飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

パレートの法則

2006年05月21日 23時21分14秒 | 学級経営
世の中には経験則や統計学、心理学から導き出された「法則」が数多くある。
例えば、アイドマの法則(消費者の商品購入の心理プロセス)、X-Y理論(管理スタイルを規定する基本的な人間の類型)、ファヨールの法則(組織階級ごとに必要とされる能力の比率)などがある。
その中でもパレートの法則はよく知られている。

このパレートはイタリアの社会学者、経済学である。
この法則は「20%・80%」の法則とも呼ばれている。
では、実際の生活場面にあてはめて考えてみるとどんな傾向が見えてくるのだろうか。

たとえば、ある問題に関係して読まなければならない本が100冊あるとして、その上位20%の本を読めば、その問題全体の80%を理解したことになる。
また、ある器械の故障原因が10あったとして、その上位20%にあたる二つの原因を取り除ければ、全体の80%にあたる故障が起こらなくなる。
さらに、ある会社のセールスマンの中で成績のよい上位20%が、会社全体のセールスの80パーセントを行っている。
会議では出席者の20%に当たる人が、全体の80%を占める発言をする。

この20%・80%の法則は様々なケースがあり、必ずしもこの割合にならないこともあるだろう。
しかし、このパレートの法則はある大事なことを教えてくれている。
それは、「大事なことを先にやれ」ということである。
上位20%にあたることを的確につかめば、「パレートの法則」によって仕事の能率が今までの4倍になるということである。
更に言えば、上位20%は何かということを正確につかむには、何が大事で何が大事ではないかということを見抜く力が必要になってくる。

(saitani)



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研究仮説について

2006年05月20日 23時56分43秒 | 授業論
研究を進めるには、研究仮説を立てる必要がある。
なぜなら研究活動は、研究仮説を検証していく活動だからである。
順序は概ね次のようになる。

1 「こうすれば、こうなるはずである」という仮説をもって授業を行う。
2 子どもの事実をもとに、先の「こうすれば、こうなるはずである」が。普遍性のある事実たりえるかどうかを検討する。
3 そうすると、研究成果として、次のことが明らかになる。

 ①「こうすれば、こうなる」それはなぜか?
 ②「こうしても、こうならない」それはなぜか?

①も②も、同等に貴重な研究成果である。
さらに、研究成果を明らかにしていくには、研究仮説にあるていどの形式的な手順や型を決める必要がある。

研究に明確な成果をもたらす研究仮説のひとつの形式が以下のようなものである。

1 このように子どもに。          (子どもの実態)
2 何を。                 (教材)
3 どう与えれば。             (教育技術)
4 子どもは、どのように変化する。     (教育効果)
5 その変化は、次のような理由で望ましい。 (教育理念)

一つの仮説をもって授業に臨むことは、大きな成果を得ることができる。
そして、さらに大切なことは仮説に正対した形で真実を結論づけることもまた重要である。

(saitani)
 

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学問はなぜ進歩しないのか

2006年05月13日 16時00分38秒 | 授業論
以前紹介した、貝原益軒の書「慎思録」の中に「いったい学問はなぜ進歩しないのか」という一節がある。
先生と呼ばれる職業は多くある。
その代表は、医師と教師である。
医師は常に最先端の医療を学び、最新の技術と知識を身に付けようとする。
なぜなら、それが病気苦しむ患者に対する医師としての誠意だからである。
医は仁術と言われるように、人柄ももちろん大事である。
しかし、患者の期待にこたえるにはブラックジャックのように優れた医療技術もまた必要不可欠である。

教師も同じである。
常に新しい教育技術を学ばなければならない。
十年たっても、同じ事を教えている教師もたくさんいる。
「○年は去年担任したから、楽だわ。」
というような発言をする教師がいるが、プロ意識に欠けていると言わざるを得ない。
教育は、国家の根底をなす最重要事項であり、人類が進歩してきたのは日々新しい知恵を生み出してきたからである。
企業で、「今年は昨年同様の方針でいきましょう」と提案されたら、その会社はどうなるだろう。
結果は明らかである。

慎思録より。

われわれの仲間たちの学問が進歩しないのは、いったいなぜだろうか。
思うに旧い学習法に疑問をもたず、故歩(古いあゆみ)を改めることだできないからである。
まさしく天地の気は日ごとに新しく変化してやまず、四季の循環する中で万物を化育しているのである。

学を志す者は、当然のことながら旧い学習法を除去して日々新たに、さらに新たにする工夫を必要とする。
旧い習慣にとらわれて旧習を改めないのはゆるされない。
もしこうした努力をするのならば、長足の進歩をなしうるであろう。
が、そうでない者は、自暴自棄に終わることをのがれるわけにはいかないであろう。

自戒の念をこめて。

SCENE189(saitani)

