飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

基本的な学習習慣を育てる1

2005年08月29日 23時08分33秒 | 授業論
基本的な学習習慣育てる「聞く力」

1 聞き方の基本を身に付ける
 ・話し手に体を向ける
 ・話し手の目を見る
 ・うなずきながら聞く
 ・最後まで聞き取る
 ・わかるまで聞く

2 似ているところ・違うところを聞き取る
 ・どこが同じか
 ・どこが違うのか
 ・違うと考えたわけは?

3 考えの根拠を聞き取る
 ・根拠が適当かどうか

4 わかろうとして聞く
 ・考えの「良さ」を聞き取る
 ・聞いて考えた自分の意見をもつ
 ・自分の考えとつなげてみる

SCENE95(saitnai)

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学級集団の力

2005年08月29日 23時07分34秒 | 授業論
学級集団として授業を構成する力を育てるスモールステップ。

1 疑問をもつ・考えを出し合う。
 ・多様な考え出し合う
 ・困っていること、迷っていることを出し合う
 ・今の問題は何かを明確にする

2 既習事項を使って解くことの限界を考える。
 ・使える既習事項を探す
 ・似ている点、異なる点を探す

3 友達の考えの良い点を認めたり不十分な点を補ったりすることにより、よりよい考えを求める。
 ・おかしい点を修正する。
 ・足りないところを付け足す。
 ・似ている部分をつなげる。
 ・よいところを取り出す。

4 結論をまとめ、あたらしい問題の見通しをもつ。
 ・「これでいいか」と問い直す
 ・「何が言えるか」をまとめる
 ・まだわからないことは何かを考える

SCENE94(saitani)

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学びの基礎となる力を育てる

2005年08月27日 00時19分30秒 | 授業論
討論や話し合いの授業を成立させるための「学びの基礎となる力」は何か。
大きく二つに分けてみる。

1 授業を構成する力
 ①一人一人の力
 ②学級集団の力

2 基礎的な学習習慣
 ①聞く力
 ②話す力
 ③書く力
 
1①について考えてみる。
スモールステップを設定する。
(1)問題をとらえ、考えを持つ。
 ・図  考えを図に書く
 ・式  考えを整理する
 ・計算 考えを確かめる
 ・言葉 考えをつなげる

(2)複数の方法で試す
 ・考えを図、式、計算、言葉で表す
 ・【図形の場合】合わせる、切り取る、重ねる、測る

(3)自分の考えの良さ・不十分さを検討する
 ・はやく
 ・簡単に
 ・正確に
 ・どこでも、だれでも、いつでも
 ・仮説 もし~なら

(4)新たな問題をとらえる
 ・疑問を見つける
 ・予想をたてる

以上が、授業を構成する際に一人一人が必要になる力のスモールステップである。


SCENE93(saitani)

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問題解決を支える「数学的な考え方」

2005年08月26日 23時35分46秒 | 算数科
子どもたちが問題解決するにあたりどんな考えをもっていれば有効に働くのだろう。
このような考え方を身に付ければ、問題解決に対して適切に対応できるのではないかと考えた。
少し難しい考え方だが、思考を整理しておくことは必要だろう。

1 類推
 ・これまでの知識や経験をもとに、解決や結果の方法に見通しをもつ。
2 帰納
 ・いくつかの事象を調べて観察し、すべてに共通なパターンを見つけたり、パターンごとに分類する。
3 演繹
 ・解決のためには何を考えればよいかを絞り込む、解決の根拠を説明する。
4 統合
 ・気がついた数理や発見した数理をより高次な視点からとらえ、そこに共通な数理にまとめる。
5 拡張
 ・見つけたある数理を、さらに広い範囲に広げながらまとめる。
6 抽象化
 ・それぞれがもっている種類や違いをある観点からは同じと考えること。
7 発展
 ・解決できたある事象の条件や観点を変えて、違った角度から考察する。
8 単純化
 ・問題を部分に分けたり、簡単な場面に直したりして考察する。
9 図式化
 ・ことばでは複雑な場面を記号や数を当てはめたり図や式に表したりしてわかりやすくする。
10 特殊化
 ・数理の一般性をもとめるにあたり、こんな場合でも当てはまるのだろうかと特別な場面を設定し、検証する。

これらの考え方を複数統合したかたちで一般化があり、拡張の概念も統合の概念に近いと考える。
言葉の定義のため解釈によって異なる部分もある。

SCENE92(saitani)

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線分図の読み方・書き方

2005年08月26日 22時18分23秒 | 算数科
子どもたちが問題解決にあたるとき様々な表現方法を用いて自分の考えを説明する。
その一つに線分図がある。
その線分図をつかうとき、学級内である一定のルールが必要となる。
そのルールを理解して初めて、自信をもって使うことができ、その使い方も理解する。

