飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

発問の種類

2021年03月21日 09時03分33秒 | 授業論
授業の骨格は、発問・指示・説明である。
とくに発問は、教材研究で一番労力を費やす部分でもある。
この発問のカテゴリーを知っているだけでも、頭の中の構造がスッキリする。

1 拡散的発問 できるだけたくさん書きなさい 
2 集約的発問 もっとも大切なものはどれ 一つ選びなさい
3 知覚語で問え どこを見ている 何が聞こえている 
4 選択させる発問 どれが正しい どちらか
5 発見させる発問 目についたもの 気がついたこと
6 過程を問う発問 どのようにやったのか
7 価値を問う発問 一番公平な方法は 人が幸せになる生き方は
8 体験と比較する発問 自分の経験と比較すると

特性のある子への出会いの対応

2021年03月21日 08時29分17秒 | 教育論
4月には新学年がスタートする。
対応が難しく、大変な子も必ず学級の中にいる。
その子への対応の基本的なこと。

1 出会いで心をつかむ
始業式の日に、全員の名前が顔と一致していることは、何よりのアドバンテージになる。
家に帰っても子どもたちは必ず保護者に報告する。
このことは子供だけでなく保護者からの信頼も増す。
個々の子供の興味関心事をリサーチして、話題を合わせることも大切。
決して指導からはいらず、共感する。

2 ちょっとしたことを褒める
教師は当たり前にやっていることを褒めない。
時間通りにすわっている。
指示によりすばやく反応できる。
おしゃべりをしないで話を聞く。
当たり前を褒める感覚で過ごすことも重要である。

3 変化を見逃さずに褒める
個々の変容は日々様々である。
ほんの僅かな成長にもその子の莫大な努力が隠されていることもある。
その変化を担任は見逃さない繊細が不可欠である。
教師は悪人ではないが、鈍感な人が多い。

4 人は日々成長できることを1年間話し続ける
人は、いつ、どんなときでも変わることはできるし、成長できる。
何かを始めるときにおそすぎるということはない。
行動を始めることが進歩の第一歩である。
そのためには様々なドラマの場面を担任は演出する布石を打つ必要がある。

5 叱るときは短く、ポイントを絞って納得させる
叱る場面は兎に角短く。
ポイントを絞る。
間違っても過去のことを引き合いに出したりしない。
納得が重要。


人生の言葉

2021年03月21日 08時04分09秒 | 人生論
言葉は大きな力をもつ。
とくに励まされ、絶望の淵から立ち上がるきっかけとなることもある。

人生には、何一つ「無駄」なものはない 遠藤周作

人間には騙す人と騙される人がいる
ある男がバーに入ってくる
待っていた男との会話
入り口で粗末な服の女の子が、お母さんが死んだと泣いていたので、お金をあげたよ
君も騙されたんだ 死んでなんかいないないよ お母さんに言われてやっているんだよ
そうなんだ 「よかった あの女の子のお母さんが死んでなくて」

人は3つのことから学ぶ 「人 本 旅」

「問題」児というのは、先生や親に「問題」を与えてくれる子供であり、大人は子供に「問題」を与えて子供が解かないと起こるくせに、自分は子供の出した「問題」を解こうとしない 河合隼雄

ラグビーは「理不尽」なスポーツです
だから面白いんです
だって、人生もそうじゃないですか
前に進まないといけないのに、前にボールを投げられない
ボールを持って前に進もうとしたら、タックルされる。
それでも仲間を信じて一歩でも前に進もうとするんです 平尾誠一

私が先生に望むことがあるとしたら、それは、子どもたちにこの世に自分の親以外に自分を「愛して」くれる大人がいるということを実感させてほしいということである 遠藤周作

遠藤周作さんによると「恋」と「愛」は全く違うものだという
「恋」とは「情熱」という状態
「愛」とは「努力」という行為
恋という字は、亦の下に心がある
一方愛という字は、心を真ん中で受け留めている
結婚は、恋のゴールという奇跡であるとともに、二人で愛を大きく育てるスタートである

忘却曲線

2021年03月17日 09時58分07秒 | 東日本大震災
あの有名なエビングハウスの忘却曲線。
これをもとに効率の良い記憶の仕方を考えてみる。

科学的に能率的な復習の仕方とは。
まず、1週間後に1回目、次にこの復習から2週間後に2回目、そして、最後に2回目の復習から1ヶ月後に3回目、というように1回の
学習と3回の復習を少しずつ間隔を広くしながら2ヶ月かけておこなうことがよいらしい。
そうすれば海馬はその情報を必要な記憶として判断してくれる。

歳をとると物覚えが悪くなったり、物忘れが激しくなったりすると言われるが、それは歳のせいばかりではないらしい。
その原因は、若い頃のように何回も繰り返す根気に欠けてきているという気持ちの問題も大きい。
本人が意識していなくても、学校の授業というものはそれなりに復習効果がある。
カリキュラムもそのように組まれている。

したがって、学校という環境を卒業してから、何か物事を習得したいと考えるならば、繰り返し学習するという習慣を見つける必要がある。

ノートまとめの観点

2021年03月16日 09時58分50秒 | 教育論
ノートにまとめをさせる機会がある。
とくに単元終了の区切りの良いときにさせることが多い。
そこで単元の習得状況などを把握したり、個々の学習に対する調整力を調べてたりする。

