飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

想像力の大切さ

2023年08月10日 07時52分18秒 | 学級経営
学級内のトラブルの原因はただひとつ、子どもたち一人ひとりの想像力の欠如である。
人間関係のトラブル、喧嘩、いじめ(自分は犯罪と言うが)等すべて想像力の欠如が原因だ。
自分の行動について、こうすれば誰かが傷つく、こう言ったら誰かが悲しむ、自分が何もしなかったら学級は間違った方向にいく、こういった想像力のなさが悲しい現実を生み出す。
思いやりの心を子どもたちに育てたいのなら、想像力を育てることだ。
自分は子供たいにいつもいう。
思いやり=想像力+行動力
どんなに優しい心をもっていても、行動に移さなければ相手には伝わらない。
思いやりの心をもっていることは美しいことではあるが、なんの役にもたたない。

身近な例で考えてみる。
「時間を守る」
このことにはどんな意味があるのだろうか。
ここで想像力を働かせる。

「時間を守れる人はどんな人ですか。」と子どもたちに問う。
自分は答えを言う前に子どもたちに問うことを多くしていたと最近感じる。
自分なりの答えを最終的には伝えるが、その前に子どもたちに考えさせるのである。
それも人間の心に関することなら、とことん。
今授業をつぶして、そんなことをしたら、ことの是非はともかくとしてクレームがくるだろう。
「これは授業よりも大切なことです」
教師なら一度は言ったことがあるセリフだ。
自分も何度も言った覚えがある。
そして、何時間にも及ぶ子どもたちの話し合いがあった。
そんな中で、真の学級経営の基盤が育まれ、子どもたちの価値観も多様になり、心の柔軟性も育っていったと思う。
今の学校をみているとそんな気の利かない、でも、大切な教育が失われている。

時間を守れる人は、約束を守る人です。
時間を守れる人は、信頼できる人です。
時間を守れる人は、自分のことより、友だちのことをう優先できる人です。

様々な意見が子どもたちから出る。
そこで子どもたちに問う。
「時間を守るということ8時10分までに朝学の準備、次の授業の準備ができていなけばなりません。
 時間を守るというのはスローガンです。
 行動ではありません。
 大事なのは自分の思いやスローガンを行動に移せるかどうかです。」

遅くても8時には登校する。
8時5分までにはランドセルが片付いている。
8時7分までには、宿題の提出がすんでいる。
8時8分までには、朝学や読書の準備ができている。
8時9分までには、朝学や読書を本気でする心の準備ができて席についている。

このような準備ができているでしょうか。
チャイムで切り替えるのではありません。
少なくとも1分前には、気持ちの切り替えができているということが先を読むということです。
先を読むには想像力が必要です。

この時点で一日のすべては決まっていると言ってもいいでしょう。
スポーツの世界でも、最初のスタートは大切です。
スタートダッシュという言葉がありますが、最初にアドバンテージをとるということはそのあとのレースを有利に展開できるということです。
場合によってはそのまま一位でゴールするということも珍しくありません。

想像力を働かせて、先をよむことは人間関係にも影響してきます。
先を読める人は友だちを待たせるようなことはありません。
先を読める人は、友だちが困っていることにも気づくことができます。
だから、先を読める人は友だちを助けることができ、信頼されるようになります。

少し努力すればみんなにもできます。
人間は心によって変わるのではなく、行動によって変わるのです。
はじめの1分の差。
これが一日を決定します。

こんな語りも今の時期に必要なことだ。
基本的ことは繰り返して指導する必要がある。
全員ができるようになるまで。

saitani