          1
  1/2△
|―――――――|―――――――――|
  X円(□)

       100円○

1 いつも「○の△倍が□」という読み方をする。
 ・100円の1/2倍がX円

2 1に相当する量の部分から必ず読み始めること。
 ・○の~、100円の~

3 すべてかけ算で考えること。(わり算は計算途中に出てくること)
 ・○の△倍が□→○×△=□→○=□÷△

4 △倍と□の部分とは、線分図上では、同じ場所を表すこと。
 ・△←→□  1/2倍←→X円

5 線分図の上段には割合、下段には量を書くこと。

この五つの約束を徹底させる。
「○の△倍が□」といういい方や全体を1とするものの見方に慣れることが必要である。 

SCENE91(saitani)

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読後作文・行事前作文

2005年08月26日 18時16分27秒 | 授業論
夏休み明けにどんな活動をさせるだろう。
今後の学級経営を見通した布石をうたなければならない。
長い夏休みで、7月までに育てた学習の習慣や学習機能は忘れ去れている。
再び1から構築し直しである。
ただし、スタートを工夫すればよけいな苦労はしなくてすむ。
では、どうしたらいいのか。
それは、始まり初日に面白いネタを使って面白い授業をすることである。
子どもたちのやる気を出させる最善の方法は、面白い授業である。

夏休みあけ作文を書かせることが多い。
その時、夏休みの思い出とか2学期の目標という作文では変化がない。
もっと具体的で、子どもたちの変容が表れるものがよい。

こんな作文はどうだろう。
読後作文。
子どもたちは夏休み中に様々な本を読んでいる。
その本の読後作文を書くのである。
本から教えられたことは何でもいい、書いてみる。
読んでどんな勇気をもらったかでもいい。
読書を通して自分の心にどんな変化があったかを書く。
読書感想文のようにあらすじをかいたり、文章構成を考える必要はない。
枚数制限なしで書く。

行事前作文
これは行事前に書かせる。
とりあえず、今の時期なら運動会だろう。
意気込みを書かせるのもいいが、おもしろみに欠ける。
行事後の成長した自分を想像して自分をほめまくる作文を書く。
いわゆる嘘作文である。
この作文にはこんなよさがある。
自分に対するプラス思考が生まれる。
自分を駄目だと思わなくなる。
成長した自分を意識し、書いたとおりの成長した自分を見せようとする。
個々の成長が学級の成長につながる。
注意することは、決して自分を否定的に見る作文を書かないこと。
もちろんその通りにならなくても気にする必要はない。
自分の成長や成功をイメージして努力することは成功を収めた人なら誰でも実行していることである。
結果ではなく、経過にこの取り組みも意味がある。

とにかく、夏休みあけだから徐々にやっていこうなんて考えていると取り返しのつかないことになることは確かである。
子どもたちの前に立つ前に、計画的な実践と明確なビジョンを持つ必要がある。

SCENE90(saitani)

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学習過程の重点

2005年08月21日 23時54分10秒 | 授業論
学習課題に対して、どのような学習過程の形式をとると子どもたちが解決に向けて多様なアプローチをしてくるのか考えてみる。

まず、必要なのは既習内容の定着である。
既習内容がきちんと定着し、それを生かしたいけば、あたらしい課題に対して意欲的に取り組むことができる。
あたらしい単元にはいるような場合、既習の基礎的・基本的事項の確認と定着は必要不可欠である。
できればスキル学習とプレテストで確認と定着をはかる。

次に、望ましい問題設定。
よい問題とは次の要件を満たしている必要がある。
・学習する内容のねらい、重点にあっている。
・知的好奇心を満足させ、解決の必要感がある。
・数学的な考えを培うことができる。
・既習学習や技能を確かに豊かにできる。
・適度の困難さを内包する。
・能力に応じて種々の取り組みができる。
・一般化、拡張化が可能である。

さらに自力解決に十分な時間を与える。
問題の質と量、子どもの実態にもよるが最低でも7~8分。
できれば10分は確保すべきだと考える。

SCENE89(saitani)

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問題を解くための五つの方法と五つの見方

2005年08月18日 20時20分58秒 | 授業論
問題を解く際に、基礎的な知識や技能を生かす前に、子どもたちが問題の意味を十分にわかっていることが必要となる。
子どもたちの問題への追及意欲を高めるためには、解決の手だてや方法を日頃から意識づけていくことが重要であると考えた。

