マットの上に1段の跳び箱をおいて、それでかかえこみとびをする。

saitani


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開脚跳びのテクニカルポイント

2023年08月05日 16時36分19秒 | 体育科
授業の骨格は三つ。
①発問・指示②テクニカルポイント③場作りである。
この中のテクニカルポイントを教師だけでなく、子供も知らないと技はできるようにならない。
また、子供もなぜ知らなければならないかと言うと、グループの教え合いや交流時に、何が良くて、何が悪いかを知らなければ互いに見合っても、何ら意味のない交流になってしまうからだ。
ICTの活用が行われて、タブレットも体育科において頻繁に使用されるようになったが、ただ動画をみて、自分の演技を分析したり、互いに批評しあってもどうすればよいかがわかっていない状態で教えることはできない。
そういう授業をよく目にする。

では開脚跳びにおけるポイントは何かと言えば、手を支点とした肩の重心移動ができれば跳ぶことができる。
この原理をどうやって子どもたち体感させるかがスモールステップによる段階的指導ということになる。
この腕を支点とした重心移動を体感させる方法は2つある。
一つは、跳び箱に端に腰掛けさせて、両手で自分の体重を支えるようにして、体を浮かせ、マットに着地する。
この動作を繰り返して、体重を腕で支える感覚と肩を前に出すという動作を身に着けさせる。
この練習で多くの子供達は跳べるようになる。
もう一つのステップは実際に跳ばせてみて、補助して、補助者の腕にかかる体重の感覚の重さで判断することをするが、最近は子供の体に触れた補助は簡単にできないので、注意が必要だ。
その対策として、他のさらにステップを用意する。

ここで一旦整理する。
開脚跳びの技の動きと3ポイント。
①助走は2〜3歩でゆっくりと。
②手は跳び箱の奥につく。
③手より前へ肩を出す。
※この前段階として、馬跳び・タイヤ跳びなどで跳び越す感覚に習熟しておく。

次に、できるようになるための5ステップ。
①とびのり・とびおり(ロイター板・中3段・マット2枚) 
勢いをつけて跳び箱に跳び乗る。手は下から上へとふりあげて。両足で跳び箱の上にのったら、一回両足ジャンプをして、跳び箱の端までいき、高くジャンプしてマットに着地する。※勢いよくとびだすと前に倒れる可能性があるので、こういった動きの時には「着地は一歩で決めます」と指示すれば、適度な力加減で跳ぶようになる。

②またぎこし(ロイター板・中3+中3・マット2枚)
跳び箱にまたがって、前へ進む。できるだけ少ない回数で降りる。

③1段→3段で開脚跳び(中1・小3・マット2枚)
手前にある1段の跳び箱に両足で跳び乗る。そして、少し高い位置から開脚跳びを行う。

④1段→4段で開脚跳び(中1・小4・マット2枚)
少し高い跳び箱で③と同じ練習をする。

⑤補助開脚跳び(ロイター板・中3・マット2枚)
3ポイントを意識して、跳び箱を横にして練習する。
必要なら補助をするが配慮が必要。
補助者は着地まで肩を離さない。
前方に転倒する危険があるため。

※練習用にステップ⑥として、ロイター板・中4・マット2枚を用意する。

★よくある失敗とアドバイス
①立ち止まってしまう
ステップ①を繰り返す。
運動能力の調整力不足で、踏切前のケンパができない子もいる。
その場合は、手をとって一緒に走ってあげることも時には必要。
前段階の運動の中のケンパの動きを多めにやらせる。

②手をついて体を止めてしまう
跳び箱にまたがって、跳び箱に書かれている数字を覗き込んでから跳ぶように指示。
跳び時には視線は前へ。

③前のめりに着地する子
走りすぎです。
ゆっくり、2〜3歩の助走で跳んでみよう。

★開脚跳びの発展技
開脚跳びが跳べるようになると「もっと高い跳び箱が跳びたい」と子どもたちは言う。
教師の中にも、6段以上を跳ばせる人がいるが危険度が高い。
しかし、高さではなく、同じ高さでより大きな動きができるように促す。
着地を決めさせることも意識させる。

