飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

あなたの行く町は、あなたが来た町と同じ

2014年03月30日 06時36分57秒 | 人生論
年度末である。
人事異動も発表され、別れと出会いの季節でもある。
子供たちもそれぞれ中学校に進学し、新しい環境の中で自分を磨いていくことになる。

環境が変わると言うことは、少なからず不安と心配がつきまとう。
人間は、変化に順応するまではストレスを感じることが多いからだ。
そのときに、どのように考えることが自分を高め、磨いていくことにつながるのか。

以下、引用。

こんな有名な話があります。

大きな町の入口で、おばあさんが石の上に座っていました。

そこへひとりの旅人が通りかかり、おばあさんにこうたずねました。

「これから入っていく町は、いい町ですか?幸せを与えてくれる町でしょうか?」

おばあさんは答えます。

「あなたが住んでいた町はどうでしたか?」

旅人はこう返します。

「とても嫌な町でした。だから新しい町に移ってきたのです」

おばあさんは、旅人にこう言いました。

「あなたの行く町は、あなたが来た町と同じです」


また、別の旅人が通りかかり、おばあさんに同じように聞きました。

「これから入っていく町は、いい町ですか?幸せを与えてくれる町でしょうか?」

おばあさんは同じように答えます。

「あなたが住んでいた町はどうでしたか?」

旅人はこう返します。

「素晴らしい町でした」

おばあさんはほほ笑んで、旅人にこう言いました。

「あなたの行く町も、あなたが来た町と同じように素晴らしいですよ」

(以上、『あなたは、あなたのままでいてください』アスコム より)



誰の人生にも、長い年月の間には、いいこともあれば悪いことも起こる。

しかし、その中においても、いいことだけを探してそれを見続けていると、嫌なことの中にさえ、いいことを見つけることができるようになる。


「あなたの行く町は、あなたが来た町と同じです」

よいことを探し続ける人生でありたい。

saitani

昨日の我に、今日は勝つべし

2014年03月01日 13時12分26秒 | 人生論
剣や技といった武術の言葉を自分の仕事や生活に置き換えてみえると、日々の心構えや対人関係、交渉術などあらゆる分野に応用することができる。

柳生新陰流には、「三摩之位」という教えがある。
技の上達のために「習い」「稽古」「工夫」の三つのプロセスを重要視する。

先達に学ぶ。
千鍛万錬の稽古に励む。
剣をいかに使うかを自ら工夫する。

簡単に言うと、生活と仕事と稽古の三位一体で自分の技と心を練りあげること。

石舟斎の言葉。
「一文は無文の師、他流勝つべきに非ず。
 昨日の我に、今日は勝つべし」

自分がまだ知らない有益な一つの思想があったら、知っている人に謙虚に学びなさい。
兵法をやっているからと言って自慢気に技を披露して相手を打ち負かすようなことをやってはならない。
ただ、自分の成長のみを目的として、日々人格や品性を高めていきなさい。

いくら他人と競争して勝ったとしても、真実の人になることはできず、ひたすら自己と向き合い日々成長を重ねる以外に方法はない。

「慎独」
儒教の言葉で、自分の良心に照らしてやましいことがないよう、言動を常にコントロールすること。

saitani

2014年03月01日 12時50分38秒 | 人生論
「子貢問うて曰く、一言にして以って身を終うるまで之を行うべき者有りや。
 子曰わく、其れ恕か。
 己の欲せざる所、人に施すことなかれ。」

「恕」とは自分の心と同じくらい人の心を大事にすること。
つまり、究極の仁である。
孔子が「恕」を一番の根底に据えて生きてきたことは、曾子が孔子を指して、「夫子の道は忠恕のみ」と語った別の章句からも見て取ることができる。

saitani