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プロジェクター利用の効果

2006年05月09日 22時21分54秒 | ICT
最近は教室にプロジェクターを設置して授業を行う先生も多い。
ちょっと前までは、プロジェクターはパソコン室に固定されているか、持ち運びするにもスーツケースほどもあって、いつも利用するわけにはいかなかった。
しかし、最近はプロジェクターも軽量、コンパクトになり、格段に機能性は進歩した。
では、なぜプロジェクターを使用するのだろう。

教育的意味を考えてみる。

一つめは、ビジュアル効果を生み出すこと。
大きなスクリーンに、画面を映し出す。
デジカメで撮った写真を配布したり、掲示したりするよりも、ずっと見やすくビジュアル的にも子どもたちは集中する。
適度な緊張感も生まれ、発表内容もそぼられ、意見交換も活発になる。

二つめは、「場の共有」ができること。
プロジェクターをつかい、他のグループの発表を聞いたり、意見交換を行ったり、共通も土俵の上にたつことが可能である。
モニター画面やテレビ画面でもできなくはないが、クラス全員で画面をみるとプロジェクター以外は現在のところない。

三つは、自分の考えをフィードバックできること。
模造紙や画用紙にまとめることも一つの方法としてよいと思う。
しかし、単純に考えて、パソコンによるプレゼンテーションの方が子どもたちは意欲的に取り組む。
自分の考えたことをしっかりと相手に伝えるために、自分の考えを見直し、表現方法を工夫する。
これが他の発表方法でも言えることだが、プロジェクターをつかった場合、画面が限定されている分、要約したり、ラベリングしたりする力も必要になる。
こうした見直しが効果的に行われるのも、効果の一つである。

SCENE187(saitani)

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指示対象のあいまいさ

2006年05月08日 21時22分05秒 | 授業論
日本語をつかって相手に考えを伝えようとするとき、困難さを伴う。
その原因の一つが、指示する対象があいまいになってしまうことにある。
とくに体の部位を指す言葉は、あいまいだ。
例えば、ほほとは顔のどの部分を指すのか。
また、こめかみとはどこからどこまでを指すのか。
きちんと答えられないだろう。

ここにこんな例がある。
眼とはどの部分を指しているのか。
これはあごを説明するよりも簡単なように思える。
しかし、このような表現したときすべて意味は異なる。

1 彼のめは丸い。
2 彼のめは青い。
3 彼のめは大きい。
4 彼のめはいい。
5 彼のめはくぼんでいる。

1は、上下のまぶたで作られる形を形容している。
2は、虹彩の部分を指している。
3は、眼球がまぶたから外部に露出している部分の大きさをいい。
4は、視力を指し。
5は、眼球それ自体がへこんでいるわけではなく、眼球と顔面との相対的な位置が   形容されている。

日本語が正確に聞き取れる能力とは、相手が「め」という言葉を使ったときに、この五つの意味を瞬時に判断、理解できる能力と言っていいかもしれない。

SCENE187(saitani)

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慎思録1

2006年05月07日 00時38分28秒 | 授業論
貝原 益軒(かいばら えきけん、1630年(寛永7年) - 1714年10月5日(正徳4年8月27日))は江戸時代の本草学者、儒学者である。
筑前国(現在の福岡県)福岡藩士、貝原寛斎の五男として生れる。

彼の主な著書に「大和本草」、「菜譜」、「花譜」といった本草書。
教育書の「養生訓」、「和俗童子訓」、「五常訓」。
思想書「大擬録」。
紀行文には「和州巡覧記」がある。

その中でも、特に有名なのは「養生訓」、「和俗童子訓」だろう。

あまり知られてはいないが、貝原益軒の著書に「慎思録」というものがある。
この「慎思録」の中で繰り返し説かれているのが、工夫である。
学問をする工夫ばかりでなく、日常生活の工夫も忘れてはならないと言っている。
工夫こそが新しい天地を生み出す源であるし、この創意工夫において主体性が生まれてくる。

一部を引用する。

「世間の毀誉は喜憂するに足らず」
事を実践し、行動を定める場合に、それが理に通じているならば、いかに愚俗の人々に誹笑されたとしても決して畏れてはならない。
思うに世間も毀誉は理にかなっていないものが多い。
であればこそ、それによって嘆いたり喜んだりすることは大きな間違いである。

「知と実践」
学問をする者に最も大切な点が二つある。
一つは、未知の事柄を探求し解明すること。
いま、一つはその解明したことを実行することである。

人はなぜ学ぶのか、学問の根本は何か、礼儀なくして人なしのように貝原益軒の人生哲学・文化哲学が書かれている。
示唆に富んだ書である。

SCENE181(saitani)

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ねらいとめあて

2006年05月06日 00時45分03秒 | 授業論
学習を自発的・自主的におこなるために「めあて学習」という展開の型が一般的になっていた。
ここで使われる「ねらい」や「めあて」とは何なのかを考えてみる。