開脚伸身跳び
3ポイント
①足を閉じたまま高くあげる。
②手をついてから足を開く。
③体を起こして着地。

5ステップ
①開脚手たたき 着地の前に手をたたく。
②赤玉を置いて、開脚跳び 跳び箱の手前に玉入れの玉を置いて、それに触れないように跳ぶ。
③調整箱を一つ置いて開脚跳び
④調整箱を一つ置いて、赤玉を置いて開脚跳び
⑤調整箱を二つ置いて、赤玉を置いて開脚跳び

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跳び箱運動の感覚づくり

2023年08月04日 07時40分52秒 | 体育科
どんな運動にも基本となる感覚がある。
何か目標とする技ができる子というのは無意識のうちに生活の中でこの基本となる運動感覚を身に着けているからだ。
まず、何かをできるようにさせるには闇雲に練習をさせてもできるようにはならない。
まず、基本となる運動感覚を育てて、スモールステップで小さな成功体験を積み重ねていくことが大事な道筋となる。

跳び箱運動に必要に運動感覚づくりを育てる動きとは何か。
毎時間、授業の前半部分でテンポよく、楽しみながら取り組ませる。

1 感覚を身につける運動
※男女別に二人組みを作る。
①かえるの足打ち
・足じゃんけんをして、負けた人はかえるの足打ちを5回する。
②手押し車
・足じゃんけんをして、負けた人は手押し車で1歩進む。
③馬跳びじゃんけん
・足じゃんけんをして負けた人が馬になる。勝った人は馬跳び5回。終わったらもう一度足じゃんけん。
④ブリッジくぐり
・足じゃんけんをして、負けた人はブリッジ。勝った人はその下をくぐる。
⑤背支持倒立じゃんけん
・友達同士頭同士を向けあって、足じゃんけん、何度もチャレンジしてみる。

2 移動する遊び
※バスケットボールコートの外側に子どもたちを立たせる。
 リズム太鼓の音に合わせて、移動させる。
 「トトン」と2回鳴ったら、その場に立ち止まる。
①歩く
②走る
③スキップ
④ギャロップ いつも同じ足が前
⑤反対ギャロップ 反対の足を前に出して。

3 動物あそび
※バスケットボールコートに沿って並ばせる。
①アザラシ 腕を立てて、足を伸ばして進む。
②イヌ   四つん這いで、手と足を動かす。
③サソリ  手と足をついて、天井もみて進む。
④足開きウサギ 手を下から上にふりあげて、できるだけ遠く手をにつく。
⑤足とじウサギ 手を下から上にふりあげて、できだけ遠くに手をつく。

4 ふみきり遊び
※ふみきりの練習。リズム太鼓の「トン、トン、ドン」の音に合わせて、ケンケンパーをします。
①ケンケングー ケンケンパーができたら、今度はケンケングー。ケンケンの後に足を閉じます。
②足を入れ替えてケンケングー 今度は足を入れ替えて
③ケンケンジャンプ ケンケングーで両足をついたときにジャンプします。手は下から上へ振り上げるようにして大きく跳びます。
④とびのり。とびおり 自分に合う跳び箱で、とびのり・とびおりをします。空中でいろいろな動きをしてみましょう。
 パー・ひねり・手たたき・手足たたき・体反らせ・ボール・キック

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体育科授業の基本的な流れ 跳び箱編

2023年08月03日 06時31分17秒 | 体育科
各教科で大まかな流れな決まっている。
この方が学級は安定するし、子どもたちも先の流れがわかって活動しやすい。
とくに体育科の場合はパターンを決めていることが多い。
跳び箱編。

1 用意
①体育の授業を始める前に場作りに関して教室で指示しておく。
・4人班を作っておく。生活班でもよい。その中を2人ペアにして、跳び箱が得意なペアと比較的苦手なペアを作る。
・グループごとに協力して用意する。設置する場所や段数、マットの枚数は図に示して説明する。
・1班は、3段の跳び箱とロイター板、マット2枚を。2班は、4段の跳び箱とロイター板、マット2枚。……というように。
・マットは基本的に4人で持つ。二人で持つ場合は、対角線で角と角をもつ。
・常に教師が全体を見渡せる配置にする。体育館の中心に向かって、向かい合わせに、3セットくらいを設置。
・教師は全体に指示を出す。
・準備が整い次第、集合の号令をかける。
・始まりの挨拶をする。
◯教師はこのとき、子供の服装(上着は短パンの中に入っているか)・髪型(髪の毛が長い子は一つに縛っているか)が整っているかを確認する。自分の場合は、器械体操系の場合、色帽子は、とらせる。

