飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

留魂録の終末

2012年02月25日 08時08分58秒 | 歴史
吉田松陰がなくなる直前に書き記したのが留魂録である。
その第十六条を書き終えたあと、最後に和歌を記している。

心なる ことの種々 書き置きぬ 思い残せる ことなかりける

呼びだしの 声まつ外に 今の世に 待つべき事の なかりけるかな穣

討たれたる 吾をあはれと 見ん人は 君を崇めて 夷払えよ

愚かなる 吾をも友と めづ人は わがとも友と めでよ人々

七たびも 生きかえりつつ 夷をぞ攘はんこころ 吾れ忘れめや

十月二十六日 夕暮れ時に記す 二十一回猛士

松陰はこうして留魂録の筆をおいたのである。

saitani