「ねらい」を定義づけるとすると次のようになる。
どのような運動の楽しさや喜びを求めて学習を展開するのか、単元全体の学習活動を方向付ける目標を現す言葉。
ねらいは、運動特性から導かれ、跳び箱運動を例にすれば「技に挑戦して楽しむ」となり、また、ボール運動の例では、「チーム間で得点の競い合いをして楽しむ」となる。

「めあて」の定義は次のようになる。
運動の楽しさや喜びを求める活動の中で、今自分のもっている力でどんなことができるか、あるいはどうしたいかなど、活動内容を表す言葉である。
この活動を表す「めあて」という言葉は、つぎのような三つの中身が含まれている。
①目標を設定する。
②課題を選択する。
③活動を決定する。

すなわち、即興中心の学習過程ではスパンが短くなるので、めあて1 めあて2という流れになる。
これに対して、作品作りに時間をかける展開では、ねらい1 ねらい2 ねらい3という流れになる。

少し具体的述べると以下のようになる。

めあて1 今自分ができる○○をする。
めあて2 少し努力すればできそうな○○に挑戦する。

めあて学習の特徴は大まかに言うと次の二点である。

1 自発性の重視
2 「めあて」の自己決定の重視

次に、子どもたちの実態調査に関しても少しふれておく。

表現運動意識調査項目には次のような内容が考えられる。
1 あなたは表現運動がすきですか。
 大好き 好き 普通 嫌い 大嫌い
2 好き、大好きと答えた人はその理由を次から選んでください。
 表したいものになりきって踊ること
 ふだんの自分をはなれ、何にでもなれること
 自分の感じたことを動きで表現できること
 自由に好きなように動くことができること
 体を思い切り動かせること
 友達の表現を見せてもらえること
 いろいろな感じを気軽に表現できること
 一つの作品ができあがること
 動き方や表し方をいろいろ工夫できること
 その他

3 嫌い 大嫌いと答えた人はその理由を選んでください。
 はずかしい
 表したいことが浮かんでこない
 グループになるとまとまらない
 人に見られるのがいやだ
 どのように動いたらよいのか分からない
 その他

SCENE190(saitani)

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表現活動の評価規準

2006年05月05日 01時16分41秒 | 体育科
表現活動における評価規準は次のような観点が考えられる。

関心・意欲・態度
・進んで変身しようとすることができる。
・気持ちを込め、なりきって動くことができる。
・友達と一緒に踊ることができる。

思考・判断
・表したいものをたくさん見つけることができる。
・動き言葉やお話しを考えることができる。

技能
・表現するものの様子をとらえて動くことができる。
・体全体を使い、表情まで変えて踊ることができる。
・変化をつけたり、お話しを作ったりして、持続して変身できる。
・友達のよい動きを見つけることができる。

SCENE181(saitani)

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イメージバスケット

2006年05月04日 23時23分11秒 | 授業論
表現活動を行う際には、事前にイメージバスケットをつくるとよい。
イメージバスケットとは、テーマから思い浮かぶイメージや様子を出し合い、共通のカテゴリー別に書き込んでいく。
これにより、いろいろな気付きがあり、表現遊びの動きの手がかりとなる。
イメージトレーニングとして、イメージビンゴやウエビングを行うとイメージをふくらめる手がかりとなる。
また、イメージバスケットをもとにイメージカルタを作成して、即興表現へつなげることが活動のスタートとなる。

イメージバスケケットのグルーピングの際に書く、カードには次のようなことを含める。

1 場面を文ではなく簡単な絵で表す。

2 簡単なストーリーを書き込む。

3 動きをあらわす擬態語(口伴奏)を書き込む。

4 自分の気持ちを書き込む。

このイメージバスケットを互いに見せ合ったり、クラスで作成した場合には掲示するなどして、基本となる部分を明確にしておく。

SCENE180(saitani)

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表現運動における基本的動きのバリエーション

2006年05月03日 23時20分14秒 | 授業論
身体表現をするとき、基本的な動きをまず身に付け、その基本に変化を加えることに個性豊かな一連を動きが生まれてくる。
では、基本的な動きにはどんなものがあるのだろうか。

1 走るー止まる
  速さ・方向を変えて止まる・背伸びをして走る/しゃがんで歩く・大また/小走り

2 伸びるー縮む
  ゆっくり伸びる・上や横にも伸びる・素早く伸びる・グループで伸びる

3 回るー飛ぶ
  ボールになって回る・ころころ・ごろん・体育館の線を利用して・フリスビー

4 ふくらむー縮む
  風船になって

5 ゆするーゆれる
  ゆっくり泳ぐ・はやく泳ぐ・誰かのあとに続いて・海草になる

6 はうーのぼる
  あざらし・へび・登り棒

7 うつーたたく
  くい

8 曲がるーねじれるーもどる
  針金・二人組になって

9 押すー引く
  とびら・つなひき・いろんな方向からおす・ボートこぎ

SCENE186(saitani)  

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