そのときの評価の観点として次のようなものがある。

1 タイトル 二ページ全体のタイトルがあるか。
2 見やすさ 見やすくすっきりまとめられているか。
3 工夫   読み手をひきつける面白さや工夫があるか。
4 イラスト イラストや絵を使っているか。
5 図    図や表など統計資料等を使っているか。
6 マス   ノートのマス目にそってきちんと書かれているか。
7 丁寧さ  文字を丁寧に書いているか。上手さではない。
8 詳しさ  大切なことを詳しく書いているか。
9 キーワード 単元の重要語句や重要事項を書いているか。
10 考え   自分の考えや感想を書いているか。

以上の観点を子どもたちに示し、目標を明確に知らせる。

saitani

経験の意味

2021年03月13日 07時30分13秒 | 人生論
令和2年度もあと3週間ほどで終わる。
来週には、卒業式や修了式が行われる。
この1年は今まで経験をしたのことのないことの連続の年だった。
新型コロナウイルスの影響による休校から始まり、リモートの授業、感染予防対策による業務負担の増加、行事の生鮮や縮小、教育課程の見直し、判断が難しいことばかりだった。
まもなく1年を終える今、大変だったという感想が大方を占めるのではないだろうか。

子どもたちが落ち着かなかったり、授業がうまく進まなかったり、また、保護者対応や職場の人間関係など精神的にも周りが想像できないど苦しんだ先生もいらっしゃると思う。
しかし、物事は始まれば必ず終わる。
あと1週間ですべてはリセットされる。
渦中にいるときには、その状況が一生続くように思えたり、一刻も早くこの辛さから逃げ出したいと思う。
私もそういうこともあった。
しかし、その経験の意味は、あとになってわかることもある。

人生には無駄というものはないもの。
しかし、後にならないと、その意味がわからないということがたくさんあるのです。
つらいことでも苦しいことでも、「体験」したことは、間違いなくその人の強みになります。
日野原重明

「苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていくことが、これからのわたくしたちの使命です」
気仙沼市立階上中学校 卒業式答辞

群青

2021年03月13日 07時09分20秒 | 東日本大震災
東日本大震災から10年目の節目を迎える。
10年たった今も多くの方々が悲しみの中にいて、どうにも整理できない気持ちを抱えながらも前向きに生きようとしている。
今を生きている私達にできることは何なのかを改めて考える。

震災に関する歌は数多くある。
「花はさく」などはその代表だろう。
学校にまつわるエピソードがある歌もある。
その中でも心に残る歌は群青である。

以下引用。

南相馬市立小高(おだか)中学校は、福島県浜通り南相馬市南部の小高区に位置した。
2011 年 3 月 で、津波により街が甚大な被害を受けた。
東日本大震災この日、3 年生の卒業式が行われ、午前中で学校は終わり、その数時間後の 14 時 46 分、地震が発生、津波によって小高の街は甚大な被害を受け、小高中の生徒 4 名が亡くなった。
東日本大震災によって、小高区が半径 20km 圏内の警戒区域に指定されたことから、小高 中学校も小高区外に避難することとなった。
津波で犠牲となった 2 名を除く 104 名の 1 年生も、大半の 97 名は小高中学校を離れ、北は北海道、南は長崎県
まで、全国に散り散りとなった。
4 月 22 日に新学期を迎え、進級した生徒はわずか 6・7 名にとどまった。
友だちが全国に散り散りとなり、原発事故で小高に戻れ ないことなど、様々な不安が生徒たちにのしかかり、わずか 6・7 名の 2 年生も、心を痛め、音楽の授 業では歌が歌えなくなっていた。
音楽の授業を受け持っていた音楽教諭の小田美樹も歌うことができ なかった。
皆が歌うことの難しさを感じていた。
ある日、歌が歌えなくなった生徒たちの授業を受け持っていた小田が、小高中を離れた生徒がどこ にいるのか把握するため、大きな日本地図に生徒の顔写真を貼り付けていたら、生徒たちが口々に 「遠いね」「どうやったら行けるの」「〇〇さんはどうしているだろう」「〇〇市はどんなところな んだろう」「でも、この地図の上の空はつながってるね」等の気持ちをあらわにした。
そこから、歌 うことができなくなった 2 年生の生徒たちと小田による詩づくりが始まった。
そして、2 年生の生徒たちが 3 年生に進級する。
津波で亡くなった 2 名の同級生の事や、遠い疎開先から今もなお戻ってこな い同級生などを思う 3 年生の気持ちを綴った日記や作文、他愛もないおしゃべりから、彼らの思いを 小田は書き留めていき、それをつなぎあわせて、「群青」の大筋の歌詞が出来上がった。 この詩に小田が作曲して「群青 - 平成 24 年度 小高中学校卒業生に捧ぐ」が完成した。
なところな んだろう」「でも、この地図の上の空はつながってるね」等の気持ちをあらわにした。そこから、歌 うことができなくなった 2 年生の生徒たちと小田による詩づくりが始まった。そして、2 年生の生徒た ちが 3 年生に進級する。 津波で亡くなった 2 名の同級生の事や、遠い疎開先から今もなお戻ってこな い同級生などを思う 3 年生の気持ちを綴った日記や作文、他愛もないおしゃべりから、彼らの思いを 小田は書き留めていき、それをつなぎあわせて、「群青」の大筋の歌詞が出来上がった。 この詩に小田が作曲して「群青 - 平成 24 年度 小高中学校卒業生に捧ぐ」が完成した。

以上、引用終わり。

生徒たちや先生の気持ちを考えると心打たれる。