問題を解くための五つの方法

1 簡単な数や形に直してみる。
 ・数値や図形、式の形等を簡単な数値や図形、式の形に置き換えることによって、解決のきっかけを考える。

2 今まで習った数や形に分けてみる。
 ・数値や図形を既習の学習内容に分解して、新しい問題の解決のきっかけを見出す。

3 物をつかってみる。
 ・具体物を使うことにより、問題の意味をはっきりさせたり、考えを進めたりする。

4 図(面積図・線分図)や表に書きあらわすことによって、問題をとらえ、解き方を見出す。

5 言葉や式に書いてみる。

五つの見方

1 「同じ所」はどこかを見る。
 ・一つの考えが図、表、式と違った形で表されたものでも、考え方は同じととらえられる力。

2 「ちがうところ」を見る。
 ・式で表されたもの、図で表されたものどうし、似ている形であっても考え方の違いをとらえられる力。

3 どれが「簡単で速いか」をくらべてみる。

4 どれが「正確でわかりやすいか」をくらべてみる。

5 どれが「いつでも使えるか」をくらべてみる。

SCENE88(saitani)

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板書の基本的機能

2005年08月17日 16時36分50秒 | 授業論
一般的に言って板書には次のような機能があります。
1 確認的機能
2 協同思考的機能
3 授業参加的機能
4 学習方向提示的機能
5 構造的理解機能

それぞれについて簡単に説明します。

1 確認的機能
教室内で話された言葉を板書する。
教師が意図することを板書する。
このように活動する人間の言語を全員に対して目に見える形で示す、すなわち確認する役目があります。
学習課題など、教室内の子どもたちが同様に把握しなければならないようなことがらを共通に確認しあう目的があります。

2 協同思考的機能
板書した内容は学級内の子どもたちが共通に理解していることでもあります。
この共通理解がなければ協同思考もありえません。
板書は、子どもたちのとっては共通に与えられた情報でもあります。
その情報によって子どもたちは思考を深めることもできます。
討論のときなどに教師が論点を明確にしたり、子どもたちの意見を整理したりする際に使用することがこれにあたります。

3 授業参加的機能
黒板は教師のみの独占物ではなく、子どもも活用すべきものであります。
討論のように子どもたちが主体的に授業展開にかかわるときには特に、意見を黒板に書いたりする場面がこれにあたります。

4 学習方向提示的機能
板書の基本は、この1時間で何が学ばれ、どのような筋道で学習が展開されたかを示すことにあります。
特に授業の流れがどのようになっており、これからどんな方向に向かって授業が進められようとしているかが明示されなくてはなりません。
このような機能をさします。

5 構造的理解機能
通常小学校の板書は1時間に1枚というのが原則となっています。
それは学習方向提示的機能とも関連し、授業の流れが総括的に把握できやすいようにでもあります。
授業終了時には、従業内容が構造的に理解できるような板書になっていることが望ましいと言われています。
子どもたちが理解すべきことがすべて板書に網羅されてういるような板書をすることがこの機能を十分に活用したといえると思います。

以上が板書の機能です。
学年や教科によって活用方法はことなるので、教師側の授業のねらいと合致した機能を活用すればいいのではないかと考えます。
したがって、子どもたちが自分の考えや意見を書く展開もありますし、教師が自分の意図や子どもたちの意見をまとめていく展開もあります。
どちらがいいということではなく、ねらいを達成するために板書が効率的に活用されているかどうかということだと思います。

SCENE87(saitani)

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帰納的な思考による発問

2005年08月17日 01時19分17秒 | 授業論
通常の算数の授業では、学習問題を教師が提示することが多い。
しかし、問題解決学習の形態をとったり、帰納的な思考を促すような流れを意識したりしたとき、条件不十分な問題や数字は各自でいれるような問題提示をすることもある。
まったく数字を入れていない問題を提示した場合、共通に解く問題を決定するまでに時間がかかるため、その中間の考えとしてこんな出題の仕方はどうだろう。

問題
お父さんは、1時間に3/5haの畑を耕すことができます。
次のそれぞれの時間では、どれだけの畑を耕すことができるでしょう。

①3時間  ②2時間  ③3/4時間  ④1/2時間  ⑤2/5時間

このような提示の仕方をすると①②については既習事項なので、立式、答えが書ける。
そのほかについては、立式はできるが現段階では計算はできない。

授業の流れは次のようになる。

1 問題を提示する。
2 すべての場合の立式をさせる。
3 既習事項では、③④⑤は計算できないことを確認する。
4 学習課題を確認する。
  「今日は、3/5×3/4や3/5×1/2のような計算の仕方を勉強します。」
5 自分の考えた方法で、計算のしかたをノートに書いてみよう。
6 話し合いの中で、自分の計算の解き方を発表する。
7 b/a×d/c=f/eの答えを出すにはどうしたらよいかを考える。
8 自分たちが考えた面積図や数直線などから式と答えは導き出せるので、それをみて計算のしかた、すなわち、分母は分母同士、分子は分子同士かければいいことを導く。
9 どんな場合でも使えるかを練習問題で確かめる。

SCENE86(saitani)

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