2 準備体操
①通常の準備体操を行う。
②ストレッチを行う。
・前倒し
・開脚前倒し
・ちょうちょ倒し
・ねこ
・手首のばし

3 感覚づくりの運動
・5〜10分程度感覚づくりの運動を行う。
・感覚を身につける運動
・移動する遊び
・動物あそび
・ふみきり遊び

4 一斉指導
★中学年・高学年 全8時間の場合
第1限 オリエンテーション
第2限 開脚跳び系
第3限 かかえこみ跳び系
第4限 かかえこみ跳び系
第5限 台上前転系
第6限 台上前転系
第7限 自由練習
第8限 評価

①場作り
・コの字型に配置して、壁側からスタートさせる。
・安全確認の動作 (1)手をあげて「とびます」の合図(2)着地(3)ポーズ(4)マットを整える(5)手をあげて「OK」の合図
・安全のために
 ◇跳び箱運動には「切り返し系」と「回転系」がある・
 ◇「切り返し系」…開脚跳び・かかえこみ跳び 「回転系」…台上前転・首はね跳び
 ◇「切り返し系」では、助走を速くすると頭から落ちる。なぜなら、跳び箱を突き放す力よりも、体が前のめりになる力の方が強くなると切り返し、体を起こすことができなくなるから。
 ◇壁から助走させるのは、距離を必然的に短く調整するため。
5 選択練習

6 全体確認
・練習の間で2〜3回程度、集合の号令をかけて、テクニカルポイントについて確認する。
 ◇上手な子の見本をみせる。
 ◇悪いポイントを教師がみせる。
 ◇2つを比べさせる。
 ◇2つのやり方を試させる。
・テクニカルポイントを確認したあと、練習を再開させる。

7 振り返り(活動が多い場合は省略)
・今日の学びをグループで振り返る。
・全体で、技に関する感想を発表する。
・教師の評価、アドバイスをする。

8 片付け
・出した順番とは逆の順番で片付ける。
・早く片付けが終わったグループは窓閉め。
・ストップウオッチで時間を計る。1番ジェット機 2番自動車 3番自転車。
・全員集合して、終わりの挨拶をする。



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授業への取り組み態度

2023年08月02日 09時38分41秒 | 授業論
同じように勉強してどうして結果に差がでるのか。
能力の差が原因なのだろうか。
全面的には否定できないが、やはり、授業への取り組む態度が一番の要因だと思う。
とくに小学校段階では、まじめにコツコツ努力をする子が結果をだすことは経験上わかる。
では、どのような授業態度が結果に結びつくのか、具体で子供たちに伝える必要がある。
この時期に次のような項目で自己評価させる。

1 自分ができる、わかると思い込んでいる。
2 先生の話や友だちの発表を良い姿勢で聞いて学習している。
3 先生に言われたことにすぐに反応している。
 (ノートを開きなさいなどの簡単な指示を言われて3秒以内に反応しているか)
4 1時間に1回は発表しようとしている。
5 わからない問題でも「わからない」と思うのではなく、「多分こうだろう」と間違えてもいいから答えの予想をとにかく出している。
6 友だちや先生の話をうなずいて真剣に聞いている。
7 良い意見をまねしたり、人に教えてもらうことは悪いことだと思っていない。
8 「質より量」をいしきして、たくさんの意見、考えを出すようにしている。
9 全員発表のときになるべく同じ意見を言わないようにしている。
10 つけたしや質問を1時間に1回はしようと心に決めている。
11 間違っても全然いいと本気で思っている。
12 大きな声で音読、発表、相談をしている。
13 先生や友だちが言ったことに対して、返事ができている。
14 1分の時間を大切にして、自分のできるかぎりのスピードで学習している。

saitani

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